本文へジャンプ         阿部泰隆の経歴

『行政書士の業務 その拡大と限界』(信山社、2012年11月)

出版社の付けた帯によれば、弁護士も入れない専門性の確立を提言、これからの激動の時代に「街の法律家」として「飛躍するための法的知識を一冊に 行政書士から、受験生まで必読ということです。

【目  次】 ◆はコラム

 第一章 行政書士の業務とその拡大

 第一節 行政書士の業務

  一 行政書士の業務とノウハウ

  1 独占業務―書類の作成業務

   (1) 官公署に提出する書類

    ① 業務範囲/② 「官公署に提出する書類」の意義/

     ◆在日大使館は官公署に当たるか

    ③ 代書ではなくコンサル

     ◆司法書士との業際問題、裁判所、検察庁へ提出する書類

     ◆専  任

     ◆違法申請

     ◆福井秀夫『官の詭弁学』に見る入管行政の裁量

     ◆入管の申請取り次ぎ行政書士

   (2) 権利義務に関する書類

     ◆職務上の請求の濫用

     ◆定期借地権のリスク

     ◆借家人が行方不明の場合等の対策

      ① 阿部泰隆の賃貸住宅契約書案

      ② 悪徳家主の「追い出し」規制法案

   (3) 事実証明に関する書類

     ◆土地家屋調査士の業務独占に風穴?ぬか喜びのインチキ法務

     ◆測量は行政書士と土地家屋調査士のいずれの業務か

     ◆決 算 書

     ◆行政書士法違反事件

     ◆家 系 図

  二 業務の制限

 第二節 関連法規の改正と業務の拡大

  一 提出代理権の獲得

  1 背  景

  2 二〇〇一年一条の三の改正

  3 官公署への書類の提出代理

  (1) 申請代理と提出代理の違い

  (2) 代理権規定は創設規定か確認規定か

  (3) 提出代理権は独占業務か?

  4 契約作成代理権

  5 権限は明確に

  6 各界専門家の解釈

  (1) 保岡興治(前)衆議院議員

  (2) 糟谷秀剛弁護士

  (3) 兼子仁教授

 第三節 行政書士とADRへの関与

 第四節 行政書士法目的規定の改正

  一 改正の趣旨

  二 もっと明確に

 第五節 行政書士の報酬規定の規制撤廃

  一 競争政策の圧力が天の声

  二 統計の実態

 第六節 行政書士試験自治事務化の末

  一 行政書士試験自治事務化騒動

  二 不適切な反対運動の試み

  三 「施行に関する」事務がミソ

  四 条 文 化

  五 行政書士法はすべて自治事務としての整理

 第七節 逆に、電子政府に悪乗りした行政書士業務独占規定の緩和

  一 電磁的記録も独占業務に

   1 メール、フロッピーは書類ではない

   2 電子政府の法改正

  二 悪乗りする規制緩和

   1 定型的かつ容易な電磁的記録の例外

   2 恣意的立法

   3 「定型的かつ容易に行えるもの」を独占させる違憲性

   4 「経験」者はいるのか?

   5 「能力」を基準にこれからもどんどん規制緩和?

   6 守秘義務の適用除外でうまくいくか

   7 個人情報保護法による対応

   8 総理府令は?

 

第二章 弁護士法七二条と「士」業の業際問題

 第一節 業務独占の根拠

   1 業務独占と名称独占

   2 消費者保護=情報の非対称性対策

   3 外部不経済、相手方の保護

   4 裁判の円滑な運営

   5 試験制度の限界と対応策、最低保証

   6 行政書士の場合

 第二節 弁護士法七二条の解釈論

  一 一罪説と二罪説

   1 二つの読み方

   2 一罪説の勝利

   3 法の明確性の要請に合致した条文の作り方

  二 業務独占できる「法律事件」とは?

   1 法律事務と法律事件の違い

   2 「独占業務」は紛争性のあるものに限定

   3 立法も同様

   4 弁護士法七二条の小改正

     ◆注意:行政書士の多重債務整理は弁護士法違反

 第三節 弁護士以外の「士」業の垣根を下げよ

  一 縦割りの垣根を緩和せよ

   1 縦割りの規制―行政書士と司法書士の業務の区分を例に

   2 垣根を下げて、相互交流を

     ◆規制改革会議答申 二〇〇五年一一月

  二 判例は厳格

   1 最高裁判決

   2 限定合憲解釈は無理か

   3 対策はなかったのか

 

第三章 法治国家は行政書士の武器、放置国家にするな

 第一節 無茶な行政指導対策 ――農地の転用許可の例

  一 転用許可基準を法律で定める

  二 転用許可には隣地所有者の同意が必要

  三 隣人の同意制度は違法

  四 実は農水省も同じ見解

  五 組織としての対応を

  六 他の権利者の同意を求める法律は適法

   1 他人の同意を求める法律

   2 これは適法

  七 許認可における見合い規定は違憲

 第二節 行政関連の手続コスト・行政指導のコストの削減を要望せよ

  一 住民の反対による業者の負担増加

  二 細かい無駄な規制

  三 不備な国法への対応

 第三節 法律に基づかない拒否処分等

  一 法的拘束力のない通達は無視せよ

  二 法律に基づかない不認可

  三 役所の無理難題には応ずるな

 第四節 ノーアクションレター

 第五節 情報公開法を活用せよ

 第六節 行政手続法を活用せよ

  一 行政手続法とは

  二 定 義 等

  三 申請に対する処分

     ◆審査基準の例:個人タクシー事業の許可基準

  四 不利益処分

  五 届  出

  六 行政指導に負けるな

  七 この法律の意義

  八 受理拒否への救済、届出と許認可

   1 受理拒否に対する救済を廃止

   2 解釈上の混乱

     ◆閲覧と謄写

 第七節 在留特別許可の基準

  一 在留特別許可制度

  二 在留特別許可に係るガイドライン

   1 積極要素

   (1) 特に考慮する積極要素

   (2) その他の積極要素

   2 消極要素

   (1) 特に考慮する消極要素

   (2) その他の消極要素

  三 問 題 点

   1 提言の目的

   2 在留特別許可と国際人権条約

   3 在留特別許可における適正手続保障

   4 在留特別許可における審査機関の設置

  四 裁判での運用

 第八節 『役所とけんかする方法教えます』

  一 たまには役所とけんかを

  二 筋を通せば

 第九節 『弁護士のいない島から』

  一 業務独占を廃止せよ、役所のやり方を正す

  二 費用対効果が欠けている制度

  三 隣地の地主の承諾と登記官の圧力

  四 林地開発許可

  五 自動車の抹消登録の例

  六 登記の業務独占を廃止せよ

  七 業務独占を一般的に廃止せよ

  八 資格の細分化の弊害

  九 刑事事件

     ◆刑事法を活用せよ ――「パチンコ出店を妨害」と、新規業者が診療所を告訴―― 

 

第四章 これからの業務拡大の留意点

 第一節 行政手続、行政不服審査代理

  一 行政手続における聴聞代理導入改正は意味不明で中途半端

  二 行政不服審査

  三 他の「士業」の訴訟代理権

   1 税理士の補佐人から出廷陳述権へ

   2 司法書士の簡裁民事訴訟代理権・交渉権

  四 社会保険労務士の斡旋と和解の権限について

 第二節 依頼に応ずる「士」業の義務を廃止せよ

  一 依頼に応ずる義務の規定

  二 司法書士法、弁護士法との比較

  三 廃止の提案

 第三節 行政不服申立て、行政訴訟の留意点

  一 行訴法の改正

   1 改正の要点

   2 一日違いの失権を救済

   3 出訴期間は本当に必要か

   4 違法と気がつかない期間徒過を「正当な理由」で救済

  二 それでもなお残る行政訴訟の障害物

   1 『くたばれ、行政裁判』に見る「行政訴訟はムダ」

   2 障害物競走

   3 弁護過誤

  三 実例:運転免許の取消をどう争うか

   1 免許取消の手続ー意見の聴取

   2 不服申立て

   3 行政訴訟は弁護過誤の危険

   4 執行停止

     ◆期間算定の落とし穴

     ◆六カ月と九〇日の違い

     ◆到達主義と発信主義

   5 聴聞を経たら異議申立てせずに直ちに出訴を

 

第五章 規制緩和、弁護士増員の狭間の行政書士

 第一節 規制緩和の外圧

 第二節 財団法人への申請事務委任による行政書士事務の浸食対策

  一 官製市場の民間開放

  二 官公署とは?

  三 権利義務、事実証明に関する文書

 第三節 弁護士も多方面へ進出

 第四節 役所も親切に

 第五節 誰にも負けない専門家に

 

第六章 専門家の責任

 第一節 専門資格の意味~試験は最低保障

 第二節 専門家のごまかしとミス

  一 弁護士のうっかり

  二 公認会計士法改正

  三 不動産鑑定士の責任

  四 アワセメント

  五 建築士の名義貸し

 第三節 行政書士の専門性

  一 行政書士もうっかり

  二 顧客の期待に応えて

  三 簡単な例:遺言の落とし穴

   1 要 式 性

   2 自筆証書遺言

   3 公正証書遺言

   4 秘密証書遺言

   5 遺言無効事例

   6 専門家の助言を

  四 経営事項の審査における不正防止

   1 審査の厳格化

   2 行政書士の対応

 

第七章 行政書士と弁護士の住み分けと連携

  一 行政書士の段階での配慮事項

  二 開発許可の例

     ◆協議につき不同意




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