本文へジャンプ          阿部泰隆の経歴

ネット医薬品販売規制解禁、原告勝訴、国側の敗訴確定へ―平成25年1月11日に最高裁判決

最新のニュースno4で紹介したネット販売禁止に関する高裁判決に対しては、国が上告受理申立てをし、原告側が10月に答弁書を提出して反論していたところ、平成24年12月21日、最高裁から上告は受理する、平成25年1月11日に判決との連絡が来た。最高裁が逆転判決を下すには口頭弁論を要する(民訴法319条)ので、口頭弁論の通知がないから、三行半ではなく、一応理由は付けるが、結論として、ネット販売禁止を省令に委ねる授権規定が薬事法にないとの高裁判決は是認されるという判断が下される見込みである。

原告二社は、早速ネット販売を再開するが、他社は、原告が足止めを食らった3年の間にネット販売が再開されることを予期して準備しているので、原告の先駆者の利益は大幅に失われ、3年間の営業利益の喪失を含め、大損害を被っている。厚労省の対応は違法と分かっていながら、利権団体の意向で動いていたので、過失どころか故意があることは明らかである。

原告は高裁判決を受け、損害の拡大を防止するため、仮処分を申請したが、公法上の当事者訴訟における仮処分は、省令という公権力を妨げるなどといった理由(行訴法44条)で禁止されているとした。最高裁に特別抗告・許可抗告の申立てをしたが、それには返事がない。本案判決で勝訴させてもらえるので、不要とはなるが、これについても将来のためにも、仮処分が許されるとの判断をしてほしいものである。


     




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