本文へジャンプ         阿部泰隆の得意領域No.2

得意とする領域No.2

得意領域の一つとして、自治体における、「政策法学・戦略法務事業について、首長さん向け」「議員さん向け」を整理しました。

一  趣旨

 1 私の長年の公法学、特に行政法学の成果を生かした、政策法務と訴訟業務を紹介します。

2  この激動・変革の時代においては、過去の法制度を墨守して、法制マニュアル通りに運用すれば済むものではなく、新しく、将来のあるべき方向を見定めて政策を立案し、それを法制度(条例、規則に限らず、内部の運用指針、審査基準、処分基準、契約のルールなども含めて)として具体化する(これまでも法制度を改善する)とともに、それを実行に移し、紛争が起きても、司法審査に耐えられるものを作ることが不可欠です。

 しかし、そもそも、昔の法学教育においては、すでにある法令や判例の意味が何かや運用、事例が違法かどうかを論ずるだけでした。さらに進めて、より合理的な仕組みを作る立法論を行うことは、立法論に逃げることで、解釈論を行う頭がないからだと蔑視されていました。そこで、こうした政策法学・戦略法務は、これまでの法学教育にはなく、関連する経済学などの学問も、法制度の形にするような具体的・実践的なものではありません。 

 総務省、都道府県に相談しても、判例、実例、理論を総合したような教示が受けられるわけではありません。 

私は、日本の法システムの体系や運用を分析して、その課題を抽出し、新しい法制度を作るために、政策法学をかねて提唱し、解釈論の外、立法論にも関わるたくさんの書物を公表してきました。また、条例制定・要綱改正についてもある程度関わり、裁判実務も実践して、司法審査で違法と指弾されないような法制度の作り方も研究してきました。

 3  もちろん、その前に、違法と指弾されないように、現行法の解釈をきちんと行う、訴訟業務を行い、その前に予防法務を行います。法令コンプライアンス体制の構築です。首長は部下の違法行為を阻止しなかったという理由で、あるいは前からのやり方を踏襲したという理由で、住民訴訟で敗訴する、行政訴訟・国家賠償訴訟で敗訴するということが起きます。そうしたことのないように事前に予防策を講じます。訴えられたら、まっとうな理論に基づいて検討して、筋の通った解決策が得られるように努力します。さらには、関連して、内部告発や市民の相談も担当して、ともかく違法行為を防止し、行政を浄化します。それが首長にとっても利益となるものです。

 なお、組合やどこかの団体と癒着して票を得ようとする首長は必ず違法行為を犯すので、私には縁がありません。自分はもちろん、部下にも違法行為はさせない、政治判断、行政判断の前に法律の枠があることを自覚することが不可欠です。

 

二  事業内容

 具体的な事業としては下記のものが考えられます。これらについて、種々議論の上解決の方向を提示します。

     政策法務  法制度の創造

首長部局においても、首長や原課が考える政策案をブラッシュ・アップする。

無限であるが、拙著『政策法学講座』、『やわらか頭の法戦略』参照。

最近の例:まちづくり条例、自転車交通条例、空き家条例、ペット火葬場条例、債権放棄条例、公営住宅管理条例、各種指導要綱の改訂。

    住民訴訟対策  住民訴訟において違法過失ありと指弾されないように、業務を総点検する。

これまでやってきた、前任の首長からの引き継ぎだというだけでは、違法な運用に関与させられる。組合や有力者の要望だというのは、特に危ない。先例や周辺自治体の相場ではなく、市民の信託に応じた公金の使い方の観点から業務仕分けが必要である。

 職員への記念品が実質的に給与に当たらないか、非常勤職員に条例に基づかずに実質的に退職金まがいのものを支給していないか。外郭団体に派遣する職員の給与は、本当に無給にしているか。補助金で補填していないか。関連団体に補助金とか委託金と称して、支払う理由もないのに、長年の因縁で払っていないか。契約では、一般競争入札・随意契約が適切に運営されているか。価格に問題があるとき、複数の鑑定を取っているか。首長が独走して、特定の業者に仕事が行くようにしていないか。

    予防法務・訴訟法務

行政訴訟、国家賠償訴訟において違法の指摘を受けないように業務を総点検する。

例:行政指導と称して、違法に強制していないか。まちづくり条例などで、行きすぎ規制をしていないか。行政手続法(条例)を正しく理解して、審査基準、処分基準をきちんと作っているか、聴聞通知書時点、処分時にきちんと、処分基準の適用関係まで含めて、理由を付けているか、政治的な理由や住民の反対を受けて、筋の通らない処分をしていないか。学校にいじめや体罰があるのを、きちんと見逃さない、隠さないシステムをおいているか(組織の腐敗・隠蔽体質を防止しているか。教員の事情聴取をするだけでは、泥棒に警察官でもない人が聞くようなもので、否定されるだけ)、プール事故が起きないように飛び込んでも大丈夫な設計がなされているか、監視員の監視は十分であるか。

    講義

阿部泰隆の著書に基づいて、行政法解釈学、政策法学の講義や演習を行う。これは教科書の中ではもっとも詳しく、実務に必要な情報を提供している。

    内部告発

法令コンプライアンスの観点から、違法行為を行っていることを告発する内部告発について、首長直属で通報を受けて、完全守秘義務履行の上、問題点を解明して、首長に対応策を提案する。

関係部署に回しては、臭いものに蓋をすることになるので、首長直属、首長は、違法行為は自分は絶対せず、部下にも許さないと定めることが先決。

    市民相談の窓口

住民の不満について訴訟には至らない程度のものでも適切に処理するような窓口を設置して、オンブズマン的な役割を担う。窓口の不適切対応、杜撰な行政指導、学校における体罰、いじめ、職場でのセクハラ、パワハラなどについて、適切な解決策を講ずる。

 

以上は首長さん向けですが、政策法学・戦略法務事業についてー議員さん向けーについてもほぼ同様です。

            議員の方々におかれては、政府や首長の政策に対抗して、新しい法案・条例案を作るとき、あるいは、施策、各種の内部の要綱、審査基準などを作るとき、その案のコンセプトの段階から、工夫をして、論点を摘出し、複数の案を、それぞれ利害得失を示しつつ提案する。

    政府や首長の政策や運用に対して、どのような問題点があるのか、どの観点から批判すべきか、法解釈論、法政策論の観点から、指摘する。質問をどのように行うべきか、相談する。

    

関連する主要著書

 『行政法の解釈』(信山社、1990年)       

 『政策法務からの提言』(日本評論社、1993年)

 『大震災の法と政策』(日本評論社、1995年)

 『政策法学の基本指針』(弘文堂、1996年)

 『行政の法システム上[新版]』(有斐閣、1997年)

 『行政の法システム下[新版]』(有斐閣、1997年)

 『〈論争・提案〉情報公開』(日本評論社、1997年)      

  『内部告発(ホイッスルブロウワァー)の法的設計』(信山社、2003年)

  『政策法学講座』(第一法規、2003年)

『行政法の解釈(2)』(信山社、2005年)

 『やわらか頭の法戦略』(第一法規、2006年)    

 『行政法解釈学Ⅰ』(有斐閣、2008年)

 『行政法解釈学Ⅱ』(有斐閣、2009年)

 



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