物流ABC | ||
1. 物流ABCとは 「物流コストを物流管理に使えるように把握する」ということを目的として開発された原価計算手法である。 ※ 物流コストを目に見える形にする ※ 物流現場での省力化・効率化の推進や業務に応じた適正な料金設定が可能となり、ひいてはそうした取り組みにより 少しでも地球環境への負荷軽減がすすむことを期待しております。 @ ABCは、Activity-Based
Costing の略で「活動基準原価計算」と訳されます。 A ABCとは、活動ごとにコストを集め、活動ごとの原価を計算する原価計算手法。 B コストを活動別に算定すると、コスト発生のメカニズムをつかむことができます。
なぜ物流コストが上昇しているのか、何をすればコストを下げられるのか、一目瞭然になります。 C 「梱包1個あたり○○円」とか「出荷1ケースあたり××円」といった活動の単位あ たりコストがわかるの で、業務の改善を行った場合にコストがどう変わるか、具体的 に試算することができます。活動(アクティビ ティ)別にコストをとらえることによって、どうすれば物流コストを下げることができるか、わかるのです。 2. コスト算定範囲 物流施設ごとの算定を行うことになります。複数の物流施設をお持ちの場合、一ヶ所ずつ、コストの算定・コスト低減 のシミュレーションを行っていただくことになります。 管理部門などがある場合、この費用は算定対象外となります。 3. コスト低減の検討が可能な範囲 このソフトでは、物流コスト低減の検討が容易に行えるよう、基本的な物流コスト削減策を計算式として示してい ます。各方策について、実現できた場合に「いくらコスト削減ができるか」を計算できるようにしています。 用意されている物流コスト削減のメニューは、基本的に現行の作業システムはそのままとして、コスト低減の余地を 検討します。 4. マニュアルの概要 このマニュアルを利用すると、あなたの物流施設でかかっているコストを活動別に算定することができます。また、 効率化のために何をすれば、どのくらいコストを下げられるかを知ることができます。 このような計算をするために、「物流ABC」という原価計算手法をとっています。このマニュアルでは計算ソフトを 用意し、物流ABCによるコスト算定が容易に行えるようにしています。 4.1. 物流コスト算定・効率化ソフト このソフトは、マイクロソフト社の計算ソフト「Excel(エクセル)」上で動く計算プログラムです。 以下の中小企業庁のホームページからダウンロードすることができます。 http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/buturyuu_ABC.htm ソフトが指示する情報を入力していただくことにより、物流ABCに基づいたコスト算定や、物流施設にかかわる トータルコストの算定が容易に行えるようになっています。 また、様々な切り口から物流効率化の方法を示しており、効率化の余地を具体的に算定することができます。 4.2. マニュアル活用のためのガイド集 このマニュアルを活用するためのガイドを7種類用意しています。必要なものを使い分け、物流コスト削減への取組に 役立ててください。中小企業庁のホームページからPDFファイルでダウンロードができるようになっています。 ガイド−1
マニュアルの概要 「物流コスト算定・効率化マニュアル」を初めてお使いになる方に、マニュアルの全体像などをご紹介するものです。 物流コスト算定にあたって、物流ABC(活動基準原価計算)の方法をとっているのが、このマニュアルの特長です。 物流ABCを使うとどんなメリットがあるのか、またこのマニュアルで何ができるのか、簡単にまとめています。 ガイド−2
【算定編】【データ編】操作ガイド 「物流コスト算定・効率化ソフト」のパソコンへのインストール方法のほか、【算定編】および【データ編】の操作 方法を説明したものです。ソフトを使用する際にはお手元に置いてご利用ください。 ガイド−3
【算定編】入力データ準備ガイド 「物流コスト算定・効率化ソフト」【算定編】に入力すべきデータについて説明したものです。必要なデータのとり方 についても説明しています。ソフトの【算定編】にデータ入力が済むまでは、操作ガイドと同様、ソフトを使用する際 にはお手元に置いてご利用ください。 ガイド−4
【データ編】【検討編】による算定結果活用ガイド 「物流コスト算定・効率化ソフト」【算定編】への入力が済んだら、このガイドをお手元に置き、【データ編】や【検討編】を開いてみて ください。 【データ編】では様々な切り口から物流コストの状況をご覧いただくことができます。 このガイドは、把握された物流コストデータをどのように活用するか、たくさんのヒントを示しています。 【検討編】では、物流効率化のメニューが示され、実際に取り組んで実現できた場合にコストはどう変化するか、 コスト削減が期待できる金額を計算することができます。 ガイド−5
用語集 ソフトを使った検討をする際に知っておくとよい言葉や、物流ABCをより深く理解するために必要な用語の解説をし ています。いつでも読んで参考にしてください。 ガイド−6
FAQ このマニュアルを活用するにあたって、多くの方が陥りがちなポイントを整理しています。困ったことがあったときに 参考にしてください。 ガイド−7
物流効率化事例集 物流ABCを応用して物流コストを削減した事例を中心に、物流効率化の事例を紹介しています。いつでも読んで 参考にしてください。 5. 物流ABCの手法を採ることによるメリット 5.1. 原価計算手法 「人、施設、機器にそれぞれいくらかかっている」ということはわかりますが、これでは、コストを削減しようという ときに、どこから手をつけるべきかわかりません。 物流ABCによるコスト算定を行うと、「どの活動にいくらかかっているのか」を明らかにできます。このため、 例えば「この活動をスピードアップして必要な人員を減らすと、これだけのコスト削減になる」ということが計算でき ます。コスト低減効果の高い取組を発見することができるのです。 5.2. 現場の無駄を発見する 物流ABCの計算過程では、物流施設内の活動ごとに、作業時間や作業量について、現場の生のデータを把握していき ます。このため、算定の過程で作業に関わる問題点が明らかになってくることが多いのです。 作業に関わる問題点は、計算の結果、コストとして算定されますから、作業の無駄を改善すれば、これだけのコスト削 減につながるという計算も行えます。 5.3. 物流サービスのコストを計算し、顧客別に採算を分析する 多頻度少量の納品や、流通加工といった物流サービスには、相応のコストがかかっています。このような物流サービス に、どれだけのコストがかかっているか、物流ABCによって計算することができます。 物流サービスのコストが計算できれば、顧客別の採算分析が可能になります。お得意さまと思っていた顧客が「実はほとんど 儲かっていなかった」ということもありえます。 顧客別コストの算定結果を用い、作業負荷に応じたコスト負担を求めれば、どれくらい収益を改善できるか検討でき るようになっています。 5.4. 共同物流施設の利用料金を公平に設定する 協同組合の物流施設など、複数の企業が共同で物流施設を利用する場合、それぞれの企業が顧客に対してどのような 物流サービスを行っているかによって、物流施設の作業負荷には大きな格差が生じます。 作業負荷の格差を反映させないで利用料金を設定すると、利用している企業の間で不公平感が生じます。物流ABCに よって物流コストを算定すると、作業負荷を正確に反映した公正な利用料金の算定根拠となります。 このことは、利用料金を徴収する側だけでなく、共同物流施設を利用する企業にもメリットがあります。物流サービス 水準によるコストが明らかになるために、利用企業は、物流サービスの見直しや物流サービス水準を反映した料金体系 を構築するなど、収益改善のための具体的な取組が可能になるのです。 6. 物流コスト算定・効率化ソフトの概要 ソフトを使った算定と検討のワークフロー
7. 物流コスト算定・効率化検討の進め方 ※ ここでは、「物流ABC」の内容についての概略を説明しているに過ぎません。 詳しくは、下記中小企業庁ホームページで確認してください。 出典: 中小企業庁 物流ABC準拠による物流コスト算定・効率化マニュアル
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