中小企業における「業務プロセス改善そして改革・全体最適」への一考察 | ||||
ここでは、「業務プロセス改善そして改革・全体最適」に取り組むにあたり、「なぜ必要なのか?」「どのように理解すれば よいのか?」についてサイト管理者のレベルで考えてみようと思う。 |
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◆ 現状認識 現在、巷には多種多様な情報が満ち溢れており、それらを利用することによる「効率性・利便性」も 広く云われている。 これらの利用を検討する中小企業は、いったい「どれを?」「なにを?」「どのように?」選び、 「どのように活用すれば、良い成果が得られるのか?」と云う問題に直面しているのが現状であろう。 また、中小企業の多くは「IT(ICT)に関する投資」、「IT(ICT)に係る人材の不足」等の問題も抱え、 「IT(ICT)導入」に及び腰の中小企業経営者が依然として多いのも現状である。 では、中小企業は「IT(ICT)導入」にどのような考え方でのぞめばいいのだろうか?
◆ 企業にとって重要なことは 「企業価値の向上を目指すこと」で、そのために必要なことは、 1.適切な情報開示 2.緊急事態への対応能力 3.業務の最適化と効率化を可能にするIT導入 4.コンプライアンス・生産性・スピードのバランスの取れたアプローチ が考えられる。 ◆ ナゼIT(ICT)化? 1990年代から続いた長い不況期の影響を受けた中小企業が、数多くあるのは周知の如くである。 そこで、中小企業を取りまく内部的・外部的環境変化にスピーディーに対応し、継続的な成長を 目指して行くために、次項で取り上げる「手法・考え方」を取り入れ、「業務プロセスの全体最適」を 目指そうとする考え方が必要だと考える。その際のカギとなるのが「IT(ICT)化」である。
IT(ICT)化そのものは目的ではなく手段である 「いい製品・いいサービス」を持たない企業がIT(ICT)を導入したからといって、「成功出来ないであろう」と いっても過言ではないと思う。IT(ICT)さえ導入すれば何とかなるのでは?」との甘い考え方は、企業にとって「命取り!」に なる可能性がある。
人 = 適応性、柔軟性に優れている コンピュータ = 作業の安定性、継続性、正確性、速度に優れている IT(ICT)化 = 互いの得意分野を人とコンピュータが分担、総合的な業務効率化を目指す
◆ IT(ICT)導入前に自社の現状を把握・分析 現状を把握・分析して「何のためにITを使うのか?」「どのようにITを使うのか?」「誰がITを使うのか?」を 検討・認識する必要がある。
「業務(経営資源)の棚卸」 > 「重複・不要資源の統廃合」 > 「業務分析」 > 「業務のあるべき姿・ワークフロー」 > 「可視化」 > 「一元化・統制」 > 「全体最適」
◆ 業務分析を進める (1) 現状の業務分析 = 業務の現状を担当者からヒアリングして確認 > 「5W1H」の考え方を取り入れた 「業務フロー作成」 ⇒ この業務分析が最も重要である。 「5W1Hの考え方」+「情報のinput、output」を組み合わせる。 (2)
問題点の分析 = 現状の業務の問題点を明確にし、改善の優先度を決める。 (3)
改善策立案 = 問題点の改善策を立案する。改善策の「目的」と「効果」を明確にする。 (4) 新業務プロセスの設計 = 問題点の改善策を取り入れた新しい業務プロセスの設計を行う。
◆ 現状を把握・分析
そして、業務プロセス改善・改革への手法・考え方 下記に代表される手法・考え方を効率良く組み合わせれば、「計画→調達→生産→販売→物流→アフターフォロー」 といった企業業務の全プロセスをカバーできる。 がしかし、これらはあくまでプロセスを効率化させるものであって、その成果を導くためには、処理されたデータを いかに経営ナレッジとして生かすことが出来るかにかかっている。
最終的な実行者は「人・組織」である 構築されたシステムを使いこなせる業務プロセスや組織になっているか
1.「BPRの考え方」 再検討・再設計 既存の組織やルールを見直し、プロセスの流れのなかで職務、ワークフロー、管理システム、情報システムを 再検討・再設計する。
2.「VCの考え方」 分解・分析 特に、付加価値が付与されるプロセスを細かく分解・分析し、どこに問題点があるのかを見極める。 問題を見極める(可視化)と問題解決の糸口が明確になる。
3.「BPMの考え方」 整理・分析・改善・検証 業務のプロセスを整理・分析し、どうすれば効率的・効果的に仕事ができるのかという改善と検証を継続的に 行うことを考える。そして、改善のサイクルを継続的に回す。
4.「ERPの考え方」 経営資源最適配分
経営資源管理 企業は、経営資源である自社の「ヒト、モノ、カネ、情報」を最適に配分し、管理・運用することによって、 利益の最大化を図ることをその目的としている。
5.「SCMの考え方」 経営効率化・全体最適 「経営効率の向上」、「全体最適」を実現する経営管理手法の一つで、「原材料や部品の調達から最終顧客までの 製品やサービスの流れを一つの供給の連鎖」ととらえたもの。 「モノの流れを適切に管理」、「情報の流れを適切に管理」、「全体最適を目指す」、「顧客の視点からの発想」等、 各階層や部門に応じた、解決すべきさまざまな課題に取り組む。 SCMは「システム」ではなく「概念」である
6.「CRMの考え方」 顧客対応 顧客管理 商品やサービスを提供する企業が、顧客との間に長期的・継続的な信頼関係を構築し、その価値と効果を最大化 することで、顧客のベネッフィトと企業のプロフィットを向上させることを目指す総合的な経営手法。
◆ 「全体最適」の考え方 1.全体最適とは 「その企業の全ての経営資源の機能が、横断的に連携・管理されている状態にあること = 企業内の全ての資源が一元管理・可視化されており、すべてのデータが共有化されていること」 2.部分最適とは 企業内のある一部門だけの効率化を目指す考え方。 但し、各部門が「部分最適」を目指すために、全体として非効率な状態が生じる恐れがあることを認識しておく 必要があるが、「部分最適」をないがしろして「全体最適」を追求するべきではないと考えられる。 「部分最適を積み上げていっても、全体最適に至らない場合がある」 「最適とは何?」、「最適でないのは何?」は、評価する時の価値観・考え方による。 「部分最適」を追求しながら、その成果を企業全体の流れの中で評価して、再度「部分最適」を改善し、 「全体最適」を展開していく方法が考えられる。 ◆ 「業務プロセス改善そして改革・全体最適」を目指すために 企業の全業務の流れを、「再検討・再設計・分解・分析・整理・改善・検証」することで、「経営資源の棚卸」を 徹底して行い、スリム化した経営資源の「一元管理・可視化・共有化」を図る。 更に、「経営資源最適配分・経営効率化・全体最適・顧客対応」へと進み、中小企業にとって有利な展開を 導き出そうと考える。 内部的・外部的環境変化に着実に対応して行くには、「業務プロセス改善そして改革・全体最適」への継続的な 「プロセス改善のマネジメントサイクル」を回し続けることで可能になると考える。
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◆ プロセス改善のマネジメントサイクル |
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