TOC の考え方    
スペル Theory of Constraints
出現時期

1970年代後半 のOPTに由来、TOCの出現は1984年

 イスラエル人の物理学者、エリヤフ・M・ゴールドラット博士による

対象 制約理論、生産理論
主な関連用語 SCM、トヨタ生産方式
内容 

「工場の生産性は、ボトルネック工程の能力以上には絶対に向上しない」

生産工程の中にはボトルネックとなる工程があり、それが全体のスループット(生産量)を決定する。

最適生産のためには工程全体のスケジュールをボトルネック工程の能力に合わせる必要があり、生産性向上のためには

ボトルネック工程を重点的に改善すべきである。

 「制約条件の理論」という表現は、「ボトルネック工程がラインの全体スケジュールの制約条件となる」と考えたことに由来する。

出現の背景

1970年代後半に、生産スケジューリングの相談を受けたことをきっかけに開発した生産スケジューリングソフトウェア、OPT

Optimized Production Technologyに由来する。

ゴールドラット博士はその後、「改善の5ステップ」・「思考プロセス」・「スループット会計」・「クリティカルチェーンプロジェクト管理」

などの方法論を提唱し、TOCは単なる生産スケジューリング理論から企業全体の収益最大化のための経営革新手法へと

発展してきた。

TOC導入効果

1. スループット(売上−原材料費等の真の変動費)の増加

2. リードタイムの短縮

3. 品質向上仕損じの減少

4. 納期遵守レベルの向上

5. 在庫の減少

6. サイクルタイムの短縮

7. 督促の減少

8. 原材料の購入から始まり、現金になって企業に戻ってくる

9. サイクルの短縮による資金回転率の向上

10. 顧客からの信頼性向上、顧客への納入ロットサイズが小さくなることによる顧客の在庫の減少

TOCを構成するもの

1.  スケジューリング・プロセスを含むロジスティックス

2.  スループット、在庫、業務費用を中心の概念とする業績評価システム

3.  ゴールドラットが開発したといわれる問題解決思考プロセス 

TOCの進め方 (改善の5ステップ

1. ボトルネックの特定。

  真の制約条件から重点的にかつ真っ先に取り組む。

2. ボトルネックをどう活用するか決める。

3. 他のすべてをステップ2の決定に従わせる(同期化、ドラム・バッファー・ローブの考え方)

4. ボトルネックの能力を強化。

5. ステップ4でボトルネックが解消したら最初のステップに戻り、このサイクルを常に回す。

TOCによる経営革新ツール

1. 思考プロセス

    TOC(制約条件の理論)の中で最も重要なもので、『何を変えるか』『何に変えるか』『どうやって変えるか』に対して

  答えを導き出す。

2. DBR (ドラム・バッファー・ロープ)

    工場全体をネック工程に同期させる生産を行うことで、実現のための手順が「継続的改善の5ステップ」。

3. クリティカルチェーン

    人間の行動特性とアルゴリズムに目を向け、全体最適化(安全余裕の集約)の観点から開発された

    プロジェクト管理手法。

4. スループット会計

  製造業における、時間当たり利益をマネジメントする方法論で、  有限な「時間」の概念を取り込んで利益を

  企画する。