● 新穂高温泉で


妻を心底より愛しているのに、それでいて、妻が他の男に抱かれることに、異常な興奮を覚える中年男です。

背徳の陰を引き摺りながらも、体を噴き上げる悦びをこらえ切れず、夫の傍でよがりの声を洩らしてしまう妻・・



鬱陶しい鉛色の空から、ようやく冬の晴れ間が顔をのぞかせたある日、

私は、そんな妻の姿を思い浮かべながら、妻を伴って、1泊2日の温泉旅行に出かけます。


今回は温泉へ出かける前に妻と話し合い、紆余曲折の末、もし機会が訪れたらそのことを行うことを了承してもらっています。


幾分、期待薄ですが、ご縁があれば、見知らぬ男に妻を抱いてもらうことになるかもしれません。




初めに、現在の赤裸々な心境を告白します。

一言で言うと、このような他人様に言えないふしだらな行為を繰り返している自分が、怖くなってきたのです。

迷う心を・・揺れる思いを・・見つめなおして、今後のことを整えたいと思って綴ります。



私が、変わってしまったのは、Webサイトの乱交体験や寝取られ体験告白にログインしてからでした。

体験談を読みながら、その片隅に添えられている、うっとりとして官能の世界に身を浸している女性の姿を見ていると、胸の動悸が激しくなり、

写真の中の女性の裸体を、妻のそれに置き換えてしまいます。


すると、下半身から、じわ〜っとした甘ったるい疼きが湧いてきて、例えようのない興奮が体を駆け巡ります。


(見知らぬ男の極限にまで怒張した肉茎で、荒々しく妻を貫き、こらえようがない程の悦びを彼女に与えてあげてほしい・・・)


(膨れあがった勃起から、露わな秘部の奥深く、白い欲望の精を噴き出して欲しい・・・)


このような淫靡な妄想が、密かな願望となって、私の心を支配し始めたのです。



そのことを始めてから現在に至るまで、私たち夫婦が経験したことは「体験談」として投稿させていただきましたが、

すべて、首尾よく事が運んだ訳ではありません。


これまで書くことを控えてきたのですが、男と妻との交わりを、夫が傍から眺めるという特異なセックスについて、


振り返ってみると・・・

妻の了承も得て、男と打ち合わせをしている間に、お互いの思いが噛み合わず、破談に終わったこと・・・


とあるカラオケバーで意気投合した後、「奥さんを、一夜お願いできませんか。」と、あからさまに求められたのですが、

妻が、その男性とどうしてもその気になれず、お断りしたこと・・


今回のように、妻を抱いてもらう男性との偶然の出会いを期待しながら、旅行というより“放蕩の旅”に出かけたことなど・・


腹立たしさを覚えたことや恥ずかしい思いをしたことが、幾つかありました。



でも、こんな如何わしい行為を続けている訳ですから、それに伴って、相応の心配事や悩み、危険が付きまとってきて当然なのです。



(もし、妻の心の中で、私と過ごす日常生活のことより、男とのセックスの方に、比重が傾いていったら・・)



(夫への背徳と官能・・忌まわしいことを繰り返しているうちに、やがて妻がそのことに耐えられず、我慢の糸が切れて、

ある日突然、離婚を迫られたら・・)



きっと妻も、単調で平凡な私との毎日の生活の中で、それなりの幸せや満足を感じているとは思いますが、

同時に、「危ない橋を渡っている」ということも、実感しているはずです。

そして多分、「二人の約束」がそのうち崩れていくのではないかという不安も感じていると思います。


そんなことを思うと、不安がつのり、落ち着かない気持ちになってきます。



ある讃美歌の一節に、「心の悩みを包み隠さず述べれば・・罪、咎、憂いなどの心の重荷が取り去られる。」とありますが、

連れ添う時に誓った貞節を、欲望のおもむくまま自ら破った者を、悩みの淵から救い上げてくれる主が現れるとは思えません。


また、「お互い、割り切って・・つかの間の火遊びということで・・」と、短絡的に考えても、この不安は解消されません。


このような不安を取り除き、それでいて忌まわしいことを続けたいならば・・自分自身が相応の努力をするしかないのです。

お互いを慈しみ、絶対的な信頼を寄せ合うこと、

平生の家庭生活において、ゆとりと安らぎを覚える時間を共有すること


端的に言えば・・

二人で過ごす時間を楽しいものにしたり、妻に優しい言葉をかけて労わったり、
妻の負担を減らすべく家事を分担したりしなければなりません。


こうして、自分の心を見つめ直してみてわかったことは、このようなことを行う以上、心配事や不安が何かによって清められたり、

完全に払拭されるということはないということです。



幸い、このような不安を抱きながらもここまでは、おぞましい行為を行ったが故の不幸なこともなく、平穏無事な毎日が続いていますが、

これから先も幸せな毎日が続くという保証は、どこにもないのです。



そんなリスクが潜んでいることを十分に承知しながらも・・私は悪魔の誘いを振り払うことができません。


とにかく、ここしばらくは、ちょうど初めて異性と交わってからの数ケ月と同じように、そのことばかりに夢中になってしまうのです。


この「寝取らせ願望」は、然るべき時期が来たら鎮まる一過性の「癖のもの」なのでしょうか、

それとも、「痩せは治っても、癖は治らない。」と言います。もしかして、私の精力が衰えるまで、この願望は私の心に巣食っているのでしょうか。



何が、私を、そのような方向に駆り立てるのか?

妻が、良妻ぶりを発揮すればするほど・・別にそのことが疎ましい訳ではないのに、このようなことを求めたがるのだろうか、


見知らぬ男に抱かれるその都度、妻が奏でる喘ぎの音色が微妙に異なっているのが、私をたまらなくさせるのだろうか、


もしかして、この願望は、自分では気がつかない妻に対する歪んだ情愛、または信頼や絆の裏返しの感情なのだろうか、


それとも、私の心の奥底に、妻を虐げることに悦びを覚える加虐性・・裏返せば、自分自身を甚振る被虐性が潜んでいるのだろうか?





そしてまた、妻と行きずりの男が、交わる場面を迎えてしまいます。

それは、妻と二人で新穂高温泉へ出かけた時のことでした。



夕食前に一風呂浴びようと思って、内風呂でゆったりしていると、一般のお客さんなのでしょうか、

30歳半ばに見える男性が、私の傍で蹲踞の姿勢をとり、掛け湯をしながら股間を洗い始めました。


自分の傍に来た男性の逞しい姿を目にすると、同性であっても、ついつい男の股間の方に目が行ってしまいます。


タオルの隙間から垣間見える男の印を目にした私は、その並外れた大きさに唖然とし、眼が股間の一物に釘付けになってしまいました。



(萎えているはずなのに、私の勃起時を上回る大きさだ。長さは勿論だが、その亀頭の膨らみも尋常なものじゃない。

その時になったら、どんなに凄くなるのだろう。)



私の脳裏に、ほとんど飢えにも似た疼きが湧いてきて、彼がサウナ室に入るのを追いかけるように、後に続いていきました。



彼は、私より二段ほど高い所に座っているため、下から見上げると、手ぬぐいの下に垂れている彼のものが鮮明に見えます。


この麻痺したような、疼くような興奮は、一体 何なのでしょうか。

男が見惚れてしまうほどの立派なものに対する驚嘆? 私にはないものを持っている男への羨望?

もちろん、それらの気持ちもあると思いますが、心の底では・・



(適わぬことだが・・もし、妻の膣奥深く、彼の怒張しきったものが分け入って・・そして、その中でスラストを始めたら・・?)


こんなことを思ってしまうのです。


チラチラっと彼の股間に目をやっていると、私のものも次第に大きくなっていきますが、それでも彼の平常時のそれに適いません。


二人だけの限られた空間で、胸の動悸を悟られないようにしている自分がいましたが、こんな心に棲む妄想を、

見知らぬ方に打ち明けることはできません。


内心、「妻の一夜のお相手を」と、密かに思ってはみるものの、突然そんなことを言い出すと男に蔑みの目で見られるようで、躊躇してしまいます。


火照った体を・・欲情したものを・・水風呂で鎮めながら、浴場を後にしました。





部屋に戻ってから、夕食・・湯上りの妻と合い向かいになって、手酌酒をしながら・・

「今日は、特別寒いみたいだね。こんな日には熱燗が一番だよ。さぁ〜、ひとつ、イケよ。」と、妻に勧めます。



ひとしきり、観光客が集まる町の魅力や旅先で目にしたことについて話を交わした後、妻が私に語りかけます。



「あなたに、注いでもらうなんて久しぶりね。何だか、嬉しそう・・私との旅が、そんなに楽しかったの?」

それとも、どなたか、お目当ての男性が見つかったのかな?」



「待ち合わせている訳じゃなくて、偶然のハプニングを期待して来たんだから、そんなにうまくいく訳ないさ。

密かに期待していたんだけど、どうやらおまえを悦ばせてくれそうな男性には巡り会えそうもないみたいだ。

露天風呂に浸かってから、スナックにでも行ってみるか?」



「それは、そうでしょ? あなたから、『成行きに任せて・・』なんて、言われたけれど、わたしは最初から無理だと思っていたわ。

でも、こうしてあなたと二人でいると、外が静かなせいか、いろんなことを思い出すの。」



「いろいろあったけど、せっかくの温泉旅行だ。のんびりして、積もった垢を洗い落とせばいいさ。」



「そうね。でも、溜まった垢は洗い流せても、私の体に染み込んだものまでは洗い流せないわ。」



「それは、その・・・・オレが、敢えて、おまえに望んだことなんだから、すべて、オレのせいさ。」



「こんなこと、いつまで続けるつもりなの?」



「オレだって、誰彼の別なく、手当たり次第に漁っている訳ではないってことはわかるだろ?

余り深いところまで、おまえを落としたくないし・・まあ、『癖のもの』だから、そのうち鎮まると思うよ。」



「あのね、これは私だけかも知れないのだけれど、何回も同じようなことを重ねてしまうと、あなたの求めを拒めなくなってしまうの・・

打ち明けられた時、どう答えてよいのか、わからなくなってしまうの。」



「理香が、変に気を遣わずに、自分の意思で決めればいいんだって。決して、無理強いをするつもりはないんだ。」



「あなたにそんな風に言われると、わたし、余計に困るの。確かに、私たちの間には「約束」があるんだけど・・

あなた以外の男性が、私の体を通り過ぎていく度に、『わたしは、何を拠り所にすればいいんだろう?』って、悩んじゃうの。」



「拠り所って・・? オレ達の約束が、『拠り所』だろ?」



「何て、言うのかなぁ。あなたの願いを自分で理解し、それを受け入れるために、自分を納得させる理由・・

自分の心に、言い訳できる理由なの。後ろめたいことを繰り返していると、段々とそれが曖昧になってきて・・

もう、無くなってしまったんじゃないかって思うの。」



「そうだよな。その度に無理言って、おまえが受け入れるように仕向けてきたんだから・・おまえの心が無傷ってことは有り得ないものな。

でも、おまえが他の男に抱かれる度に、少しずつ変わっていっても仕方がないってことも、わかっているつもりなんだ・・・」



「まぁ、しっかりしちゃって! 全然、酔ってないみたいね。わたしにばかり、飲ませて・・

さっ、わたしにも注がせて! こんなことは、その時が来たら、その時のことにしましょ?」


ほどよく酔いが回って、妻の頬がほんのりと赤くなっています。





しばらく、くつろいでから私たちは、やや離れた所にある露天風呂に行くことにしました。


“大自然の中の露天風呂”って聞いた時、私の思いとかけ離れて、妻が、「ここ、混浴みたいだから、夜になって入ろうね。」と言っていたからです。


ここの露天風呂は小道を緩やかに下ったところの河原にあり、下を見下ろすと、雪化粧をした無数の大小の岩間を縫って渓流が走っています。


露天風呂に続く小道を歩いていると、木々の梢を伝い寒風が吹き降ろしてきて、思わず背中を竦めてしまいます。

おまけに照明が暗いので、薄闇が辺りを一層寒々とさせます。


脱衣小屋を抜けるとすぐ混浴の露天風呂が現れ、浴槽は自然の巨石を用いて上手に造られています。


先客さんが四〜五人いましたが、私は別に気にも留めず、ゆったりと岩に寄りかかりながら温泉気分を満喫していました。


妻は、バスタオルを胸に巻いて、私からちょっと離れたところで、他の女性客と一緒にくつろいでいます。



暗がりの中で目を凝らしていると、段々慣れてくるのでしょうか、そのうち私は先客さんの一人が、

先ほどサウナで一緒になった男性であることに気づきました。


暗がりの中の解放感がそうさせるのでしょうか。私は、話し声が妻のいる方まで届かないことを確かめ、私はその男性の傍に近寄ります。



「先ほど、サウナでご一緒しましたね。こんな寒さじゃ、せっかく温まった体が冷えてしまいせんか?」



「本当に、ひどい日になりましたね。この岩場にも風が吹き込んできて、これじゃ、なかなか風呂から出られませんよ。」

男性が、答えます。



「旅行で、やって来られたのですか?」



「いやっ、ちょうど出張がありまして・・一日だけズルして、ここで骨休みをしようと思ってやってきたのです。」



「そうですか。私は、妻と二人でやってきたのですが・・

冬木立の露天風呂なんて最高ですね。こんなすばらしい自然の中にいると、煩わしいものをすべて放り出したくなりますよ。

ところで、おたく様は、どちらからみえられたのですか。」



「N市からなんですが、あなたは・・?」



「な〜んだ、お近くの方ですか? 私は、F市からなんですが、F市には、こんな川のせせらぎが聞こえる温泉なんてありませんよ。

おまけに、混浴なんて・・」



「ははは、そうですね。いいですよね、ここ。」



この後しばらく私たちは、両県でそれと知られる温泉について、お国自慢を交えながら紹介し合っていました。

しばらく、こんな話を交わしながら、私は考えます。



(感じがよくて、気さくな男だな。偶然も二度重なると、ご縁なのかもしれない。

話題を、先ほど内湯で目にした男のものにもっていこうか、思い切って、妻と一夜の契りを結んでくれるよう頼んでみようか・・)



この場を逃したら、今回の旅行において、密かに期待していたことが叶うことはないでしょう。

「これも、旅先のご縁かもしれない。」という思いが、私を大胆にさせます。



(旅の恥は、かき捨て・・失敗して元々なんだ。上手くいきそうになかったら、冗談だってことにして、笑い飛ばせばいいんだ・・)



「こんなこと、ぶしつけで失礼なのですが・・実は先ほど、貴方の立派なものを目にしちゃって・・

同じ男性として、羨ましい限りです。その分では、そちらの方、凄いんでしょうね?」


男性は、話題の急変に驚いたのでしょうか、私の方に目をやり、笑いながら・・



「ああ、これですか。こうしてお風呂に浸かっていると、居合わせた人から同じようなことを言われたことがあるんですが・・

まあ、生まれつきの物ですから、大切にしていますよ。」



「そんなのでされたら、女性はたまらなくなってしまうでしょうね。」



「まあ、人それぞれじゃないですか。一概に、大きければいいというものでもないでしょう。」



(ここまでは、何の差しさわりもない普通の会話なんだ。さぁ、次の一言を男に告げるかどうか・・お互い「二度と会わない旅人」じゃないか。)



「突然、こんなこと言い出して・・年甲斐もないと蔑まれるかもしれませんが・・

もし、あなたさえよろしければ、そのあなたの立派なもので、妻を悦ばせてやっていただけませんか。」



「えっ、突然、そんなことおっしゃって・・それって、どういうことでしょうか? 」



「短く言いますと、今夜、妻と一夜を共にしていただけたらと思って・・

お恥ずかしいんですが・・私には、そんな『寝取らせ』癖がありまして、妻を他人に抱いてもらうことに喜びを覚えるのです。

妻もそのことを了承していますし、私たちの旅の記念に、その凄いものをお借りする訳にはいきませんか?」



「驚きましたね。前にも一度、同じようなことを言われたことがあるのですが・・私には、そのような旦那さんの心理がよくわかりません。」



「わからなくて当然だと思います。知ったかぶりする訳ではありませんが、そのようなことを好む男もいるってことです。

思いがけず、見惚れてしまいそうなものをお持ちの方に巡り会えて、声をかけさせていただいたのですが、

ご迷惑なら、ご縁がなかったということで、断っていただいて結構なんです。ご無理は申しません。」



「奥様って、あちらで話している女性ですか?」



「そうですが・・」



「ここじゃ暗すぎて、奥様の顔もはっきりわかりませんので、あちらの方へ行きませんか。」


「いやっ、妻をこちらへ来させますよ。」 私は、妻に手招きをして、こちらの岩場の方へ呼び寄せました。



私は、妻が傍に寄ってくるのを待ち受けて、話しかけます。


「こちらの方は、先ほどサウナで一緒だった方なんだけど、またここでご一緒しっちゃって・・

N市からやってこられたそうで、先ほどから地元の温泉の話をしているんだ。」



「お互い、見知らぬ同士ですが、すっかり旦那さんと話し込んじゃって・・旦那さんとは、よく旅行されるんですか。」



「えぇ、二人とも旅行好きなものですから・・ 仕事の合間に、都合をつけて出かけるのです。」



「そうですか。私はどちらかというと出不精で・・今日は出張にかこつけて、こちらまで足を伸ばして来たんです。」

ここは、“混浴”ということで、女性の方にしてみると、ちょっと抵抗があるんじゃないですか?」



「昼間のうちならありますけど、こんな時間になると、そんなこと気にならなくなって・・

こうして、ゆったりと周りの景色を眺めていますと、本当にやってきて良かったと思いますわ。」



(いくら見知らぬ者同士と言っても、先ほど私が男にお願いしたことを、男の方から妻に言い出すことはできないだろう。

私の方から、切り出さなければならない・・)



「あのね、理香、こちらの方に打ち明けてしまったんだ・・

おまえが、この方のお眼鏡に適って・・そして、おまえも受け入れてくれるなら、今夜のお相手を・・と、思っているんだ。」



妻は、しばらく黙っていましたが、そのうち男に向かって、


「・・・・そうですか。 主人が、あちらの方で話し込んでいるのを見て、ひょっとしてそんな話をしているのではと、想像していました。」



「私の方も、先ほど旦那さんからお願いされたのですが、やっぱり実際に奥様の顔を見てから・・と思い、返事をためらっていたんです。」



「それで、妻のこと・・多少、盛りを過ぎていますが、お気に召していただけましたでしょうか?」



「とんでもありません。 女盛りの、素敵な女性で・・

正直言いますと、旦那さんの話を聞いて、あちらに女性が数人いたでしょ? そのうちの一人がお相手だったら・・と思っていたのです。

その一人が、奥様でよかったですよ。私でよろしければ、喜んでお相手させていただきます。

でも本当に、私のような行きずりの男でいいのですか?」



「主人が、もうお話したのかもしれませんが、私たち旅行に出かける前に、約束しているんです。

もし、このようなことが起きたら、成行きに任せようって・・

きっと、お若い方のご期待には副えないと思いますが、主人の望み通りに、お願いできれば・・」



こうして、一夜を共にすることに決まったとなると、事前に相手の男と例え二言三言でも話を交わし、

互いの間を密なものにしておくことは大切なことなのでしょう。


私は、二人の距離を更に縮めようと思い、



「そうと決まったら、もう、他所よそしくする必要はないんだから・・理香もそのバスタオル、取っちゃったら・・

それから、そちらの方の傍に・・・何て、何てお呼びすればいいのかな?」


「平原と言います。」


「平原さんの傍に行って、お話しさせていただいたら? いろいろ話しているうちに、お互いの心も決まってくると思うんだけど・・


妻は、裸身を男の目に晒したまま男の傍まで歩いていって、近すぎず遠すぎずという微妙な位置に座りました。



「理香、もっと近寄って、平原さんのそれを握らせてもらったら・・」



「若い娘じゃなくて、つまらないかもしれませんが・・お隣に、ご一緒させてくださいね。」


妻が、男の傍に近寄ります。


男と女が、一夜の秘め事を約束し、近くで互いの裸体を晒し合っていると、傍に夫が居ても居なくても自然にそうなるのでしょうか、

平原さんが、私が望んだように、妻の手を取って手ぬぐいの下に導き寄せるのが見えました。


「・・・・」


こんな場合、妻ならずとも、手の感触によりその大きさや質感がわかっても、それを見知らぬ男の前で、どう表現すればよいのか困ってしまうでしょう。


増してや男の傍には、私がいるのです。妻は、小声で何か言ったようですが、私にはよく聞こえません。



(平原さんは、この後、どうするのだろう? でも、ここで私がいらぬお節介をやけば、男も妻もやり辛いだろう。

ここは黙って、口出しすることを控えよう。)



(今、岩風呂で、妻と見知らぬ男が全裸になって、互いの恥部が見える位置まで体を寄せ合っている・・

平原さんと肩寄せ合っている妻の手は、男の茎を握り、内心 その大きさに驚いているはずなんだ。

男の茎は、サウナで目にした大きさより更に膨れ上がり、荒々しく勃起しているに違いない。


そして、妻の表情から余裕がなくなって、固まったように眼を動かさないでいるのは・・? 

もしかして、湯けむりの下は見えないが・・恐らく、男の手は妻の性器にまで伸びているのかもしれない・・)



そのうち平原さんは、妻の体をぐっと引き寄せ、唇を合わせていきました。


「ねぇ、ちょっと・・アレ見てっ!」 少し離れた所にいた他の女性客が騒ぎ始めました。


先程、声をかけてきた男が夫で、その妻と思しき女性が、どう見ても初対面としか思えない浴客と抱き合っているのですから・・

その姿に、不倫の匂いを感じて当然なのでしょう。


外野の声に困惑した私は、どのようにしてこの場を切り上げようか迷いましたが、女性客にわからないように声をかけました。



「まぁ〜、その続きは別室でということで・・平原さん、私もその部屋の中に加えてほしいのですが、よろしいですかね?」



ここまでくれば、今さら嫌とは言えないでしょう。

心から歓迎している訳はないと思いますが、平原さんは私の求めを聞き入れてくださり、私たちは露天風呂を後にしました。





湯上りでほんのり上気した白い体と、筋骨逞しいしなやかな体が合歓のときを迎えたのは、それから四十分ほど経ってからでした。

見知らぬ男に体を預ける女にとっては、髪を整え、化粧をする時間が必要だったのです。


しばらくして、平原さんが私たちの部屋にやって来ました。

私は、せっかくの旅先での一夜が不愉快な結果に終わらないように、あるお願いをします。



「平原さん、たってのお願いがあるのですが・・妻は、フェラが苦手なので、それだけ、お許し願えませんか?」



「はは、そうですか? 誰でもセックスには、個人差がありますから・・そうとお聞きすれば、嫌なことはしませんよ。」



「それから、もう一つ・・始める前に、貴男のものを間近で見させてもらえませんか。

男は誰でも同じだと思いますが、私にも巨根願望がありまして・・

先程サウナでこっそり見せていただいたものを、大っぴらにしていただければ妻の心も定まると思うんですが・・」



「いいですよ。先程以来、旦那さんが私のものに固執されていることは何となくわかっていました。自慢するほどの物ではありませんが・・」



平原さんはベッドに腰掛けて、浴衣の帯を解きながら、股間の一物を露わにしました。


包み隠していたものが取り払われ、羨望の対象のものが現れると、言いようのない興奮が襲ってきます。


目測でしかわかりませんが、裕に20cmは超えているでしょう。

既に勃起した男根は、幾筋もの血管が不整脈に走って、先端を大きく膨らませています。


そして、なめし皮のような光沢を帯びた茎には、太い裏筋が一本 縦に走り、終点で二つの滑らかな半球に分かれています。



(サウナで目にした時より、更に凄くなっている。間もなく、この途方もないものが妻の潤みの中に分け入って、媚肉の奥に収まるんだ・・

そして、その中を、この怒張したものが行き来したら・・きっと、妻は、今まで味わったことがない程の歓びに喘いでしまうんだ。)



「理香、お風呂で触ったときより、凄くなってるだろ? 今夜は、その持ち主の方にすべてを任せるんだ。」




私の言葉が誘い水になったのか、妻は、俯きがちに平原さんの傍に歩んでいきました。


「思いがけず旅先で、あなたのような綺麗な女性と一夜を過ごせるなんて・・世の中には、旦那さんのような奇特な方もいらっしゃるのですねぇ。」



平原さんと妻は、ベッドに腰かけたまま互いの上体を合わせ、求め合うように唇を重ねていきます。


ベッドに腰掛けた姿勢で、上体だけ捩じって抱擁していると、男の右手は自然と妻の秘部の辺りにきてしまいます。

その男の手指が、浴衣の合わせ目から中に滑り込みました。


左手で首を抱え込みながら、右手は・・潤んだ妻の淫裂をなぞっているのか、それとも、その中の蕾を弄っているのか、

あるいは、既に、その指尖を秘口の中に埋没させているのか、衣で隠された暗室は見えませんが、妻の口から今日初めての喘ぎが洩れてきます。



「あっ、あぁぁ……ん」




やがて、平原さんは、妻を促し、ベッドの脇から交わりのための場所へと移ります。

平原さんが妻の腰に手を回し、浴衣の帯を解くと、身に纏っていたものが剥がれ、ショーツの白がとても淫らに見えます。



二人は、これから始める交わりを歓び多いものにすることを、誓い合うかのように、深く抱き合いました。


平原さんが妻の目を見つめているのは、先ほど妻自身が我が手で確かめたものによる貫きを、了承させるための眼差しなのかもしれません。


いつの間にか、下半身を愛撫していた指が淫孔に入っています。平原さんは、指の動きを続けながら、妻に囁きかけます。




「奥さん、どうも、私のものを頬張ることが駄目なようですから、私も貴女のものを口にしない方がいいでしょ?

そのことは止めておきますから、私のものを手で弄ってもらえませんか?」



すると、その言葉に促されたかのように、妻の手が男の勃起に伸びていき・・

寸時も早い繋がりを待ち焦がれているような仕草で、男の印を慰め始めました。


このように男の印を愛おしむかのように愛撫している様子を見ていると、とても淫らであるはずの動作が、ごく自然なことのように思えてきます。


妻の手指の輪が男の勃起を包みますが、握ったところから幾本かの指先が覗いているところを見ると、完全には掌握しきれないようです。


その手指が、亀頭の下の窪みを擦り上げると、男の茎はさらに猛々しく強張り、先端の膨らみが大きくなっていきます。



(あぁ〜、あんな風にすれば、男の茎はますます膨れ上がってしまうだろうに・・

おまえの心は、幾度かの経験を重ねるうちに、その営みを何の抵抗もなく、ごく自然に行えるほど変わってしまったのか?)




そのうち妻は、男に求められたのか、私が用意した薄膜の中心を亀頭に宛がい、
丸めてあるものを茎の根元まで引き下ろしていきました。


そして、男の膝によって妻の両足が割られると、極端に膨らんだ茎が妻の下半身に添えられ、何とも言えない興奮が襲ってきます。


男の股間に揺れる茎が、妻の花芯に向かって突き入れられれば、欲情を滾らせた膨らみは否応なく妻の滑りの中に埋まってしまいます。



私以外の男から貫きを受けるその刹那、妻は決まって纏わりつくような哀願の眼差しを私に送ってきます。

この甘酸っぱい、胸苦しい疼きは何なのか? 

憂いを秘めた、救いを求めるような眼差しを受けると、胸が押し潰されるような息苦しさを覚えます。


夫の醜悪な欲望の生贄として、犠牲を強いることへの贖罪の気持ち、それでいながら、男というより妻に対して嫉妬の炎を燃やす私・・

そして、その気持ちよりも更に・・「瞬時の後に、妻はあの怒張しきったものによる貫きを受けるんだ。」という興奮の方が強いのです。



(もうすぐ、男のものを、あの中に受け入れてしまうんだ・・ 

否応なく・・とはわかっているが、これから先もその都度、狂おしげな眼差しを、私に送ってくれるのか?)



このような思いが頭を過った直後、平原さんは、結合を前に空けておいた空間を狭めると、

丸太のように張り詰めた強張りを、淫裂の中央へ緩やかに沈めていきました。



「アッ、ああぁぁ…… ちょっと待ってぇ・・・」



私のものよりも一回り大きい、妻にとっては予想をはるかに超えた巨根を受け入れたにもかかわらず、

女性器は、左程の痛みを感じていない様に見えました。



「だいじょうぶです。もう入りましたから。徐々に馴染んでいくはずですから、ゆったりとして、体を私に預けてください。」



平原さんは、パートナーに安心感をもってもらえるように・・

しばらく小刻みな律動を加えながら、膣内から溢れてくる潤みの助けを借りて、巨大なものを奥にまで侵入させていきます。


一進一退の動きを繰り返しているうちに、平原さんの肉茎は、徐々に妻の膣奥深く滑っていって、

やがてその三分の二くらいの長さのところで止まったようです。


傍目から見ても、あの大きなものの大半が、膣内に収まってしまっていることがわかります。



女性器に埋もれていた巨大な茎が、じわじわと淫肉を押し分けながら引き抜かれ・・

そして再び、途方もないものが壺口に呑み込まれてしまう様子を目にすると、胸の鼓動が高まり、思わず妻に声をかけてしまいます。



「どうしたの? 苦しいの?」



「ぅん・・ 苦し…っ! 大っきすぎて……」



今まで、妻の膣内に入ったことのない大きさのものが挿入されているのですから、当然なのでしょう。

ようやく奥まで入った強張りが、今度はまたゆっくりと引き抜かれ、そしてまた挿入・・その都度、少しずつ快感が積もっていきます。



それでも平原さんは、女の器が飽和状態で、刺突がある一定のところで遮られることを意にも留めず、ごく普通のビートで貫きます。



「どうです?少しずつ、気持ちよくなってくるでしょ? まだまだ、時間がありますから、たっぷり楽しんでください。」



「あっ、ああぁぁ…… また、大きいのが入ってくるぅ〜・・・」



「まだ全部っていう訳じゃないですけど・・入っているところを、手で触ってみませんか?」



男の言葉通り、妻は、人差し指と中指の間を広げて、男のものが自分の中に入っていることを確かめたようとしたようですが・・

指では扱い切れず、手のひらで握ることによって確かめます。



「あぁ…… 入ってる・・いっぱいに入ってる〜ぅ……」



「どうしましょう? もう少し先まで進みましょうか? このまま、続けましょうか?」



「ああぁ〜… 凄いのぉ…… こわいわ・・でも、もうちょっとだけ・・・」



男の貫きが深くなるに従い、露わになっている茎の部分が段々と隠れていきます。

一体、女性器というものは、どれほどの伸縮性と柔らかさを持っているのでしょうか。

目測でしかわかりませんが、どう見ても妻の器は、巨根の膨大な容積を収めきっているとしか思えないのです。


物理的に考えれば、その先は腹腔にまで届いているはずですが・・多分、男の茎も奥深い所で遮られ、途中で圧縮されているに違いありません。



陰茎が、ラビアに囲まれた媚肉の中を往復し、ほとんど茎の根元が恥骨に行き当たり・・

それ以上入るのが不可能な状態になると、妻の口から喘ぎの声が漏れてきます。



「ああぁぁ…… 奥にあたる〜ぅ、いっぱい、いっぱいよ〜ぅ・・・」



「奥さん、気持ちいいんですか?」



交わりの中で、男の陰嚢と女の秘部がふれ合う音でしょうか、「ぴちゃ、ぴちゃ」という淫らな音が響いてきます。

こんな音を聞くとなお更、膣洞が、茎の全長を受け入れてしまったことを実感します。


そのうち妻は、両足を平原さんの腰に回し、交接部の距離を縮めるように、自らも腰を振り始めました。


妻は、体の奥底から湧きあがる歓びを抑えられなくなってきたのでしょうか、

その動作を行うことにより、男との股間がぶつかり合うことを厭いません。



「ああぁ…… はぁぁ〜 あぁ……ん」



(本当に、だいじょうぶなのだろうか? あんな乱暴に腰を振れば、奥の奥まで男の茎が突き込まれてしまうだろうに・・)


(男のカリ首が、勢いを持って女の深奥へ突き込まれ、そして膣壁を擦ることによって、めくるめく快感が襲ってくることを・・妻は願っているんだ。

男の私では、今、おまえの体を噴き上げる快感がわかるはずもないが・・そんなに気持ちよいものなのか・・?)





そのうち、平原さんは交わりを中断し、妻を起き上がらせました。どうも、妻に、騎馬位でのセックスを求めたようです。


妻は男と相向かいになり、仰臥している男の股間から屹立する肉茎に跨ると、自らのものを秘口に宛がいました。



(あぁ〜何て表現すればよいのか・・私が見惚れた巨茎が⊥字になって、妻の腰のくびれにまで届かんばかりにそそり立っている。

私のものとは遺伝子が違う、欲情の塊を・・妻自身が、愛おしそうに自らの中に収めてしまう姿こそ、

私が待ち望んでいたものではなかったのか?)



妻がМ字の姿勢で屹立したものに腰を降ろすと、それは、徐々に妻の淫孔の中へじゅぶじゅぶと埋没していきました。



「あぁ…… また、入っちゃう・・あっ、ああぁ〜・・・」



淫孔が目いっぱいに開いて、男の茎を吸い寄せるように呑み込んでいきます。

後ろから見ていると、結合部からぬるぬるした淫液が、余りにもの容積がある肉茎に押し出されて溢れ出てくるのがわかります。


秘唇が押し広げられ、妻が緩やかに腰を沈めると・・・やがて、男の肉棒が、ほぼ根元まで埋まりました。

男の股間に跨って、上下の動きをし易いように、M字に開ききった妻の両脚がとても淫らに見えます。



先程の交わりの余熱を保ちながら、徐々に快感を蓄えてきた妻は、我慢しきれなくなったのでしょうか、

再び、自分から腰を振り出しました。


ゆっくりと腰を上下させると、ぬらぬら濡れ光る男の肉棒が、秘孔から現れたり消えたりします。

すると、欲情の膨らみが膣壁を擦り上げて、快感の火種に勢いをつけてくれます。



「あぁぁ…… うっ、うぅぅ・・あぁぁ…… 気持ちいい……」



男の上に跨りながら、更なる快感を期待して数回腰を沈ませると、それは痺れるような快感に増幅され・・

更なる、圧倒的な快感が押し寄せることを期待して、腰を振り続けます。



そのうち、平原さんも妻の動きに呼応するかのように、下から激しくピストン運動をし始めました。


男の茎が、上方の淫孔に向かって突き上げられると、さすがに妻の方もその動きに合わせるように腰を沈めることはできません。


下からの刺突は、勃起の先端が膣奥にまで行き届いて、そこで遮られることによって、ようやく制止します。


このような貫きを連続して受けている訳ですから、女体の深みから、ぼぉ〜と火がつくような快感が湧いてきても・・

ゆっくり官能を貪る余裕がなくなって、絶頂を迎えるときが格段に早くなってしまいます。



「あっ〜ん、いっ、いぃ…くっ・・・うぅ…… あぁぁ……」



平原さんの勃起の裏側を走る筋が太くなって、ターゲットを抜き刺しするスラストが段々と速くなっていきました。


女陰に打ち込まれた茎は一旦抜き出され、露わになったカリ首は次の勢いをもって、淫唇に囲まれた媚肉に突き込まれていきます。


しばらくすると、


「あぁぁ…… だめぇ〜 イッて、しまう…… ああぁぁぁ・・・」


絶頂がすぐそこまで来ていることを告げる、妻の歓喜の叫びがあがりました。





すると、平原さんは、下からの突き上げを中断して起き上がり、妻の腰のくびれに手を添えて、両手で妻の体を持ち上げるようにして横たえると・・

再び、正常位の姿勢に戻りました。

そして、妻の両脚を肩に掛けると、より深い貫きが可能な体位に変わります。


逞しい二の腕を腕立て伏せをするように畳に突っ張らせると、自然に女の両脚が屈められ、随分と窮屈な姿勢になってしまいます。


そして、平原さんは腹筋に力を入れて、その持ち物の長さと同じくらいの距離を空けて、勢いよく女陰に向かって刺突を始めました。



二人の交わりの接点が見えなくなった私は、場所を移動して、男の後ろ1Mくらいの位置に近寄ります。


幾筋もの血管を浮き彫りにし、裏筋の管を大きく膨らませた平原さんの勃起が、フィルムの早送りのように、

間断なく女陰の中に、埋め込まれては現れ、現れてはまた消えていきます。


秘口の強靭な肉襞は柔軟に伸びて、男の茎を愛おしむかのように、すべての長さを呑み込もうとします。



「あぁっ… だめっ、 あぁぁん、いぃぃ…… あなた、見てるんでしょ・・もう、構わない・・どうなってもいいの・・・」



「そうかっ、出されるところを、旦那に見てほしいんだな!」



妻の頭を真っ白にさせるほどの抜き差しが、頂きに向かって激しさを増していくと、女体は快楽の淵に堕ちていきます。


妻は、全身を激しく震わせながら平原さんの背中を抱きしめ、何回イッても構わないような、極限の状態になってきたようです。


平原さんが全精力を込めてスラストしていることから、このまま射精の瞬間を迎えることがわかるのでしょう、


深く折り曲げられた体を男に預けて、喜悦を運んでくれる男の貫きを余すところなく受け入れます。



「ああぁぁっ…… 逝ってぇ…… もう、イってぇ・・・」



(ああ・・もうすぐだ・・・もう僅かな時の後、私が恋い焦がれた巨根の先から、私のものとは違った男の精が、妻の膣奥深く噴き出るんだ・・)



「あぁ〜出そうだ・・! 出しますよ、出します・・・」



「あぁぁ〜 ください・・早く出してぇ・・・」



平原さんは思いっきり腰を落とすと、最後の一突を妻の最深部へ送り込み、ドク、ドクッと、胎内に男の精を注ぎ込んだようです。



(今、このエクスタシーの瞬間、妻の子宮は、男の精を最も受け入れ易い角度に口を広げて・・

喜悦の終焉を惜しむかのように、膣奥深く放たれた精の飛沫を吸い取ろうとしているんだ・・)



「ああぁぁあっ…… 」



出会ったばかりの他人の精の噴走りを、気が遠くなるほど擦り上げられた膣壁で受け止めながら、悦びの声を放つ妻……


交わりを終えた後の妻の体が、ピクッ、ピクッと小さく反応しています。その後も、妻の手は、尚も快楽の余韻に浸るように、男の体を離しません。 


失神しているのではないと思いますが、なおもピストンされているように錯覚を覚えているのでしょうか。




妻として耐えられないような酷い仕打ちを、夫の切なる願いとして受け入れて、

私に求められるまま、見知らぬ男に体を預け切ってくれた妻の姿を見ていると、溢れんばかりの愛おしさがこみ上げてきます。



(おまえは、私の申し出を受け入れ、行きずりの男との交わりに悦びの声をあげてくれた・・

その喘ぎそのものが、私が求める女の姿になりきろうとしてくれた・・私への愛なんだ。)



(しかしながら、愛とは・・それが燦々と煌めいている間は確かに強いものであるけれども、色あせやすく、これほど不確かなものもないんだ。

本人は「二人の約束」と割り切って、家に帰ればまた普通の暮らしが待っていると思っているのかもしれないが、

自分に絶頂をもたらしてくれる男に惹かれ、心を寄せてしまうのが女の性なんだ。


やがていつか、その男が誰になるかはわからないが・・

男との交わりの中で、私への背徳の陰がまったく見えないような時が訪れるのかもしれない・・)