● 第3章


妻には、思い焦がれる彼氏がいるということで、私は妻の親友の「むうちゃん」とデートをするようになりました。
肉体的には妻の方がはるかに、男を虜にする体をしております。
私の気持は「むうちゃん」より、ずっと妻に魅かれていました。
どちらかと言えば、「むうちゃん」が、私を誘ってデートをしていた感じがします。
間もなく、「むうちゃん」の自宅に私は誘われました。
向かい合ってお茶などを飲み、おしゃべりをするだけで、童貞と処女はその先に進む事はありませんでした。
私の正面に腰かけた「むうちゃん」のスカートの中が見えています。
紅茶を手に持つたびに、子供が穿くような白い木綿のパンティが見えます。

(わざと私に見せているのかな? 「まゆ」の下着と違いすぎるな)

5月の暖かい日、「むうちゃん」を私の自宅に招きました。
「むうちゃん」は男の部屋に入ることに、なんの警戒心もありません。
私を信じていたのでしょうか。
それとも何かを期待したのでしょうか。
「むうちゃん」は、冷えたジュースを飲みほして、窓辺に歩み寄り、水平線の見える青い海を眺めています。
自然に私も、「むうちゃん」の後ろから、肩越しに同じ景色に目をやります。
すでに私の分身は、ズボンの中でいきり立っています。
「むうちゃん」を後ろから抱くようにしました。
硬くなったものが、小柄な「むうちゃん」の腰に触れています。
私は「むうちゃん」のお腹で組んでいた手を、体に沿うように上にあげて行き、小さな乳房を手のひらで包みました。
「むうちゃん」の乳房は、ボリュームはありません。
手のひらで抑えても、僅かに膨らみを感じるだけです。
その手はすぐに払いのけられましたが、「むうちゃん」は私の腕の中で、くるりと向きを変え、私と相対したのです。
私の目の前には「むうちゃん」の顔があります。
硬く勃起したペニスは、「むうちゃん」のお腹あたりを押し付けています。
「むうちゃん」は眼をつぶり、顔を上向きにします。
19歳と18歳の初めての口付けでした。
テクニックもなくただ触れるだけの稚拙なキス。
思い描いていた甘い口付けとは、ほど遠いものでした。
それ以来私の気持ちは、何故か冷めてしまったのです。

(こんなはずはない。キスはもっと違うはずだ)

「むうちゃん」は冷めていく私と相反して、さらに私に夢中になっていきます。
そう、私に初めて唇を与えた事は、彼女にとって処女を与えたと同様だったようです。
しかし私の関心は、すでに妻の体に向いてしまっていました。

やがて長い夏休みが来ました。
全く妻に会う機会もなくなり、男好きのする妻の体が、とても気掛かりでした。
風の便りでは、クラブの合宿やらで、海に行っているそうです。
あの見事の乳房を、ビキニの水着で男たちの目にさらしているのでしょう。
私は、妻と何の関係もないのですが、焼き餅の様な気持ちで、悶々と過ごしておりました。
もうすでに、「応援団の彼」か「おにいちゃま」に体を開いたのでしょうか?

夏休みも終わりに近づいたころ、大学の近くで偶然妻に出会いました。
相変わらず、真直ぐに延びた、素晴らしい脚をさらけ出して歩いています。
密着したノースリーブのワンピースは膝上20センチほど。
少しかがめば、ガーターベルトの紐とパンティーが見えます。
それに、歩く度「くりっくりっ」と左右に移動するお尻は、とても魅力的です。
腰の位置が高く引締ったお尻です。
くらくら目眩を感じますが、照りかえる暑さのせいではありません。
オートバイを彼女の傍に止め、

「今から学校に行くの?」

と、声をかけました。

「あら。お久しぶり。そう、部活があるの」

「送って行くよ。後ろに乗って」

妻は素直に、後ろの座席に横座りをして、私にしがみつきます。

(うわあ。柔らかな乳房が。 「むうちゃん」と違うなあ)

丈の短いワンピースは、太腿の付け根までせりあがり、薄水色のパンティーは、すっかり露出しています。
男の目が、妻のパンティーに注がれています。
私は、スピードをかなり控えめにして、ゆっくり時間をかけて走ります。
なるべく長い時間、妻の乳房を感じていたかったのです。
大学につくと、「むうちゃん」の話題になりました。
私にはすでに過去の女性でしたが、彼女は凄く悩んでいるらしい。
そんな私との関係を修復しようと、妻は間に立って、

「私の家で話し合ったら?」

と、妻の自宅に行ける口実が、転がり込んで来ました。
思いがけないお誘いになったのです。
「むうちゃん」がいなければ、妻の自宅などに行けるチャンスは、永遠に来なかったでしょう。
大学が始まる前の日、私と「むうちゃん」とで妻の自宅にお邪魔しました。

(これが憧れのお嬢様の自宅なんだ。 「応援団の彼」も「おにいちゃま」もまだ来たことはないだろうな)

3人でお茶を飲んだり、ピアノを弾いたりして過ごしていましたが、
妻は気を利かせて、私と「むうちゃん」の二人だけにしました。

しかし、私は何と言われても、元に戻る気は全くありません。
すでに私の想いは、妻に向いていました。
私は二人の女性を愛する事は出来ませんでしたし、その上恋愛には大変不器用でした。
私を残して「むうちゃん」は、泣くようにして帰ってしまいました。
驚いた妻は、私に質問します。

「どうして?彼女のこと好きではないの?彼女は貴方のことを凄く好きなのよ」

「僕は、まゆちゃんのことが好きなんだ」

私は問い詰められた結果、妻に告白せざるを得ませんでした。
妻は一瞬戸惑いましたが、人のものが欲しくなる妻の性分といたしましては、満足する結果だったのだと思います。

「彼女に悪いわ。これから私、彼女にどう接したらいいのかしらん」

などと言いながら、結局私と付き合うことになるのです。
それでも、妻の思いは「応援団の彼」であり、「おにいちゃま」が一番大切で、毎日傍にいてほしい存在なのです。
妻の日記には、その思いが羅列してあります。

「逢いたい。どうして逢えないの?私が子供過ぎるから?もう少し大人の女性だったらいいの?」

「今日は、おにいちゃまとお話しできなかった。悲しいな」

など、私はどうでもいい存在です。
学校が始まっても、「応援団の彼」の追っかけ状態。
そんな妻の姿を見るにつけ、私は自暴自棄になり、オートバイで大怪我をしてしまいました。
今でもその傷は癒えることはなく、左の小指に残っています。
妻はその事故で、私に母性本能を感じてしまいました。

(この子、何をしでかすか分からないわ。私が見ていなければ、死んでしまうかも)

と思っていたのです。