● 芸術と猥褻のはざまで


出展元:妻と勃起した男達
投稿者:高畑さん

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妻は今年33歳。6年前に結婚して以来、ずっと専業主婦をやってきました。

ちょうど1年前のことです。子宝に恵まれず時間を持て余していたのか、妻から働きたいと切り出されました。

妻は特に資格を持っていませんし、おっとりした性格なのでレジ打ちのようなスピードを要求される仕事にも向いていません。

やる気とは裏腹になかなか働き口を探せないでいた中、新聞の折り込みチラシに家事代行の求人広告を見つけました。

妻も私も『これしかない!』と思い、その日のうちに応募しました。そして、面接を経て採用されるとすぐに代行先を紹介されました。

初出勤の日、緊張の面持ちで玄関を出ていった妻ですが、夕方には充実感に満ちた明るい表情で帰宅しました。仕事が休みだった私は、妻を手料理でもてなしながら仕事の様子を尋ねました。

「どう?きつかった?」

「全然!だって自宅でやってることを仕事としてやるだけだもん。まぁ、人のお家だから緊張はするけどね」

「依頼者はどんな人?一人暮らしの老人とか?」

「それがね、アナタと同じ歳の男性なの!とても気さくな人で色々お話ししたけど、3年前に奥さんと離婚したんだって」

「ええ!?男なんだ!?仕事は何してる人?」

「写真家ですって。どんな写真かすごく興味あったけど『刺激が強いかも』って断られたの」

「なんだそりゃ?単に腕に自信がないだけじゃないの?一人暮らしの写真家なんて不健康なイメージしか沸かないな」

「それがね!最初はスポーツ選手かと勘違いしちゃった。野性的な顔立ちで…身体もガッチリして…肉食系って感じかな」

妻の話しぶりから何となく漂う真嶋という男への好意に、私は久々に嫉妬を感じました。それと同時に、密室で逞しい男と二人きりで過ごす妻の姿を想像し、妙な興奮を覚えていました。


妻は週2回、水曜と土曜に出勤しました。回を重ねる毎に真嶋への親近感が増していると感じていました。

働き始めて1ヶ月が過ぎた頃、妻が真嶋から受けた提案を相談してきました。

「真嶋さんが週4日来て欲しいんだって」

「えっ?4回も?うちは助かるけどそんなに家事あるのか?」

「私もそう思って聞いたの。そうしたら日数が増える分は彼の仕事を手伝って欲しいって。ちょっとしたモデルの仕事らしいの」

「モデルって何だよ?」

「実は真嶋さんって男女のヌード写真を専門に扱ってるの。見せてもらったけど綺麗だったよ。でも、私をモデルにして作品を撮る訳じゃなくて、次回作の配置やアングルを確認するためのテスト用だって。だから脱いだりはしないんだけどね。『本当は奥さん自身の作品を撮ってみたいけど』なんてからかうのよ」

ほんのり頬を赤く染めてはにかむ妻の表情に、何故か私は蒸せ反るようなエロシズムを感じました。そして、真嶋の眼前でヌードになった妻を想像し、その時カメラにどんなポーズでどんな視線を投げかけるのか、無性に見てみたくなりました。

「ねえ、どう思う?」

「あっ…うん…給料ももらえるし…受けたら?それより…真嶋さんが本気なら…オマエの作品を見てみたいな」

想定外の反応だったのか、妻は目を大きく見開いて驚きます。

「もぉ〜!そっちは冗談に決まってるじゃない。もし本気でも恥ずかしくて出来ないよ〜」

「でも、前に週刊誌を見てた時、『私も子供を産む前にこういうの残しておこうかな』って言ってたじゃん」

「それは…そうだけど…真嶋さんにハダカを見られちゃうんだよ?無理だよ〜」

「相手は裸なんて腐るほど見てんだぞ?変に意識する必要ないさ。それに働きだしてからのオマエ…すごく生き生きして前にも増して綺麗になったよ。せっかくだから今の美しさを記録に残そうよ」

妻は瞳をうるませて、笑顔で私を見つめました。

「綺麗だなんて…嬉しい。アナタがそこまで言ってくれるなら真剣に考えてみるね。でも、まずは2、3回様子を見させて。心の準備したいから…」

さすがにその場でOKとはいきませんでしたが、かなり前向きな妻の態度に胸が高まりました。


数日後、妻はテストモデルを承諾するとともに、私の願望もそれとなく真嶋に伝えました。

その日の夜、なんと真嶋が私宛てに電話をかけてきました。妻は電話口で驚きの声を上げた後、彼の要望で受話器を私に渡しました。なにぶん突然のことで、私も些か狼狽えました。

「初めまして、真嶋と申します。奥さんにはいつもお世話になってます。すいません、突然電話してしまいまして」

「こちらこそお世話になってます。なんでも、妻がさらにお仕事をいただいたそうで。有り難うございます」

「礼を言うのはこちらの方ですよ。ところで、奥さんのモデルの件、御主人がかなり乗り気だとお聞きしました」

「えっ、ええ、私は見てみたいなと思います。ただ、妻の気持ちや真嶋さんの都合もありますので、そこがクリアできればですが」

「僕は全然大丈夫ですよ。ぜひ、美しい作品を撮りたいと意気込んでます。実は次の土曜、奥さんにテストモデルをお願いしているのですが、もし時間があれば御主人も立ち会いませんか?」

「えっ?私が…ですか?」

「はい、テストとはいえ初めての撮影なので奥さんもその方が安心でしょう。それに、御主人には過去の作品をお見せして、具体的なイメージを掴んでもらえればと思ってます。どうですか?」

「会社は休みですが、ちょっと妻とも相談させて下さい」

「もちろんです。もし、来られる場合は奥さんと一緒に直接お越し下さい。では、失礼します」

私が受話器を置くとすぐに妻が傍に来ました。そして、真嶋の提案内容を伝えると、やや気恥ずかしそうにしながらも、すぐに笑顔でうなずきました。


待ちに待った土曜日がやって来ました。朝早くから念入りに化粧を施し、いつになく髪型を気にしている妻を見ながら、展開によっては脱ぐところまで決意しているのかも知れないと思いました。

真嶋の家に到着し、インターホンを押すと、ほどなくして低い声とともにドアが開きました。

初めて目の当たりにした真嶋は、ワイルドな風貌に端正な顔立ち、背が高く引き締まった肉体、浅く日に焼けた肌と、私とは正反対の外見をしていました。

妻がこんな色男と一緒に過ごしていたのか…と考えるだけで身体の奥底からメラメラと嫉妬心が沸き上がってきました。

「初めまして、御主人。ようこそおいで下さいました。さあ、中にお入り下さい」

真嶋の私達を家の中に通しました。築が古そうな木造建てですが、敷地面積は広く、部屋もたくさんあります。彼が家事代行を頼むのも頷けました。

リビングのソファーに妻と並んで腰掛けると、真嶋が温かい珈琲を持って来ました。

「真嶋さん、すいません。言って下さればやりましたのに…」

妻が立ち上がって申し訳なさそうに会釈します。

「今日は御主人がお見えですから。さあ、これでも飲んで、まずはリラックスして下さい」

その後しばらく三人で身の上話をしました。そしてコーヒーカップが空になった頃、真嶋が妻に話しました。

「そろそろ…お願いできますか?その前にクローゼットに色々と服も揃えてますので、お好きなものに着替えてきて下さい」

「この服じゃダメですか?」

「色々お願いするのでシワになるかも知れません。それに御主人も来てますので、着飾って美しい姿を見せしましょうよ」

妻はハニカミながらうなずくと、部屋をあとにしました。すると、真嶋は書棚からアルバムを持って来てテーブルに置きました。

「待っている間、過去の作品でもどうぞ。写っている女性を奥さんに置き換えながらご覧になると、イメージも沸きますよ」

そんな真嶋の言葉に、逸る気持ちを抑えながら、ゆっくりと表紙をめくりました。

そこには清楚な服を着て無邪気に笑う女性が写っていました。もし街で出会ったら『可愛らしいな』とは思うでしょうが、パッと見てセックスを連想させるような色気は感じられません。

序盤は写真館に貼ってあるような普通のスナップが続きましたが、服を脱ぎ始めると同時に雰囲気が一変しました。

その表情は、身に纏うものを一枚、また一枚、と脱ぎ捨てていく度に妖艶さを増し、まるで見境なく男を誘惑する娼婦のような視線を投げかけてきます。

《もし…これが妻だったら…》

そう妄想するだけで、私の心臓は大きく鼓動を打ちました。

「どうですか?気に入ってもらえましたか?」

「ええ…表情とか凄くイイですね。さすがプロのモデルです」

「実はこのモデル、素人さんです。しかも、主婦の方ですよ」

「こ…これが一般の女性なんて…信じられません…」

「そうでしょう?僕は、女は本来見られたい生き物だと思うんです。だから、キレイに化粧もするしダイエットにも取り組む。それがヌードでも一緒です。見せたい…見てもらいたい…そんな潜在願望があるんです。僕の仕事は如何にそれを引き出すかです。もう少しページを進めてみて下さい」

真嶋の言う通りアルバムの終盤を開きました。そこには先程の女性と逞しい男性が全裸で抱き合っている衝撃的なシーンが写っていました。私は固唾を飲みながら次々とページをめくりました。

いずれも局部はうまく隠すものの、女性が男性の前に膝まづき口淫を演出したり、立ったまま壁に手をついた女性の背後で男性が腰を密着させたりと、本番さながらのカットが続々と現れました。

カメラを向けられた女性の表情は、それまでの『挑発と誘惑』から『陶酔と歓喜』に変化しつつありました。

私が作品に没頭していたその時、真嶋が更に驚愕の事実を明らかにしたのです。

「このふたりの絡み、この女性の御主人が撮影したんです」

「エエッ!?じゃあ、この男性は誰ですか?」

「恥ずかしながら、僕なんです。もちろん、途中までは僕がカメラを握っていました。そのうち横で撮影の様子を見ていた御主人から『妻を撮ってみたい』と言われたのでカメラマンを交代したんです。最初は遠慮がちでしたが、次第に撮影に没頭されるようになり、奥さんへの要求もエスカレートしていきました。最後には男性とのショットを撮りたいと。仕方なくその役をお手伝いしたのです」

真嶋の話を聞いて『これだ!』と思いました。その御主人の心境に痛いくらい共感できました。

「あの…もし…妻がヌードをOKしたら…私にも…撮らせてもらえませんか?」

「ええ、もちろんです。奥さんもきっと嬉しいはずです」

「出来れば…真嶋さんとのカラミもいいですか?ちょうどこの作品みたいな…」

「それは…ちょっと…必要ならば男性モデルを紹介しますよ」

「いや…それだと妻が嫌がるかも知れません。真嶋さんにはどうせヌードを見られる訳ですし、妻の心理的な抵抗も少ないかと…」

「う〜ん、困りましたね。では、その場の流れで奥さんが了承されたらという事にしましょう」

「有り難うございます。その際はぜひお願いします」

「奥さんにはまだヌードのお返事すらもらってないですけどね」

真嶋が舌を出しながら笑顔で茶化しました。

ちょうどその時、白いセーターとグレーのスカートに着替えた妻が、少し恥ずかしそうに身を屈め、リビングに戻ってきました。

「エレガントでとってもお似合いですよ」

真嶋が妻の気分を盛り上げます。もうカメラマンの仕事は始まっていると思うと、私も自然と言葉が出てきました。

「うん、真嶋さんの言うとおり、すごく似合ってるよ。綺麗な奥様って感じがする」

「えっ…ホントに…?女房褒めて何するつもり?フフッ」

妻は照れ隠しに、洋服の皺を直しました。その表情はまんざらでもありません。

そして、私達三人は撮影用の部屋へと移動しました。

いよいよ撮影の準備に取り掛かります。私はカメラを構える真嶋の横に位置しました。

「じゃあ、奥さん、まずは自由にポーズを造ってみて下さい」

真嶋の合図で撮影がスタートしました。途端、彼の目が獲物を狙う獣のように鋭さを増します

序盤、表情もポーズがぎこちなかった妻は、真嶋の掛け声で次第にスムーズになってきます。

「そうそう!綺麗ですよ!」、
「よしっ!いい顔してる!」、
「それいいねっ!もっと!」、

とにかく褒めに褒めて、妻の緊張や羞恥心をほぐし『見せる快感』を高めようとしています。

私はたまに妻から届く視線に無言でうなずく以外は、二人の空間をただ黙って見守りました。

開始から30分。真嶋の額に汗がうっすらと滲みだし、スタジオ内が熱気に帯びてきた頃、妻の様子に変化が見え始めました。

ポーズを決めた後、自信と陶酔に満ちた表情でカメラに目配せするようになったのです。

その変化を嗅ぎ取ったのか、真島が次のステップに進みます。

「奥さん、ちょっとヌードチックなポーズで行きましょう。そこに四つん這いになって目線をこちらに下さい」

一瞬、妻は戸惑うような素振りを見せましたが、斜め下に視線を落としながら2、3回小さく頷くと、ゆっくりと四つん這いになりました。そして、うるんだ瞳でカメラを見つめます。

「アア…そうそう…凄く色っぽいですよ。もっとお尻を高く上げてみましょうか」

妻は肘を少し曲げて上半身を低く落とし、一方で肉付きの良いお尻をツンッと突き出しました。

正直、妻がここまで大胆になれるとは思っていませんでした。真嶋の自説である『女は本来見られたい生き物』という言葉を、何度も頭の中で反芻していました。


その後、異様な熱気と静寂が交差した部屋の中で、刺激的なポーズの撮影が続きました。相変わらず衣服は身に付けていますが、真嶋の指示は明らかにヌード姿を意識したものばかりでした。

椅子の上に片膝を立て…真っ白な太腿を見せつける姿…。ソファーに横たわり…両手を股間に添え…瞳を閉じる姿…。円筒型のクッションに跨がり…背中を弓のようにのけぞらせる姿…。

真嶋の目は充血し、全身から滴る汗で浅黒い肌が光っています。

妻は完全に『見せる快感』に支配され、私の存在など無視するかのように、美しくも卑猥なポーズを次々と造り出しています。

「よし!これくらいにして昼食にしましょう。お疲れ様でした」

妻はフッと力が抜けたように床にしゃがみました。私はすぐに駆け寄り、声をかけました。

「お疲れ様だったね。少し疲れただろう?でも…綺麗だったよ」

「ホント?ありがとう…途中から…スゴく恥ずかしかったよ…」

小刻みに呼吸する妻の身体からは、汗と香水が混在した甘い香りが立ち込めています。

「奥さん、やっぱりサマになってましたよ!僕の見立て通り!」

真嶋が声をかけながら歩み寄ると、妻は恥ずかしさからか、目線を合わせずに会釈しました。

「それでは、リビングにどうぞ。今朝、スーパーで刺身とかサラダを買ってますんで、腹ごしらえをしましょうか」

妻は一度着替えにクローゼットへ、私と真嶋は再びリビングに戻り昼食の支度を始めました。

テーブルに惣菜を並べ終わると、真嶋が赤ワインのコルクを抜いて中央に置きました。

「へえ…昼間からワインですか?さすが芸術家ですね」

「いえいえ、単なる酒好きですよ。本当はビールでも、焼酎でも、バーボンでも、何でもござれです。ただ、これからの撮影に向けて奥さんのムードを高める為には、ワインがいいでしょう」

より良い作品を撮るために、こういった細かい演出を散りばめる彼のプロ意識に脱帽しました。

着替え終えた妻が戻ると、真嶋がワインを注ぎ、乾杯しました。

妻は普段、お酒をそれほど飲む訳ではありませんが、やはり撮影の緊張からノドが渇いていたのか、いつになく早いペースでグラスを空けます。テーブルの食材があらかた無くなった頃には、3人とも酔って饒舌になり、会話もはずむようになっていました。

「それにしても…さっきはとてもキレイでしたよ。僕…本腰入れて撮りたくなりました。良かったら、今晩、御主人と一緒に我が家に泊まりませんか?」

「エエ〜?本気ですか〜?」

赤ら顔の妻がワイングラスを片手にトロンとした目で答えます。

「もちろんです。その方が時間をゆったりと使えますしね。お二人の部屋も用意しますから。どうでしょう、御主人?」

真嶋の提案は私にとって魅力的なものでした。このままアルコールの力を借りて妻のガードを下げていけば、ヌードまで誘導しやすくなるのではないか。そんなことを考えていました。

「いいですね。こんな機会もそうそう無いだろうし、お言葉に甘えようかな…」

チラッと妻の方を見るとマンザラでもなさそうな風に見えます。

「よし!決まり!今日は御夫婦でゆっくりして行って下さい。さあ、飲みましょう!」

真嶋は半ば強引に結論を出すと、新しいボトルを持って来てコルクを抜きました。

それから三時間あまり酒席は続き、気づくと窓の外はすっかり夕闇に包まれていました。


3人ともすっかりとデキあがってしまっている中、真嶋が腕時計をチラッと見ました。そして、妻のグラスに残っていたワインを一気に飲み干しました。

「いや〜もう夜ですよ。少し飲み過ぎましたね。そろそろ、撮影を再開しましょうか?」

妻はハッとしたように柱の時計に目をやります。

「ワタシったら…、すいません。急いで着替えて来ます」

妻はふらつきながら立ち上がると、リビングを後にしました。その足取りは、金曜日の歓楽街で見かける酔客のようでした。

私と真嶋は先にスタジオに向かい、缶ビール片手に妻の到着を待ちました。

「僕もそうですが、奥さんも相当アルコールが回ってますね」

「エエ…妻があんなに飲むことは滅多にないですよ。勢いでヌードになったらどうします?その時は真嶋さんと妻の二人を…私に撮影させてくれますよね?」

「ハハハッ…そこは自然体で行きましょうよ。まずは奥さんが了承するのが条件でしたよね?いくら酔ってても女性の裸はハードルが高いですよ?」

「わかってます。でも、真嶋さんの方からも、妻をうまくヌードに誘導して下さいよ」

真嶋は指でOKサインをつくると、三脚の位置を調整しました。

その時、スタジオの入口で元気な声が鳴り響きました。

「お待たせしました〜」

そこには、OL風の白いYシャツと黒いミニスカートに着替えた妻が立っていました。

「おっ!さっきと雰囲気を変えて来ましたね?とても主婦には見えないな〜」

さっそく、真嶋が妻の気分を盛り上げて行きます。その姿は確かに、専業主婦とは思えない色っぽさを携えていました。

そして、私達3人の熱くて長い夜が始まりました。

撮影は快調に進みました。アルコールで身も心もイイ具合にほぐれたのでしょう。妻は、真嶋の要求する数々のポーズに何の躊躇いもなく応じました。

30分が経過した頃、真嶋がふとこちらを見て無言で頷きました。それが何を意味するのか、私には何となく理解できました。

「よし!奥さん!御主人も居るし、折角の機会です!出来るところまで脱いでみませんか?」

その瞬間、妻の動きがピタッと止まりました。

「エッ…!?そ…それは…」

「ゆっくりでいいですよ!御主人も横で見守っていますから!」

「イヤッ…、でも…その…」

妻は当惑したように私の方を見て、モジモジと体を動かしました。その指先はシャツの第1ボタンに掛かっています。それが脱ぐための準備なのか、絶対に外さないという意思表示なのか、私には判断できませんでした。とにかく自分の気持ちを伝えよう、そう思いました。

「やってみようよ!オレもオマエのキレイな姿を見たいし、記録に残しておきたい!オレ達が老人になったら、若かりし頃の思い出として眺めよう!」

「アナタ……」

妻はうっすらと目に涙を浮かべて、私の言葉を喜びました。そんな妻に対して、私は罪悪感を感じ、うつ向いてしまいました。

時間にして10秒位でしょうか、その空間を静寂が支配したのち、私の横でカシャッ!カシャッ!とシャッター音が鳴りました。

突然の出来事に驚いて頭を上げると、そこにはゆっくりとシャツのボタンを外す妻の健気な姿がありました。恥じらいながらも、その表情は決意に満ち、目線はしっかりとカメラを捉えています。

全てのボタンを外し終えると、妻は後ろを向いてシャツを脱ぎ去りました。妻の透き通るような白い背中が、黒いブラジャーによってさらに際立っています。

さらに、スカートのホックを外しチャックを下ろすと、ゆっくりと足元に落としました。目の前に現れた肉付きの良いお尻には、まるで私達を挑発するかのように黒いパンティーが食い込んでいます。

真嶋は目をカッと見開いて、一心不乱にシャッターを切り続けています。心なしか、彼の息づかいが段々と荒くなってきているように感じました。


妻はセクシーな下着姿になると、しばらく背を向けたまま、その場を動けませんでした。

「奥さん!頑張ってこっち向いて下さい!」

真嶋が大声で呼び掛けると、妻はフ〜ッと肩で息をして、ようやくこちらを向きました。

大事な部分を黒いレースの布切れで覆い隠すだけの肢体は、オンナのフェロモンをたっぷり発散していました。小ぶりながらも美しい曲線を描くバスト、それと対照的にしっかりと自己主張する大きなヒップ、程好く脂の乗った真っ白な太もも、そして、何よりそれを晒すことで生まれる羞恥の表情。紳士的な真嶋でさえ、思わず男の本能を剥き出しにしました。

「堪らないですね…」

真嶋は、ゴクッと唾を飲み込むと顔をカメラから離して、そう私に囁きました。

「アッ…アノッ…次はどうすれば…いいですか?」

妻は、恥ずかしさのあまり、撮影を早く進めようとしました。

「そうですね…。そうだ!御主人にカメラマンを変わりましょう!御夫婦で作品を造りあげてみては如何でしょうか?もちろん、僕もサポートしますから」

「エッ…主人が…ワタシの写真を撮るんですか?」

「そうっ!どうですか、御主人?夫の視点から、こんな作品を造りたいってのがあるでしょ?」

事前に構想があったといえ、妻がまだヌードになっていない段階でその話をふり込まれるとは思っていませんでした。

「ええ…まあ…やってみたいです…妻がOKなら…」

「奥さんはどうですか?」

「そうですね…ワタシは…二人が良ければ構いません。ただ主人がそのカメラ使っても大丈夫ですか?高価でしょうし…」

「大丈夫!大したカメラじゃないから!さあ、御主人」

真嶋は私の手を引っ張るとカメラの前に誘導しました。

正面に立っている妻の姿が、あの作品の主婦と重なって見えます。私は妻をジッと見つめました。

「頑張ろうね…アナタ」

そんな私に向かって、妻が優しく微笑みました。


カメラを通してファインダー越しに妻を見ると、『ツマ』ではなく『オンナ』を映し出している気がしました。

「どうしようかな…」

いざその場に立たされると、私はどうしていいか分からなくなっていました。

「じゃあ、最初は、僕が奥さんにポーズをつけましょう」

助け船を出した真嶋は、妻の真横に立ち、次々とポーズを指南しました。午前中に試したものよりもソフトでしたが、私は無我夢中でシャッターを切りました。

その間、手足の角度や体の向きを修正するために、真嶋が妻の柔肌に直接触れることもありました。妻は少し身を引いたり、咳払いをしたりと彼のボディタッチに当惑する様子を見せましたが、それは夫である私への配慮だったのかも知れません。

「よし!取り敢えずこれを最後のカットにしましょう」

真嶋がアレンジしたポーズを撮り終えると、妻は笑顔で彼にお辞儀をしました。

「さあ、御主人!今からは御自身で自由に奥さんの作品を演出してあげて下さい」

「いや…そうは言っても、特段のアイデアはありません」

「では、もう終わりにしますか?今この瞬間の奥さんの魅力…全て写真に収めましたか?」

「いえ…実は撮りたいものがあります。ただし…私の一存では決められないことで…」

「アナタ?どういうこと?ワタシ…ここまで来たら何でも出来る気がするの。言ってみて?」

「わかった…言うよ。オマエの中の『女』をもっと強調した写真を撮りたいんだ。つまり…男性とのツーショット…」

「フフッ…なんだ!アナタと二人の写真を撮りたいのね?それなら平気よ!むしろワタシからお願いしたいくらい。真嶋さんに撮ってもらいましょう?」

「いや…オレと映ったら『妻』になってしまうだろう。長年の結婚生活がそうさせてしまうと思う。だから…オレ以外の男性…つまり真嶋さんとの写真を撮りたい」

「エッ…真嶋さんと…?」

妻は真嶋をチラッと見ると、顔を真っ赤にしてうつ向きました。

「真嶋さん…お願いしても大丈夫ですか?妻との写真を…」

「ええ、僕はいいですよ。奥さん、御主人の願いを是非とも叶えてあげましょうよ?」

妻は暫く考え込んだ後、胸元を手で押さえながら顔を上げました。そして、緊張の面持ちで、真嶋に小さく頷きました。心なしか身体が微妙に震えて見えます。

「ハイ…、がんばって…みます。よろしくお願いします」

「僕こそヨロシク。ちょっとだけ恥ずかしいけどね。さあ、御主人、始めましょう」

こうして、ついに私の念願が成就することになったのです。



真嶋は、照れ臭そうに身を縮める妻に寄り添いました。

「では、すいませんが、真嶋さんも服を脱いでもらえますか?」

「ハハッ…そりゃそうですよね。それでは、奥さん…見苦しいかも知れませんが御容赦下さい」

真嶋が服の襟元に手をかけると、妻はそれとなく顔を背けました。表情は平静を装いつつも、髪の毛を何度も耳にかけ直したり、両手をブラブラさせたりと、明らかに動揺が隠せません。

真嶋は、先ほどの妻とは対照的に男らしく豪快に脱ぎ始めました。セーター、Tシャツを脱ぎ捨てると分厚い胸板と六つに割れた腹筋が現れます。更にジーパンを一気にズリ下ろしブリーフ姿になると、その中心部は遠目にもハッキリとわかるほど誇らしげに隆起しています。その圧倒的な存在感は、まるで私の貧弱な一物を見下しているような気がします。

「御主人…これで宜しいですか?奥さんのお姿に合わせました」

「ええ…ありがとうございます。まずは、真嶋さんが妻を背後から抱き締めるカットを撮りたいです。お願いします」

私がカメラを構えると、妻の背後に真嶋が移動しました。そして、両腕をベルトのように妻のお腹に巻き付け、横から顔を出しました。真嶋が何か耳元で囁くと、妻は笑顔で彼に応えます。まるで恋人同士のように甘いムードが漂っています。そんなお似合いの二人を目の当たりにし、私は嫉妬と興奮でやや感情的になり、なぜか妻を困らせたくなりました。

「真嶋さん!もっともっと妻に体を密着させて下さい!」

真嶋は無言で頷くと、妻の身体をギュッと力強く抱き締めました。その瞬間、妻は『アッ』と小さく口を開け、明らかに真嶋の一物がお尻に押し付けられた感触を意識する素振りを見せました。妻の顔から笑みは消え、申し訳なさそうに私から目を逸らします。

「いいですね…次…いきましょう。前後入れ替わって下さい」

真嶋は、妻の身体を優しく離すと、今度は前面にまわりました。私は、彼の大きな肉体に隠れた妻に強い口調で指示を出しました。

「じゃあ、後ろから手を回して、左手は真嶋さんのお腹に、右手は太ももに置いてみて!」

妻は、触れるか触れないか微妙な距離を保ちながら指示通りに両手を動かしました。

「こんな…感じ…カナ?」

真嶋の背後から妻の控えめな声が聞こえてきます。

「そうだね…もう少し右手を上にあげてみて」

妻の右手は真嶋の太ももから脚の付け根付近に移動しました。すぐそばには真嶋の『オトコ』が待ち構えています。

「うん…イイ感じだけど…なにか物足りないね。そうだ…真嶋さんには申し訳ないけど…ブリーフに手を突っ込んでみて!」

「エッ…それは…」

さすがに少し怒ったような表情で、妻が真嶋の右肩から顔を覗かせました。

「奥さん…どうぞ気になさらないで下さい…僕なら平気です」

「イヤ…その…」

「撮影ではカメラマンのいうことは絶対なんです。御主人は奥さんの美しいお姿を残そうと頑張っていらっしゃる。僕たちも一生懸命その気持ちに応えませんか?」

「ハイ…すみません…」

妻は真嶋の熱意に促されて、彼のブリーフにゆっくり指を挿し込みました。真嶋は、その爪先の感触に刺激され、ビクッ…ビクッ…と大きな体を震わせます。カメラの向こう側に生々しい男女の息遣いが映し出されます。

「よし!OKです!今度はお互いに向き合って下さい!」

私の指示に従って、下着姿の二人が初めて向き合いました。互いに目線の置き場に困っているのか、揃ってこちらを見ています。

この頃、既に私は中途半端な現状に満足できなくなっていました。そして、それはさっきから強烈な『オス』のニオイを発散している真嶋にも共通する想いだったようです。

「奥さん…もうここまで来たら…全部脱ぎませんか?御主人も内心それをお望みでしょうから」

ここが勝負所と睨んだのでしょう。真嶋が私に目配せします。

妻はソワソワと落ち着かない様子で足を動かしています。

「こうしまょう。まず御主人と僕がヌードになります。カメラマンが裸になるのも変ですが、奥さんが味わう恥じらいへの代償です。御夫婦の作品ですから御主人にも一肌脱いでもらいましょう」

真嶋が私に向かって手招きをしています。妻を脱がせるためなら…そんな覚悟の元に二人に歩み寄りました。

「アナタ…」

二人の目の前に立つと、妻は照れくさそうに私を見つめました。

「ははっ…オレまで裸にさせられちゃうのか」

わざとおどけて見せると妻の表情がわずかに緩みました。

「じゃあ、御主人。作品のために一つご協力下さい」

私は後に続く妻のため、ためらうことなく次々と服を脱ぎました。さすがにトランクスを下ろす時は抵抗感がありましたが、それでも表面上は平静を装いました。

無言で淡々と脱ぐ私の姿が滑稽に映ったのか、妻は何度も吹き出しながらその様子を眺めていました。さっきまでの重苦しい雰囲気は消え去ります。

「いや〜、いざ裸になってみると意外と平気なものですね〜。さあ、次は真嶋さんの番ですよ」

フルヌードになった私はさっそく真嶋に促しました。

「ハハハ…カメラマンらしからぬ見事な脱ぎっぷりですね。これは恐れ入りました。では僕も御主人に続きますか…」

真嶋がブリーフのゴムに手をかけ妻の反応を伺います。

「もぉ〜っ!ヤダァ〜!真嶋さんまでここで?ワタシ…目のやり場に困るじゃないですか〜」

「ハハハッ、いやいや、御主人のモノは堂々と見ていらっしゃったじゃないですか?」

「真嶋さんったら、またワタシをからかって!」

妻が、真嶋の肩をはたこうと右手を上げた、まさにその時でした。彼は前触れもなく一気にブリーフをズリ下ろしたのです。

「エッ!!エッ??」

妻を不意打ちした真嶋のドス黒いペニスは、下着から解き放たれた反動で『ブルンッ』と跳ね上がりました。長さも太さも私のモノを遥かに凌駕し、異常なまでに発達した亀頭とミミズのように血管が浮き出た陰茎はグロテスクにすら映ります。

「……………ィャッ」

妻は手で口を塞ぎながら、数秒間、真嶋のペニスを眺めると、思い出したかのようにサッと顔を紅潮させ、身体を背けました。

「モッ…もう…真嶋さん…ヒドイ…いきなり…なんて…」

妻は言葉に詰まりながらしきりに髪を直します。真嶋に「オトコ」を痛感させられたのか、少し身をかがめ、いまさらブラジャーとパンティーを彼の視線から遠ざけようとしています。


「ハハッ…すいません…御主人に催促されたもんで…」

真嶋は、狼狽える妻にそう釈明し、脱いだばかりのトランクスを床に置きました。

「さあ、奥さん、、、と言いたいところですが…」

真嶋はそこまで言いかけると、妻のヒップを舐めるように見回して、私の方に向き直りました。

「御主人…奥さんが自らヌードになるのは、とても勇気がいることです。どうでしょう?これからの撮影の流れで、男性側が脱がせるシーンを入れませんか?」

「男性側…って?」

「御主人か僕のどちらか…という意味です。別に僕がカメラマンをやっても問題ないわけですから。どうします?御主人がモデル役をやりますか?」

まるで胸の内を見透かしたような選択を突き付けます。

「ああ…そういうことですか…。いや…ここまで来たら…最後まで自分で撮りたいですね…」

真嶋がニヤッと笑います。

「奥さん、如何ですか?御自身で脱ぐより、作品の流れに乗る方がラクじゃないですか?」

妻はようやく落ち着きを取り戻し、背けていた身体を再び真嶋の方に向けました。

「エッ…えぇ…」

「それでは喉も渇いたでしょうし、少し休憩にしましょう。飲み物を取ってきます」

真嶋は、剥き出しのペニスを妻に見せつけるようにゆっくりと目の前を横切ると、そのままスタジオを出ていきました。

久々に妻と二人きりの空間が訪れます。私は真嶋が居ない今、妻の心境を聞きたくなり、ひっそりと声をかけました。

「どうだい?頑張れそう?」

「うん…頑張る。正直…逃げ出したい気分だけどネ…」

妻は身体をモジモジ動かしながら、柔らかく私に微笑みました。

「それはやっぱり…ヌードになる恥ずかしさから?」

「もちろんそれもあるわ。でもね、それが一番の理由じゃないの。だって真嶋さんにはもうほとんど見られてるし…二人ともいっぱい褒めてくれるし…」

「じゃあ…何で?」

「ヌードそのものより、他の男性に裸を見せる自分の姿をアナタに見られるのが恥ずかしい…」

「そうか…でも…オレが居ないと写真が撮れないしな…」

その時、背後から真嶋の大きな声が聞こえてきました。

「それなら解決できますよ!」

彼は缶ビールをかかえて、私達に歩み寄りました。


真嶋は私を2つ隣の部屋に通すと、モニターを用意して何やら調整を始めました。

「御主人…さっき奥さんには内緒にしましたが、撮影の様子はこのモニターに映しますから」

「えっ!?そんなこと…出来るんですか?」

「ええ、ビデオを2台用意します。1台は撮影、もう1台は中継用に使います」

「内緒ってのは気がひけますね。妻にも話した方が…」

「それじゃあスタジオにいるのと変わらないでしょ?御主人も本当はナマの奥さんを見たかったのでしょうが、それが叶わなくなった今、せめてモニターを通じてでもと思ったのですが。御主人の目を気にしない奥さんのお姿…見たくないですか?」

「いや…ぜひ見たいです…やはり妻には内緒でお願いします…」

「でしょ?それとこれからの撮影ですが、どんなコンセプトで撮りましょうか?」

「私の希望は、あの作品のような男と女のリアルな営みを残すことです。もちろん妻が許す範囲で…ですが。それ以外の事は真嶋さんにお任せします」

「了解しました。奥さんの反応を見ながらですが、最大限頑張ってみます。スタジオの準備が終わり次第、撮影を開始します。どうぞお楽しみに…」

真嶋はそう言い残して部屋を出ていきました。それから5分くらい経つと、ビール片手に眺めていたモニターにスタジオの様子が映し出されました。そして、画面上に二人が現れると、いよいよ撮影がスタートしました。


カメラは腰にタオルを巻いた真嶋、そして下着姿の妻を斜め前から映し出しています。

二人の会話には時折雑音が交じりながらも、十分聞き取れるレベルにありました。

「こうやって改まると、何となく気恥ずかしいですよね」

後ろ頭を掻きながら、真嶋が切り出します。

「エエ…ホントですね…」

ほんのりと赤みを帯びた頬が妻の心情を代弁しています。

「それで…奥さん…御主人の希望をお聞きしたのですが…なかなか言葉には言い表しづらくて…」

「何となく想像は出来ています。こんな形で真嶋さんにまで御迷惑をおかけしてスミマセン…」

「いえいえ、被写体の視点を学ぶ絶好の機会ですから。それより…アングルやアイテムである程度は誤魔化せるとしても、どうしてもお互いの肌が触れ合う場面もありますが…」

「フフッ…真嶋さんがイヤじゃなければ…ワタシは平気ですよ」

「では…さっそくですが…まずは奥さんの下着をお取りするシーンから行きましょうか?」

真嶋はゆっくりと背後に回り込み、耳元で何かを囁くと、妻が両手でブラジャーを押さえました。

次の瞬間、真嶋が慣れた手つきでホックを外すと、黒いブラひもが妻の背中に垂れ下がります。

「奥さん…そのままビデオに視線を向けて下さい」

妻は、胸元をしっかりと押さえて、恥ずかしそうに正面のビデオを見つめます。

「いい表情してますねえ…今度は僕がブラジャーを支えますので、奥さんの手は外しましょう」

背後から伸びた彼の掌が、優しくブラジャーに添えられると、妻の両手はバストからゆっくり離れていきます。

「あぁ…官能的なポーズですね。ご自身でどう思われます?」

「こんなにハズかしい恰好…主人には見せられませんね」

「そのために…御主人に退室してもらったんじゃないですか。ここにはもう僕たち二人しか居ません。思い切って大胆な作品をつくりあげましょう」

私が覗いている中継用のモニターをチラッと見たあと、ブラジャーに置かれた彼の両手が大きな円を描くように動き始めました。

妻は首をすくめ、次第に前屈みの体勢になっていきます。


「奥さん…演技でも構いません。女性が感じている姿を全身で表現しましょう。このような作品ではモデルが如何にその役に感情移入するかが重要ですよ」

写真家の視点でアドバイスすると、ブラジャーの上から妻の乳房をまさぐり始めました。

「ほら…奥さん…感じて下さい。これは…演技ですから…」

妻の呼吸が荒くなり、次第に足腰のチカラが抜けていきます。

大きな手のひらが、時に荒々しく、時に優しく、不定期なリズムを刻みながら、妻の小振りな乳房を揉みほぐします。

妻は、唇をギュッと噛みしめて、必死に何かを堪えています。

「あぁ…いい表情ですね。もっともっとリアルに行きましょうよ?そうですね…声なんかも」

妻の耳元でそう囁きながら、遂に真嶋の指先がブラジャーの内側を侵犯した瞬間でした。

「ンン!…ンハッ…ハァァン」

妻の腰がビクンッと痙攣したかと思うと、堰を切ったように嗚咽が洩れ始めました。

「ハァン…イッ…アァン」

「可愛らしい声してるじゃない?もっと聞かせて下さいよ」

妻に甘く語りかけながら、真嶋はさりげなくブラジャーをずらして乳房を丸出しにします。

「アッ…イヤッ…ハァン」

夫以外の男に乳房を見られているというのに、妻はそれを隠そうとしないどころか、胸を張って彼の愛撫を受け入れています。

「キレイなオッパイが見えちゃいましたね。おやおや?ここも演技ですか、奥さん?」

真嶋はピィィンッと勃起した妻の黒い乳首を摘まみます。

「イヤッ…恥ずか…ハァン」

はしたない喘ぎ声に勢いをつけた彼の指先は、いやらしい突起物を擦ったり、弾いたり、捻ったりと執拗に弄びます。

「アッ…!ダメッ…!アァーン!気持ちイイッ!ハァーン!」

「奥さんが頑張っているから僕も興奮して来ちゃいました」

真嶋はグッタリとした妻の身体をグイッと引っ張り、半回転させて自分の方に向かせました。