● 家庭訪問


出展元:妻と勃起した男達
投稿者:公務員さん




私は40歳の公務員です。妻は36歳で、私が言うのもなんですが、美しい妻だと思っています。いや美しいというより、色気のある女です。結婚10年目の今でも、服装から言葉遣い、床の中まで気を使ってくれて、男の私を満足させてくれるいい女です。

 「いってらっしゃい、あなた」
 その日も、いつものように、出勤する私を送り出してくれていました。
 「ああ、言ってくるよ・・・そう言えば、今日は、健太の学校の先生が、来るんだったな」
 「ええ、家庭訪問なの」
 「よく話を聞いてな」
 「はい」
 「じゃあ、入ってくるよ」
 「いってらっしゃい。早く帰ってきてね、あなた」

 健太は小学三年生の一人息子です。その息子の学校では家庭訪問が始まっていると言っていました。うちにも今日、担任がやってくると、昨日の晩、妻が言っていたのです。健太はいい子だから、何も問題はないだろう。そう思っていました。


 お昼を過ぎ、私は営業周りの途中で、はっと思いました。ちょうどここは、車で家まで10分位だ。家によってみようか。もし、息子の担任教師が来ていたら、挨拶してみるのもいいだろう。男親も、そういう所も必要かもしれない。

 私は車を家の近くのパーキングに止めました。車は自分のものではないし、家の前は狭いので路駐はできないのです。
 家の窓にはなぜか、カーテンが締め切られていました。不思議に思いました。真昼間から・・・。

 ドアは、鍵がかかっておりました。これはそうだろう。用心しろといってるから。でもカーテンは・・・ひょっとして外出してるのか・・・。しかし、昼から担任教師が来るというのに、どこに行ってるんだ・・・。

 少し不愉快になりながら、鍵を開け、玄関の中に入りました。そして、土間に腰掛靴を脱いでいると、
 「ああんっ!」
 と、女の大声が、玄関まで響いてきたのです。

 何だ?何の声だ?妻か?そして、ガタッと、何かが落ちるような音と、
 「ああっ!あんっあんっああんっ!」
 また女の大声が響いてきたのです。

 妻だ。間違いない。しかしその声は、苦痛の大声というより・・・歓喜の声に聞こえるのです。
 「ああん・・うふん・・・くふう」
 大声がむせび泣きに変わり、私はその声の方角へ、廊下を歩きました。そこは、居間でした。ふすまが少し開いていて、そこから見えた光景に、私は金縛りにあいました。

 妻が、男に組み敷かれていたのです。

 「くはんっ!先生ぃっ!」

 担任か!?家庭訪問に来ている担任教師なのか!?
 二人とも全裸でした。妻の肉付きのいい下肢が、男の腰の両側で揺れていました。挿入している!

 「ああ・・くう・・先生ぃ・・・ああん・・・」
 男は、妻を座布団の上に組み敷いて、正上位で妻を貫いていたのです。妻の豊満な白い乳房を片方は揉みしだき、片方はむしゃぶりつき、乳首を舐めていました。
 「あくう・・・先生ぃ・・・気持ちいい・・・あんっ」
 はっきりそう言った妻は、男の背中に細い腕をしがみつかせていました。

 男はがっしりした体格で、私たち夫婦より年上でした。50代に見えました。白髪混じりの頭を、妻のの胸にうずめていて、今度は、妻の唇にむさぼりついていったのです。妻が、それに応えました。男の背をがっしりとつかみ、顔をぶつけるように、舌を伸ばしているのです。

 「ああっ!先生っ!ああんっ・あはんっ・うはん・・・」
 男が猛然と、腰を振り出しました。妻は眉間にしわを寄せて頭を振り乱し、男の太い腕に爪を立てていました。

 「あんっ!こんなの駄目っ!先生っ」
 男が妻を抱えあげ、自分は仰向けになりました。妻を上にしたのです。
 「恥ずかしいっ!いやあっ!」
 妻はそう言いながら、男に下から、乳房を揉まれ、腰を振り出しました。妻の腰が、男の上で前後左右にグネグネと滑っていました。
 
 「たまらない、健太君のお母さん・・・」
 初めて男の声を聞きました。男はそう言った後、起き上がり、妻の下肢を抱えるようにして、妻の体を一回転させ、妻を前に押し出しました。妻は、手練の老年男に操り人形のように、肉体を自由にされていました。男は妻を四つんばいにさせて、バックスタイルで貫いていました。

 「健太君のお母さんのおまんこ・・・たまらない締りだ。行きますよ、お母さんっ!」
 「ああ、駄目え、先生・・・ああっ・・あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!・・・」

 ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・・・
 男が妻の細腰をつかんで、腰を打ち出す度、妻の真っ白なお尻がパン、パンと弾ける音を立て、
 「あんっ・あんっ・あんっ・あんっ・・・」
 と、妻が喜びの声を、男のピストンに合わせて、頭をのけぞらせながら出していました。

 ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・・・
 「あんっ・あんっ・あんっ・・・」
 
 妻の豊満な乳房が激しく揺れていました。男は後ろからそれをぎゅうぎゅうと揉み、乳首を摘みました。そして、

 ズバンッズバンッズバンッ・・・
 「あうんっあはんっくはあっ・・・」
 男がスパートを開始しました。歯を食いしばりながら猛然と腰を振り出したのです。片膝を立て、力強く速く、ズバンズバンと妻のお尻を打ち付けていました。
 妻の肉体がぎしぎしと揺れていました。

 「もう駄目えっ!いっちゃうっ!いっちゃうっ先生っ!」
 「お母さんっ!私ももう限界だっ!中はどうですかっ!健太君のお母さんっ!」
 「駄目えっ!中駄目えっ!健太の先生は駄目えっ!ああっああっ!でもいっちゃう!もう壊れちゃうっ!」
 「うおおっ!」

 ズバンッズバンッズバンッ・・・
 「いくうっ!きゃおおっ!」
 妻が、狼の遠吠えのように仰け反って、叫び、ばったりと突っ伏しました。そして男がすぐ、
 「ぐおおっ」
 と吼え、妻のお尻から離れると、突っ伏した妻の背に向かって、勃起して黒光りしている物をしごいたのです。
 
 ドバッドバッと、男の物から、白い精液が飛び出し、妻の白背中とむっちりとしたお尻に飛び散りました。男は、
 「ううう・・・健太君のお母さん・・・たまらない・・最高だ・・・」
 と呻いていました。


 
 私は、道の角に隠れて、男が出てくるのを待っていました。玄関から、男が出てきて、妻も顔を出しました。妻は、ニコニコとして、男に頭を下げていました。誰が見ても、家庭訪問が終わった担任教師を見送る母親に見えるでしょう。

 私は男の後をつけて、人気の少ない小道に入ったとき、男の背後からスーパーの袋をかぶせ、羽交い絞めにしました。
 「うあわあっ!」
 男は声を出し後ろに倒れました。私は持っていた石で、五六回、男の顔面を殴りつけ、走りさりました。パッと後ろを向いたとき、男は、這いつくばってもがいていました。

 その次の日、新聞に、家庭訪問中の教師、襲われるという記事が載ったのです。そして、不審者に注意の回覧板も出回りました。
 
 

 私は変わりました。私は、目撃したことを妻に一切言いませんでした。その代わり、私は変わりました。私は妻に遠慮していたのか。淡白だったのです。妻も私との交わりで、大声を出すようなことはありませんでした。
 私は妻を激しく攻めました。執拗に。道具さえ使いました。ローター。張り型。私の変化に戸惑っていた妻も、道具に怯えていた妻も、今では歓喜の声を上げています。

 でもまだまだです。もっと、もっと妻を・・・あの時以上に。

 「どうだあっ!」
 「ああんっ!あなたもう駄目えっ!いっちゃうっ!!」


私は変わったといいましても、妻を激しく、道具を使って責めるようになったといいましても、私の鬱々とした気持ちは消えませんでした。
 張り型やローターで妻を軽くいかせる事ができても、肝心の私自身が妻の中に入ったら、あっけなく終わってしまうのですから。そして、あの妻の肢体が浮かぶのです。

 息子の担任の教師である男に、組み敷かれて、上に乗せられ、四つんばいにされて、力強く攻められる妻の肢体が。乳房を揺さぶられ、尻を突きまくられ、キスに応じて、絶頂していく妻が。
 あの男は、どのようにして妻を寝盗ったんだ。一体何がきっかけなんだ。
 それを確かめなければ、気が収まらなくなりました。小細工で妻を責めるだけではもう、私はどうにも納まらなかったのです。

 私は、妻のこの数ヶ月の変化や言動を思い返しました。変わったことといえば、息子の健太に、剣道を習わしたいといって、しつこかったくらいだ。健太は体が丈夫ではなかったので、というのが理由で。私も承知しました。
 剣道を習い始めて活発になってくる健太の様子を、妻を嬉々として話したものです。そして、指導者が素晴らしい人で・・・学校の先生なんだ、と・・・。

 まさか、その指導者が。そう思い出すと、私の妻への情欲は燃え上がりました。そういう繋がりなのか?そうだとしても何がどうなって?
 私は、路上で襲ったその男の顔をはっきり見ていませんから。特定はできません。なんとかはっきりさせる手立てはないか?私は考え続けました。


ある夜のことです。私は妻に晩酌をしてもらっていました。妻は細い腕を伸ばしてビールを注いでくれます。開いた胸元から、豊満な谷間が揺れています。この自慢の私の妻の肉体が、夫の私だけのものじゃないという現実に、ビールを口に運ぶピッチが早くなっていきます。
 妻と息子の担任教師との関係は、あの時私が目撃した時だけなのか?それ以前からか?いやそもそもまだ続いているのか?

 「あなた、飲み過ぎよ」
 「いいじゃないか」
 「駄目よ」

 妻がビール瓶を引き上げました。私は強く言えないのです。私は妻に惚れきっていました。しかもその気持ちは、あの目撃、妻が担任教師と家庭訪問中に交わり合っている、あの目撃以来ますます強まっているのです。私は妻を愛しています。流しに立って洗い物をしている妻の後ろ姿を見て、はっきりそう誓える。あのぷりぷりしたお尻。私のものだ。しかしあの男は、あの肉付きのいいお尻を突きまくっていた。
 私は、さりげなく切り出しました。

 「健太はどうだ?け、剣道のほう」
 「ええ、頑張っているわ。あ、そうそう、今度ね、昇給審査というのがあるの」
 「昇給審査?」
 「ええ。張り切ってるは、あの子」

 ビールで潤しているはずの喉が、乾いていくのを覚えています。これはチャンスなのだと、その時思いました。
 「そ、それは、い、いつ?いつやるんだい?」
 「今度の土曜日よ。学校の体育館でね。親御さんも見に行っていいのよ。あなた、その日休みなのよね」

 振り返った妻に、
 「いや、今度の土曜日は、仕事なんだよ。A市の現場に行かなくてはならないんだ」
 と、嘘をつきました。

 「そう、頑張ってくださいね、あなた。公務員といっても、あなたの所は土日出勤が時々あるから・・・」
 妻は心配そうにそう言います。そう、私が勤める課は、休みの日も出なければいけない時がある。一般の会社の営業まがいの事もやらなければならない時がある。私は外に出ることが多いのだ。
 妻は私の言ったことを信用しているだろう。



 土曜日。私は、健太が通う学校の校門から少し離れたところに、車を止めていました。この車はわざわざレンタカーで借りたのだ。服装も、普段着慣れない作業着を着て帽子をかぶっている。慣れない変装をしている自分が腹ただしかったのを覚えています。
 校門には、女性たちが入っていっている。きっと、妻が言った、親御さんたちだろう。男親も何人かいて、ほっとしました。そして、妻が歩いてきました。

 妻は、黒のノースリーブから、白い細い腕を出していました。茶色の膝上のスカートをはいて、すらりと細い下肢にハイヒールを履いている。妻は、他の母親と比べて、美しかった。その妻の露出された肌を見て、ムラムラとしてきました。一人の男親が妻の姿を追っていました。妻は美しい。
 私は、車から降りました。

 体育館には、子供の親たちが、数十人入り込んでいて、熱気がこもっていました。いやその熱気は子供たちから出されるものだったのでしょう。面と竹刀を脇において、正座をした子供たち。その正面に、長机があって、指導者らしい男性が数人座っている。女性の指導者もいる。私は、その中の一人の男に目を凝らしました。


間違いない!あの男だ!
 私は思わず声になりそうなのを、こらえました。その男は、頭ひとつ分は他の指導者よりも高く、座っていても、大柄なのがわかりました。色が黒く、白髪が多い頭髪は、覚えがある。ただ、顔自体をはっきり認識していませんでしたが、私には確信できました。その男の顔には、数箇所、傷の後があったのです。絆創膏を、額に一枚貼っている。
 私があの男を、襲ったときのものに違いない。間違いない、あの男だ。

 男は、厳しい目つきで子供たちを見ています。五十代の前半ぐらいだろうか。ひょっとしたら六十近くて、若く見えるのかもしれない。色黒の顔は血色が良く。いかにも性欲が強そうに見えてしまうのが、異様にムカムカしたのを覚えています。剣道着の胸に、名前が書いてあり。目を凝らしました。『峰垣』とあります。あの男は峰垣というのか。

 私はその時、あの男の襲撃に成功した事が、いくら背後から襲ったといっても、運が良かったのかもしれないと思っていました。男は一目で秀でた身体能力が明らかでした。剣道の有段者であることが明白でした。正面から向かって勝てる相手ではないと、本能的に察知できました。
 運が良かった・・・その運の理由が、私をメラメラと燃えさしました。
 あの男は、妻との性交で、体力を消耗させていたのだ。私の家で、家庭訪問に来ていながら、自分の教え子の母親である私の妻を、激しく抱いていた。私はをれを目撃した。それ程のセックスだった。私の妻を攻めたてたことによって、素人の私にやすやすと襲われるほど体力を消耗していたのだ。

 私は妻を捜しました。すぐに見つかりました。まろやかな妻の体のラインは、母親たちの集団の中で目立って浮き立っていたから。ぴっちりした黒のノースリーブで、豊満な胸が突き出ている。ウエストは細く、その為、余計にプリプリのお尻が際立っている。パンティ−ラインが見えそうだ。それに、髪をかき上げるたびに、ノースリーブの腋から下着が見えてしまうじゃないか。くそう、たまらない。
 妻は前方を見ていて、それは、息子の健太を見ているのか。それとも、あの男をじっと見ているようにも見えました。たまらなくムカムカとしていました。その時の私は。



 メーン!ドーッ!
 甲高い声が響く中、妻と息子の健太が向き合っていました。二人とも笑顔でした。健太は、昇級審査を終えた後で、うまくいったのでしょう、満面の笑顔を母親に向けていました。そこに、あの男がやってきたのです。
 男は健太の頭を撫でて、健太もうれしそうな顔を男に向けていました。妻は、男に礼を言うようにお辞儀をしています。背の高いその男は、小柄な妻を見下ろしています。私はメラメラと燃えました。妻がお辞儀することによって、豊満な胸の谷間が晒されているに間違いないのです。

 男は、妻と健太の元を離れ、他の親子にも話をしながら歩いています。私は燃える目で男を追いました。そして、ハッとしました。男が、白い紙切れを床に落としたのです。それとも、たまたま袴のポケットから出て落ちたのか分かりませんが、誰も気づくことではありません。私のように男を目で追いつづけていなければ。ただ、一人いたのです。それに気づいていたのが。私の妻だ。

 嘘だろうと、妻の行動に鼓動が速まりました。妻は、何気なく男のたどった跡を行き、そして、ごくさりげなく屈むと、紙切れを拾ったのです。誰も、そんな妻の行動を気にするものなどいません。私以外。いや、あの男と私以外。妻は、チラッと、その二つ折りの紙切れを開いて見ると、バッグの中にしまいました。
 私は男を捜しました。男の姿が見当たりません。その時、健太は剣道仲間の中に入っていました。そして妻が、その場を離れだしたのです。

 体育館を出て行く妻。息子の勇姿を見て、帰る親御さん。誰が見てもそう見えるでしょう。いや本当にそうなのかもしれない。私は、そう願いながら、体育館を出て妻の姿を追いました。そして血の気が引いていったのを覚えています。
 妻は、帰り道の校門への方角とは逆の、体育館の裏手へと歩いていくのです。体育館の裏は、まったく人気がなく、体育館の中から響く歓声が聞こえるだけでした。そこを歩く妻。
 そしてなんと、妻は、体育館の正面の大きな入り口とは正反対の端にある、古びた鉄のドアを開けると、そこからまた、体育館に入りなおしたのです。私は走って行き、ドアノブを回してみました。カギが、かけられていました。

 私は、正面の入り口から体育館に入りなおしました。妻が入ったドアの位置を考えると、あの、ステージのどん帳の裏じゃないか!?いったい、何が目的で妻は?
 私は、昇給審査で弾ける子供や歓声を上げる親たちの横を、静かに進み、トイレでも探す風な風体でステージの階段を上り、どん帳の裏へ入りました。真っ暗で、手探りしながら進み、奥へ奥へそっと進み、聞こえてきたのです。妻の声が。それは、最も端の奥の、テーブルやパイプ椅子やらが積み重なっている奥から、漏れてきました。
 
 真っ暗な空間、積み重なる物の隙間。私はのぞくことができました。天井の小窓から入ってくるかすかな光が、照らしていました。妻と、あの男をっ!


私にとっていくらか、ショックが小さかったのは、聞こえてくる妻の声が普通の話し声だったからです。あの家庭訪問の時のように、歓喜のむせびではなかった。そして妻の姿が、全裸で男に貫かれているシーンではなかったからです。
 しかし、ほっとするのもその時だけでした。その時の妻は、壁を背にするように、剣道着の男と向き合っていました。男を見上げ見つめ、口を動かす妻。研ぎ澄まされた私の耳には聞こえました。

 「先生、こんな手の込んだやり方でこんな所に・・・困ります」
 「わかっていますよ、お母さん。しかしお母さんの姿を見ると、どうしても二人きりで会いたくなって、我慢ならんのですよ」
 「そ、それなら、後で・・・昇給審査が終わってから。いつもの様にホテルで。あんな・・・家庭訪問の時のように、あんな、家でなんて・・・あの時も困りましたわ。だから、ホテルで・・・」

 私の頭から、サーッ・・・と血の気が引き、次の瞬間全身が沸騰しました。いつものようにホテルで、だと。私が目撃した家庭訪問だけが、妻と男の不倫の密会ではなかったのだ!二人はその前から、ホテルで密会していたのだ!いったいいつからっ!もう何回、あの男は妻の肉体を抱いているのだっ!

 「ここに呼んだのは、お母さんを抱こうというのではありませんよ。ただ、我慢できなくなって。お母さんのその美しい姿を見たら」
 「あっ、先生、だからいけません。こんなとこで」
 「お願いです。少し触るだけ。お母さん」

 男が、妻のノースリーブから伸びる白く細い腕を、サワサワと撫でだしました。しかし妻は、抵抗する風でもなく、じっと、壁に背をもたせているのです。
 血走っている男の目。先ほどの、審査中の、子供や親たちに接している目とはまるで違う。女を欲望するオスの目だ。
 少しだけだと?人の妻を。何が少しだけだ。男は、ノースリーブを持ち上げる、むっちりとした妻の乳房を、大きな手で揉みしだきだしたのです。じっくりと感触を味わうような手つきで。

 「あはあ・・・やめて下さい。先生。先生、駄目え・・・」

 私が踏み込まなかったのは、愛する妻との関係が破綻してしまうのが怖かったのです。たとえ不倫している妻であろうと、私は妻を失いたくない。 
 そして、妻の妖艶な姿が、私をその場に吸い付かせました。視線を、のぞきの視線だけを、注がせて、私の体を動かせませんでした。美しい。妻は、男に服の上から乳房をたっぷりと揉みこまれても、抵抗せず壁にもたれて、くねくねとし、のどを反らしている。

 「はあん・・・いけません、峰垣先生・・・子供たちが、親御さんたちが、向こうにいるのに・・あふう・・・」
 「健太君のお母さん。たまらない体だ。特に私は、お母さんのここが大好きなのですよ、それっ」
 「ああんっ」

 男が、妻の両手首をむんずとつかみ、上に持ち上げ、壁に押し付けました。万歳の格好にさせられた妻。まったく無抵抗だ。いや、抵抗しようにも、あの男の腕力にかなうわけはないが・・・。そして男は、ノースリーブから露わになった、妻の良く手入れされた腋を、ギラギラ見ているのです。

 「な、何をなさるんですか、先生・・・」
 「ふふふ、健太君のお母さん。まさかいくらなんでも、こんなところでお母さんを抱けないでしょうからね。さっき言ったように。お母さんを抱くなら、もっとじっくりたっぷりと、安全で時間を取れる場所でないと。ムチムチのお母さんを抱くなら、そうしないと。いつまでも姿を見せないと、他の指導者が不審に思いますからね。車に資料を取りに行くと、今は言ってあるんですよ。ただ、ただね・・・」

 男が、顔を妻の腋に近づけ、匂いをかぎだしたのです。まるで犬のように、くんくんと。妻は初めて、抵抗の表情を見せました。顔をしかめ頭を振る妻。ただ、男の腕力に、妻の腕はぴくりとも動かない。

 「ああっ、何するんですかっ。そんな汚らしいこと、やめて下さい、先生。峰垣先生、やめて」
 「私はお母さんのここがもう好きで好きで・・・このノースリーブを見せつけられてから、たまらんのですよ。ちらちらちらちら、私にもったいぶって見せびらかしていたんですか、健太君のお母さん」
 「そ、そんなことありませんっ。やめて、先生・・・ああっ」

 男は、舌を思い切り伸ばした。そして、妻の腋を、白い腋を舐めるのです。舌先を尖らして、ツツーッと、焦らす様に。舌全体で、ベロベロと唾液だらけにするように。
 妻は、いつの間にか、ハアハアと荒い息を吐き、抵抗のそぶりが消えていました。

 「はああ、やめてぇ、汚いから、先生ぃ」
 「何が汚いんですか。いつもお母さんを抱くとき、舐めてるでしょう」
 「あれわぁ、シャワーを浴びてるから・・・あん・・・今は汗かいてるからぁ・・・」
 「それがいいんですよ、お母さん。うむ、健太君のお母さんのこの、腋の匂い、汗の味、たまらん。今日お母さんを見てから、せめてこの腋を味わいたくてたまらんかったのです。だから呼んだのですよ、ここにお母さんを。それ、それ」
 「ああ・・・だめ・・・ああ・・・先生・・・峰垣・・・先生・・・」

 ワーッ・・・と、どん帳の向こうから、歓声が上がりました。目立った活躍をした子供でもいたに違いない。そして、どん帳の向こう側の、親たち、指導員たちは、この体育館の暗い片隅で、こんな事が行われているなんて思いもよらないでしょう。
 今日の審査の指導員で、教師である男が、教え子の母親を呼びつけ、壁に押し付け腋をねぶりたおしているなど、微塵にも。子供たちに関しては、その行為自体、言っても分からないだろう。
 
 でも妻は、いたぶられてると言っていいのか?あの赤く高潮した頬。くねる腰つき。なまめかしい口から出る喘ぎ。夫の私が、その肢体に見せつけられて、股間をまさぐってしまっているのだ。私の股間は、妻の姿に痛いほど勃起していました。

 「ううむ、もったいない。もうこれ以上は、本当にいけない。戻らないと。口惜しい」
 そう言って、男が妻の手を離しました。しかし、妻の肩を抱きよせ、また胸を揉みながら、
 「ところでお母さん、今度会う時は、また、お母さんのお宅にしませんか?あの家庭訪問の時のように」
 「そ、そんなっ」
 「あの時は私も、あんな事をするつもりはなかったんです。私だって教師だ。健太君の担任だ。しかしお母さんと、二人きりだと思うと、我慢できなくなってね。それにお母さんも、ホテルでするよりも、激しかったじゃありませんか。びっくりしましたよ。最初は嫌がってたくせに、この細い腰を振りまくって」
 「そんなこと、ありませんっ」
 「イクイクと、大声で・・・最高でしたよ」
 「し、知りませんっ」

 私の全身は、よく分からない感情で、震えていました。怒りなのか何なのか。私の家を、ホテル代わりにするような男の発言。拒んでほしい、妻には。
 拒む・・・?何を?場所をか?ホテルなら、妻を抱かれてもいいというのか?いやそもそも、私は怒っているのか?この震えは何だ?

 「いいですか、お母さん。こういう風にも考えられます。ホテルで会うよりも、他人の目につきにくいのです。そうでしょう?ホテルなんて誰が出入りしているか分からない。それにお母さんのお宅は、閑静で人通りが少ない。毎回時間をずらしたり、服装に気をつけたりしながら訪問すれば、誰にも分からない。ホテルより安心です。私は、木曜日の昼から授業がないのです。剣道教室が始まる六時まで、自由に時間が使えるのですよ。その時に、伺いますよ。家庭訪問にね」
 「そんな・・・勝手に。そんな・・・先生」

 男が、妻が入ってきたであろう、鉄の扉をそっと開け、外の様子を伺いました。
 「さあ、もう帰ってください。私も戻ります」
 「だから家には・・・」
 「いいですか、お母さん。次の木曜日から」
 「だから・・・ああっ」

 男は、無理矢理に、妻を外に押し出し、表情をなおすように顔をなでつけながら、暗闇の中、ステージの反対まで歩いていきました。
 それから、どうやって戻ったか分かりませんが、私が、体育館の親たちの中に戻ったときは、男は審査机に堂々と座って、審査が終わった子供たちを整列させていたのです。妻をねぶっていた時の表情ではなく、慇懃な顔で。
 妻も、戻っていました。男にねぶられていた時の表情は消え、健太に母親のやさしい顔を見せていました。そして、親子そろって、あの男にまた礼をしにいったのです。男は健太の頭をなで、頭を下げる妻を見下ろしていました。
 私の勃起は鎮まっていませんでした。そして、男も妻を見下ろしながら、あの袴の中は猛っているに違いない、そう思っていました。



 私は、私の家を密会の場に使われることに怒っていたのでしょうか。むしろ、絶対にのぞき見する事ができないホテルでなど、妻の肉体がどう扱われるのか、考えただけで気が狂ってしまう。
 この家を淫行の場に使われることに、喜んだのではないか?あの震えは、喜びの震えだったのではないか?そんなまさか・・・馬鹿な!

 「あなた。今日の健太、頑張っていたわ。昇級したのよ。合格したの」
 「そ、そうか・・・」
 
 妻が捧げるビール瓶に、グラスを持っていきました。白く柔らかそうな胸の谷間が見え。張りのある腋が見えました。私はそこをじっと見ました。

 「あなたにも見せたかったわ」
 「俺も行けば、良かったか?」
 「ええ。本当に」

 妻が微笑みました。私は、考えをしぼりながら、こう言いました。
 
 「これから、しばらく、土曜日か日曜日は、出勤になるかもしれないんだ」
 「ええ?そうなの・・・大変ねえ・・・ほんとに、気をつけてね、お体。私も食事とか、気を配りますから」

 私は、木曜日の仕事の穴を、土日でどう埋めようか考えながら、妻を見つめていました。

男について、判った事が何点かあります。名前は峰垣。息子の健太の担任教師で、息子が習う剣道教室の指導者でもある。
 そして、保護者たちから、非常に評判がいいという事です。昨日の土曜日、私は保護者たちの中にいて、あの男の話を嫌というほど耳にした。何十年と息子の小学校に勤務し、剣道教室の指導者としても優秀で、子供たちからも慕われている。息子の健太も実によく、あの男になついていた。
 悪い話が、一つもなかったのだ。

 そんな男が、何故私の妻の肉体をむさぼっているのだ!教師の評判高い男が!どうして!?

 人間には、がらりと変わってしまうきっかけがあると、私は思っています。あの男も、そんなきっかけがあったのか?だとしたら何だ!?どうして私の妻を!?

 今日は日曜日です。妻は買い物に出かけている。私は準備をしなけらばならない。木曜日の為に。


車の音が聞こえる、妻が帰宅したようだ。妻は毎朝必ず、十時に開くスーパーへと車で買い物に行くのです。カーポートに駐車する音。玄関が開く音。妻が廊下を歩く気配。私には良くわかりました。しかし妻は、私がここに潜んでいるなど、微塵も思っていないでしょう。
 私は、二階の廊下の奥の押入れの天井裏に潜んでいたのです。そして、耳にはイヤホンをしていました。私は・・・我が家の居間に盗聴器を仕掛けたのです。私が日曜日にした主な準備をそれでした。潜む場所を検討する。電気屋が工事に来て屋根裏に上って行くところを覚えていたのです。そして、盗聴器は、この天井裏から出て行くタイミングを知るためには、どうしても必要でした。どうしても・・・そう、どうしても必要だったのです。どうしても。
 妻の私物や携帯を調べてみようかとも考えましたが、それだけは思いとどまりました。それをしてしまったら、本当に妻が、私から去っていくような気がしたのです。だいたい、妻の相手はわかっているのです。携帯の履歴を調べても今更・・・。

 私は木曜日に休暇をとるたてまえ、猛烈な仕事残業をし、上司に有無を言わせませんでした。そして木曜日、私は妻に見送られて家を出て・・・妻は必ず毎朝、私を笑顔で見送ってくれます。毎朝欠かさず・・・十時まで時間をつぶし、車が家のガレージにないのを確認すると、家に入り、この場所に潜んだのです。
 こんな事をしたら、さぞ惨めな気持ちになるのでは、と考えていました。何しろ私の家なのですから。しかし私は、異様なほどの興奮にくるまれていたのです。
 そんな事を考えている時でした。十一時半ぐらいでしたでしょうか。トントンと、階段を上がって来る音がしたのです。妻だ。こちらに向かってくる。まさか、気づいているというのか!?

 押入れの扉が開かれ、私は息を潜められていたでしょうか?震えていたかもしれません。ごそごそと音がし、また扉が閉まり。トントン・・・階段を下りていきます。妻は私に気づいていたのではない。ただ、ここに来た目的を知って、興奮が燃え上がりました。
 妻は、布団を持ち出して行ったのだ!何を考えているのだ!天井の板をずらして下を見ると、来客用の布団がなくなっているではないか。何に使うというのだ!しかもその時、なんとも言えぬいい香りがそこに残っていたのです。妻が残していったものでした。
 妻は、シャワーを浴びたのだ!妻の愛用の石鹸の香り!妻は、準備をしているというのか!?あの男をを迎える準備を!

 私はもうすでに勃起していました。妻の石鹸の香りに触発されたのか?それとも、その香りの持ち主が、これからどうなるかと想像してか?私のこの興奮はいったい何なんだ。なぜ私は、怒りが湧きでてこないのだ。いや怒りはあるが、それ以上の興奮で、消されてしまってるのか?だとしたら何の興奮だ!?

 ピンポーン・・・
 チャイムが鳴りました。鼓動が速鳴りました。
 ガチャン・・・
 玄関を開ける音。来たのか?あの男が。あの男が来たのか?時刻は、十二時半でした。イヤホンを、耳に押し付けました。
 聞こえてきた声は・・・あの男の声でした。



 「お母さん。いったいあれは、何のつもりですか?ひょっとして、今まで寝てらしたのかな?」
 「ち、違います」
 「長い教師生活で私は初めてですよ。家庭訪問に来たお宅の、通された部屋に、布団がしいてあるなんて。何を考えているんです?え?健太くんのお母さん」
 「そ、そんな・・・ひどいです、先生。先生は、どんなに私が抵抗しても、お望みのとおりにされるんでしょう。それならいっっそのことと、そう思って。前の家庭訪問の時は、私は、床で擦りむいた後や、痣ができたのですよ。あんなの、もし主人に気づかれたら・・・」

 「ふははははっ!」
 盗聴が必要ない程の、男の豪快な笑い声が響いてきました。

 「お母さん。今日はまた地味な格好ですねえ。ジーンズにそんな、長袖のシャツを着て。あの家庭訪問の時は、キャミソールにミニの短パンをはいて。むちむちの肌を露出して。飛びかかるなというほうが無理でしょう。いくら教師といえども。今日は何ですか?もう分かってるからですか?この後、何をするか。だからあんな風に、私を、教師を誘惑するような服を着ていないのですね」
 「ち、違います!あの時は、先生は約束の時間よりも一時間も早く来て、着替える間がなかった・・・ああんっ!」

 服が擦れ合う音。荒い鼻息。抵抗の声。階下のドスンという響く音。私は、天井裏から降りました。

 「離してっ、くださいっ、先生っ」
 「いい香りだあ、お母さん。シャワーを浴びてくれているのですね。さあ、今日はあまり時間がないのです。ホームルームを副担任の女教師に頼んでおいたのだが。急に用事があると言って。くそ・・・あのバカ女め。せっかくの家庭訪問の日に。だから、さあ、お母さん。さあ、せっかくひいてくれたあの布団で、始めましょうか。家庭訪問をっ。健太くんのお母さんっ」

 階段をしのび足で降りる私の耳に、いや、廊下に響き始めました。妻の、むせぶ声が。
 
 「あ・・・あは・・・あはあ・・・く・・・くふう・・・」


私は、詳細に述べないといけない。今そう思います。それが私への侮蔑であり。妻の姿をしっかり見ていたという、妻への反省である。そう思うのです。

 妻が男の巨体に組み敷かれている布団には、大きなバスタオルが何枚も敷かれていました。何のためか?窓は雨戸が閉められていました。外から見えないためだろう。その時はそう思っていました。

 男は、顔を右に左に妻の顔に押し付けながら、妻の唇をむしゃぶっていました。妻の柔らかい頬、広い額、私のお気に入りの小ぶりの鼻頭までべろべろと舐めている。
 妻は男の分厚い肩や胸を押していましたが、それは抵抗ではない抵抗に見えました。なぜなら妻の頬は紅潮しだし、妻の赤い舌がチロチロと伸びて、男の舌と絡みだしたのですから。男は、妻の歯茎の裏まで舐めるような勢いで、妻の口に舌を突っ込んでいたのです。

 「嫌です・・・先生・・・」
 その声だけの抵抗に、男は妻の長袖のシャツとブラジャーを荒々しく剥ぎ取りました。
 「駄目ぇ・・・駄目駄目ぇ・・・先生・・・」
 
 妻の弱弱しい抗いに興奮をあらぎ立てられたかのように、男は、妻のジーンズのベルトをガチャガチャと外しました。そして、ジーンズの両すそをむんずとつかむと、妻を引きずるかのごとく、グイイと引っ張ったのです。妻の軽い体が、一瞬浮き上がりました。
 「きゃああっ!」
 ジーンズを放り投げた男は、這って逃げようとしている妻のパンティーを引っ掛けると、ずるずると妻を転がしながら、その最後の一枚を剥ぎ取ってしまいました。

 真っ白な透けるような妻の裸身。その白さから、イチゴ色の乳首と、黒い茂みが浮き立っているようでした。観念した様に、横座りで手をつく妻の前に、男が仁王立ちになりました。
 男は、無造作にシャツを脱ぎ捨て、ズボンを堂々と脱ぎ、ブリーフを何のためらいもなく脱ぎ去りました。
 男の焼けた体は、隆々と盛り上がり、太ももは丸太のようだ。

 硬い肉体の男は、ギラギラと見下ろしていました。対照的な肉体の、横座りでうつむく妻を。柔らかな白い肉体の妻を。
 妻がふっと顔を上げ、また下を向きました。顔を真っ赤にしています。見たのだ。私も思わず目を見張ってしまった、男のアレを。そり上がる、血管浮き出た男のもの。太いっ。私はうなりました。長さは私とさして変わらないかもしれない。しかし太いのです。亀頭はでかく、傘が大きい。

 その男根を見せ付けるように、男は仁王立ちになっている。
 「さあっ、お母さん・・・」
 黙っていた男が、太い声を出しました。
 「健太君のお母さん。さあっ」

 妻がゆっくりと顔を上げ、膝立ちになりました。


膝立ちの妻に、男がにじり寄りました。一歩、また一歩。妻のうつむく顔の目前に、男の男根が反り返っていました。私は男が妻に、何をやらせたいか判ったとき、怒りが沸き、そしてそれ以上に興奮がわき出ました。
 「さあ、お母さん、してください。健太君のお母さん」

 チラッと男を見上げた妻が、こくりと頷きました。妻はあきらめたような表情で、男の男根を見つめていました。しかし私には、妻の大きな目が潤んでいたように見えたのです。妻は男の盛り上がる太ももに左手を置き、右手は・・・妻の右手の細い指は・・・男の男根に絡み付いていったのです。
 妻が、プックリした唇を、開きました。

 「あむう・・・」
 「おお・・・あいかわらず温かい、お母さんの口の中は・・・いい」
 「うふん・・あふう・・・あふん・・・」
 「いい・・・おおっ・・・いい」
 「うぷっ・うぷっ・うぷっ・うぷっ・・・」
 「健太君のお母さんのフェラチオ。最高ですよ。いいっ」
 「あはあ・・・うぱあ・・・はむう・・くぷう・・・ああむう・・・」
 「おおっ。その舌使いっ。今日は一段と・・・たまらんっ」

 最初目を閉じてその行為をしていた妻は。はっきりと目を開いて、男を見上げるようになっていきました。見下ろす男と、目を合わせて、その行為をしていました。
 フェラチオを。仁王立ちフェラチオ。家庭訪問に来た息子の担任教師の前に跪いて、フェラチオをしているのです。
 「うんっ・うんっ・うんっ・・・あはあ・・まはあ・・・はぷう・・・うんっ・うんっ・うぷっ・・・」
 「お母さん。たまらない。健太君のお母さん・・・」

 妻は、夢中になっていました。口を一杯に開き、男の男根をほう張り。顔を前後させていました。リズミカルな妻の顔の動き。時折、顔を斜めにして、ほっぺを内側から男の男根でプクリと膨らませたりして、男を悦ばせ呻かせていました。そう、それはもう、完全な奉仕でした。
 
 「どうしたんです、お母さん。今日はすごく積極的だ。その舌使い。いやらしい顔だ。お母さんのフェラ顔は」
 男は、妻の前髪をかき上げて、妻の奉仕の顔を見ていました。妻はそれを見返し、頬をすぼめ、顔を振っていました。いったん男の男根を口から離すと。妻の赤い舌が、男の男根に縦横無尽に絡み付いていくのです。横から裏から、尿道さえチロチロと、生き物のように這っていくのです。妻の赤い舌はよく伸び、よく曲がり、よく尖っていました。唾液をたっぷり舌先に乗せ、男の亀頭の裏側をくすぐった時など、
 「おおうっ!」
 と、男がのけぞりました。
 「おおっ。玉袋までっ。お母さん、いいですよっ。もっと吸ってっ」
 「はぱあ・・・あはあ・・・くぱあ・・・」
 妻は男の股間に潜る様にして、男のこう丸に吸い付きました。吸引し、じょりじょりと舐める。そして妻の手は休まず、男の幹をしごいているのです。

 美しい・・・私は呻いていました。仁王立ちの男の前に跪いている、妻の白い裸身の躍動感。激しく顔を動かすので、豊満な乳房はたぷたぷ揺れ、細い腰はくねり、丸く大きなお尻は、むっちりと踵の上に乗っている。
 妻は、私にもした事がないような技で、男に奉仕している。それをのぞき見て私は、自分のものをズボンから出して、しごいていました。興奮しまくっていたのです。

 「くうう・・・もう立ってられん。お母さん、寝させてもらいますよ。ああっ、そのまま顔は離さないで」
 「うむう・・・」
 男は、男根を奥まで咥えている妻の頭を両手で抱え込み、布団の上へと座り、寝転びました。大の字になったのです。男が投げ出した両下肢の間に猫の様にうずくまった妻は、再び顔を動かし始めました。
 「はぷっ・うぷっ・・・くぱあ・・・はむう・・・うんっ・うんっ・・・」

 高々ともち上げられた、妻のむちむちとしたお尻がくねっているのを、頭をもたげて男が見ています。満足そうな顔だ。
 私は、妻を奪われたと実感しました。フェラチオそのものではない。この前の家庭訪問で目撃した、妻と男のセックスシーンでも感じなかった。

 妻の、大きくて白い乳房が、妻が顔を上下さす度に、ムニュリムニュリと、男の太ももに潰れるのを見たとき、奪われたと感じたのです。
 私の大好きなプニプ二の乳房が、無造作に投げ出された男のももに潰れ、私がよく弄んだイチゴ色の乳首が、男の褐色の肌に擦れるのを見たとき、奪われたと実感したのです。

 「そのお母さんのフェラ顔。健太くんに見せてやりたいですよ」
 「ぷはっ・・・嫌ですっ・・・あの子のことは、言わないで下さい、先生・・・あむう・くふう」
 「どうしてです?お母さんのその頑張る姿を、健太君に見せてあげたら、もっと上達しますよ、剣道が。いやなかなかどうして、健太君は筋がいいし努力家ですよ。健太君はお母さんに似たんですなあ。その一生懸命なところがそっくりですよ。見せてあげませんか・・・おおうっ、また玉袋をっ」
 「はばばあ・・・うぷう・・・いひゃでしゅ・・・いはないでえ・・・あのほのことはあ・・うふう・はぷ・・うふう・・うふん・・・」

 「お母さんっ!もう辛抱たまらんっ」
 「きゃああっ!」
 男が跳ね起き、妻を組み敷きました。
 
 ううっ・・・私はその時、射精してしまっていたのです。


息子の担任教師で、息子の剣道の指導者でもある男への、妻のフェラチオ奉仕姿で射精した私が、壁へ飛び散った私の精をハンカチで拭き取っている時です。
 「はああ・・・先生ぃ・・・峰垣先生ぃ・・・くうう・・・あふう・・・」
 妻の感極まったむせび声に、隙間へ目を戻しました。何をやっているんだ!?と私は、自分をののしりました。ちょっとでも目を離した私に対してです。私はもうおかしくなっていたのかもしれません。見た事もない妻の妖艶な濡れ場から目を離すなんて。と私は思っていたのですから。私はおかしくなっていた。

 「あふんっ!先生ぃぃっ!」
 男は、組み敷いた妻の、真っ白な大きな乳房を攻めていました。男のごつい手でも余るほどの妻の乳房。男はその乳房を、ゆっくりと揉みしだき、ちゃぷちゃぷちゃぷと振動させ、妻を悦ばせていました。そう、妻は歓んでいた。妻は喘ぎながら、男の広い背にしがみついていくのです。
 「うくうっ!そこっ・・・峰垣先生ぃっ・・・ああんっ・・・」
 男が妻のイチゴ色の乳首を挟むと、妻をのけぞりました。そう、妻は乳首が感じるのだ。男はクリクリと乳首を摘まみ、ピンピンピンと爪ですばやく弾いていました。そして、うんぐうんぐと、吸引し、テロテロテロと舌先で転がし、カミカミと甘噛みしている。甘噛みが、妻はいいようだ。
 「はううんっ・・・」
 と喉をそらしているのですから。

 男の、執拗な乳首攻め。私は男の気持ちが判りました。妻の乳首、それはもう、たまらなく可愛らしいのです。イチゴ色。小さな乳輪。軽く触れただけでクリッと勃起する乳頭。私はもう、攻めに攻めたものです。しかし、男の攻撃を見ると、いかに自分が下手糞か身にしみました。
 男の手は私以上にゆっくりと力強く、指は私以上に速く、口と舌は私以上にねちっこく執拗なのです。
 「ああっ・・・ああんっ・・・せんせ・・・くうんっ」
 そして妻の反応も、私の時以上だったのです。

 男は、乳房から腋をねぶり、肩腕・・・手、指の一本一本まで、妻をねぶっていくのです。腹、臍の穴にまで舌を突っ込み、ぎっしりとした太もも、すらりとした脛、そしてなんと、足の指一本一本まで、丁寧に舐めねぶる。
 「そんな、先生ぃ、駄目汚い・・・」
 「汚いもんですか、お母さんの体は。いい匂いだ。私の為に、隅々まで洗っておいてくれたのですね、健太君のお母さん」
 「そんな・・・汚いの嫌・・・恥ずかしいからです・・・」
 「確かに、昇給審査や前の家庭訪問の時は、たっぷり汗をかいていましたね、お母さん。アレはアレでたまりませんでしたよ。すえた匂いがムンムンとして」
 「嫌っ・・・変なこと言わないで下さいっ」
 「それにお母さん。これから、汗だくになるんですよ。私と健太君のお母さん、二人でねえ・・・それっ、こうしてっ!」
 「いや見ないでっ!」

 男が、妻のぎっしりとした腿を、大きく開いたのです。私の位置からも見えました。妻の黒々とした茂みと、ピンク色の妻の女性部が。
 「いつ見ても、何度見ても、健太君のお母さんのお○んこは・・・綺麗ですよ、お母さん」
 「いや・・・見ないでそんなに・・・ああっ」
 男が、妻の女性部のある部分に、舌を伸ばしました。
 「あっ駄目っ!そこ駄目ですっ、先生っ・・・駄目なんですっ、そこお・・・」
 「そこってどこです?ひょっとしてここですかな?それっ」
 
 「あひいっ!」
 男が妻の女性部のある部分を舐めると、びくんっと妻が跳ね上がりました。
 「そこやめて・・・そこされると私・・・お願いです先生・・・」
 「そことはここですかな?この、プックリと膨らんで皮から顔を出してる小さなお豆ですかな?されるとは・・・ふふふ・・・こうですかな?お母さん・・・うぶぶっ」
 「くひいっ!」

 男が、妻の女性部へと吸い付きました。男は、妻のクリトリスに吸引しているのです。
 「くはあっ・・ぁあっ・・ああっ・・あはんっ・・・」
 ブリッジして喘ぐ妻の女性部を、うぐうぐと吸い付く男の頬。あの頬の中で、男の舌が妻のクリトリスを弾き、歯が軽く噛んでいるのだ。激しくのたうつ妻を見て私はそう思い、復活した自身の勃起を、再びしごきだしました。

 男が右の手を、妻の女性に突っ込みました。いきなりでした。私はあっけにとられ、妻が叫びました。そして、苦しそうに喘ぐのです。
 「くはあっ!・・・はあはあはあはあ・・・」
 「お母さんのお○んこ・・・なんて熱いんだ。私の二本指をキュッキュッと締めていますよ。外はクリ、中は、ここでしょう、お母さん。ここっ!」
 
 「ひいいっ!」
 男が手首を返した時、妻が男の太い腕に爪を立てました。ぐしゅぐしゅ音を立てて動く男の手。かき乱される妻の膣。男が、また妻のクリトリスに吸い付いた。
 「はあはあはあはあ・・・」
 男の髪をかきむしりながら、妻は呼吸困難のように喘いでいました。苦しいのではない。感じすぎているのだ。かき乱される膣。凄いクリトリス吸引。
 「ハアハア・・・二箇所・・・同時に・・されたら・・・はあはあ・・・駄目なんですう・・・やめて先生・・・はあはあはあ・・・もう・・もう・・・漏れちゃうっ!先生ぃっ!」

 妻が叫んだ時、男が妻の膣から指を抜きました。そしてまるで、ホースが抜けて水が勢いよく飛び出した蛇口のように、妻の膣から液体が噴き出したのです。
 ぶしゅっ!ぶしゅっ!と、噴出し、バスタオルを濡らしました。
 妻の潮噴き・・・始めてみるその光景に、私は感動すらおぼえていたのです。

 ぐったりと大の字になっている妻の下肢の間に、男が割り込みました。右手に、太く威きり勃つ男根を握り締め、グイと下に向けていました。妻の女性部に、照準を合わせている。私は、ごくりと生唾を飲み込みました。
 「健太君のお母さん。そろそろ今日あたり、いいでしょう、中に出させてもらっても。安全日なのでしょう、今日は」
 「そんな・・・それだけは、やめて下さい、峰垣先生・・・」
 「どっちなのです。言わないと、判ってるでしょうね、お母さん」
 「そんな・・・」
 「お母さん、どっちです」
 「今日は・・・安全な・・・日です・・・」
 「それならば、たっぷりと出せますな。健太君のお母さんの中に」
 「それだけはっ、駄目ですっ、先生っ」

 男が、妻の唇をなぞりながら、言いました。
 「健太君のお母さん。私には切り札があるのを、忘れたのですか?ふふふ・・・」


男が、切り札といった瞬間、妻の顔に諦めの色が走ったのを、私は見ました。自身の勃起をしごいていた私の手も、止まりました。切り札・・・非常に重要な事を男が言ったのだ。それが何か判れば、妻を助け出せるかもしれない。
 助ける?だと?妻の奉仕と歓喜の顔。それと今の諦めの表情。私は混乱しました。
 男が動き出しました。そして私は、再び、妻と息子の担任教師との最後の躍動に魅せられていくのです。勃起を握り締めました。

 「あん・・・」
 男は、大きな亀頭を、妻の膣の入り口に当て、
 「健太君のお母さん。これでも私は教師で健太君の担任だ。教え子の母親に強制的な事はしたくないのです。こうしませんか?私がお母さんより早く果てそうなら、お母さんの中には出さない。潔く抜いて外に出します。逆に、お母さんが私より、先に気をやったら、私はお母さんの中に思い切り出す事ができる。これでいいでしょう。公平だ」
 「そ、そんな・・・」
 「どうしてです?大変な事なんですよ。健太君のお母さんの中で持続することは。この名器・・・それえっ!」
 「くはんっ!」
 
 男が、がっしりした腰を一気に沈めました。妻の中に入ったのだ。あの太い男のもので、男根で、妻を奥まで貫いた。のけぞり、男の太い腕にしがみつく妻。私は悔しさと、それ以上の興奮で息が上がりまた。
 そう、正直に言います。私は、息子の担任教師で、息子の剣道の指導者である男と、妻との結合の姿に興奮したのです。切り札という言葉は何処かに行っていました。必死になって妻と男をのぞき見ました。

 「くうう・・・入ったとたんこれだ。私のち○ぽに、絡み付いてきますよ。健太君のお母さんのお○んこが。全体がうねうね蠢いて、時々キュッキュッと収縮して、たまらない名器だ」
 「くはあ・・・駄目え・・・先生ぃ・・・やめてぇ・・・あん・・・」
 「それにその、美しい顔を悩ましく歪めて、可愛らしい声で喘いで、この綺麗な大きな乳房を目の前でタプタプ揺らされるのです。並の男なら、あっという間に果ててしまいますよ」

 私の事だ!男が言った事はすべて納得いきました。その通りだ。男が言うとおりの妻に、私はあっけなく果ててしまっているのです。
 男が、腰を引きました。そして、私の興奮は頂点に向かっていくのです。

 「あふう・・・」
 「それっ!」
 「あはんっ!」
 「それえっ!」
 「ふあんっ!」
 男の大きな上下動。妻の身悶え。がっしりした筋肉の褐色の男の肉体と、まろやかでくねくねした真っ白な妻の肉体。絡み合う二つの肉体、男と女の肉体を私は見ていました。私は今まで妻を抱いていたと言えるのか?そう思いました。

 「私はね、お母さん。前の家庭訪問の帰りに襲われたでしょう・・・」
 男が、妻の乳房を揉みながら、妻を見下ろし語りかける。
 「あれは私にとって屈辱でしたよ。お母さんの肉体にとろけさせられてたんですなあ。油断とはいえ、剣道家の私が通り魔にやられるとは。しかし、あれは私の責任だ。あれから私は考え方が変わった。健太君のお母さん。あなたのような最高の女を抱くには、一から鍛えなおさなくてはいけない。私は道場での稽古時間を増やして毎日鍛えていますよ。おかげで教え子や親御たちの信頼を回復できた。あなたのおかげですよ。お母さん。しかし最近私は思うんですよ。私が毎日鍛えているのは、健太君のお母さん、あなたのこのたまらない肉体を抱くためだとね。この温かいお○んこを攻めるためだとね・・・それええっ!」
 「ふああんっ!」
 「ぐう、締まるっ!なんてお○んこだ・・・いかん、しゃべっていては。集中しないと、先に果てて、お母さんの中に出せなくなる。ふう・・・健太君のお母さん・・・」



 私は、男が言った事は本当だと思いました。男と妻は、汗だくになって抱きしめ合っているのです。汗が飛び散っている。
 「ああっ・・あはっ・・ああんっ・・・あはんっ・・・」
 激しく振動する妻の白い肉体。揺れる乳房。
 雄弁だった男は黙り込み、歯を食いしばって妻を攻める事に集中している。その腰使いときたら・・・その止まることのない男の腰に、私はうなりました。凄いと。とても真似できない。

 「ああんっ!凄いぃっ!峰垣先生ぃっ!はうんっ!」
 妻が、私と同じ事を、思って、叫んだ。
 「いいっ!気持ちいいのっ!あんっあんっああんっ!」
 妻が男にしがみつく。

 何度も浅く突いておいて、ズドンと奥まで貫く。
 「あっ・・あっ・・ああんっ!あっ・・あっ・・あはんっ!あっ・・あっ・・・」
 大きなローリングで、妻の膣をかき乱す。
 「はううん・・・くはああ・・・うふうう・・・あはあん・・・」
 まるでバイブレーションの様な振動を与える腰の動き。
 「あわわわわっ・・・はわわわわあっ・・・あわわ・・・」
 
 男の攻めと、それに応えている妻。これが・・・セックス。男と女の、性交。
 しごき続ける私自身の勃起が、限界に近づいた時、妻が叫びました。

 「もう駄目えぇっ!!」
 スパートする男。一秒に二回は妻の膣を貫く激しく速いピストン。妻を破壊するごとく猛烈。男の肩は妻の爪が喰いこみ血がにじんでいる。
 私は、射精した。射精しながら、のぞき続けました。もう目が離せない。

 「いっちゃうぅっ!!」
 咆哮し白目を剥いた妻が、ぐたりとなって、腕をパタンと布団に落としました。それでも男は妻を抱きしめ、腰を振り続ける。そして、男も咆えた。
 「うぐうぅっ!!」

 男が、妻の中から外に抜くことは、なかったのだ。


男の激しい腰のピストン運動が止まった。
 「ぐうぅ・・・うぐうぅ・・・」
 だが男の腰は、ビクンッビクンッと痙攣している。
 「うむうぅ・・・ぐぐうぅ・・・」
 男は、獣のようなうめきを出し、妻を抱きしめ、歯を食いしばっている。
 妻の中に、射精している。

 気を失ったようにぐったりしていた妻が、痙攣している男にしがみつきだした。   
 「はあぅ・・くふうぅ・・・あはぁ・・・」
 男の背に腕を回し、ビクビク痙攣している男の腰に、長い下肢を巻きつけている。そして、喉をむせび鳴らしている。
 「あはあ・・・うふん・・・はうぅ・・・」
 射精している男の精を、積極的に受け止めているみたいだ。

 「うぐうぅ・・・ううむぅ・・・」
 「はううん・・・くはあん・・・」
 男の獣のようなうめきと、妻の猫の様なむせびが、止まった時、男と妻は、どちらからともなく唇を貪り合いだしたのです。まだ結合したままで、舌を口の中に入れあい、舌を絡めあい、抱きしめあっている。それは長く続き、射精後もセックスをしていると、私に思わせました。
 男が妻から顔を離し、寡黙に妻を攻めていた男が、再び満足そうにしゃべりだしました。

 「ふうぅ・・・出ましたよ、たっぷりと、健太君のお母さんの中に。やはり中出しはたまらん。お母さんはどうでした?」
 「・・・・・・」
 「中に出されるほうが、いいでしょう?え?どうでした?健太君のお母さん、良かったでしょう」
 
 私ははっきりと見ました。妻が、こくりと頷くのを、見ました。
 
 「ふふふ・・・次回もお母さんの期待にこたえられるよう、頑張って腰を振りますよ、健太君のお母さん。ふう・・・名残惜しいがもう時間がない。抜きますよ」
 「ああんっ!」
 男が腰を引くと、妻が仰け反りました。男の男根がずるりと抜かれ、その垂れかかったぬめ光る男根は、妻の女性部と糸を引いていました。
 妻から離れた男は、妻の両膝を押さえ、のぞき込んでいる。
 「恥ずかしい・・・見ないで下さい、先生ぃ・・・恥ずかしいですわ・・・峰垣先生・・」
 妻の膣口から、ドロリと垂れ出ている、男の精を、男はじっと見ていたのです。

 「さあ、お母さん。綺麗にしてもらえませんか?」
 「え・・・?」
 妻の頭に回った男が、妻の頭を持ち上げ、自身の股間に近づけました。妻は、大きな目で男の柔らかくなった男根を見た後、
 「はむうぅ・・・」
 男の男根を、ぱっくりと口の奥まで含みました。
 「おおうっ!お母さんっ!」
 天井を仰ぎ見るようにのけぞる男。妻はその男の根元から亀頭まで、赤い舌で丁寧にぺろぺろ舐めるのです。
 「くうぅ・・・たまらんっ・・・わかりますか?健太君のお母さん。男の射精後のなんとも言えない快感が。射精した後にそうして舐められ吸われるとたまらんのですよ、男わ。くうぅ・・・最高の女だ、健太君のお母さんは。おおうぅ・・・60近くになって、こんなたまらないセックスができるとは。くう・・・この体に、若いころ以上の力がみなぎってきますよ、お母さんを抱くたびに。おおう・・・」

 妻が、男の男根から口を離し、もう精も根も尽き果てたといった風に、突っ伏しました。男は立ち上がり、妻を見下ろしながら、服を着だした。
 「今日はあまり時間がありませんでしたが、お母さん、来週の家庭訪問の時には、たっぷり時間をとっておきますよ。あっ、そうそう、安全日かどうか、チェックしていて下さいよ、健太君のお母さん」

 私はそっと二階に上がり、男が出て行く気配をうかがっていました。玄関が開き閉じる音。男が出て行ったのだ。しばらくして、廊下を歩く気配がしました。妻だ。そして、聞こえてくるシャワーの音。私は、家を出ました。

 私は、職場へと向かっていたのです。驚く同僚たちを尻目に、私は目を血走らせて仕事に没頭しました。仕事人間の私には、こうするしか方法がなかったのです。あの、見るものを興奮のるつぼにはめる様な、雄と雌の性交を忘れるには、こうするしか。
 しかし、どうしても消えない。私は、男への逆襲を誓いました。雌と雄の性交の合間に、妻の笑顔が不意に浮かんだ時、私は逆襲を自分自身に誓いました。私はまだ、妻の笑顔を忘れていない。

 ただ、絶対に確かめたいのです。男が言った、妻を脅すような発言の意味。絶対に確かめないといけない。妻の為に。不思議とそう思ったのです。
 まだ、男の家庭訪問をのぞき見なければならない。



 「お帰りなさい、遅かったのね」
 夜遅く帰った私を出迎えた妻は、微笑み、その頬は異様に血行が良かったのです。
 「お風呂、沸いてるわよ。その間にご飯の用意、しときますから」
 妻は、私がどんなに遅く帰ってきても、先に寝ていたことがない。風呂とめし。必ず準備していてくれる。
 「ゆっくり、つかってね、あなた」
 私は、微笑む妻のプックリした唇と、Tシャツを持ち上げる妻の胸の大きな膨らみを見ました。
 男の亀頭でめくりあがる唇。男の腰使いで激しく揺れる乳房。私は急いで風呂場に駆け込み、勃起を握り締めました。


翌日、仕事から帰宅すると、二階のベランダに、大きなバスタオルが干されてありました。妻が、布団の上に重ねて、男とセックスをしていたときのバスタオルだ。
 路上から、居間の窓を見ました。ここからでは、カーテンを閉めてあれば中は見えない。
 そういう事だったのか・・・私は合点がいきました。

 バスタオルを布団の上に重ねていたのは。布団にシミをつかせないためだ。妻と男の流れる汗。妻の潮噴き。垂れ流れる男の精子。
 居間の雨戸を閉めていたのは、外から見えないためではなく、音が漏れないためだ。妻の大きな絶叫。男の獣のような呻き。
 そういう事だったのだ・・・。



 ある夜の、食事の時、私は思い切って妻に言いました。
 「あ、愛しているよ・・・」
 妻は大きな目をますます大きく開き、私を見つめていました。やがてニッコリと微笑み、
 「ありがとう、あなた。うれしいわ」
 そう言って、ビールを注ぐのです。
 
 「あまり、驚かないんだね。私がこういう事を言っても」
 「ええ、わかってますから」
 「何がわかってるんだい?」
 妻は、両肘を突いて、顎を支えるようにして私を見つめながら、言います。
 「あなたは、そうやって、私の料理を残さずおいしそうに食べてくれるわ。結婚してからずっと毎日。美味しかった・・・ご馳走さま・・・かならず言ってくれるわね」
 「そんな事・・・何てことないじゃないか、そのぐらい・・・」
 「いいえ、女はそんな事が、嬉しいのよ。私は、こんな家庭を持つのが、夢だったの」
 「・・・・・・」
 「私の父は、乱暴者だったから、母がいつも泣いてたわ。だから、あなたとの今の様な生活を持つのが、夢だったのよ。ありがとう、あなた」

 私は、その夜、妻を抱きました。妻の美しく豊潤な肉体。私の手には、持て余してしまう。妻の中に入った瞬間、肉のざわめきで、射精しそうになりました。私は歯を食いしばりました。
 『並の男なら、あっという間に果ててしまう・・・』
 男の言葉がよぎり、私は耐えました。そんな私の背中を、余裕しゃくしゃくの妻が、ポンポンと叩くのです。まるで子供をあやすようなその仕草は、我慢しなくていいのよ、と言ってる様だ。
 「ううっ・・・」
 私は妻の中で果てました。
 「ああっ・・・あなた・・・ああっ・・・いい・・・」
 私には判ります。妻のその喘ぎが、演技だって事は。

 事が終わると、妻は、仰向けになった私の顔の上に、乳房を持ってきてくれるのです。いつもだ。私はその柔らかな乳房に顔を埋め、イチゴ色の乳首を吸う。大きな乳房を揉む。私はそれで癒されるのです。妻が言いました、
 「あなた、もう使わないの?その・・・あれ・・・」
 妻が何を言いたいか判りました。ローターやバイブ。妻と男との性交を始めて見た時から、購入し使ってきたものだ。それを私はもう、部屋の隅に放置している。もう捨てるつもりだ。男の激烈な腰使いを目の当たりにすると、玩具がますますおもちゃに見えてしまうのです。


 「ああ、もう使わない」
 私はそう言いきりました。
 「イヤかい?使ったほうがいいのかい?」
 妻が言いました。
 「いいえ、あなたは、無理をしていたように見えたのよ。私はこの方がいいのよ、あなた。ありがとう」
 そう言って、私の髪を優しく撫でる妻。私は思い切って頼みました。
 「なあ、もう一度したいんだ。し、してくれないか?く、口で・・・勃たしてくれないか?」
 妻は口を尖らせながら私を見下ろし、
 「もう、あなたったら・・・エッチ」
 そう言って、私の股間へと下がっていきました。そして、私の萎えた男根を捧げもち、目をつむって、チュッとキスをしてくれたのです。私は鳥肌が立ちました。男にしなかった事を、私にしてくれたのです。妻の豊満な乳房が、私の腿で潰れました。



 妻と出会ったのは、もう12年前のことだ。私は上司に連れられて、あるスナックに入った。そこで妻は働いていたのです。私は一目惚れしました。しかし、私のことです、水商売の女性なんて、住む世界が違う。これは卑下しているのではありません。むしろ逆です。ストレスのたまる客商売をこなす、人間性の高い人種だと、私は常々思っていました。
 妻は、人気のあるホステスでした。派手な明るさはないが、来る客を和ます落ち着きがありました。ママにも信頼されていたようです。何度か通ううち、私はますます妻に魅せられましたが、しょせん高嶺の花でした。それに私の給料では、上司にでも連れられない限り、ひんぱんに通うことはできない。妻は憧れの存在として、私の頭の片隅にいただけなのです。

 なんという偶然でしょうか。ある日、仕事で車を使っている時でした。人気の少ない道で、停車している車と、その車の横でウロウロしている女性がいました。私服姿で最初はわからなかったのですが、妻でした。私は後ろに車を止め、声をかけました。パンクでした。
 妻は、私に気づき驚きましたが、すぐに困った顔で訴えてきたのです。JAFを呼んだのだが、とても急いでいて困っていると。スペアタイヤは積んでありました。私もよく車は使いますので、タイヤ交換ぐらいは慣れています。作業は15分で終わりました。妻は何度も頭を下げ、あっという間に行ってしまいました。
 そして翌日、妻の方から私のアパートに電話があったのです。スナックのママに調べてもらったと言いました。私の上司から聞いたのでしょう。とにかく私は舞い上がり、何を話したか覚えていませんが、週末に会うことになっていました。それから妻との交際が始まったのです。
 普段の妻は、スナックの仕事の妻と違って、朗らかで、ほほえましい女性でした。二年後、私は妻に結婚を申し込みました。その時の妻のうつむいた笑顔は、今でも忘れられません。



 男は、妻の何を握っているのであろうか。私の知らない、妻の過去を知っているのか?ひょっとして、スナックに勤める前は、体を売るようなことをしていたのか?それを男は知っているのか?
 私は、男が言う『切り札』を、妻に焦点を当ててしまっていたのです。

 男の家庭訪問が、もうすぐまたやって来る。


「うぷっ・うんっ・うんっ・くぷっ・・・」
 「うむうぅ・・・健太君のお母さん、たまらない眺めですよ」

 男の言う通り、たまらないに違いない。男は、大の字になり、妻にフェラチオをさせている。妻は、私にする時よりも、大きなお尻を持ち上げくねくねと蠢かせながら男の男根に吸い付いている。男はそれを満足そうに見ていました。
 「あぱああ・・・くはあ・・はむう・・・」
 「一緒にやりましょうか、健太君のお母さん」

 男にそう言われて、一瞬躊躇した妻は、男の男根を咥えながら、白いお尻を男の頭に向けて動かし始めました。そして、男の顔を、またいだ。
 「ぐっしょりですよっ!お母さんっ・・・うぶぶっ」
 「あふうんっ!」
 「ほらお母さん、休まないで・・・うぶちゅ」
 「くふうっ・・・あはんっ・・・くぷ・・はぷう・・・ふむう・・うぷっ・うぷっ・・・」

 男は下から妻のぷりぷりと蠢くお尻を握り締めながら、妻の女性部に顔を押し付けている。妻はのけぞり、快感に耐えるように男の猛りに喰らいついていく。
 男と妻の69に、私は勃起をしごき続けました。そして、男の執拗な妻への求めは続きました。

 「お母さん、久しぶりにあれをしてもらえませんか?」
 男はそう言って、布団から起き上がり、テーブルの上にドンと座ったのです。妻に向けて大股を開いている。妻は、こくりと頷くと、這いながら男の股の中に入っていきました。そして跪き、豊満な乳房を両手で持ち上げたのです。私は妻が何をするか判り、激しい嫉妬を凌駕する興奮に見舞われました。妻は、持ち上げた乳房を、男の男根にぶつけていきました。

 「うん・うん・うん・うん・・・」
 妻は、たまらない鼻息を出しながら、男の大股の間でリズミカルに弾んでいる。豊満な乳房の間に男の男根を挟み込んで、体を上下させている。妻の乳房は、男のものをたっぷり包み込んでしまうほど、寄せされ、時おり妻は、乳房の微振動を男の男根に伝えたりしているのです。男はたまらず仰け反っていました。
 「あん・うん・うん・あん・・・」
 「健太君のお母さんのパイズリ・・・たまらない柔らかさだ、たまらんっ!もう我慢できんっ!」
 「きゃあっ!」
 
 立ち上がった男は、尻餅をついた妻を、布団の上に引きずり戻し、妻を四つん這いにさせました。お尻をわしづかんで持ち上げる。
 「この一週間、お母さんをバックで攻めることばかり考えていたんですよ。細い腰だ。腰が細いせいで、丸いお尻が余計に大きく見えますよ。いきますよ、健太君のお母さん。バックのお母さんは、また締りが格別ですからなあ・・・」
 「あはあ・・・」
 男は威きり勃ちを握り締め、妻の細腰をつかんだ。そして、妻が衝撃に仰け反り叫んだのです。
 「くはあんっ!」



 「もういっちゃうぅっ!!」
 妻は、激しく腰をくねり、何度も反り返り、髪を振り乱し、乳房をタプンタプンと揺らした後、絶叫しました。
 「うぐうぅっ!!」
 突っ伏した妻のお尻をわしづかみながら、男が呻きました。ズバンズバンと激しい腰使いが止まり、断末魔の痙攣が始まりました。ビクンビクンと、四つん這いの妻の中に射精しているのです。

 私も、射精しました。

 うつ伏せに崩れ落ちた妻の横に倒れこんだ男は、荒い息を吐きながら、満足そうに話し出しました。それは、妻に語りかけているのか、天井に向けて独り言をつぶやいているのか、どちらとも判りませんでしたが。私は耳を傾けました。

 「私はねえ、まじめに教員を務めてきました。いや、今だってそうだ。私はこの仕事が天職だと思っていますよ。子供たちがかわいい。健太君もそうだ。あの子は、素直で剣道の稽古も真面目だ。その私が、教え子の母親の、健太君のお母さんにこういった事をしている。もう止まりませんよ私は、止める事ができない。どうしてですかね?・・・・・・私は、私の女房と夫婦力を合わせて、教育に取り組んでいる。そう思い込んでいたのです。それが・・・女房が、浮気をしているなんて、夢にも思いませんでしたよ・・・」

 男の顔に、苦渋の表情が浮かびました。

男は、うつ伏せでへばっている妻の体を軽々と仰向けにすると、マシュマロのような妻の乳房を弄びながら、話し続けました。

 「私の女房は、控えめな女でした。教師としての私の仕事を、縁の下で支えてくれていたのです。学校の事、剣道の指導、朝早く夜遅い私を、何も言わず支えてくれていました。私はそれが、女房の幸せでもあると、思っていたのですよ。私は何一つ、女房に労わりの言葉をかけたこともない。しかしそれを分かってくれているものと思っていました。女房は、女として幸せだったのか?そもそも私を愛していたのか?私はそんな事考えたこともなかった。私は女房を、女としてではなく、女中のように扱っていたのかもしれない。ただこれだけは間違いない。私は女房を愛していたのですよっ!」

 「あは・・・ううん・・・あふ・・・」
 男に乳首を弾かれて、失神していた妻が喘ぎ始めました。妻の肉体は、恐ろしく敏感になっている。そう思いました。

 「だから、ある日突然、女房がいなくなった時には、意味が分かりませんでしたよ。私の身に何が起こっていたのか、そう、意味が分からなかったのです。だから一ヶ月は何もしませんでした。だって、意味が分からないのですからね、女房に出て行かれたことの。一ヶ月経って、興信所に頼みました。警察なんて・・・教師の私がそんな事できるはずがないでしょう。興信所の答えは、女房は年下の男と暮らしているという事だったのです。写真も見ました。私は若い男にはまったく見覚えがありませんでした。その若い男と並んで歩いている女房の顔は、幸せそうなのです。女房の肉体全体が、喜びで溢れているような写真でした」

 「ああっ・・・うふんっ・・・」
 男の手が、妻の女性部に伸びて、妻のクリトリスを圧迫し摩擦しだしました。
 「あくうっ・・・」

 「私は女房を追いかけようとはしませんでした。私はその時も、教育第一だったのです。仕事にそれまで以上に打ち込みました。剣道の指導で、燃えに燃えましたよ。活き活きとしていたのです私は・・・上っ面だけね。私の内部・・・男は不能になってしまっていた。まったくね。何の反応もしない不能になってしまったのですっ。女房を幸せにしている。女房は私を愛している。それが私の完全な思い違い・・・それが分かった時、私の男は不能に陥ってしまったのですよっ」

 「あくっ・・・くはあっ・・・」
 男が、男の精液を垂らしている妻の膣に指を突っ込みました。
 
 「そんな時です、健太君のお母さん、あなたが私の前に現れたのは・・・」

男が、妻の力なく伸びた下肢を開きました。男は、妻の両膝の間を割って腰を進めました。右手に握り締めている男根は、もう復活している。亀頭で、妻の女性部を焦らすように擦っていました。
 「ああん・・・ま、待って下さい、峰垣先生ぃ・・・少し休ませて下さい・・・こ、壊れちゃう・・・」
 「壊れる訳がないでしょう。健太君のお母さんのこの肉体が。このむちむちの柔らかな肉体が。いくら強く突いても、私の方が弾き返されそうなのに。このムチムチの白い体・・・始めて見た時、驚いて立ちすくみましたよ。写真で見た女房とそっくりだったのですから。女房と健太君のお母さんは顔なんて似ていない。私と暮らしていた時の女房とも似ていない。あの若い男と写っていた女房、その写真の女房の肉体が表現していた幸せな豊満さが、健太君のお母さん、あなたからも豊満に溢れていたのですよっ!・・・それえっ!」
 「くはうんっ!」

 男が、ズズンッと、腰を叩きつけました。みっちりと、妻の奥まで入った男は、妻の頭を抱きしめ語り続けるのです。妻は白い喉を反らし、喘ぎながら男の背にしがみつきました。

 「くうぅ・・・何が壊れるですか?逆に私のものが溶かされそうだ。この熱い、健太君のお母さんのお○んこに・・・うむう・・・しかしこうして、女を勃起で貫くなんて、健太君のお母さん、あなたが現れなければ、私にはもう一生味わえなかったかもしれない・・・それっ・それっ・それっ」
 「あんっ・あんっ・あんっ」

 「ふう・・・。健太君を連れて、体育館の剣道教室にやってきましたね。体が弱い健太君に剣道を習わしたいと言って。そのお母さんを見てね、私はさっき言ったように驚いて立ちすくんでしまった。そして股間に熱いものが流れるのを感じたのですよっ。分かりますか?女房が出て行って十年。血が通っていない不能な私のものが、ドクドクと脈打ったのです。分かりますかっ?その時の驚きと感動がっ・・・それっ・それっそれっそれっ」
 「ああっ・あっあっあん」

 「剣道教室の迎えに来るお母さんを見るのが、生甲斐になっていましたよ。その時だけ、私は自分が男なのだと実感できるのですから。痛いほどの勃起を味わえるのですから。そして苦しみました。何しろ、私に男の本能を実感させるお母さん、あなたが生徒の母親なのですからね。健太君が学年が上がって、私が担任になった時は、喜びと苦しみで悶えましたよ。担任の教師という立場上、何もできないのですから・・・それえっそれっそれっそれえっ」
 「あふんっうんっうんっあはあっ」

 「私も誇りをもって教師をやって来た人間だ。女房に出て行かれるほど真面目にね。諦めていましたよ。どうしようもないと。それが、なんという事でしょうかねえ。運命ですか?健太君のお母さん、あなたのご主人の事を知ったのは。なかば冗談っぽく、そのことをお母さんに言った時、あなたはこう言いましたね。何でもするから、口外しないで下さいと。あの時私の男が弾けたのですよっ!鳥肌が立つほどの嫉妬で、血管が破けると思うほど勃起したのですよっ!私は冗談で言ったのに、あなたは本気でご主人の身を案じていた。逆に毅然とした態度に出ていたなら、私もそこまでだったでしょう。それなのにお母さん、あなたは体を使ってでもご主人を守るみたいな言い方をして・・・私は女房に少しも愛されていなかったのに、あなたは心からご主人を愛している態度だった・・・くそおっ・・・それえっ、どうだっ、それっそれっ」
 「あくうっ・・・はあっはあっ・・はああんっ・はううんっ」

 男が、妻の下肢を両肩に担いで、腰を猛烈に振り出しました。体を折りたたまれるように組み敷かれピストンされる妻。男の汚らしいケツの下で、妻の桃の形をした、白いお尻がバウンドしていました。ズチュズチュと、えぐりえぐられる、男の男根と妻の女性部。
 「どうだっ!健太君のお母さんっ」
 「あふんっ!いいっ、気持ちいいのおっ!」



 私は、自身の勃起をしごく手が止まっていました。妻と男の興奮の絡みが目の前で繰り広げられているというのにです。男と妻の燃えるようなセックスを見ることは、私の歓びになっていたと、認めざるを得ないのにです。
 男が私のことを言った・・・一体どういうことだ?

 「おっと、そうだ、忘れていた」
 男が、妻から、抜いたのです。
 「ああん・・・」
 「そんなに切ない声を出さないで下さい、お母さん。来た時に、玄関でこんなものを見つけてねえ、持ってきたのですよ。こんな物が入っていますよ。健太君のお母さん」

 男が、居間の隅に置いてあった紙袋を手にとって持ち上げました。私はぞっとして、さっきの男の発言が飛んでいきました。
 その紙袋は、私が処分しようとして玄関に出してあったのです。中には、私がもう使わないと決めた、玩具が入っていたのです。男がそれを取り出した。

 「バイブにローター・・・じかに見るのは初めてだ。健太君のお母さん、お盛んな夫婦生活を送っているようですなあ。私との週一回では、そのむちむちの肉体は満足しませんかな?」
 「違いますっ。そんなんじゃありませんっ」
 「ほう、それでは、ご自分で使っているということですか。自分で慰めるために」
 「ち、違いますっ」
 「それではやはり、ご夫婦で?」
 「だからそれは・・・ああっ、嫌です、来ないで、先生・・・」

 男が、ローターと張り型を手に持ち、布団に横たわる妻に近づいていきます。妻の顔は怯えていました。男の目は釣りあがっている。私はその時やっと分かりました。道具などを使っていた私・・・妻は無理をしていたのだ。妻は喜んでいなかったのだ。しかし男は、その私の考えさえも、滅茶苦茶に破いてしまう程、妻の肉体を・・・

 「妬けますなあ、健太君のお母さん。私と女房は、こんなものを使ってしたことがありませんよ。使えるわけがない。私は厳粛な教員の夫で、妻は控えめな女だったからね。ひょっとしたら、女房はあの若い男に・・・歓ばされていたのかもしれませんなあ、こうした道具で。あの写真の年下の男は、女房の体に道具を・・・ええ?どう思いますか、健太君のお母さん。ええっ!?」
 「いやあっ!」

 男が妻に飛び掛った。男の考えは間違っている。私はそうはっきり言える。しかし男は、私の考えを凌駕してしまうほど、妻の肉体を・・・

 「どう使うのです?お母さん。何しろ初めてですから・・・このボタンですかな?おおっ、凄いっ!」
 「ひっ・・・」

 ブッーン・・・
 ローターの振動音が、響きました。男は妻を押さえつけ、狙いを定めている。私はごくりと生唾を飲み込みました。
 ブーンッ・・・

 「ひ・・・やめて・・・先生・・・」
 「なるほど、これで攻めるわけだ。お母さんの敏感なところを。これはたまらない。お母さんの小粒な乳首。攻めたくてたまらなくなりますよ。この振動・・・いきますよ、それっ」
 「くひいぃっ!」
 「おおっ、そんなにいいですかっ?可愛らしい乳首がビンビンになってますよっ。もっとこうですか?お母さんっ、こうして使えばいいのでしょうっ、健太君のお母さんっ」
 「ひいっ、くふうっ!」

 男がローターを妻の乳首に押し付けた瞬間、妻の上半身が、びくんっと跳ね上がりました。男はローターを乳首に当てながら、反対の乳房を揉みしだき、乳首に吸い付き舌で転がしている。今度は逆。ローターと、男の手と口。妻の乳房を左右交互に、攻め替えているのです。
 荒々しい息で悶える妻。私は再び、自身の勃起を握り締めていました。

 「ああんっ・・はあはうう・・うはんっ・・くううくう・・・」
 「こんなに激しいとは・・・こっちも攻めたほうがいいですな?健太君のお母さん」
 「はあはあはあ・・・ああっ、そこは駄目ですぅ、峰垣先生。お願いです、そこしないで。駄目、そこ駄目、駄目、駄目・・・駄目えっ!はううっ!」
 「健太君のお母さんのクリトリスっ!」
 「あひいぃっ!」

 妻の股間をのぞく様な姿勢で、妻のクリトリスをローター攻めする男。男はそれだけではありません。指を、妻の膣に挿入したのです。妻が、頭をかきむしりながら反り返りました。

 「くはあんっ!」
 「ああっ!ぎゅうぎゅうですよっ、お○んこの中っ。こんなに凄いのか、この道具は。どれ、これでお母さんのお豆を攻めながら、ここをこうしたら、どうですか?ほれ、ここおっ!」
 「きゃはあんっ!」

 男の指が、妻の膣の中で、くいっと曲がるのが分かりました。そして、細かく素早く手首を動かしている。ブッーンとうなるローターの押し付けにも強弱をつけだした男。跳ね上がり悶え喘ぐ妻。
 妻は私が道具を使うのを歓んでいなかった・・・。その私の考えを蹴散らすほど、指の愛撫も合わせ使い、男は玩具を使いこなしだしたのです。私が妻にしていたとき以上に使いこなし、妻の肉体を悦ばしているのですっ!
 悶え声を荒らげる妻に、私は勃起をしごきまくりました。

 「もう変になっちゃうのっ、先生ぃっ!もう洩れちゃうのおっ!」
 「おおっ!凄いっお母さんっ」

 ぶしゅっ!ぶしゅっ!ぶしゅうっ!

 男が指を抜いた妻の膣から、勢いよく液体が噴き出しました。ぶしゅぶしゅと潮噴きしながら、ビクビクと痙攣する妻の下半身。凄い・・・私は釘付けになりました。妻を休めることなく、次の行動に出る男。バイブを手に取った。

 「これはどう使うか、一目瞭然ですな。入れればいいのでしょう、健太君のお母さんの中に」
 「はあはあ・・・もう・・駄目え・・・はあはあ・・・止めてくだ・・・あくうっ」
 「おおっ、入るっ、簡単に入りますよっ、お母さんっ。それ、奥までですな」
 「あううぅ・・・」
 「・・・しかしお母さん、これはつまりませんなあ・・・健太君のお母さんのお○んこは、腰を使って激しく突きまくりたいもんです。お母さんはどうです?こっちの方がいいですか?」
 「はうう・・・い、いや・・・」
 「どっちがいいです。バイブがいいなら、私のはもう、やめときますが」
 「い、いや・・・はあはあ・・」
 「どっちなんです、健太君のお母さん」
 「せ、先生の・・・み、峰垣先生のお・・」
 「お母さんっ!」

 男がバイブをぬるっと抜き去り放り投げました。そして妻の下肢を抱え込み、猛り狂っている男の男根を、いっきに妻に突っ込んだのです。いきなりズバズバと叩きつけられる妻の大きくて真っ白なお尻。妻の肛門まで、丸見えでした。その妻の肛門に、男のグロテスクな睾丸が当たっている。男の腰が躍動している。妻が男にしがみついている。

 「こうでしょうっ、お母さんっ!バイブよりこうされる方がいいでしょうっ」
 「いいっ!峰垣先生の気持ちいいっ!んはあっ!」
 
 「おおっ、そうだ」
 男が、妻の片足を肩に担いで、妻の体を傾けた。妻を松葉崩しという体位にしたのです。横から結合部が丸見えになりました。私は男の機転の利き方にうなりました。妻の膣をえぐりながら、うなるローターを妻のクリトリスに押し当てたのです。布団をかきむしる妻。汗だくで腰を振り玩具を使う男。男は玩具を使いこなしている。

 「うごお・・・なんて締まりだ。もうイカン・・・お母さん、早くイッて下さい、中に出したいのです・・・ううっ、締まる・・」
 「もっイッちゃうぅっ!!」
 「うぐうぅっ・・・」
 


 男の男根が、妻の膣の中で断末魔の痙攣をし、射精しているのがはっきり見えました。私が射精した精液は、壁に飛び散った。

妻の中に出し切った男は、妻を正常位に戻しました。互いに激しくイッた男と妻は、つながったままで、唇を貪り合いだしました。その、果てた後の満足感たっぷりのディープキスは、体を抱きしめあいながら長く続くのです。そして、男が妻から抜いた。
 「ああんっ・・・」
 男が、妻の頭に回り、妻の頭を抱える。妻が男のぬめ光る、少し勃起が引いた男根を頬張り掃除する。
 「うむうぅ・・・」

 まるで、長年暮らしてきた男と女がセックスを終えていつもやり交わす、当たり前の行為に見えるのです。私は自分も射精したばかりだからでしょう。激しい嫉妬がわきました。
 立ち上がって服を着ながら、力なく横たわる妻を見下ろしながらしゃべり出した男の言葉がそれに油を注ぐのです。

 「ふう・・・健太君のお母さん、残念だが今日の家庭訪問はここまでですよ。もう学校に戻らないといけない。くそう、お母さんとならもっと、一晩中でもやっていたいんだが。体の相性が最高だ。肉体の相性があるなんて考えてもいなかったが、あなたと出会って価値観が代わりましたよ。健太君のお母さんとなら、素晴らしい生活ができそうだ。女房に出て行かれて上っ面だけだった私の生活も、やり直せる。教師の仕事も、もっと充実するでしょう。幸い健太君も私になついてくれているし、何とかならないものか・・・くそう・・・」

 あの男は何を言ってるんだ。怒りを通り越して、私は焦ってしまっていたのです。何も言わない妻。疲れているからだろう。そうだろう!

 「くそう・・・健太君のお母さん、くそう・・・」
 「あうん・・・」
 
 男はくそうくそうと、何度もつぶやきながら、また妻にまとわりつきだしたのです。なんという貪欲さだ。二度も妻の中に放っておいて。しかも男が欲している所を知って、私自身も貪欲に興奮してしまうのです。
 男は妻を四つん這いにさせ、まろやかなぷりぷりのお尻を高く持ち上げさせ、両手で柔らかい尻肉をグイッと左右に開いたのです。
 
 「嫌っ、恥ずかしいっ、先生っ」
 「まったく、なんて可愛らしいんだ、健太君のお母さんのアナル」
 「そんなとこ見ないで下さいっ、恥ずかしいっ」
 「今更、見るなといってもお母さん。69してる時やバックで入れてる時に、何度も見せてくれてるじゃないですか。この綺麗な皺をヒクヒクさせながら。たまらない、うぶぶ・・・」
 「嫌ぁっ!!」

 男が、妻のお尻にびったりと顔を押し付けたのです。妻の肛門、アナルに吸い付いた・・・舌を出して舐めだした・・・
 お尻をくねくねさせて逃げようとする妻。しかし、がっしりと男にわし掴まれていて、逃れられない妻。
 なんという貪欲さだ。私が思いつきもしなかった、男の欲望。どこまで私の妻の肉体をむさぼり、そして私の妻をどこまで奪ってしまうつもりなのだ。
 激烈な悔しさの中、私はまたも勃起していたのです。四つん這いで豊満な乳房をたぷたぷ揺らし、細腰をくねらせながらアナルを男に舐られている妻の肉体に、興奮していたのです。

 「そんな汚いことやめて下さいっ!峰垣先生っ、嫌ですっ」
 「ここは使ったことないのでしょう、お母さん」
 「何を言って・・・ああっ、嫌だあっ!」 
 「はあはあ、大丈夫ですよお母さん、私の指はお母さんの愛液でぬるぬるになっているから。大丈夫ですよ、はあはあ」
 「嫌あぁ・・・・・・うっ」

 男が妻のアナルに指を突き立て、入れた・・・。男の人差し指が、妻のアナルに根元まで入った・・・。心臓が高鳴りました。ますます勃起しました。あんな興奮、初めてでした。体が震えたのです。猛烈な欲望が私の中に生まれました。妻のアナル。

 「健太君のお母さんのアナルの中・・・凄い、なんて熱さだ。どろどろの熱さだ。中は広いが、入り口が凄い締め付けだ・・・指が食い千切られそうだ。凄い・・・」
 「うくう・・・抜いて下さい・・・あふう・・・そんな所、嫌あ・・・うう」
 「分かりました、抜きましょう。これ以上はやみつきになってしまいそうだ。でもねお母さん。健太君のお母さんのここをもっと知れば、あなたを本当に・・・くそう、何とかならないか、健太君も慕ってくれているし、くそう・・・」
 「あうっ・・・うっ、ううっ・・・」

 男が妻のアナルから指を抜くと、妻は崩れ落ちました。




 「お帰りなさい、あなた。お疲れ様。お風呂に入ってくださいな」
 「ああ、ただいま」

 私を迎えてくれた妻は、キッチンに引き返して行きます。私は後ろから、食い入る様に見ました。妻のお尻。スカートを張り切らせる、肉付きたっぷりのお尻。すぐに勃起してしまう。
 前回の男の家庭訪問から数日間、私はずっと、妻のアナルの光景が目に焼きついて離れないのです。そしてずっと勃起している。

 「ご馳走さま、美味しかったよ」
 「ふふっ。ありがとう、あなた」

 流しに立って洗い物を始めた妻。妻は気づいているだろうか?私の視線に。あのお尻に今すぐ飛びつきたい。そしてスカートをずらし。指が喰い込む柔らかい尻肉を思い切り開きたい。欲しいっ。男が触手を伸ばしはじめた妻のアナル。

 欲しいっ!男に奪われる前に、欲しいっ!初めて経験する、激しすぎる欲情を妻に持ち始めてしまっていたのです。




 「ううっ・・・」
 あっけなく果ててしまった私の背を、妻が優しく撫でてくれます。妻のマシュマロの乳房に顔を埋めて、射精の快感に震えていた私は、繋がったまま妻の唇を求めました。妻が応じてくれます。私の舌を吸ってくれるのです。
 私は妻から出ると、妻の頭に回りました。じっと私を見上げた妻は、にこりと微笑むと。私の萎えたものを、口に含んでくれました。しびれる快感で、私はうめきました。
 「ああ・・・うおおお」
 快感で尻餅をついてしまいました。私のものを離さないでいてくれる妻。
 「気持ちいいの?あなた・・・ふふ・・・嬉しい」
 「ああ・・あああ・・・」

 私の股間に顔を埋めて、丁寧に私のものを清めてくれる妻。赤い舌を使って、根から先まで、裏から横から、丁寧に。
 「あふん・・うふん・・むふん・・・」
 妻の鼻息で、私の陰毛がそよいでいる。

 まるで男の真似事をしているのです私は。しかし妻は、男にはこの行為はしない。
 「ちゅっ・ちゅっ・ちゅっ・・・」
 と、プックリと唇を尖らせて、私のものにキスをしてくれるのです。何度も色んな所を。

 私は妻のそのエロティックな表情に、狂おしいほどに愛情を感じました。そして、さらにさらに狂おしいほどに、欲情を感じていたのです。私の目の前で、くねくねと蠢く妻のお尻に。
 細い腰から、まろやかなラインを描いて、大きくV字に山を作る、桃のようなお尻。
 「もう・・・あなたったら。いましたばかりなのに」
 痛いほど勃起してしまった私を、妻が下から睨み付けてきました。私はその妻の薄い肩を握って、抱き起こしました。そして抱きしめました。私の胸に広がる、妻の乳房の柔らかさ。

 「きゃっ・・・どうしたの?ねえ、あなた・・・」
 「お願いがあるんだ」
 
 私は妻の瞳を見つめました。

「お願いって・・・何なの?あなた」
 妻が、大きな瞳で私を見つめてきます。私は、ごくりと生唾を飲み込みました。
 「き、君の・・・は、は・・・」
 私は、妻のくびれた腰から、お尻へと手を這わせました。むっちりと柔らかい尻肉の割れ目に指を伸ばしました。妻は私のするがままにさせてくれています。私は、思い切り叫びました。
 「君の初めてが欲しいんだっ!」
 そして無我夢中で、妻の肛門、アナルに向けて指を伸ばしたのです。皺が集約されたような弾力が指に触れました。その途端、今度は妻が叫んだのです。

 「嫌あぁっ!何するのっ!あなたっ!」
 妻はガバッと私から離れ、信じられないといった目で、私を見つめていました。私は妻の前にガクリと両手をつき、懇願したのです。
 「君の、初めての男になりたいんだよ、私は。・・・いけないかい・・・?」

 無言の妻が、ベッドを降りて部屋を出て行きました。ガチャッとドアが閉まったとき、私は全てが終わったと思いました。私は、妻があの男に貪られている姿に興奮を覚え、その上、その妻にアナルセックスを求めるような夫なのです。愛想をつかされても仕方がない。もう妻は、あの男に完全に奪われてしまうのだ。そう思った時です。
 ガチャリ・・・とドアが開いて、妻が入ってきました。

 妻は、豊満でくびれた裸身ではにかみながら、ベッドに腰掛けました。鏡のように白い美しい背中で、私に語りかけてきたのです。
 「これを・・・つけてくれますか?あなた・・・私、初めてで、辛いかもしれないから・・・」
 妻は両手に、何かの容器を持っていました。あっけに取られていた私は、頭が真っ白になっていて、その後の行為は古い映画のフィルムのような記憶になってしまっているのです。妻は、手に持っているボディソープの容器を私の方に出して、言いました。

 「恥ずかしいから・・・どうしたらいいか言ってください、あなた・・・」
 「寝て・・・寝てくれるかい」

 私は妻を仰向けに横たえさせると、妻のお尻の下に枕を敷きました。そして、妻の腿をグイと開いたのです。妻が両手で顔を覆いました。
 「ああ・・・恥ずかしいは、あなた・・・」

 妻の濡れている女性部の下に、妻のアナルがつつましくすぼまっていました。私はそのアナルに、ボディーソープをつけた指で触れました。皺がギュッと収縮し、妻がぴくんと反応したのです。
 「ああんっ・・・あなた・・・」

 私は、自身の勃起にボディソープを塗り、亀頭を妻のアナルに当てました。堅い押し返しに、グイと腰を前に出したのです。妻がのけぞりました。
 「くあんっ・・・あなたぁ・・・」

 私はなんという単細胞でしょうか!なんと味気ない男なのか!もしあの男が、同じ立場にいたら・・・。指を入れてじっくりとほぐし、妻が泣きむせび、女性部から流れた愛液でアナルがぬるぬるになるほどに、妻を感じさせ、自分も楽しんでいるに違いありません。

 それに比べて私は・・・いきなり挿入をするなんて、まるで童貞のような男でした。しかも、いきなり果ててしまったのです。男の言っていた事は本当でした。凄い熱さが私の男根を包みました。根元がアナル口でぎゅぎゅっと締め付けられ、私は、
 「ああうああぁ・・・」
 と、情けない声を出していたのです。
 搾り取られるように、私の男根は精液を吐き出し小さくなって、ものすごい収縮力を見せる妻のアナルによって、外に押し出されました。

 私は訳がわからない羞恥で、妻に抱きついていました。妻は私を逆に押し返し、私の胸の上に頭を突っ伏してきたのです。
 「あなた・・・あなたぁ・・・」
 妻は泣いていました。間違いなく涙でした。私の胸に落ちてきたのは、妻の温かい涙でした。

 私は呆然と、暗い天井を見上げていました。妻の胸の柔らかさが気持ちいいと思いながら、庭から聞こえてくる虫の声に不思議と、昔、妻とこの家を探していた時の事を思い浮かべていたのです。




 結婚してすぐ、妻は自分の家を持ちたいと言い出しました。私の経済力ではまだ無理な話でした。まだまだ先でいいじゃないかという私に、妻は強硬な頑固さを見せたのです。休日になると、私を一戸建ての展示場に引っ張っていきました。そして、綿密な返済計画を立てさえしたのです。
 妻は蓄えを私が驚くほど持っていました。ホステスの仕事で貯金してきたのだと言うのです。一軒家を持ちたくて、贅沢品を買うのを我慢してきたと言うのです。なぜそこまで・・・。
 私はこう考えました。妻の父親は仕事もせず、どうしようもない乱暴者で、その荒れた家庭環境の為に親戚に預けられたり、時には施設に入っていた事もあると、聞いた事があります。自分の城を持って幸せに暮らしたい・・・それが妻の夢なのかもしれない。
 私は、見学に言った家の中で、妻がなかなか帰ろうとしないくらい気に入っていた家を買う事に決めました。それが、この家なのです。
 
 妻は嬉々として、家の世話をしました。掃除に庭の手入れ。特に庭仕事をしているときの妻は、本当に幸せそうでした。私はそんな妻を見て、ローン返済の為に仕事に没頭しました。そんな私を妻も、真心をこめて支えてくれたのです。妻が妊娠し、私たちは忙しさの中で幸せでした。

 私に、今のこの災難を迎えるきっかけが起こったのは、そんな時期でした。

私はその日の午後、役所近くの喫茶店で、彼を待っていました。私が呼び出したのですが、同じ建物で働いていながら会うのは何年ぶりかなのです。いや、彼と私は互いに意識的に、顔を合わせないようにしていたと言っていいでしょう。
 喫茶店のドアが開く音がして、彼が入ってきました。小さい目をまじまじと開いて私を見ています。きっと、何事かと思っているのでしょう。わたしは、彼の名前を呼びました。
 「堀田さん、立ってないで、こちらへ・・・」
 堀田は、まじまじと私を見ながらテーブルにやって来て、座ってからも私から目をそらしませんでした。私も黙って、彼の顔を見返していました。業を煮やした掘田が、先に口を開きました。
 「い、いったい、何のようなのです?わざわざ呼び出して。ねえ、いったい・・・」
 「もうそろそろ、こうして普通に会って話をしてもいいでしょう。そう思っているんですよ、堀田さん」
 堀田は、当時、真面目で責任感のある男でした。今もそうでしょう。仕事ぶりを認められ出世している。だから、こうして焦っているんでしょう。私は、体格のいい堀田の、手をじっと見ました。




 私の妻が妊娠し、私たち夫婦が幸せの真只中にいた頃でした。私は、堀田が役所から数百万を横領しているのを知ったのです。私と堀田は、同じ事業計画の中にいたのですが、気づいたのは私だけでした。何故こんな事を?私と年も近く、人当たりのいい彼が、どうして?私が上に報告すれば、彼は一巻の終わりでした。彼は仕事ができて、私も何度も助けてもらった。いいやつだったのです。私は彼と話しをしました。

 いずれ明るみになると思っていたのかもしれません。堀田は観念したように、私に話してくれました。彼の弟が、数百万の借金を抱え、それに使ってしまったのだと、堀田は告白しました。
 堀田は私と似たような境遇でした。結婚し、子供も生まれ、新築の家も購入していたのです。彼自身もローンを背負っている。
 私は、堀田が横領した数百万を、経理資料の山の中に埋没させました。私が堀田をかばったのは、彼がいい人間で、私と似た境遇にいるという事もありました。しかしそれ以上に、黒い汚い闇の流通が渦巻いていて、私は嫌気がさしていたのです。
 当時はバブルに世間がおごっていました。私が属する組織もそうです。特定の業者との黒い繋がり。馬鹿高い接待や宴会。特に上の人間にいけばいくほど、職場の物、金の私物化が蔓延していました。堀田が横領した数百万に、誰も気づかないほど、麻痺していたのです。
 堀田の数百万を細かく分散させ、裏の流通の中に紛れ込ませることは簡単なことでした。上の人間も、ろくに資料を見ずに、許可印を押しました。
 私は堀田の横領を隠ぺいし、私も犯罪者になったのです。堀田は、私に頭を下げました。泣いて感謝の言葉を述べていました。それから私を避けるようになったのでしょう。ほとんど顔を合わすことなく、十年が経ちました。




 なぜ私は、堀田のところに行き着いたのか?私は堀田の手をじっと見ました。十年前と同じだ。ハンカチで汗を拭いている堀田に聞きました。
 「堀田君、弟さんは、あの事を知ってるのかい?」
 「いや、知らない。知らないよ。何も言ってないからね」
 「奥さんや、お子さんは、元気?」
 「え・・・?ああ、元気だよ。娘はもうすぐ中学に・・・え?」
 私はなぜか涙ぐんでしまって、堀田を見ました。あれから十年。私の知らない堀田の家族が成長している事に、不思議な感傷がわいたのです。
 「すまない・・・君との約束を破って一人だけ、話しをした事がある・・・」
 堀田が、私が見ていた手をグッと握りました。

 「私の恩師なんだ。私は子供の頃から剣道をやっていて、その剣道の師に、話したことがある。いや、相談したんだ。私はあの事で悩んで苦しんでいた。このままでいいのか?告白した方がいいんじゃないか?だから・・・信頼できた、尊敬していた先生に、打ち明けてみたんだ・・・」
 「峰垣先生に?」
 「ああ、そうだ。素晴らしい先生だった・・・」
 昔もそうだったが、なんと馬鹿正直な男でしょう。私が掛けた鎌に、疑いもせず答えたのです。
 
 「私の、ことは・・・」
 堀田が一瞬言葉につまり、大きく手を振りました。
 「言ってないさ、もちろん。助けてくれた人物がいるとは言ったけど。君の名前は言ってない」
 正直な男だ。目を泳がせている。言ったか言ってないか、自分でも自信がないのだろう。私は確信しました。堀田は、あの男に、私の名前を無意識に口走っている。堀田の、十年前から変わらない、竹刀だこの目立つ手のひらを見ながら、そう確信しました。




 「いってらっしゃい、あなた」
 「うん、行って来るよ」
 木曜日の朝。今日はあの男が、家庭訪問と称して、私の妻を貪りにやって来る日だ。私は決意していました。今日、けりをつける。あの男が私の家にたどり着く前に、襲撃する。
 私に一度、あの男は襲撃され、剣道の有段者らしく隙なく構えているに違いない。男自身、そう言っていた。しかしそれは、普段や妻を貪った後の話だ。この家に来る道中は、隙だらけに違いない。私の妻の、美しい肉体を思い浮かべながら、だらしなく歩いているに違いないのだ。

 「ねえ、あなた。今日は、健太の学校に授業参観に行くの。だから家を空けていますから」
 「!?!」
 
 私は、崩れた襲撃プランに戸惑いながら家を出ました。

男への反撃の計画を変更せざる得なくなり、私は無性に胸騒ぎがしました。妻は、健太の授業参観へ行く。男も、まさか学校内で妻に手出しはしまい。いや・・・。あの男は、健太の昇段審査の時、体育館のどん帳の奥に妻を呼び出していたではないか。妻を抱きはしなかったものの、妻の白い肌をねぶっていたではないか。
 男はどうするつもりなのだ?授業参観後に我が家に来るつもりなのか?それならば私は、どこで何時に待ち構えていたらいい?待ち構えている時に、帰りの妻と出くわせはしないか?
 焦りが、私の足を健太の学校へと向かわせていました。

 私は、他の親御たちに混じって、学校の門をくぐりました。そして、体育館へと向かいました。体育館では、体育の授業参観が行われていました。私は体育館の裏へ回り、建物の端の鉄の扉を開いてみました。ギ・・・と錆びた音を立て、扉は開きました。私は中の暗がりへと入ったのです。緞帳の向こうからは、授業中の音が聞こえてくる。
 一度男はここへ妻を呼び出している。また、同じ事をするかもしれない。私は暗闇の中に腰掛け、目をつぶりました。男が先に、来るはずだ。

 妻は、どうして私をかばったのか・・・?私は、横領の隠ぺいについては後悔も罪の意識もない。仮に暴露されて、裁かれてもいいのに。妻が待っていてくれれば、それでいいのに。それにひょっとしたら、もう十年も前だ、時効があるかもしれない。そんな事を考えはしなかったのだろうか?どうして私に、何も言わなかったのだ・・・。
 妻の父親は定職につかない、ふらついた人間だったと聞かされた。だから、私から職を奪わせたくなかったのか?そうなら、馬鹿なことを・・・。私にとってもっとも恐ろしい事は、妻がいなくなることなのに。

 キーンコーンカーンコーン、キーン・・・
 チャイムが鳴り、体育館が静かになりました。それからどのくらい待ったでしょうか。来ない。家に戻ったほうがいいかもしれない。いや、家への路上で待っているべきか?とにかく私は、外へ出ました。校庭では子供たちが遊び、校門には帰る親たちが歩いていました。私もその流れに入って学校の外へ出ようとした時です。目の端に気になるものが入りました。

 学校の表玄関の駐車場の最も端に、大きなワゴン車が止めてあったのです。その向こうは大きな南洋の植物が一面に茂っていて、その先は塀になっていました。ワゴンと植物の間に、もう一台車がある気がしたのです。いやある。まるで、ワゴン車と、横と前後一面に茂っている南洋の植物、そして塀で隠されるように、止めてある。意図的にそんな止め方をしている様に見えました。しかもその、隠れている車は、小さく揺れているように見えたのです。
 
 キーンコーンカーン・・・
 またチャイムが鳴り、校庭から子供たちがいなくなりました。もう親たちもいない。私は、そのワゴン車に近づきながら、動悸が速くなるのを感じていました。そして、茂る植物の暗がりの中に入り、私は血の気が引きました。止めてあったのは、我が家の車だ。そして・・・後部座席には、あの男が座っていました。男はシートにのけぞって、何か黒いものを抱えている。私はもっと近づきました。

 男が抱えていたのは、男の股間の上をゆっくり上下する、妻の黒髪の頭だったのです。

私は思わず、あたりを見回しました。そして、誰もいないことにホッとしたのです。そして、車内でのけぞっている男を、驚愕の思いで見つめました。なんという執念だ。なんという、妻への執着なんだ。
 ここは学校の敷地内だ。そして、授業参観に来校した教え子の母親を車の中に連れ込みフェラチオさせるなんて。なんという男だ。負けている・・・。私の反撃心は、男の執着心に負けている・・・。
 私はガクリと崩れるように、南洋の大木に寄りかかり、車内の淫行を除き見ました。しかしどうして妻は、車で来ているのだ?そうした疑問も、妻の献身ぶりに興奮してしまい、消えてしまったのです。

 妻は、後部シートの男の、大股開きの間に潜り込み、ズボンのチャックから突き出ている男の男根にむしゃぶりついていました。黒髪を耳の上で何度もかき上げながら、大きく小さく、ゆっくり早く、しごきながら、揉みながら、バリエーションをつけてしゃぶっているのです。
 男が何か言って、妻が顔を上げました。そして頷くと、サマーセーターをガバリと頭から抜き、白い上半身を露わにすると、両手を背中に回してブラのホックを外しているのです。男が満足そうに見つめる中、ボロンッと、妻の砲弾のような乳房がこぼれました。
 
 男が両手で妻の乳房を揉みしだき始め、妻が喉を反らしている。男がまた何か言いました。コクリと頷いた妻は、右手で男の男根を握り寄せ、左手で左の乳房を持ち上げると、イチゴ色の乳首に男の亀頭をグリグリと擦り付けだしたのです。今度は逆に握り変えて、している。また逆だ。
 
 妻が男の男根に唾液を糸のように垂らした。そして、豊満な両の乳房の間に、男を挟み込んだのです。寄せた乳房の谷間に唾液を垂らしながら、体を弾ませている妻。車が、縦に揺れだしました。男が妻の頬に手を当て、唇をなぞり、その男の指を妻が咥え、赤い舌を絡めている。妻はその赤い舌を長く伸ばして、乳房の谷間から顔を出している男の尿道を、チロチロとくすぐっている。
 男がシャツのボタンを外し、盛り上がった胸をはだけました。妻はパイズリをしながら、男の乳首を器用に舐めるのです。噛んだりもしている。男はしきりに仰け反っていました。

 なんという状況だ。校舎を見上げると、生徒や教員が歩いている。私はあまりの興奮に、寄り掛かっている大木に、勃起を擦り付けていたのです。

 車がより大きく揺れだしました。妻がスパートをする様に、大きく速く弾んでいる。そして、乳房をぎゅぎゅと寄せ弾みながら、男の表情を伺っているのです。男が口を大きく開けました。その瞬間を待っていたかのように、妻が乳房を離し、唇を大きく開いて男の男根を咥え込んだのです。
 妻は咥えながら、スパートのしごきを開始している。妻の右肩が、激しく小刻みに動いていて、男は前部座席のシートに額を押し付け、悶絶の表情をしていました。

 私は、ズボンの中で射精していました。荒い息と興奮で、校内の駐車場の車内の、教師と教え子の母親の顛末を見ていました。
 妻が顔を上げました。唇をつぐんで、男と見つめあっています。私はハッキリと見たのです。妻の喉仏が、ごくりと嚥下するのを。妻が、男が口内に放った精を、飲んだのです。

 男が、唇を手で覆っている妻を抱きしめました。そして、頬ずりをしながら、妻の耳元で何かささやいている。男がせわしなくシャツのボタンをはめ出しました。妻も急いだ様子でブラをつけ、サマーセーターを被っている。
 男がドアを開け外に出ました。私はサッと、木の陰に身を隠し、男を伺いました。男は辺りをうかがいながら、妻を外に引き出すと、運転座席にすばやく乗り込ませたのです。そして男は、ワゴン車に助手席側から乗り込み、窓から顔を出し妻に何か言うと、運転席側に移動しました。
 
 ワゴン車が移動し、妻が運転する我が家の車が、スー・・・ッと、校門から出て行きました。
 男は、ワゴンの運転席で、携帯電話を使っている。そして十数分じっとしていると、ワゴンを学校から出したのです。




 私は膝をつくように崩れ落ちました。
 淫行の後の学校の駐車場は、静かでした。
 あの妻の、美しいばかりの淫美な肢体は、恐ろしいばかりの興奮だった。反撃など・・・私はもう、あの男に負けているのではないか。

 『この家、気に入ったわ』
 『この車、素敵ね。色もいいわ』

 その時、マイホーム、マイカーを選んでいる時の、妻の笑顔が浮かびました。私は目の前の巨木を引っ掻きながら、立ち上がりました。よく見るとその大木は、根のほうが剥き出て腐っていました。
 
 まだだ・・・まだ・・・。

 私は、校門の外に走り出しました。
 その時、私はまだ判っていませんでした。妻の本当の姿を。

あの男は、我が家に向かっている。私は、直感のままに走りました。あの男の凄まじい執念は、我が家の妻を追いかけている筈だ。私は喘ぎながら走り続けました。
 家の近くの公園横に、男が乗っていたワゴン車が路駐してあったのです。やっぱりだ。走りに走り、我が家が見えると、門扉が開きっぱなしになっているのです。
 荒い息で、家の前にたどり着きました。車はある。妻は帰っている。男は・・・?締め切られた雨戸。男は・・・中にいるはずだ。私は鍵を取り出しながら、玄関に進みました。しかし、鍵は開いていたのです。私はつばを飲み込み、ゆっくりとドアを開きました。

 「あはあんっ!」

 玄関に入り飛び込んできたのは、妻の絶叫でした。廊下の奥から響いて来る。歓喜の声。

 「うあんっ・あうんっ・・・ああっ・あんっ・あんっ・あんっ・・・」

 私は、目の前の有様にしばらく棒立ちになっていました。玄関には、男の靴が乱れて放り出され、居間へと続く廊下には、衣類が脱ぎ捨てられているのです。男のシャツ、ズボン、パンツ。妻のサマーセーター、スカート、ブラジャー。
 まるで、玄関から我慢できなくて、服を脱ぎながら奥へ進んで行ったような有様だったのです。

 「くはあっ!あうんっ!うふんっ!」

 棒立ちの私の耳に容赦なく届いてくる、妻の声。私は自分の靴を手に持って、家に上がりました。男と妻の、脱ぎ捨てられた下着の中を進み、居間のドアの前に立ちました。ドアが、揺れているようでした。ゆっくりと、開き、片目を当てました。

 


 「健太君のお母さんの尻肉っ、たまらない感触だっ。それえっ!それっそれっそれっ・・・」
 「はああ・・・だめえ・・・峰垣先生ぃ・・・駄目。ああんっ!ああっううっあはっ・・・」

 妻は、男に、バックで激しく突き攻められていたのです。男に、真っ白なお尻をがっしりと抱え込まれ、柔らかい肉に指を食い込まされている。汗だくの男が腰を突き出すたび、妻の豊満な乳房がドップンドップンと揺れまくる。止まった男が、貫いている妻のお尻を撫でだしました。

 「健太君のお母さんのバックスタイル。たまらない。薄い背中と細い腰から、この大きなお尻へのライン。それにこの吸い付くような肌。女の中の女ですな。しかし、学校でのお母さんは最高でしたよ。あんな上級なテクニックでされたら、いくら教師といえども学校の中といえども、我慢できませんよ」
 「はあはあはあ・・・あ、あれは・・・せ、先生が急に乗り込んできて・・はうう・・・」
 「そうでしたかな」
 「はあはあ・・・け、健太の新しい剣道具を渡すから、車で来いって言って・・・はあはあ・・・皆、そうするからって、でも私だけが車で・・・はああ・・・」
 「まだ届いていないのですよ、剣道具はね。お母さん、そう言ったでしょう」
 「端に止めるように言われて・・・はあふう・・・帰ろうと思ったら先生の車が塞いでいて、出るに出られなくて・・・はあふうはあ・・・そしたら先生が中に・・・」
 「嫌な予感がしてね、お母さん。例の体育館に呼ぼうと思ったんですけどな。どうも気が進まなくてね。しかしお母さんをあのまま帰せるわけがないでしょう。今日は家庭訪問に来られない予定だったんだ。授業参観の後は色々あってねえ、忙しいのですよ、教師は。しかし、あの目つきで咥えられたら、教師の面目が立ちませんよ。教え子の母親のお願いを無碍にするなんて、出来ませんよ。大丈夫、学校には携帯で体調が悪くなったと言ってある」
 「お願いなんて・・・していません・・・はあうう」
 「あのフェラ顔、パイズリ顔は、家庭訪問に来て欲しい、そう言っていたのでしょう」
 「違いま・・・ああっ!あんっ・あんっ・あんっ・・・」




 ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・・・
 「あんっ・あんっ・あんっ・あんっ・・・」

 男の腰と妻の尻肉が、ぱんぱんと小気味いい音を立て。ぶつかり合っていました。男の、なんという持続力、持久力。そして破壊力。汗をだくだくと、腰を振り続ける男。
 「壊れるぅっ!壊れちゃうぅっ!」
 止まらない、男のピストン。鳴り響く肉の音。速さを増し、止まらない男のピストン。揺れる乳房。振り乱される黒髪。止まらない男の・・・
 「イクっイッちゃうっ!!」

 妻が絶叫し、
 「きゃおおっ!」
 私はまた、ドクドクと射精してしまっていたのです。

 力尽きたような妻。しかし私は、力尽きていないことに気がついていませんでした。妻の真っ白な肌が、ほんのりと赤く染まっていることに気づいていませんでした。


「まだまだだ・・・健太君のお母さん、私はまだまだですよ」
 
 男は、突っ伏した妻をバックで貫きながら、妻の白いお尻を撫でたり、ペチペチと軽く叩いているのです。

 「はあはあ・・・もう・・・離して、先生・・・もう無理ですう・・・」
 「何が無理ですか、これだけ立派なお尻をしていて。健太君のお母さんの見事なお尻を見ていると、力がみなぎってくる。わかるでしょう、お母さんの中で、私のち○ぽが脈打ってるのが。今日は何度でも、お母さんをイカせてあげれますよ。まだまだぁ・・・」
 「もう・・・はあはあ・・・もたない・・・」
 「そんな事はないでしょう。お○んこを突かれながら、もっともっとと、ひくついていましたよ。健太君のお母さんの、アナルがっ!」
 「嫌あっ・・・」

 男は、貫いている妻の尻肉を、左右に思い切り開いたのです。目を血走らせて見ている。妻のアナルを・・・くそう・・・妻のアナル・・・私のものだ・・・私は拳を握り締めました・・・くそう・・・妻のアナルは私が初めて入って、これからも私しか入れない神聖な場所だ・・・くそう・・・それをあんな男に・・・くそう、足が動かない・・・震えている・・・男の太い腕、がっしりした腰・・・くそう・・・

 「そこだけは・・・止めて下さい、峰垣先生・・・」
 「ここは、使ったことは、あるのですかな?」
 「そんな事ありません。だからお願いです。そこだけは勘弁してください・・・先生」
 「この小さな穴だ、私の太いち○ぽでは、無理でしょうな」
 「ああ、良かった・・・ああんっ」

 男が、妻から出て、立ち上がりました。倒れこむように突っ伏す妻。

 「ところでお母さん、あの道具はどうしました?先週、お母さんが泣いて歓んだ、あの大人の道具ですよ」
 「あ、あんなもの・・・捨てました」
 「ほう・・・そうですか・・・」

 枕に顔を伏せてそう言う妻を尻目に、男は自分の鞄を開けて、ごそごそと何かを取り出したのです。私はそれを見て、尻餅をつくように座り込んでしまいました。
 なんという・・・男の執念だ。男は、うつ伏せの妻をひっくり返し、細腰をがっしりと動けないようににつかんだのです。それを目にした妻は、ギョッとした。

 「ひっ・・・な、何をするんですか・・・」
 「あの手の店に入ったのは初めてでしたよ。あんな経験も、お母さんのおかげですな。アナル処女にはこれがいいと、店主に薦められましてな。アナルパール、と言うのですよ」
 「ひい・・・やめて・・・」
 「どれまずは、お母さんのぐしょぐしょの愛液で・・・」
 「ああっ・・・止めて・・・ああっ・・・嫌あっ・・・」

 取っ手の部分から、大きな銀色のビー玉の様なものがいくつも連なった、それ。男は取っ手を握り、先の部分を、妻の濡れた女性部にこすり付けているのです。そして、先端を妻のアナルに当てがった。

 「たっぷりとヌルヌルにしたから、大丈夫ですよ。さあ、怖がらないで力を抜いて」
 「いや先生やめて入れない・・・ああううっ・・・はあうう・・・」

 妻のアナルに、一つ目がめり込んだ。二つ目、三つ目・・・。くそうっ!私は何を勃起しているのだっ!くそうっ!
 道具とはいえ、大事な私の妻のアナルに・・・くそうっ!男の逞しい肩、割れた腹筋・・・くそう・・・足が動かない、震えて動かない、くそうっ!

 「さすが健太君のお母さんだ、全部入りましたよ。凄い眺めだ・・・ぎゅうぎゅうと、締めている・・・これが私のち○ぽだと思うと・・・無理だと言ったのは、まだ私のは今日は無理だという意味ですよっ。じっくりほぐしてからでないと。大事な教え子の母親だ、傷めてはいけませんからなあ」
 「はああ・・・あはあ・・・うふう・・・」
 「おおっ、腰が動いていますよ、お母さん。さすがだ・・・今日は辛くて入れるだけだと思っていたが、これも使えそうだ。お母さんの大好きな、バイブ機能も付いているのですよ。ふふふ・・・それ」
 「んはあぁっ!」

 男が取っ手のスイッチをカチッと押すと、妻の体が弾けました。ブッーン・・・と、バイブレーションの音が響き、妻の体が弓反り、叫んでいました。
 「変になっちゃうぅっ!」
 妻の腰がくねり、今度は男が叫びました。
 「たまらない女だ、健太君のお母さんはっ!くそうっ!みなぎってくるっ!前を使わせてもらいますよ、お母さんっ!それえっ!」
 「ふぐうっ!」
 男は妻を抱え上げ、アナルに道具を入れたままの妻を、座位で貫いたのです。
 「健太君のお母さんっ!」
 「ひいっ!凄いぃっ峰垣先生ぃっ!あひいぃっ!」

 


 その壮絶さは、自身の勃起をしごき続ける私を飲み込んでいきました。私は射精しました。それでも興奮が収まらないのです。また、勃ってきました。

 男は座位で妻を抱きしめ、腰をゆっくりと使いながら、妻のお尻に刺さっている道具を、ズボズボと出し入れしているのです。
 「くひいぃっ!あひいぃっ!」
 後ろに道具、前に男の男根。二穴を埋められた妻は、男の背にしがみついていました。そして、飲み込まれていたのは、私だけではありませんでした。

 妻は男をも、飲み込んでいったのです。

 「ぐううっ、なんて締まりだっ・・・これ程とは・・・くそお」
 「あひいっ!いいっ!いいのおっ!」
 「健太君のお母さんっ!そんなに動かないでっ!・・・いかんっ!」

 男が、妻のアナルを刺している道具から手を離しました。妻はそれを機に、男の首に両手を回して、腰を激しく振り出したのです。男が歯を食いしばっている。
 妻の激しい腰使いでか、妻のアナルの収縮でか、その両方でか・・・。道具が妻のアナルから、ヌポンッと、飛び出すように抜け、床に落ちました。それでも妻は腰を振り続ける。止まらない・・・

 「くそおっ!お母さんっ!仕方がない、約束だっ!どいてください、外に出しますよっ!・・・ああっお母さんっどうしてっ!?どいてといってるのにっ・・ぐおお・・・」
 止まらない。妻のくびれた腰が、止まらない。滑るように、まわすように、叩きつけるように、止まらない。妻の細腰だけが機械化されたように、動き振り続けられるのです。
 「先にイクようなら中出ししないと約束したでしょう。私も教師だ、守りますよっ!うおお・・・どうして!?健太君のお母さんっ!!」

 美しい・・・私は、見とれていました。男の胡坐の上で、髪を振り乱し、汗を飛び散らせ、腰を使いまくる妻。男はもう、射精をこらえるのが精一杯の風に、妻に抱きついている。妻に、飲み込まれている。
 美しい・・・その妻が、叫びました。

 「可哀想な人おっ!」
 「駄目だっ出るぅっ!」
 「恨んでなんかいなかったのにぃっ!」
 「うぐうっ!!」

 男が呻き、痙攣しだした。妻に抱きついて射精している。それでも止まらない妻の細腰。苦悶する男。妻が、また叫びました。

 「可哀想な人ぉっ!」
 「ぐうぅ・・・うぐうぅ・・・」




 まるで電池が切れたかのように、妻の腰の動きが、ゆるやかになり、ようやく止まりました。男と妻はもつれあったまま、倒れました。先に起き上がったのは、男だ。
 男は、ハアハアと荒い息で、妻を見下ろしていました。下半身がふらついている。だらんと垂れている男の男根。

 「健太君のお母さん・・・少しアナルをほぐしただけなのに、あんなにも締りが変わるなんて・・・ふふふ、しかしまた、遣り甲斐が出てきましたよ。私とお母さんなら、素晴らしいセックスライフが築けそうだ。そう思ってるんじゃありませんか?だから抜かなかったのでしょう。ふふふ、今度はお母さんを先にイカせれるように、鍛えなおしだ。まったくお母さんは、たまらない女だ」

 男はしゃがむと、妻の細いあごを持ち上げました。
 「しかし、可哀想とは、誰のことです?どういう意味です?まさか私ではないでしょうね?」
 何も言わず目をつむる妻を、男は離し、
 「まあいいでしょう。来週の家庭訪問では、私の凄さがもっとわかるはずだ。いいですか?来週は、お母さんのアナルを、もらいますよ。じっくりと、アナルを開発してあげましょう。この道具は置いていきます。しっかりほぐしておいてください。宿題ですよ、教師の私から教え子の母親に、大人の宿題です。ふふふふ・・・」

 男が着替え、出て行くそぶりを見せた時、私は二階に上がりました。




 夜。私は、堀田に携帯電話をした。
 「な、何のようですか・・・」
 「堀田さん、あなたは今でも、峰垣さんに、会うのですか?」
 「ど、どうして・・・」
 「どっちなんです」
 「あ、会いますよ・・・」

 私の異様な雰囲気に推されたのか、堀田の声が震えていました。
 「今度、いつ会うのです?」
 「・・・それは・・・」
 「堀田さん」
 「偶然ですが、今日、今から会います」
 「どこで?」

 私は、数十メートル先に見える、我が家の灯りを見ながら、携帯電話を閉じました。

私は、我が家から数十メートル離れたゴミ捨て場で、堀田にかけていた携帯電話を閉じました。私の決意は、ゴミ捨て場に捨てられているそれを見た時、固まったと言っていいでしょう。
 男が妻に残していった、アナル挿入具が、バラバラに壊されて捨てられている。妻がやったんだ。

 妻のアナル・・・絶対に渡すものか。私のものだ。
 私の内側にもこんなものがあるのか・・・私は驚いていました。私の中で、恐ろしい顔をした野獣が牙を剥いているのです。
 私の内側に混在する、男に爪を向ける野獣と、妻への感情。
 妻を幸せにしたい・・・私がっ!あの男では決してないっ!私だっ!

 『可哀想な人ぉっ!』
 『恨んでなんかいなかったのにぃっ!』

 妻は男にまたがり腰を振りながら、そう叫んでいた。その時私は、妻の本当の姿を見たような気がしたのです。妻が叫んだ言葉は、初めて聞いた言葉ではなかった・・・。
 妻は、私との結婚生活で、自分の生い立ちを少しずつ話してくれました。そして決まって、妻の両親のことに行き着くのです。暴れ者で酒乱で、金を持ち出すギャンブル狂いの父親。哀れなほどその父親の言いなりで、殴られてばかりいる母親。学校もまともに出してくれなかった両親。病気で疲れきっていた母親は、結婚の報告をした後、急に亡くなってしまった。私が会う前だった。孫の顔を見せたかったのにと、妻は葬式で泣いた。その時、父親はいなかった。

 多額の借金を家族に残して、数年前に失踪していたのだ。水商売でその借金を半分以上返済していた妻は、私と結婚してからも、私に謝りながら、私の給料から返済していた。自分の家族に不幸の苦しみの原因を作った父親。その父親の話になると、妻は不思議と、穏やかな顔になった。そしてこう言うのです。

 『父は、可哀想な人なの・・・恨んでなんかいなかったのに、何処かに行ってしまって・・・孫の顔を見たら、変われるかもしれないのに・・・何処にいるのかしら?可哀想な人・・・。でも、こんな気持ちになれるのも、あなたと結婚して、健太を産んで、幸せな家を持てたからだわ。有り難うあなた。私は今幸せよ。あなたのおかげで父の借金も全て返せた。あなたに何かあったら、今度は私が、守ってみせます。何をしてでも・・・』

 妻は、私のどうでもいい、社会的立場を守るため、あの男に肉体をむさぼられだした。そしていつの間にか、自分の暗い過去にも貪られている。あの男に、父親の影を見ているのだろうか?
 私を守るため、可哀想な父親を哀れむ心で、女の肉体をあの男にぶつけて・・・妻の肉体はもう限界に違いない。妻はもう、壊れてしまう。

 私は、もう一度我が家の灯りを見てから、家とは反対の方向に歩き出しました。




 堀田が話していた、駅の近くの飲み屋街を、離れたタクシー乗り場から見ていました。そして、一軒の飲み屋から堀田が出てきた。続いて、あの男も、出てきた。
 私は離れて、しかし決して目をそらさず、二人の後を追いました。堀田が男に頭を下げて、男と別れた。タクシーをつかまえたのです。男は堀田を見送ると、また飲み屋街を歩き出した。そして、雑居ビルに入ったのです。ビルの中のスナックにでも入るつもりなのだろう。私はエレベーターが8階で止まるのを確認すると、1階に降りてきたエレベーターに乗り込みました。そして、8階を押した。
 
 チンッ・・・エレベーターのドアが開くと、私はポケットに手を入れました。中に忍ばせているものを握り締め、そして、呆然としました。8階の飲み屋やスナックの看板は、どれも明かりがついていない。それどころか人気がまったく感じられなかったのです。この階の店はすべて、潰れている。廃墟の階だ。廊下の奥の非常階段のドアが半分開いて外の夜が見えている。私はドアに歩いていき、外の様子を伺おうとしました。その時・・・

 背後に人が立った気配がしたのです。背筋に冷たい汗が流れました。追い詰められようとしていたのは、私の方かも知れない・・・そう思って鳥肌が立ちました。


私の前方の床に、私以外の大きな影が映りました。人影だっ!その人影の両腕が、ぐわっと上に挙がったのです。バリバリと、ビニールの音がしました。そして、私の人生で初めての、死闘が始まったのです。

 頭から何か被せられ、視界が白く遮られました。コンビニの袋だっ!そう思った瞬間、物凄い力で壁に叩きつけられました。側頭部を強く打って、床に倒れこんだ私の胸に、強い衝撃が打ち付けられてくる。
 「うおおぉ・・・」
 呻き必死で頭から袋を取った私の目に、足を持ち上げる、あの男が映りました。ドカッ!ドカッ!ドカッ!男は持ち上げた足の裏を、私の頭や腹を狙って叩きつけるのです。頭を防ぐ腕の間から男の顔を見ました。真っ赤な獣の目だ。殺意の塊だ。その直後、私の内の野獣が吠えました。
 「うおおおっ!!」
 男の腰にぶつかり、しがみつきました。そして、ポケットの中のモノをつかんだのです。

 『だめえぇっ!』

 胸の中に、妻の声が響きました。頭の中に、妻の顔が閃きました。悲しそうな顔で頭を振っている妻の顔でした。

 ポケットの中のモノを離した瞬間、腹に男の膝がめり込んだのです。
 「うげえぇ・・・」
 ドカッ!ぐしゃっ!
 崩れ落ちた私の後頭部に、男の足が落ちてきました。意識が薄らいできた私の首を締めるようにつかんだ男は、私の体を非常階段のドアの外に向かって放り投げたのです。
 ガンッ!ガンッ!
 非常階段の鉄の踊り場の柵に打ち付けられた私の目に、目がくらむ様な階下が見えました。8階・・・。

 ドカッ!どすっ!ドカッ!
 再び足の裏を打ち下ろす男。男は、最初から私をここに誘いこむつもりだったのだ・・・。8階・・・この高さなら、十分に私を・・・。私が気を失った後に、私を抱え上げ・・・。
 朦朧とする意識の中に、今日の昼間、学校の駐車場の車内で、絡み合う妻と男を覗き見するため身を隠していた、南洋の巨木が浮かび上がりました。その巨木の根っこ・・・地面から浮き出て腐っていた・・・。

 男が、必要以上に足を高く持ち上げたのです。もう私に抵抗の意思がなくなったと思ったのでしょうか?巨木の根っこに被さる様に、男の、持ち上げていない方の足に目が行きました。私の内の野獣が、また吠えました。
 「おおおぉっ!!」
 私は、男の足首に肩からぶつかり、思いきり体をひねりました。男の巨体が、ぐらついて、男が始めて、声を上げました。
 「うわあっ!!」

 ガシャンッ!ドガンッ!ガガンッ!
 男の巨体が、階段を転げ落ちていき、下の踊り場に叩きつけられました。私は這いながらビルの中に入り、フロア全体を見回し、そして、照明の電源を見つけ、スイッチを切ったのです。
 パッ・・・と、フロアが暗くなりました。非常口の場所を示す緑の電灯だけがほの暗く点いている。カカン・・カカン・・カカン・・・非常階段を上ってくる音が響きます。男が、中に入ってきた。

 ほの暗い照明に照らされた男の額が、黒くなっている。血だ。そして、落ちていたのでしょうか?破れた傘を手にしていたのです。男はその長い傘を、竹刀のように正中に構えた。顔の半分を血に染めながら、私を見据えている。隙がない・・・。
 私は、勝てるのか・・・?あの男に勝って、家に、妻の元に帰れるのか・・・?その時、男の視線が、驚いたように、私の後ろに注がれたのです。

 「せやあぁっ!!」
 けたたましい雄たけびとともに、黒い人影が私の後ろから飛び出し、男に向かっていきました。棒を手にしている。そしてその棒を、男に振り下ろした。
 「ひええぇっ!」
 男が叫び、振り下ろされる棒を傘で受けた。そして、数秒間、つばぜり合いをした後、
 「ふおおっ!」
 男が、相手を壁に叩き付けたのです。それから傘の先で、相手の胸の辺りを突いた!
 「ぐうう・・・うううぅ・・・」

 苦しそうにうなるその相手を背に、男は再び私の方を向きました。浮かび上がる男の恐ろしい目。私はその瞬間、スイッチを押しました。パッ!急に点いた照明に、男が目を細め、私から顔をそむけたのです。
 私の内の野獣の、最後の咆哮。
 「うぅおおぉっ!!!」

 私は頭から、男に突進しました。男が傘を上段に振り上げたのが、私に幸いしました。私の頭が、男の顎にぶつかり、グシャッ!と、骨が砕ける音がし、私は吠えながら、男の巨体を押し続けました。
 「うおおっ!おおおっ!」

 私は男を、非常階段に押し出し、柵に背中をぶつけて呻いた男を思いきり振り回しました。そして、私の体が浮き上がりました。
 ガガンッ・ガガンッ・ガガンッ・・・
 私と男は、もつれながら階段を転がりました。いや、私は男に飛び乗っていたので、衝撃を受けたのは男の方だったのです。
 「ううぅぅ・・・」
 踊り場まで落ちた私と男。男が、血だらけの顔を持ち上げました。手のひらを広げて、私に向かってくる。そう思った時、男は泡を噴いて、ガクリと崩れ落ちたのです。その後、じっと動かない。




 「はあはあはあはあ・・・」
 私は荒い息を吐きながら、柵にしがみつき、立ち上がり、うつ伏せで動かない男を見下ろしました。男の背中は、服が破れ、血まみれになっている。そこら辺に転がっているビールビンの破片や尖った石ころで負傷したのだろう。私はポケットに手を入れ、中のナイフをつかみました。

 『あなた・・・』
 また、妻の悲しそうな顔が浮かびました。

 「くそう・・・」
 ポケットから出さずに、私はナイフをぐっと握り締めました。その時、
 「大丈夫ですか?」
 頭上から、人の声がして、
 「もう、止めて下さい」
 と、階段を下りてきたのです。

 「堀田さん・・・」


私の背後から飛び出し、男に棒を持って向かっていったのは、堀田だったのか・・・。だが私は驚きは出来ませんでした。男との死闘の後で、魂が抜けた抜け殻のようになっていたのです。ただ堀田を見ている、そんな感じでした。だから私は、堀田の言うなりになってしまっていました。
 堀田は、左の肩の下辺りを手で押さえていました。血がにじんでいる。男に傘の先で突かれた箇所だ。堀田は、しっかりとした口調で、てきぱきと動いていました。周りに人の目がないか確認して、倒れている男の元に屈み、男の状態を見ながら、携帯電話で、救急車を呼んだのです。そして、私の腕をつかんで、
 「さあ、もう行きましょう。お願いです、私の言う通りにして下さい。ここを離れるんです。さあっ」
 私は、堀田に腕を引かれ、引きずられるように歩きました。堀田と私が雑居ビルから出て、人込みに入った時、救急車のサイレンが聞こえてきました。その時堀田が、先生・・・、と呟いたのを覚えています。
 
 いつの間にか、私は職場の役所へと連れられてきていたのです。堀田は、通用口の扉を鍵で開け、私を引っ張って中に入った。私は、堀田の課の部屋へと連れて行かれた。私をデスクに座らせた堀田は、私にコーヒーを入れ、自分も座ったのです。コーヒーを一口すすった時やっと、抜け殻だった気持ちがはっきりとしてきました。やっと、こう言う事が出来たのです。
 「堀田さん、どうしてあなたが、あの場にいたのです?

 

 
 「懐かしいですね。十年前も、ここでこうして、話し合っていた。あなたと私は」
 「え?」
 「私が横領した金を、どうするか、頭を使ってくれていたじゃないですか。夜ここで二人で話しながら」
 「・・・・・・」
 「申し訳ないことをしました。私はあなたの名前を言ってないと言ったが、はっきりした自信がないのです。ただもう夢中で、先生に相談していたから。だから・・・きっとあなたの名前を口走ったんだ。そうでないと、あなたが峰垣先生の名前を知ってる筈がない。あなたはあの時、私を呼び出した時、峰垣先生の事を、はっきりと言ったでしょう。私は馬鹿ですよ。すぐに気づかないんだから。後でハッと気づいたのです。・・・・・・あなたも、脅されていたんですね、峰垣先生に」
 「脅す・・・?あなたも・・・?」
 「そうです。金を強要されていたのでしょう、私と同じで。それでとうとう我慢できなくなって、今夜、先生の居場所を聞くような電話をしてきたのでしょう。私はその時先生といたのです。要求されていた金を渡すために会っていたのですよ。私は、先生に、これからあなたと会うことになったと言った。あの雑居ビルの8階の店で会うのだが、金がもうないので、いったん家に戻って出直してくると言って、先生と別れたのです。私は、あの雑居ビルの8階が廃墟なのを知っていた。あなたもそうだが、先生もびっくりしたでしょうね。私は先生とあなたが、あそこで鉢合わせて・・・あなたの電話の口調は、切羽詰っていた・・・だから期待していたのです、あなたが先生を・・・だけど、堪えられなくなって、戻ってしまった・・・先生は私の恩人なのに・・・」
 「堀田さん・・・あんた・・・」

 堀田は、苦しそうに頭をかきむしりながら、話しつづけた。まるで教会でざんげをするように、長々としゃべり続けたのです。

 「私が先生に、横領した過去がある事を相談した時、先生は、過去の過ちは忘れて、これからは世の中の為に精一杯働けと言われた。私はその言葉に励まされて懸命に働きましたよ。それからしばらくして、先生は私に、金の工面を願ってくるようになったのです。道場の運営費用が足りないとか言っていました。はじめは小額だったのです。それが次第に・・・私が難色を示すと、私の過去の事を、知られては困るだろうと・・・はっきり脅したのです。あの先生がっ!尊敬する恩人がっ!」

 堀田は立ち上がって、窓のほうへ歩いていき、外を眺めた。そしてまた、話しつづけるのです。窓に映る堀田の顔は、歪んでいました。

 「私はどうしようもないゴロツキでしてね。ある時、傷害事件の冤罪を被せられたのです。どうせお前がやったのだろうと、まわりの大人は、白い目で私を見ましたよ。しかし先生だけは私を信じてくれた。私の冤罪を晴らそうと、四方八方、足を棒にして飛び回ってくれました。私を先生の家にかくまってくれたりしてね、その時奥さんにも、本当に世話になった。私の無実がわかったとき、優しい奥さんは、泣いてくれましたよ・・・くっ・・・」

 堀田が、窓ガラスに額をコンッとぶつけた。歯を食いしばって、涙声に鳴り出した。話しつづける。

 「そんな先生がどうして私に金の脅迫を?私は金を払い続けながら気づいたのです。先生の家に、奥さんの姿が見えなくなっているのを。それで独自に調べました。興信所を使ったのです。奥さんは、男を作って、先生の元を離れていた。それで、やけになって、飲み代に使う金かと思いました。でも違うのです。奥さんは、やがて男とも分かれた。そして、転々と、住む所を変えているようなのです。先生は、そんな奥さんの生活を、興信所に調べさせて毎月報告させているのです。ずっと、いまでも。奥さんの毎日の生活、健康状況・・・とても教員の給料では、興信所の請求額に応じきれるものじゃない。それで、私や、あなたに・・・あなたもそうでしょうっ!私と同じで、多額の金を先生に要求されることに疲れたんでしょうっ!私にだって家族があるんだっ!先生の気持ちは判るがっ!いつまでも・・・。あなたもそうでしょうっ!ええっ!?それで先生をつけ狙ったのでしょうが!?」

 私の方を向いた堀田は、笑っていました。あの男、峰垣に苦しめられていたのが、自分だけじゃないという安堵で笑っていたのか?それとも、あの男、峰垣を最後に叩き落したのが、自分じゃなくお前だという責任転嫁なのか?たぶん両方だろう・・・。
 私があの男に奪われ続けたのは、金なんかじゃない。金で変えられるものじゃない。

 「私が先生に飛び掛っていったのは、あなたじゃ無理だと判断したからだ。見たでしょう、私が吹き飛ばされたのを。もし私が出なければ、あなたは先生に・・・。そうなれば、これからは、私一人でどうやって・・・」
 「どうして私を、最後に止めたんだ?私はナイフを持っていたんだぞ」
 「私は苦しいんだっ!先生は尊敬する恩人だっ!でも昔の先生じゃないっ!くそうっ!」

 堀田は笑っているんじゃなくて、苦痛で歪みすぎているんだ・・・。そう思いながら私は席を立ちました。堀田はうずくまって、頭を抱えながら鼻をすすっていた。




 我が家の灯りが見える、ゴミ捨て場まで来て、ポケットから取り出したナイフを捨てました。すると途端に、ボロボロと涙が出てきたのです。そうだ、このナイフを使わなくて良かった。もう、あの灯りの元に帰れなくなるところだったじゃないか。妻の声が止めてくれて良かった。
 私は、さっきの堀田のようにグジュグジュと鼻をすすりながら、我が家の門の前まで辿り着きました。門扉をキイ・・・と開いた時、玄関の明かりがポッと灯ったのです。妻だ。

 そうだ。妻は結婚してから、私を出迎えてくれなかったことは一度もない。そう思いながら、開く玄関をじっと見ていました。

男は、家庭訪問に現れなくなった。堀田からの連絡で、男が入院していることを知りました。かなりの重症らしい。脊髄を損傷して、車イスで移動しているらしいが、立って歩けるようになるには、長期間のリハビリが必要らしい。
 学校、剣道道場でも大きな話題になった。あの立派な先生が、酔っ払って非常階段から転落したと、動揺する人が少なくなかった。私の息子、健太もその一人だ。

 あの男は、私と堀田のことは口にしていない。自分ひとりでやった過失という事になっている。私の家に、平穏な日常が戻ってきました。
 日常は平穏だが・・・なんだこの、ぐじゃぐじゃに絡まりあって整理しきれない苛立ちは。何が起こっていたんだ・・・。

 堀田は、金をゆすり続けるあの男の処分を私に押し付けようとしていた。恩人であり、ゆすり魔である男に、葛藤していた。

 あの男、峰垣は、調査費の為に教え子をゆすってまでして、家を出た夫人の日常を興信所に調べさせていた。それほど未練がありながら、なぜ追いかけなかったのだろうか?厳格な男のプライドなのか?戻ってきてくれと言えないはけ口を、私の妻に向けたのか?私の妻の肉体をむさぼり奪い続けることで、本当に必要な夫人の存在を忘れようとしていたのか。
 愚かな男だ。忘れる事が出来るわけがないだろう。愛するパートナーを、忘れることなんて。可哀想な男だ・・・。

 可哀想な男・・・。妻は、男の事情を知らなくても、そんな匂いを自分の父親と重ね合わせてしまっていたのか?家族の愛を受けられずに、放蕩していた父親と、夫人に捨てられた男。
 私を助けるために、肉体を男に捧げたのは、そうに違いない。最初はそうに違いない。それから、男に哀れなほどの影を見つけ、言いなりな献身を奉仕していたのか?しかし妻は、同時に、女として目覚めていっていた。私はそれを目の当たりにした。
 男の猛々しさ、手練手管、持続力に、悶え喘ぎ、男と絡み合い、性器をむさぼり合い、絶叫し、歓喜していた。最後の家庭訪問で見た、妻の腰を振りまくり、男をも圧倒していた姿は、女の淫乱な開花の姿として、私の脳裏に焼きついてしまっている。

 妻の肉体を開花させた男・・・私はその男と戦って勝った。勝って妻の元に戻った。妻を取り戻した。本当に、そうなのだろうか・・・?
 



 「あなた、もう下げていい?」
 「ああ、ご馳走さま。美味しかったよ」
 平穏な日々のある夜、夕食後、私は妻と向き合いました。私に呼ばれた妻は、少し怯えていた。

 「な、何?は、話って・・・」
 「実は、今の仕事を辞めようと思っているんだ」
 「ええっ?」

 妻が、肉体を犠牲にしてまで守ろうとしてくれた、私の立場。私はそれを、捨て去りたかった。そうでもしないと、頭にこびりついた、妻の躍動する白い肉体が消せないと思ったのだ。

 「そんな、いきなり・・・」
 「もう、決めたんだ」
 「辞めて、どうするの?それから・・・」
 「まだ判らない。しばらく、何もしたくないんだ。ゆっくり、旅でもしてもいいと思っている」
 「・・・・・・」

 妻が青ざめて、うつむきました。唇を噛んでいる。怒りのように見えました。突然、顔を上げ、
 「馬鹿っ!!」
 と叫んで、立ち上がって、出て行ってしまったのです。せっかく私が守ったものを・・・そう思っているのだろうか?・・・でも、仕方ないじゃないか・・・




 翌朝未明、私は隣のベッドで寝る妻を起こさないように、そっと起き上がり、寝室を出て、かばん一つで家を出ました。そっと。
 振り返らずにバス停に行き、始発に乗り込んだ。辞表は、帰ってから出せばいいだろう。どこか、行った事のない所へしばらく行くのだ。だが、こんな事をしても、無意味だ。虚しいだけだ。でもどうしようもない。駅に向かうバスの中で、私はそう思っていました。

 そんな私の虚しい灰色の壁を蹴飛ばし突き破ったのは、妻だったのです。私の妻だったのです。

 バスの左側の車線を、物凄いスピードでタクシーが追い越していきました。私は何気なくそれをみていました。そしてしばらくすると、バスがクラクションを鳴らして、急ブレーキを踏んだのです。まばらな車内。もし立っている乗客がいれば、吹き飛んでいたでしょう。

 「何やってんだっ、あんたっ!!危ないだろうっ!!」

 運転手が窓から顔を出し、叫んでいる。乗降口の扉が、ドンッドンッと激しい音を立てていました。誰かが叩いているのか?車内が騒然としました。プシューと扉が開きました。

 「おいっ!ふざけるなよ、あんたっ!いったい・・・うわっ!」

 私は愕然としました。バスに勢いよく乗り込んできたのは、妻だったのです。腹を立て立ち上がろうとした運転手を、妻はバックを振り回してひるませると、私の元に走ってきました。目が釣りあがって必死の形相でした。

 「あなたっ!!降りてっ!お願いっ!!来てっ!!」




 妻は私の手をとり、逃げるように走りました。走り続け、止まった時、私の襟首をつかんできたのです。
 「どうしてようっ!?あなたっ!!」
 「・・・・・・」
 「何で出ていくのようっ!!」
 「しょうがないんだっ!」
 「来てっ!!」

 妻は私を、建物の中に押し込みました。そこはラブホテルだった。私たちはホテル街に入り込んでいたのです。妻は小さな窓から鍵を受け取り、私をエレベーターに押し込んだ。エレベーターを降りてランプの点灯する番号の部屋に私を突き入れると、また叫びました。

 「私を一人にしないでようっ!あなたがいないと、生きていけないっ!何もいらないっ!あんな家なんか要らないからっ!あなただけは何処にも行かないでっ!父みたいになりたくないっ!なりたくないのぉっ!あの男みたいにぃっ!!」
 「!!!」

 妻が私に、あの男のことを口にした。無意識に違いないが、口にした。血が沸騰しました。妻の歓喜する肉体がよみがえり、激しく嫉妬が燃え上がりました。男との死闘で吠えていた私の内の野獣が、今度は妻に向かって吠えました。

 「うおおっ!」
 「あなたぁっ!」

 私は妻をベッドになぎ倒し、妻を転がしながら服を脱がせました。ブラジャーを剥ぎ取り、パンティ−をむしり取りました。白く美しく柔らかい乳房につかみかかり、イチゴ色の乳首に噛み付きました。

 「あはあっ!あなたぁっ!」
 「お前は俺の妻だぁっ!しゃぶれぇっ!」
 「あなたぁっ・・・うぷうっ・・・」

 妻を抱き起こし、唇に勃起をねじ込みました。喉に向かって腰を振りたてる。妻は涙を流し涎を垂らしながら、それに応じる。

 「お前は俺の妻だっ!判るかっ!」
 「うぷっ・・・はぷっ・・・くぷうっ・・・」

 妻は、私の勃起を咥えながら、頭をコクリコクリと振り、わかっていますわかっていますと、意思を示す。激しくフェラチオしながら、目を私から反らさない。

 「ぷっはあ・・・あなたぁ・・むぷう・・・」
 「出るぅっ!」
 「むふうっ!」

 妻のすぼまる頬の中で、ドクドクとはじける私の勃起を、妻は吸い続ける。目を反らさない私と妻。私の精をごくりと飲み込んだ妻は、私を呼びながら私の腰にしがみついてきました。

 「あなた・・はあは・・・あなた・・・はあはあ・・・あなたぁ・・・」
 「うおおっ」

 妻を押し倒し、腿を思いきり開き、濡れた妻の女性部にむさぼりつく。舐めまわし、クリトリスを吸い尽くす。

 「うはあっ!あなたの妻ですからぁっ!あふうっ・・・お好きなところを使って下さいぃっ!うふうんっ・・・前でもぉっ、後ろでもぉっ・・・前でもっ、お尻でもぉっ・・・はうんっ」
 「いくぞぉっ!」
 「あなたぁっ!」

 私は恐ろしい復活力を見せる勃起を、妻の膣に当てがい、一気に押し込みました。
 「うんふうっ!」
 のけぞる妻を突きたて、抜いた。そして今度は、アナルに当てがう。妻の愛液で濡れた亀頭で、可憐なすぼまりを押し開く。貫く。
 「ひいぃっ!あなたぁっ!ひいいぃっ!」

 妻の直腸を奥まで貫いた私は、膣の中にも指を突っ込みました。捩れるように締まるアナル。ひくつく様に締まる膣。クリトリスを圧迫した時、妻が吠えました。

 「もう駄目ぇっ!こんなの初めてぇっ!イッちゃうっ!お尻でイッちゃうっ!」

 ブシュウッ!

 膣から指を抜くと、妻は潮噴きしました。ぶしゅぶしゅと噴出す淫水。ギュウウッ・・・とアナルから私の勃起が押し出されたのです。恐ろしい収縮。私は抜けた勃起を、間髪いれず膣に貫き入れました。

 「ひぐうぅっ!あなたぁっ!壊れちゃうっ・・・壊してぇっ・・・あなたぁっ」

 あなた、あなた、あなた・・・妻は髪を振り乱し、爪をつきたて、何度も私を呼びました。あなた、あなた、あなた・・・

 「あなたぁぁっ!!」

 そうだ、私たちは夫婦だ。壁の大きな鏡に、私と妻が映っていました。凄まじい性交だ。私がのぞき見続けた、家庭訪問のあの男と妻の性交以上の凄まじさだ。躍動と迫力では敵わないだろう。でも根本的に違う。夫婦のセックスの凄まじさだ。あの男では決して作れなかった凄まじさ。
 あなた、あなた、あなた・・・妻が口に出す言葉が、私の中に入り、夫として燃え勃起し持続しました。妻の手を握り締め、指を絡め、腰を打ち続けました。妻と目を合わせ続け、確認しながら腰を振り、締め付けあいました。夫婦なんだ。絶対に離さない。何処にも行かない。

 「あなたイッちゃぅっ!!」
 「うぬうぅっ!」




 私と妻は、並んで手をつないで仰向けになり、天井を見ていました。どのくらいそうしていたでしょうか。私はむしょうに我が家に帰りたくなったのです。
 妻は、男との関係を、私が知っていると思っているのだろうか?逆に、男の負傷に、私が関係していることを感づいているのか?

 「あなた・・・私、帰りたいわ・・・」

 妻がそう言って起き上がりました。怖い。妻を失うのが。何も聞くまい、言うまい。それが間違っていても、怖いんだ。妻もそう思っているからこそ。私と妻は激しく愛しあえる。破綻の扉をこじ開けてもしょうがないじゃないか。私は起き上がり、妻に言いました。

 「帰ろう、家に」
 「はい、あなた・・・」


男が家庭訪問にやって来なくなって、半月あまりが過ぎた。私は再就職をし、新しい職場にも徐々に慣れてきたところだ。私は宅配会社に就職した。重い荷物を車に積み降ろしし、一軒一軒の顧客の元へと配達する。一つ一つ、一軒一軒配達しないと仕事は終わらない。道に迷うこともある。雨が降ることもある。私はこの仕事が気に入ってしまった。まるで生き方を指南しているような仕事だ。一つ一つ、解決していく・・・。

 私と妻は、互いに見ているだけで幸せを感じるほどの生活を始めだしている。新しい仕事についても、妻は応援してくれている。前のように安定した収入ではない。それでも妻は毎日、明るく私を送り出してくれるのだ。
 妻は、私が男と死闘をして、男を入院させたことを感づいているかもしれない。何しろあの死闘の夜、私はボロボロの服装で帰宅したのだから。妻は何も言わなかったが、何も思わないわけがない。それはつまり、私に、妻と男の関係を知られていると、気づいているということだ。

 一つ一つ、解決していくのだ。たまたま進む道にあった穴にはまって、そこから這い出してまた進むことを諦めてどうする。落とし穴なんていくらでも出てくるかもしれない。私は妻と二人で、一つ一つ這い上がっていくのだ。
 妻の父親のように、進むこともせず、何もかも投げ出してはいけない。あの男、峰垣のように、たった一つの落とし穴に執着して、出て行った夫人を許すことも頭を下げることもしないで、身を滅ぼしてはいけない。

 そうだ、私は妻と歩んでいくのだ。




 しかしあの男は、どうして私の名前を出さなかったのか?そんな事を思ったのは、配達中に、堀田から聞いた、あの男が入院している病院の近くを通りかかったからです。そして私は、病院内に車を入れていた。駐車場に車を止め、病院の大きな建物を見た。

 私はため息をつきながら、病院の入り口に向かいました。一体何をしようというのだ。男に、なぜ私と堀田の名前を出さなかったか聞くというのか。馬鹿なことだ。あの男のプライドでもあろう。襲われて落とされたなど、あの男の自尊心が許さないのだ。やめよう。そう思って、入り口の手前できびすを返し、車に向かおうとした時です。私は視線を感じて、横を向きました。
 車イスに乗った、パジャマ姿の、白髪が目立つ初老の男性が、目を見開いて私を見ていました。あの男だ。峰垣だ。

 「ひいぃっ!」

 男は、怯えきった目で私を見ていました。そして、震えるような声を出して、車イスの向きを変え、逃げるように必死に車輪をこいで行くのです。私を何度も振り返るその目は、恐怖の目でした。男が建物の角に姿を消した時、私はあまりの虚しさに目がくらみました。
 私がとどめを刺しにきたとでも思ったのか。馬鹿な。ならばなぜ、私の名前を出さなかった。私を社会的に葬る事が出来た筈ではないか。何故だ・・・。

 もういい。仕事に戻ろう。私は駐車場に戻り、車に乗り込みました。ほんの数秒、タイミングが狂えば、私は違った人生を歩んでいっていたかもしれません。荷物を取ろうとでもして、後ろを振り返って、前を歩く妻を見逃していたりしたら・・・。エンジンをかける指先が震えて止まりました。
 妻が、駐車場を横切って、病院に入っていった。何しに、来たのだ?何しに?指先の震えが、全身に広がりました。私は車を降りて、走った。

 病院のロビーには、妻の姿がなかった。私は受付に行き、健太の小学校の名前を言い。男の病室を聞きだしました。私はエレベーターに飛び乗った。
 エレベータを降りると、そこにも受付があった。私は病室番号を言い、看護師が指差す方へ早足で歩いた。広い病院だ。廊下の突き当りを曲がった時、ちょうど妻の姿が、向こうの突き当りを曲がって消えたところだった。私は急いだ。突き当たりに差し掛かった時、後ろでガラッと扉が開く音がした。振り向くと、車イスの白髪の男性が、私が来た方向へ向かっている。男だ。あの男だ。
 引き返すと、男はエレベーターの中へ入って、閉まる扉に見えなくなったところだった。階を示すランプは、最上階を示していた。私は受付の看護師に尋ねました。エレベーターの最上階は、病院の屋上に出れるらしい。私は妻が消えた廊下をたどっていきました。階段を上って。屋上の扉に行き着いた。目の前が、暗くなってきました。




 ギイィ・・・
 重い鉄の扉を開き、広い屋上に出ると、洗濯物やシートが物干し竿にはためいていました。誰もいない。しかし、動く影があった。向こうの給水塔の向こうから、人影が動いている。動悸がしました。目の前がチカチカした。私はもつれる足でその給水塔に向かいました。コンクリートの壁に辿り着いた時。男の声がした。

 「驚きましたよ。来てくれたのですね、健太君のお母さん」

 私はそっと、顔をのぞかせた。車イスの男と、私の妻が、向き合っていた。

 「お美しいですな。久しぶりに見るお母さんは。体が疼くのでしょう。それで来たのですね。私もお母さんに会えなくて、たまらなかったのです。さあ、見せて下さい。健太君のお母さん」

 妻が無言で、ブラウスのボタンを外しだした。男は生唾を飲みながらその妻の姿を見ている。パサリと脱ぎ去ったブラウスを下に落とした妻。真っ白な美しい肌が、太陽光で光ってますます美しい。妻は細い両腕を背中に回し、ブラのホックを外した。ブルンッと、豊満な乳房が、こぼれ弾んだ。男が、涎を垂らしながら、声を荒げたのです。目が血走っている。

 「は、早く触らしてくれ、健太君のお母さんっ。も、もっとこっちへ寄ってくれっ」

 妻が、両手を伸ばす男へと近づいていく。触れられる距離に来た途端、男は両手で妻の乳房をわしづかんだ。ぎゅうぎゅうと揉みしだいている。

 「うおお、これだあ・・・。この柔らかさだ。このすべすべの肌。ムチムチの大きさ。これだあ・・・。もっと寄ってくれ、お母さん。乳首を吸わしてくれ、健太君のお母さんっ」

 車イスから落ちそうなほど身を乗り出す男は、一歩前に出た妻の、イチゴ色の乳首に吸い付いた。左右の乳房を交互に揉みしだきながら、左右の乳首を交互に吸いまわしている。男が妻の手を取り、パジャマの股間に押し付けた。

 「私は腰の骨をやられてね、まったく役立たずになってしまったのです。やぶ医者は、もうセックスは無理だと言った。たのむ、健太君のお母さん。リハビリをしてくれないか。お母さんなら、私を復活させることが出来る。週に一度、家庭訪問に行ってお母さんを喜ばしたんだ。今度はお母さんが、病院にリハビリに来てくれないかっ。もし復活したら、また家庭訪問に伺いましょう。また二人で、激しく燃えようじゃありませんか。さあ、たのむ、健太君のお母さんっ」

 妻が、車椅子の前に膝をつき、男のパジャマのズボンに両手をかけた。そして、必死で腰を上げる男から、ずるりとズボンを下ろしたのです。パンツの隙間に手を入れた妻は、取り出した。
 妻が取り出した男の男根は、柔らかく亀頭をうなだらせていました。妻はじっとそれを見つめた後。唇を開いた。

 「おおうっ・・・お母さん・・・ううぅっ・・・健太君のお母さん・・・」

 男の男根を含んだ妻の頬が、すぼまっていく。
 一つ一つ解決していく・・・。その土台さえ、実は出来ていなかったのではないか・・・。


病院に入る妻を目撃していなかったら、違った人生を歩んでいたかもしれない・・・。本当にそうでした。実は、妻と私は、二人のしっかりした土台を築いていなかったのじゃないか・・・その通りだ。なにしろ、今回の出来事は、私一人で納得して解決していたのだから。私一人でっ!大馬鹿野郎だっ!私はっ!妻の中では何一つ解決していない。妻はそのために、ここにやって来たのにっ!妻にここまでさせるまで、何も気づいていなかったっ!糞野郎だっ!私はっ!私を励ます妻の笑顔の裏側が、まったく見えていなかったのだっ!この私はっ、大馬鹿の糞野郎だっ!

 「もっと舌を絡めて吸ってください、健太君のお母さん・・・ううっ、この温かいお母さんの口の感触・・・これを続けてくれれば、私はきっと回復する。リハビリに通ってくださいよ、お母さん。そうだ、パイズリもしてもらいましょうか。健太君のお母さんの、淫らなパイズリ顔を見れば、回復も早まるはずだ。さあ、ほら、その白くて大きくてムチムチのオッパイを寄せるんですよ、お母さん。いいですか、私が回復したら、健太君のお母さんの、アナル処女をもらってあげましょう。約束を放うったらかしてしまっていますからな。私が出した大人の宿題はちゃんとやってますかな?お母さん。アナルパールで、しっかりほぐしていますかな?今でも疼いているのではないですか?お母さんのアナルがヒクヒク。さあほら、アナルを貫いてほしくば、もっとしっかりリハビリするんです。私を復活させるんですよ、健太君のお母さん、ほらパイズリを・・・えっ!?お母さん・・・なっ・・・ど、どうしたのですか・・・?」

 車イスの男の股間に顔をうずめていた妻が、静かに立ち上がりました。じっと、男を見下ろしている。驚いて妻を見上げていた男は、次第に鼻の舌を伸ばし始めた。

 「ほう・・・たまらないのですな、健太君お母さんは。アナルを、いじってほしいのですな?まあいい。私へのリハビリは、その後でも勘弁してあげましょう。さあ、スカートとパンティーを脱いで、尻をこっちに向けるんです、お母さん。ついでに、おま○こも可愛がってあげましょう。さあ、ほらっ、何をしてるんですっ、お母さんっ、健太君のお母さんっ」

 男の顔が、引きつり始めました。いや、怯えだしたと言っていい。じっと、ただじっと、男を見下ろす妻。男が、怒鳴った。

 「何をしてるんだっ!さあほら、脱げっ!・・・・・・うわっ!」
 「べっ!!」

 苛立つ男の顔に、妻が吐き出した唾がかかった。

 「べっ!!べっ!!」
 「うっわっ、やめろっ、何をするっ」
 「べっ!!べっ!!べっ!!・・・」

 妻が吐き出す唾を防ごうと、手をかざす男。妻は、男の萎えきった男根にも唾を吐きかける。吐きかける、吐きかける・・・




  
 「私の父よりも哀れで、私の主人の、足元にも及ばない人ね、あなたは・・・」
 「ひい・・・何を言ってるんだ・・・何を言うつもりだ・・・ひ・・・」
 「私の父は、どうしようもない人間だった。でも苦しめたのは、自分の家族だけだったわ。他人に自分の苦しみをぶつけるなんてしなかった。私と母は辛かったけど、私たちは家族の中で泣いてののしって叫んでたの。そして父は、姿を消したわ。いいえ、消してくれたのかも。これ以上私と母を苦しめないためにと思って。それに比べて何よ、あなたは。女房に逃げられた憂さ晴らしに他人を脅迫して・・・」
 「や、やめろ・・・」
 「私の主人は、私が、自分の妻がどんなに汚れても、許してくれて、受け入れてくれて、共に前に進んで行こうとしてくれている。それに比べてあなたは・・・」
 「やめろと言ってるだろ・・・ひっ、何をする」





 妻の手先が、太陽光でキラッと光った。ナイフだ。私が男との死闘の後に捨てたナイフを持っている。妻が拾うなんて、考えもしなかった・・・。私は何て事をしたんだ。

 「どっ・・・どうするつもりだ・・・」
 「もう私は限界なのよ。この汚れきった体で、主人と一緒に歩いていけない。笑顔だってもう出せないわ。主人は、私に家庭の幸せを教えてくれたのよ。父を許す気持ちになれたのも主人のおかげ。私の最愛の人にこんな汚れた体で・・・いいえ、私の事なんかどうでもいい。よくも私の主人を追い詰めたわね。あなたは私の主人を、消し去ろうとしたのでしょう。私の体はどんなに汚れてもいい。でも主人を突き落とそうとしたことは許せないわ。絶対に・・・。あなたを始末して、私も・・・」
 「ま、やめ・・・やめてくれ・・・ひい・・・」

 男ににじり寄る妻。今からだ。今から初めて、いけばいいよね。すまなかった。ごめんよ。逃げていて。助けてあげなくて。向き合わなくて。





 「待ってくれっ!」
 
 私は飛び出して、叫びました。振り返って私を見た妻の顔が、一瞬にして青ざめた。ナイフを落とし、はだけた胸を隠した。私が現れたことよりも、男といる場面を目撃されたことに、狂乱したようだった。

 「あなたっ、許してっ・・・許してぇっ!あなたぁっ!」
 「汚れてなんかっ、いるもんかぁっ!!」

 私は妻に走りより、抱きしめました。この瞬間ほど、愛情が湧き出てきたことは人生でない。妻を抱きたかった。性欲じゃない。妻と一つになりたかった。それだけだ。私は妻の唇にむさぼりついた。しがみついてくる妻。
 「うふん・・・むふう・・・むふん・・・」
 妻が跪いて、私はズボンを下ろした。妻が私の勃起にしゃぶりつき、胸の谷間に挟んだ。妻が弾んだ。
 「うぷっ・うぷっ・うぷっ・・・あはん・・あはあ・・・くふう・・うんっうぷっ・・・」

 「すげえ・・・すげえ・・・」
 男がこう言いながら、目を血走らせて、私と妻を見ながら、自身の萎えた男根をごしごしと擦っている。息を荒げて、シコシコと揺れている。それがどうしたと言うのだ。男など、景色の一つになっていた。私は妻と一つになる事に夢中だった。一つになっていく事に必死だった。
 「すげえ・・はあはあ・・・すげえ・・・はあ・・・」

 「ああんっ!あなたあっ!」
 私は妻を立たすと、立ったまま後ろから妻を貫いた。倒れまいとする妻が、男の体に手をついた。私に後ろから突かれながら妻は、男の顔や肩をかきむしっていた。すげえすげえと呻きながら自身の萎えた物をしごく男。男は妻と私にとってもう、物体だった。手を突いて支える物体だった。
 「すげえっ・・・すげえっ・・・」
 「いいっ、あなたっ・・・きもちいいっ、あなたあっ」
 「すげえっ!」

 私は妻の腰をつかみ、後ろから腰を送りながら、妻のアナルに指を入れた。
 「ひいっ・・・あなたっ・・・きてえっ!」
 膣から抜き、アナルを貫き、突いた。突いて、一つになった。突いて突いて、二人は一つになった。
 「あなたあっ!イクうぅっ!」
 「ぬううっ!!」
 「すげえっ!!」





 真っ青な空に、白い雲がゆったりと流れている。屋上のコンクリートに倒れこんだ私と妻は、雲を見ていました。妻が、口を開いた。
 「あの曇って、ずっと先に流れて行って、なくなったら、また生まれて流れていくんでしょう・・・ねえ、あなた、お願いがあるの」
 「うん・・・」
 「私、今度生まれ変わったら、またどこかの道の端で、車をパンクさせておくわ。だからあなたお願い。きっと、通りかかってね。お願い」

 私は妻の声をはっきり聞きながら、頷きました。風の音が聞こえる。風の音はただ耳に入ってくるだけだ。男の声と共に。
 「すげえ、アナルセックスだった・・・もっと、見せてくれよ。凄い興奮だった。あんたたちのを見てたら復活できるかもしれない。もう一度してくれ・・・」
 男の声は風の雑音と一緒だった。

 私は妻の息遣いにだけ耳をそばだてていた。





 私は、三年前の出来事を長々と投稿してきました。もうこれで終わりになるでしょう。私は今、我が家の居間に立って、庭を眺めている。この部屋にはもう、盗聴器など仕掛けていない。三年前にこの家、この部屋で行われていた家庭訪問などもうないのだ。
 私は、宅配会社で、支社長を任されるようになった。充実し、安定した毎日を過ごしている。

 居間の隅に、息子の健太が置いている剣道具がある。来年、中学になる健太は、今年、全国小学生剣道大会の上級生の部で、入賞を果たした。健太は驚くほど、才能があるようだ。県外の中学から、入学しないかと誘いが来ているのだ。本人は行く気があるらしい。

 テーブルに、堀田からの葉書がある。支社長就任の、祝いの葉書だが、今度、市議会選挙に立候補した堀田は、票集めの意味もあるに違いない。私は、堀田は当選すると思っている。彼のこの三年間の仕事ぶりは、風の噂で聞いている。

 風の噂と言えば・・・。数ヶ月前に、隣町で剣道の道場が開かれたそうだ。杖を突いて歩きながら、子供たちに指導する老人らしい。いい指導者だと、噂になっている。きっと、あの男だ。峰垣だ。そして、下半身が不自由なその老人に寄り添うように、同年代の女性がいつも傍にいると言う。その女性とは、男を捨てて出て行った、夫人なのだろうか?男の元へ、戻ってきたのだろうか?
 真相は判らないが、道場の建設には、堀田が力を貸していると、私は思っている。男が私の名前を出さなかったのは、指導者としての道を閉ざされるのを恐れたのではないか・・・。

 そして・・・

 「ねえ、あなた、見て。綺麗なコスモスが咲いてるわ」
 庭の手入れをしている妻が、大きなお腹をかばうように、屈んでいる。そう、妻は妊娠しているのだ。39歳の妻は、産むと言い切った。その39歳になった妻は、変わらず美しく、庭の陽だまりで輝いている。丈の高い花と共に、輝いている。

 三年前、暗い穴に落ち込んだ私は、妻の輝きに救われた。私だけじゃない。深い穴に落ちた、私や、あの男、そして堀田・・・。暗い穴から真っ直ぐ、外の世界へ伸びていこうとする妻の輝きに、皆、救われたのだ。

 嬉しそうに庭いじりをする妻を見ながら、子供が生まれて落ち着いたら、また行くのだろうなと、思いました。妻はこの三年間で、あちこちの地方都市に私を連れて行った。ただの旅行だというが、必ず、地方競馬場がある都市なのです。きっと、ギャンブル好きな父親を捜しているんじゃないか。私はそう、確信しているのです。

 妻がまた声をかけてきました。
 「ねえ、あなたったら。こっちに来て見て御覧なさいよ」
 私は、答えながら、庭に下りました。
 「ああ、わかったよ、美奈代・・・」