1400年の伝統を持つ寺院です
宗旨宗派を全く問わない、どなたでもお参りしていただけるお寺です。
1400年の伝統を持つ寺院ですが、葬儀・法事は言うに及ばず、人々のお悩みにお応えするため、様々な宗教活動を行っております。
お知らせ
当院では多数の稲荷さんをお祭りするようになりました。
京都の伏見稲荷さんだったり、広島の段原(だんぱら)稲荷さんだったりしますが、
商売繁盛や病気の祈祷に霊験が非常にあらたかで、ご利益いただいた方もたくさんおられ、
6月28日を「稲荷まつり」として、お稲荷さんをお祭りする日と定めております。
さまざまなご利益がいただけますが、なんと言っても商売繁盛が有名です。
ご都合のつく方はぜひご参拝ください。
過去の「ともしび」は
不動院機関誌「ともしび」
とグーグル検索などの打ち込んでみてください。 すべてのページが読めます。
ともしび
第百四五十四号
及落を支配するもの
旺文社の初代社長、赤尾氏の著作を紹介しています。今月は、次のような内容です。
及落を支配するもの
初夏に地方の高校に出かけた。単に講演をたのまれて出かけたので、それらの学校をそんなに鋭い日で、批判的に見るつもりは絶対になかったのである。
大体、門をはいって校長室に行き、講堂までの廊下を歩く。あるいは時間に余裕があれば運動場ぐらいをのぞく。それだけでおよそ、その学校の大学への入学率というものが推測できる。三つか四つ高校を見て、そのあとで具体的なそれらの成績をとり出して見ると、私の想像にほとんど狂いのないのに驚く。たとえば、四つの学校の順位が想像と入れかわっているというようなことは、ほとんどないのである。
私は決して想像力や、観察力が鋭いわけでもなく、そんなに真剣に見ているわけではない。私以外の人が見ても、このようなことに経験のある人であれば、おそらく同じことがいえると思う。
学生の意気込み、態度、服装、学校の整備状態、掃除、職員の態度、熱意、そうしたいろいろの要素が総合されて、何となしに勘を与えるのであると思う。いや、勘でなくてしっかりした基準で採点していったならば、もっと具体的な正確な結論が出てきて予想はもっと的中するであろう。
してみると結局、精神的内容というものは形の上に現われるものである。そして、入試によい成績をうることは決して偶然の結果でなくて、必ずしかるべき努力が積み重ねられて、それが結果として現われたものである。花や、葉や、幹を子細に観察することによって、結実を予想することは困難でない。
人間というものは、負けおしみの強い動物で、失敗した時には口実をもうけたがるものである。しかし、私はこの事実をみて、結局、運が支配する要素のきわめて少ないことを知るのである。
諸君の学校が、あるいは諸君自身が、これなら相当の成績をあげうるであろうという客観的要素を持つことである。しかもなおかつ、思わしくない結果が現われた場合には運をうらむべきである。
おそらく、運をうらまなければならないような結果は生まれないであろう。
昭二六・八
いかがでしょうか。赤尾氏の作った旺文社は受験生向けの雑誌「蛍雪時代」を出していますので、この内容も受験生を念頭に置いて書かれています。当院にも相当な数の受験生が来て合格祈願や、成績向上のための祈祷を頼みに来ます。成績が上がらない生徒に対しては、
「まずは君の机の上を整理しなければ。それをやらないから成績が上がらないのだ。」と言うと、大抵の生徒はぎょっとして、なぜ分かったのだろうという顔をします。これは当たり前というか当然の話で、机の上がぐちゃぐちゃな子は、計画性がなくてだらしないからそうなるのであって、計画性がなくてだらしない子が成績が上がるわけがないのです。赤尾氏が言うように、精神面は必ず形に表れます。
受験生でなくても今回の話は、含蓄が深いものです。ずいぶん前に「ゴミゼロ工場の秘密」という本を紹介したことがあります。つぶれかけた町工場が掃除に取り組むことによって業績が劇的に回復した実話ですが、赤尾氏の主張と同じことが言えます。環境が乱れていては結果が出ないのはむしろ当然のことで、服装や部屋の乱れは心の乱れそのままですから、形に見える部分を整えないと、中身が変わってくることはありえません。
当院は真言宗に属していますが、他宗派や他宗教のやり方も、よいと思ったことはどんどん取り入れています。説法重視なのは浄土系の寺院を見習ってのことですし、お経を尊んで現代語訳するのは、法華経を大事にする日蓮宗と、現代語で聖書を分かりやすく解説するキリスト教を見習ったものです。年に三回ある「おみがきもの」の日は、掃除重視の禅宗に学んだものです。禅宗では、
「わざわざお経を読んだり仏様を拝まなくても、一生懸命仕事をすれば、それがそのまま仏の道である。」
と教えていて、そうなるとお百姓さんたちには非常にありがたい教えになります。毎日の農作業を一生懸命やりさえすれば、それでいいのですから。この理由により、農家が多い東北地方には禅宗がすごく多いのです。これは全くもってその通りで、掃除や環境を整えることは、そのまま仏の道を実践していることなのだと思います。
合掌
合掌
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高野山真言宗清涼山不動院