敏満寺 清涼山不動院

1400年の伝統を持つ寺院です
宗旨宗派を全く問わない、どなたでもお参りしていただけるお寺です。
1400年の伝統を持つ寺院ですが、葬儀・法事は言うに及ばず、人々のお悩みにお応えするため、様々な宗教活動を行っております。

お知らせ

今月28日には「阿弥陀まつり」を行います。
当院は真言宗の寺院ですが、日本に一つしかない、
「四重構造の蓮の台座を持つ阿弥陀如来」がお祭りされています。
先祖供養や亡き方のご冥福を祈ってぜひお参りください。
夜8時からは、先月に引き続いてライトアップも行います。



過去の「ともしび」は​ ​

不動院機関誌「ともしび」

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ともしび                

第百四五十六号

八月二八日発行

態度


旺文社の創設者、赤尾氏の文章を引用しています。氏は旺文社の初代社長であり、創成期のテレビ事業にも深く関わっていたので、人物の紹介を頼まれることが多く、よく就職の斡旋の話が出てきます。次のような内容です。

態度
 一か年ほど前のことである。ひとりの青年が友人の紹介で小生を訪れた。
 ある私立大学の法科を卒業した男で、今別に就職のあてもないので、何か仕事があったらさせてもらいたいとのことであった。年が二十五、六のみなりも別にかざりもせずさっぱりして、頭のテッペンから足のつま先までひととおり整っている。礼儀も知っているし、聞けばはっきり答えるし、余計なことはしゃべらない。いわば好感の持てる青年の部にはいる。ぼくは十分ほど話してみて、この青年は使えるなと思ったが、ぼくの社には大学の法科出のやるような仕事が全然ないので、事情をよく話して断わった。ぼくは、適材適所主義で、不適の人はいかに懇意な方に頼まれても、全然採用しないことにしている。それは当方ばかりでなく本人をも、 一生を誤らしめる原因になるからである。
 ぼくの話を聞いて、この青年は了解して帰った。それから数日してこの青年から実にていねいな手紙を受け取った。その文面は、突然訪れて失礼したということと、ぼくの話したことを十分に了解したので、他に適当な仕事を捜すために全力をあげる覚悟である。もし適当な仕事が見つかったらお礼に上るから、という手紙であった。
 ぼくは近ごろの青年にしては珍しいと感心したのである。たいていの青年が来て、もしだめだとそれっきりはがき一つくれないのである。はなはだしいのになると、就職の世話までしたのにもかかわらず、年賀状一つくれないのである。そのくせ会社で誤りでも犯して重大化するとさっそくとんで来て、何とか謝罪してくれと泣きを入れる。このような青年は実に多く、このような青年が長い人生において重要視されるはずはないのである。
 この青年の態度が非常に気に入ったので今度はぼくのほうから積極的に就職運動をして、ようやくある会社に勤める事になった。ぼくの知り合いの人が経営している工場の事務所に勤務したのであるが、その後もこの男は一か月日ぐらいに必ず便りをくれて、元気に働いていると実に朗らかな文面なのである。で彼の働いている工場の経営者に会ったところが、まことに良い青年を紹介してくれたと喜んで礼を言われた。
 ぼくは、世の中に彼のような青年がもっと多かったら、あらゆる点からみて、どんなに喜ばしいことであろうかと考えたのである。
昭一二・五

以上です。なんと戦前の話でありまして、内容も現在の感覚で言えば縁故就職そのものであり、同様のことは絶対できません。だからといって、有力者に頼んだら簡単に就職ができるのかというと、そんなに甘いものではありません。ことわざに、
「金請けしても人請けするな」
というものがあります。
「金の工面はしてやってもよいが、人の紹介はやるものではない」
という意味です。ろくでもない人間を下手に紹介すると、トラブルの原因になり、紹介した相手との関係も壊れてしまいます。氏の本の中にも、人に頼まれて就職の斡旋をしてやろうと思ったが、当の本人を見て、これはダメだと思って断ったという記述が頻繁に出てきます。出版と放送の会社を経営するだけあって氏の人を見る目は確かで、自分の目で見て、これはいい人材だと思う場合だけ推挙しています。
私たちは、有力者に斡旋を頼むと、ドラ息子でも楽して仕事にありつけるように思ってしまいがちですが、現実はもう少し厳しいのです。給料が安くて生活できない、もっと高い給料の仕事が見つからないかという相談がよくありますが、赤尾氏が「この人物は使えるな」と思った、ちょうど正反対のことが起きているから、給料が安いのです。よい給料をもらおうと思ったら、何よりもまず、自分の商品価値を高めないといけません。これといった資格を持っていないとか、技術力が劣るとか、いろいろな要素がありますが、結構多いのが「金のことしか頭になくて、社会奉仕のために人は働くのだという発想がそもそもない」ケースです。このタイプはまず会社で重宝されませんから、どうしても薄給に甘んじることになります。
自らの価値が上がったら、転職したくなくても、ほっておいてもヘッドハンティングで引き抜かれて、前より高い給料をもらえます。赤尾氏の例のように、「この人は使えるな」と思わせる人間になりたいものです。

 

合掌



                          合掌
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高野山真言宗清涼山不動院