マナーを守ろう |
マナーを守るのは簡単です。要は、自分がされたら気持ちよくプレーできることを相手に対してもすればいいわけです。ただ、中にはテニスの世界特化のルールに近いマナーもありますので、ある程度は覚えておきましょう。
● セルフジャッジ ☆重要☆ |
アマチュアのテニスの試合には通常審判はいませんので、プレーヤーどうしでジャッジ(セルフジャッジ)をすることになります。セルフジャッジの基本はボールの落下地点に一番近い人が判定をするということです。例えばダブルスの試合では、サーブのイン・アウトの判定は通常リターン側の前衛が行います。なぜなら、ボールの落下点に一番近くなることが多いためです。
さて、セルフジャッジで試合を進める上で重要なことがあります。試合は、仮に練習であっても負けるより勝つほうが楽しいのが当たり前ですから、微妙な球はついつい「アウト」といってしまいたいのが人情です。しかし、微妙な球は「イン」と判定するように心がけましょう。実際のところ、落下地点に一番近いプレーヤーがアウトに見えた球は9割方本当にアウトなんだと思いますが、即断できずに0.5秒くらい判定に躊躇した場合は、インと判定した方がそのあとの試合で自分も相手も気持ちよくプレーできるものです。
ちなみに、相手のセルフジャッジにどうしても不満がある場合はどうするか、ですが、「うそ、今の入ってるでしょ?」は言ってはいけません。観戦者含めジャッジすべき人以外の人間がすべて入っているように見えたとしても不満を言うのはダメです。大きな声で「セルフジャッジだからしょうがないよな〜」と嫌味をいうのも最悪です。つまり、不満があっても我慢するしか手段はないのです。自分に優位なジャッジを頻繁にするような人、相手のジャッジに文句ばかりいう人は、長い目で見て決して得をしません。常に相手を尊重して、一歩大人の目線でプレーするようにしましょう。
● ポイントの数え方 ☆重要☆ |
テニスの試合は寡黙に進めて全くかまわないのですが、ポイントを数えるときだけは声を出すようにしましょう。初心者のうちは、ポイントを声に出すのを忘れて、そのうちどっちが勝っているのか試合メンバ全員がわからなくなっている状態をよく見かけます。ポイントはサーブを打つ人が打つ直前に発声します。1ゲームが始まる最初のポイントでは、「ゲームカウント○−△」と言います。○はサーバー側の取ったゲーム数、△はリターン側の取ったゲーム数です。それ以外では、「30−15」「ラブ−40」などポイント数を宣言します。
余談ですが、1セットの始まりはなんて声を出したらいいのかわかりません。アマチュアの試合は普通1セットマッチのため私自身良く知りません。たぶん「セットカウント○−△」というんでしょうね。
● ボールを渡す・拾う |
ボールを試合相手や味方プレーヤーに渡すとき、利き手でない手で投げたり、なぜかスライス回転を掛けて打ってくる人がいます。そのような球はどう考えても受け取り側は取りにくいです。基本は、受け取る人の前でワンバウンドして胸の辺りに弾むように返すことです。手で投げても良いですが、せっかくラケットがあるので打って返した方がいいでしょう。
次に、隣のコートにボールがころがってしまって拾いにいく必要がある場合です。コートがよっぽど広くて、隣のコートのプレーヤーのかなり後ろにボールがあるのであれば試合中に拾っても問題ありませんが、通常はベースラインからバックフェンスまで5m程度です。そのため、そのポイントが決まってから一声掛けて拾いに行くようにします。
● 観戦 |
アマチュアの試合の観戦者で最も重要なのが「ジャッジをしない」ことです。まれに、観戦者が最もジャッジしやすい位置にボールが落ちるケースがあります。仮に自分の目の前でオンラインになったとしても、決して「イン」と言ってはいけません。当然、試合がアウトの判定をしたとしても、心の中にしまっておきましょう。ひそひそ話で「今の入ってたよね〜」というのも(私はつい言ってしまいます…反省)、プレーヤーに嫌な感じを与えてしまうことがあるので、あまり良いマナーとはいえません。
次に重要なのは、「サーブを打ってからポイントが決まるまでは声を掛けない」ことです。テニスはメンタルが重要なスポーツなので、余計な雑談が耳に入ると集中力が切れてしまうことがあります。多少の、わー、きゃー、くらいは許容範囲ですが、応援していない側に野次を飛ばしたり、応援している側にアドバイスをするのは絶対にやめましょう。
日本人のスポーツ観戦のマナーは世界一という新聞記事を見たことがあります。一番の良いマナーは、試合が完全に終わるまであまり大声は出さずうろうろしないで、どちらのプレーヤーが良いショットを決めたときでも、「ナイスショット」と一声掛けて盛り立てることだと思います。