がるのレザークラフトのぺえじ

 ちゃりんこで琵琶湖一周してみたの記 _| ̄|○


 あー今年の夏も何もせんかったなー。最近は革もいじってないし。このまま○○○ばっかいじって無為に年をとっていくんかねー。まあそれも悪くないかあ・・・
 いや、いかん! そんなことではいかんのであります!我々はともすればこの怠惰な日常にさらさらと流されてしまいそうになりますが、そんなときこそ堕落した日常に風穴を開けて自らの精神のありようを変革せねばなりません。つまり個々の生命体として行きづまりつつある人類をATフィールドを取り除くことによって生命の樹にまで還元し、あらたな人類を創造する、これこそがつまり『人類補完計画』の――(以下略)

 はい失礼、失礼。ええ、エヴァおたですが何か?

 そんなわけで(どんなわけだよ)、自転車で琵琶湖一周してみることにしました。地図によると一周約180キロくらいあるようですが、もののブログによれば女の子でも一日で一周してる人とかいるみたいだし、まあ最悪テント持って行けばどうにかなるっしょ
 いいんか? そんなんで本当に大丈夫か? しらんぞ、俺
 8月31日AM9:00 大津出発

 つーわけで(だからどんなわけだと以下同)8月最後の日曜日、やって来ました、琵琶湖。ちゃりんこの旅出発点の大津であります。ほんとはここへ来るまでの電車の2時間が大変だったのですが、金と開き直りで強行突破であります。全ては日常に風穴を開けるため――うそです、乗客・駅員のみなさま、ご迷惑をおかけいたしました _| ̄|○
 えらく天気が悪く見えるのは気のせいではありません。雲量95%といったところですかね(適当)。この週はちょうど全国的にゲリラ豪雨が続いた時期で、今日明日も天気は不安定、降水確率7〜8割だそうな。はてさて。

 で、回る方向ですが、なんとなく反時計回りで回ることにしました。(これが意外に重要なポイントだったと後に気付くことになるのですが、この時点では全く意識してなかったのであります)

 本日の目的地は海津大崎、とりあえずは琵琶湖大橋を目指してレッツらゴー。

 AM10:00
 瀬田川を渡り琵琶湖の東岸へ出た辺りで大津を振り返ってみます。いつの間にやらいい天気・・・喜ぶべきなんですが、あまり天候に恵まれない性質だけに少々不気味だったり

 ところでこの辺はマリンスポーツ的なものが結構さかんでボートやら水上バイクやらがたくさん徘徊しておりました。で、水上スキーでジャンプとかキメてるおっさんに向かって、公園で遊んでた小学生が一言、

「あんなんしてたらな、水に落ちたときに食われるで」

 さ、さめ?まじっすか? いや、地元の子どもがゆーてるんだから絶対いる。うん、まちがいない。さすが日本最大の湖、まじハンパねえっす。 
 AM11:00

 水生植物公園の大風車であります。あんまデカかったんでつい寄っていってしまい、案の定迷子になりかけました。
 いまだに全然琵琶湖大橋の影すら見えてこないのですが、あまりの青空に当人は全く危機感を感じなかったという。
 AM11:30 なぎさ公園にて

 夏のひまわり畑というのはあまりにもありふれた風物詩ではありますが、やっぱり実物を見るといいもんです、うん。過ぎ行く夏を惜しむかのように咲き誇っておりました。カップルとかうようよ記念撮影してましたが、もちろん季節の景色を楽しむのはきゃっぷるどもの特権ではございません。気にしないでパチリ。KY上等なのであります。

 この時点でようやく琵琶湖大橋を通過してたらしい。てゆうか橋が大きすぎて近くからは全然見えんかったとゆう。どうゆーこっちゃ?
 PM12:00すぎ
 朝方の曇天がウソのような、まるで真夏が戻ってきたかのような晴天になりました。ここらへんまで来るとさすがに大津あたりのドブ川っぽい水とは全然違います。みずうみ〜とゆう感じを満喫しつつ走行♪
 PM13:30ごろ彦根の少し手前、能登川町あたりでランチタイム。まだこの辺りはよゆーかましてますが、どうなるこっちゃら。。。
 PM2:00ごろ
 さて腹ごしらえ完了、海津大崎目指してゴー!と彦根を過ぎたあたりからこんな感じでなんたらビーチみたいなのが出現します。もうこれ、海ですわ。ええ、もちろん水舐めましたよ、指につけて。
 「全然しょっぱくねえ!」
 当たり前だよ……つーかそんなことしてる場合ではなかったのでした。
 PM5:30 賤ヶ岳トンネル通過

 さすがに日も落ちてくるといかに脳天気なわたくしでも焦るのであります。いくらテントを持っているとはいえ、やはりできればちゃんとキャンプ場に入りたいわけです。とそんなわたくしの焦りをあざ笑うかのごとくトンネルが続くのでありました。写真上は賤ヶ岳トンネルであります。
 でトンネルを抜けるとそこは雪国……ぢゃなくて夕暮れの景色が広がっておったそうな。藤ヶ崎のあたりです。本当ならここから県道に分岐して奥琵琶湖パークウェイという絶景のポイントに行くはずだったのですが、知らない峠道の中で日没は恐すぎです。走りすぎで膝も痛い。ヘタレな私は迷わず国道をチョイスしたのであります。
 その後必死で爆走するも及ばず、海津大崎に到達する前に永原付近の集落で日没となったのであります。どこでもいいからとにかく一刻も早くキャンプ場なり宿なりを見つけねば。しかしない、ない、ない。考えてみれば8月31日、夏休み最後の日曜の晩からキャンプするやつなんておらんのかも。まじでやばいっす。朝からの筋肉酷使もたたり、足腰もふらふら要介護状態、最後のほうはほとんどパニクっておしおき三輪車こいでるような有様だったのであります。
 ドクロストーンやーい!!

 教訓:よい子は計画的に旅をしましょう


 PM7:30 キャンプイン断念

 で結局野宿であります。ほら、いわんこっちゃない。 
 幸いなことに車道と植え込みで隔てられたミニ遊歩道的なスペースがあったんで、テント張っちゃいました。自転車の後ろに小さく見えてる緑のやつがそうです。このテント、モンベルのムーンライトというのですが、その名の通り「月明かりの下でも簡単に設営できる」といううたい文句に偽りはございませんでした。ものの5分とかからず設営完了です。正面から見るとものすごく小さくみえますが、長さはちゃんと人一人寝れるだけあります。
 晩と朝の食べ物はちゃっかり賤ヶ岳トンネルの手前、木ノ本のコンビニで調達済み、食い物だけは抜かりなし♪
 しかしテレビもネットもない夜の長いこと長いこと。真っ暗なテントの中で波の音と虫の声を聞いていると、何だか偉大な哲学者にでもなってしまいそうな気がするのでした……

 しかし実は海津大崎のキャンプ場、ここからほんの数百メートルだったんですがね、手前に真っ暗なトンネルが2つありまして、やむを得ず引き返したわけです。朝になって見ると長さはせーぜー2、30メートルだったんですがね、夜見たときはホントに真っ暗で底なし沼みたいに見えて、もし中でコケたりしたら、一人旅だし怪我とかしたらやばいでしょ、ね? ……
 ええ、暗いのが恐かったんですよ、はい恐かったですとも、それが何か?


AM5:00 何かに起こされる

 それは明け方だったか、なんか急にわさわさと足音がして騒がしくなったかと思うと、突然外で「わーっ!」と大声がしたのであります。すわ緊急事態、地元の悪ガキどもの襲撃か? 夢見心地もふっとび、がばちょと飛び起き全身耳ダンボにして外の気配をうかがったのですが、聞こえるのは波の音と虫の声ばかり。どうも夢だったようです。しかしえらくリアルな夢だったな。それともなんかいわくのある場所だったり……

 そうこうしているうちに夜明けがやって来ました。なんか見ているだけで汚れた心が洗われていくような、ため息が出そうな眺めに、よおし、今すぐ出発決定! 考えてみれば、この自由さこそチェックアウトも隣のテントに気を遣う必要もない、野宿者のみに許された特権だと気付いたのであります。

 ビバ野宿、野宿ばんざい!
AM5:30 撤収完了

 この写真だけ時間のわりにえらく明るく映ってますが、理由はよくわかりません。ブレもひどいですな。やっぱり何かの祟りかしらん(汗汗)
 はてさてそりはともかく、いくら野宿は自由とはいえ、いや、野宿だからこそマナーは守らねば、です。持ってきたゴミは全部コンビニの袋に入れて帰ります。最近はコンビニくらいしかゴミ箱がなくて、自転車の旅だと結構困るんですが、こういう時代なんで仕方ないですね。両ハンドルに花ならぬゴミ袋、多分次に買い物するコンビニまでご一緒することになりそうです。あ、地面においてる爽健美茶のボトルはゴミではありません。中味残ってます。ちゃんと持っていきます。つーかあとこれしか飲み物がない、ある意味貴重品
 はよ飲み物ゲットせねば(汗
AM5:40
 しばらく走ると湖岸に降りれる場所がありました。もちろん降りて石投げて遊びましたよ、当たり前じゃないっすか。え、年甲斐もなく恥ずかしくないのかって? しゃらっぷ、いそっぷ、くりなーっぷ!遊び心に年齢など関係なーい!ほれほれ、平べったい石なら水面でよく跳ねるぞう、二段、三段、四段、新記録ーっ!
 とか夜明け前から一人でバカやってるうちに朝日が昇ってきたのでありました。まるで計算したかのようなグッドタイミング。ため息がでそうな美しい夜明けでした。天気予報に逆らってここまで来て、本当によかった。日ごろ宗教には無縁のがるでありますが、このときばかりは感謝のあまり、朝日に向かって手を合わせたのでありました。
 この時ようやく気付いたのですが、もし時計方向に回っていたら今頃は東岸で朝日の見えない暗い山すそを走っていたことになります。奥琵琶湖の早朝サイクリングを堪能するためには反時計回りが大正解でした。えらいっ、がるえらいっ、自分で自分をなでなでしてあげよう。……ええ、まぐれですけど何か?
AM6:30 朝食

 今津町のあたり、湖岸を眺めることのできる東屋がありました。雲間からは何筋もの光りの帯が降りて、朝の水面をきらきらと輝かせておりました。文才のある人なら詩とか俳句が何百でも書けるんじゃなかろうか、そんながるにはもったいない雄大な景色を味わいつつ、サンドイッチで朝食タイム。散歩中のおじさんと話をしたのもよい思い出、月曜の早朝というのに地元のボランティアとおぼしき方々が湖岸の清掃活動をされてたり、本当にいいところです、奥琵琶湖。

 AM7:00〜

あとはひたすら大津駅目指して琵琶湖西岸を走ってまいります。大津市に入ったあたりで湖岸ともお別れです。(ルート外れればいくらでも湖は見れますが、どんどん元のドブ川に近づいてく湖水は見るに忍びないのであります)琵琶湖大橋を越えて以降は排気ガスくさい国道がえんえん続くだけです。「一周」にこだわらないなら橋を渡って東岸から帰るのも手かも。
 しかし昨日から膝が痛ーい。もう坂道登れないっす。

 AM11:30 ぶじ生還

 ついに帰ってまいりました、膝を引きづりながらも大津到着であります。まあ自転車マニアの人たちからすりゃ大した距離でもないわけですが、思いつきサイクリストにしてみれば感動ひとしおといったところなんであります。何やら叫んでるようですが、ほっといてやってくだされ。

 で、もちろんこの後袋詰めした自転車を担いで2時間えんえん電車で白眼視されるの刑が待ってるわけですな。まあ自由に代償はつき物なのであります。

 文字通りお家に着くまでが遠足なのでありました





 よだん
 ちょっとしたスポーツとか山登りとかした後、三十代以上なら必ず出るお約束の「二日後の筋肉痛」、こんだけ筋肉を酷使したにもかかわらず、なぜか今回は全然出ませんでした。不思議なもんです。まだまだ体も若いってことでしょうかね。あるいは限度超えすぎて痛覚神経が死滅してたり……(激汗



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