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大豆・麦の不耕起栽培
 不耕起稲作を行った田んぼも転作を余儀なくされます。何年も続けると、耕起してしまうのがつらいものです。せっかくできた土壌構造を潰してしまうわけにはゆきません。かといって休耕地にすることもできない。水さえあれば湛水するのですが、・・・。そこで、何とか不耕起のままで麦・大豆が栽培できないかと考えました。このページはその試みと結果の報告です。


大豆の不耕起無培土密植栽培
 大豆栽培の農家への行政指導は、土壌改良資材の投入、除草のための中耕と培土。これでは、土がかわいそう。不耕起栽培で心配なのは、@不耕起で豆が育つか、A中耕なしで除草ができるか、B培土なしで豆が育つかの3点です。@については、昨年浅耕で十分育つことを実証しクリア。AB特にAは不安です。雑草の手取りは気が遠くなります。兼業農家の私には負担が大きすぎます。一つの可能性は密植です。豆が雑草より優勢を保ち土を覆ってしまえば、日陰の雑草は生育できません。また、麦の残渣が土を覆っているので、雑草の発芽は抑えられるのではないか?という期待があります。もし成功すれば、播種作業以降収穫まで一切手間いらずで、これ程の省力はありません。実験はオオツルで行いました。

 麦の残渣は、雑草の発芽をよく抑えてくれました。豆が土を覆うまで、目立った雑草の発芽は見られませんでした。麦の大量の残渣のお陰でしょう。中に潜り込んでみると、そのことがよく分かります。条間30cmで播種してありますが、豆のトンネルのように見えます。雑草がなく、沢山の莢がぶら下がっています。大豆1本当たりの莢数は少なくても、本数が一般の倍以上ありますから、多くの収量を期待しているのですが、・・・。
 最終的な収量は以下の通りです。租収量210kg/10a(大168kg/10a、中21kg/10a、くず21kg/10a)となりました。無農薬・無肥料での栽培ですし、今年の気候を考えると、上出来ではないでしょうか。今後も継続してゆきたいと考えています。


麦の不耕起播種栽培
 不耕起栽培で心配なのは、@不耕起で麦が育つか、A除草はどうするのかです。一般の圃場では耕起し稲ワラをすき込みますが、不耕起ですから当然地表に残ります。この稲ワラに抑草効果を期待するものです。また、麦が土を覆ってしまえば、それ以降の雑草の発芽は相当減ると期待します。大豆の密植栽培と似たところがあります。しかし、一旦雑草が優勢になってしまえば、手のつけようがありません。大きな冒険です。私の所有の播種機では、条間30cmにしかならないので、一般の条間20数cmに比べ広くて不安材料がありますが、ダメモトでの挑戦でした。
 ここでは、その収穫の報告をします。
  収量は420〜430kg(15%乾燥重)程(品種は小麦農林61号)
で大変満足できました。刈り取りは地域の営農組合に依頼しましたが、オペレーターの方から
  @圃場が堅く作業が楽
  A粒が大きくキレイ
  B品質が良いのでは
という、感想をいただきました。不耕起栽培が、稲作ではなく麦作で注目を集めるきっかけになっています。大豆の密植栽培でさらに注目を引くことでしょう。
 赤カビ病の防除はちょっと深刻な問題です。赤カビが発する毒素が問題になっているようで、0%が農協入荷の基準です。殺菌剤を用いるかどうか随分迷いました。田んぼの有用菌は殺したくありませんから、殺菌剤は使用しませんでした。麦より稲作を大切にしようと考えました。
 結果、私の圃場からは赤カビは発生しませんでしたが、他の圃場ではちらほら発生が見られたようです。殺菌剤で無菌状態にすることが、赤カビを防ぐ方法になるのかどうか疑問があります。無菌状態の圃場に赤カビが飛来すれば、繁殖し放題になるのでないのでしょうか。知識がなくてよく分かりませんが、菌類においても多様性が意味を持つように思います。