四苦八苦

人は非常に苦労したとき四苦八苦という言葉を口にします。
最近、これは仏教用語であることを知りました。

私はこれを知ることにより何かフッと心が軽くなったのです。
よって、自分なりに理解できたことをまとめてみました。

もし、ご縁あってこのページを覘いてくださった方が興味をもって読んで下さり、
そしてほんの少しでも楽になっていただけら幸せでございます。


四苦八苦の四苦・・・主に身体にかかわる苦しみを示したものです。
     後の四苦・・・精神的、心に関する苦しみをいいます。
     ↑の四苦二つを合わせて四苦八苦といいます。

四苦とは・・・生老病死のこと。
人は命を与えられた瞬間から、生の苦しみが始まり、続く病、老、死の苦しみからは絶対避けられない。
これが宿命。

の苦しみは産みの苦しみ。生きる苦しみ。
生まれてきた意味がわからないこと・・・生まれる苦しみ。
生きるために他の生き物の命を奪って殺生を続ける・・・これが生きる苦しみ。


の苦しみは老いる苦しみ。
生きていれば誰でも老いる・・・これが老の苦しみ。


の苦しみは字のとおり病気になる苦しみ。

の苦しみは解脱の苦しみ・・・即ち死の苦しみ。

ここまでは四苦八苦のうちの四苦・・生老病死。
つきつめれば奥が深く難しいらしいのですが我々凡人はこの程度で充分だと思います。

では四苦八苦の八苦について。
四苦八苦の四苦は生老病死。
四苦八苦といいますが合わせて八苦ということですので残りは4つということになります。

一つ目は
愛別離苦・・・愛する人と別れる苦しみ。どんなに愛していても永遠に一緒に居ることは出来ない。

二つ目は
怨憎会苦・・・嫌な人に会わなければいけない苦しみ。
誰でも多かれ少なかれ嫌いな人がいる。
心当たりもないのに自分を嫌ったり憎まれたりということもあるかも知れない。
出来ることなら会いたくないので引っ越したり転校したり、転職したりなどなど・・。
折角環境をかえてもまたそこで同じようなことが繰り返される。

ここで私事ですが、
今までの人生を振り返るに・・
学校でも、職場でもどうしても苦手な人が居ました。
転校や引越しはするほどではなかったものの今思えばその時、その時に憎らしい人は居ました。
きっと相手の方も私のことは大嫌いだったことでしょう。
今現在でも極近所に大の苦手さんは居ます。
ここで苦手さん克服のための自分なりの技を考えました。
怨憎会苦から逃れられないことが宿命ならばこの程度の苦手さんなら厄払いになるかな・・と。
このひとのお陰でもっと嫌いな人が現れないで残りのみんなが好きになれたらそれでいい・・と。

朝、外で出会ったなら「おはようございます」とニッコリ笑えばいい。
以上、余談でした。


三つ目は
求不得苦・・・欲しいものが得られない苦しみ。
財産、地位、名誉、知識、技能、などなど、欲しいものはいっぱいあっても得られるものはほんの少しだけ。


4つ目は
五陰情苦・・・肉体、感情、理性、思考力など有難いものがあって苦しむ。
何もなければ苦しみもない。物質的、精神的に執着心から生じる苦しみ。
存在してること自体の苦しみ。




以上四苦八苦を極簡単にまとめました。


お釈迦様はこの四苦八苦をもたらす原因を取り除くために仏教を広めたといわれています。
人は苦しみの原因を理解し乗り越えられたら悟りの世界に到達する道をつかんだことになるとか。

奥の深い心理の世界です。
ちょこっとでも触れて理解したいものです。



2005.3.1