あらすじ

漢城家の一人娘が春山登山で行方不明に。
その悲劇が、両親と叔母とその旧友に17年の沈黙を破り新たな悲劇を暴き出す。
人が芯から求めるものとは?幸福とは?
人の胸の中には、誰にも羽化する前の蝶の蛹が、棲んでいるのかもしれない。
由禾子: 大切だからってするのぢゃないわ。あの子が登りたいと思ったから、それが本気だから大切なことになったのよ。
須 賀 : 自分の決心を世の中に押し通さうってな人間は、世の中の復讐がどんなものか、ちゃんと覚悟の上でゐるはずさ。だから君、それを可哀想だからって、仕返しを免除してやって見なさい、それや侮辱といふものだよ。
世の中の仕返しさへなければ、誰だって勇士になるはずだからね。
あの女を贋物の勇士にするか、本物にするかってことあ、君たちにかかってる。
あの女のために、うんと復讐することだな。
 
一部抜粋