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● 『ちょっとサイエンス』 2002/11/2
No.99
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● 発行者 Fujiken 不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「PD-L1を利用したがん治療」
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がん細胞は、外界からの侵入者でないことを示す「身分証明書」にあたる物質
(「PD−L1」というタンパク質)を表面に持つため免疫システムの攻撃を
くぐり抜けており、この物質を壊すとがんがかなりの割合で破壊されることを
京都大学医学研究科の湊長博教授、本庶佑教授らのグループがマウスの実験で
確かめ、米国科学アカデミー紀要に報告しました。
「PD−L1」という物質は、正常細胞のほか、がん細胞の表面にも存在する
ことが、今年確認されました。
免疫をつかさどるリンパ球の表面に、このPD−L1がくっつくと、リンパ球
は「仲間の細胞だ」と認識して攻撃を抑えてしまいます。
そこで、ガンになったマウスでこのPD−L1にふたをする抗体を注射すると、
寿命が延び、一部は完全に治ったのです。
PD−L1を壊すと、正常細胞の証明書もなくなってしまいますが、リンパ球
は自己の正常細胞は攻撃しないように胎児期から訓練されているのです。
免疫力を強めて抑え込む従来のがん免疫療法と異なり、証明書を無効にして、
明確な「異物」にする手法で、ほとんどのがんに対処できる新しい治療法に
つながると期待されています。
(読売新聞 参照)
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■ちょっとコメント■
「がん」は正常細胞が、がん化し、アポトーシス機能を失い、体の組織・器官
で増殖する病気で、少し前まではほとんど治らない病気と考えられていました。
それが、医学の進歩で、切除法、薬による免疫療法、X線療法などによって、
必ずしも死に至る病気というイメージが少しずつ変わってきています。
また、今回の「PD−L1」療法がもっと改良され、早く、実用化されたら
いいですね!
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