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●   『ちょっとサイエンス』   2002/6/27   No.80  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「ペニシリンの発見」
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アレクサンダー・フレミングが1928年のある日、ブドウ状球菌の実験をしてい
た時、自分の培養皿の一つが汚染されているのを発見しました。

普通ならば乳白色のブドウ状球菌のコロニー(集落)でおおわれているはずの
ペトリ皿の一部が透明になっていて、よく見ると透明になった部分の中心に小
さいアオカビが見えたのです。

「いまいましいこのカビのおかげで、また一つの培養を無駄にした。流しに洗
い流すしかないだろう。」と考えたフレミングはその瞬間一つの事実に気づき
ました。

カビのまわりのかなり広い範囲で、ブドウ状球菌のコロニーが溶解していて、
ペトリ皿のその部分が透明になっているのは何故だろうと・・。

そしてそのアオカビをとり顕微鏡で見ると、それは細いハケの集まりでした。
それがペニシリウム属のカビであることを知りました。

ペニシリウムはラテン語で「はけ」を意味し、ペニシリウムは何百もの種をも
つ大きい属であり、このアオカビがどの種に属するものかをフレミングは知り
ませんでした。

そこでアメリカのカビ学者チャールス・トム博士の所へ送り、このアオカビが
ペニシリウム・ノタツムであることがわかり、これに含まれる抗菌性物質を
「ペニシリン」と命名したのでした。

このアオカビを培養したカビろ液は、ブドウ状球菌を殺すのに加え、肺炎菌、
連鎖状球菌、淋菌などに有効でしたが、、腸チフス菌、赤痢菌、大腸菌に対
しては無力でした。

しかし、このペニシリンの発見で以後何百万人もの人を救うことができたので
す。

フレミングはこう言っています。

「人々はペニシリンを一つの奇跡とよんだ。私も一生に一度だけ奇跡というそ
の言葉に賛成する。それは多くの人命を救う奇跡である。」

(ニュートン 世界の科学者100人 教育社 参照)

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■ちょっとコメント■

フレミングの発見したペニシリンは抗生物質と言い、カビなどの微生物からつ
くられ、他の菌などの微生物の発育、繁殖をおさえるものです。

もし、フレミングが自分の培養していたペトリ皿にアオカビが入っていたとき
アオカビの働きに注目せず捨ててしまったらこのペニシリンは発見されなかっ
たでしょう。

科学者には深い観察力と、洞察力が必要だと感じます。

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