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● 『ちょっとサイエンス』 2015/10/22 No.555  
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● 発行者 Fujiken 毎週木曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「恐竜の卵の新種」&「肉食で最大 歯の化石」
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兵庫県立人と自然の博物館(三田市)は6月29日、同県丹波市山南町の白亜紀前期
(約1億1000万年前)の地層から恐竜の卵殻化石の新種が見つかったと発表しまし
た。国内で恐竜の卵の新種が見つかるのは初めてです。同館とカナダ・カルガ
リー大などの合同チームが論文にまとめ、同日、学術雑誌「クレテイシャス リ
サーチ」電子版に掲載されました。

同館によると、2007〜11年に5回の発掘調査を行い、数mm〜約1cm大の卵殻
化石約90点を採集。同大大学院博士課程の田中康平さん(29)らが分析しました。
新種の卵はニワトリの卵よりやや大きい程度と推測され、世界で約100種類見つ
かっている恐竜などの卵の中では最小クラス。この大きさでは発見例のない枝状
の模様が表面にありました。小型の肉食恐竜ドロマエオサウルス類のものとみら
れています。田中さんらは「枝分かれした日本の卵の石」を意味する「ニッポノ
ウーリサス・ラモーサス」と名付けました。

他の卵殻化石も分析の結果、恐竜か鳥類と見られる4種類に分類され、このうち
3種類は国内で発見例のないものでした。同じ地層からは草食恐竜「丹波竜」の
化石も出ており、同館は「丹波竜と同じ時代に多様な生き物が生息していた」と
しています。

卵殻化石に詳しい北海道大の小林快次(よしつぐ)准教授(古生物学)の話「日本で
これだけ多くの種類の卵の化石が一つの場所で見つかるのは例がない。営巣地と
思われ、繁殖などの生態を知る手がかりになる」

( 読売新聞 2015年(平成27年) 6月30日付 朝刊 参照 )

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福井県立恐竜博物館と長崎市は7月14日、長崎半島西岸(長崎市)にある白亜紀
後期(8100万年前)の地層「三ツ瀬層」から、ティラノサウルスの仲間と見られ
る肉食恐竜の歯の化石2点が見つかったと発表しました。具体的な種類は不明で
すが、全長は推定10m以上で、肉食恐竜としては国内最大だということです。

同館と同市が現場で共同調査しており、昨年5月に発掘。保存状態の良い左下顎
の歯(長さ8.2cm、幅3.8cm、厚さ2.7cm)、欠損と変形がある歯(長さ7.8cm
以上、幅3.7cm以上、厚さ2.2cm以上)で、歯の両側には肉食恐竜に特徴的な
ノコギリ状の微細な突起が無数にあります。

さらに、水平断面が楕円で分厚く、全体の形がバナナに似ていることなどから、
同館はティラノサウルス科の大型種と結論づけました。歯の大きさや厚さから
全長は10m以上と推定されます。

ティラノサウルス科は全長5〜13mで、白亜紀後期には北米にティラノサウルス
(T-レックス、10〜13m)、モンゴルや中国にはタルボサウルス(9.5m)などが生息
していました。

国内では、同科より古い時代の種類を含め、兵庫県丹波市や熊本県御船町、福島県
広野町など5か所で歯の化石が見つかっていますが、いずれも全長5m以下と推定
されます。同科を含む肉食恐竜としてこれまでの最大は、2008年に石川県白山市
で歯の化石(長さ8.2cm)が見つかった推定全長9mでした。

同館の宮田和周(かずのり)・主任研究員は「映画館に登場するティラノサウルス
そっくりの大型の肉食恐竜が日本にもいたことが裏付けられた」としています。

( 読売新聞 2015年(平成27年) 7月14日付 夕刊 参照 )

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■ちょっとコメント■

兵庫県丹波市で発見された恐竜の卵殻の化石から新種かどうか分かるのかなと

思いましたが、発見例のない枝状の模様があったんですね。大きさはニワトリ

の卵よりやや大きい程度で、その卵から成長した恐竜のイメージ図は小さい肉

食恐竜のようでした。同じ地層から草食恐竜の丹波竜も発見されており、卵殻

化石は合計約90点あり、4種類に分類され、このうち3種類は国内で発見例のな

いものだったことから、日本で多くの種類の卵が1つの場所から発見されたのは

初めてで、繁殖などの生態を知る手がかりになりそうだということですね。

次は長崎市から発見された歯の化石は大型肉食恐竜ティラノサウルス科(T-レックス)

のもので、全長10m以上あったと推定されるということですね。日本にもティラノ

サウルス級の大型肉食恐竜が生息していたのですね。

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