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● 『ちょっとサイエンス』 2001/10/19
No.51
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● 発行者 Fujiken 毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど！と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「マイケル・ファラデー」
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１８３１年頃、ロンドンにある王立研究所の実験室でファラデーは電気と磁気
の関係について考えをめぐらしていました。
ファラデーは二つの磁石のＮ極とＳ極との間に１枚の紙を置き、その上に鉄粉
をばらまき、指で紙の端をトントンと軽くたたくと鉄粉が動いてＮ極とＳ極と
をつなぐ何本かの曲線状に分布しました。この曲線をファラデーは「磁力線」
と呼びました。
１８２０年にデンマークのエルステッドは電気の流れる針金が磁石のはたらき
をする事を実験で示しました。つまり、直線上の針金に電流を流すとその近く
に置かれた小さな磁石の針がふれて磁石に力がはたらいたのです。
ファラデーは磁石や電流は、それらがないときにくらべて、そのまわりの空間
を違った状態にすることは明らかで、空間のこのような状態を「磁場」あるい
は「磁界」と呼びました。
この言葉を使うと「磁石や電流は空間に磁場を作る」ということになります。
「逆もまた真なり」という言葉があるように、電流が磁場を作るとすれば、
その逆に磁場は電流をつくるのではないだろうかとファラデーは推測しました。
ファラデーは二つのコイルをつくり、その一つに電流を流してみました。
この時出来る磁力線は、１本の棒磁石がつくる磁力線と似ていました。つまり、
コイルを流れる電流は磁場をつくるのです。
もし、ファラデーが予想したように「磁場が電流をつくる」とすれば、この
場合、第二のコイルにも電流が流れるはずですが、そのような電流の存在は
確かめることができなかったのです。
しかし、ファラデーはそれで実験をやめなかったのです。
ある日、彼は第一のコイルの流れる電流を切った瞬間、あるいは、電流を流し
始めた瞬間に、第二のコイルにつながれた電流計の針がふれることに気づいた
のです。
そして、「磁場の時間的な変化は電流を生じる」ことを発見したのです。
ファラデーはさらに、棒磁石とコイルを使うという直接的な方法によってこの
発見の正しいことを確かめました。
磁場の時間的な変化が作るこのような電流を「誘導電流」とよび、
「磁場の時間的な変化が誘導電流を生じる」という有名なファラデーの
「電磁誘導の法則」が発見されたのです。
これらの法則をマクスウェルが方程式にまとめ、電磁波の存在を示したのです。
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■ちょっとコメント■
ファラデー、エルステッド、マクスウェルらが活躍した１８００年代は後の
輝かしい電気時代の幕開けの時代だったのです。
電磁誘導の実験をしていたとき、最初に第一と第二のコイルの実験でうまく
いかなかったときに、あきらめなかったことが大発見へとつながったのだと
思います。
やはり、科学も「努力」と「根性」が必要なのですね。
さて次回は、No.52「超伝導」をお届けします。
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■読者からのメールより■（前回の「惑星の英語名」に関して）
●「勝山達也」さんより
太陽系の惑星名ってギリシャ神話の名前が由来しています。
私は天王星、海王星、冥王星は、放射物質で覚えました。
ウラニウム→ネプチュウム→プルトニウムの順番と同じなんですよ。
→さっそく調べてみました。
ウラン、ネプツニウム、プルトニウムは放射性元素ではありますが、
同じ系列ではないようです。
ただし、原子番号９２，９３，９４とつながっていることを初めて知りました。
貴重な情報ありがとうございます。
ところで、「勝山達也」さんは、実は今までなんどもメールを送ってくれてい
る「ローソン店長」さん、または「きたきつね」さんなんです。
今回から本名を名乗ることを承諾していただきました。
勝山さんは、メルマガ「リラ咲く街から映画通信」を発行されています。
とても映画通でいろいろな映画やビデオについて解説し、評価をされています。
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