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● 『ちょっとサイエンス』 2001/10/5
No.49
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● 発行者 Fujiken 毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど！と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「ジェームズ・Ｃ・マクスウェル」
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ニュートンは知っていても、マクスウェルを知らない人が多いことでしょう。
ニュートンに約２００年遅れて同じイギリスに生まれたマクスウェルが基礎づ
けた「電磁気学」はニュートンの力学よりもいっそう大きい影響を現代世界に
与えています。
１８６４年にマクスウェルが発表した「電磁場の理論」はニュートンの運動方
程式と並ぶ、人類の頭脳が生んだ最高の業績です。
マクスウェルの理論には次に述べる電磁気についての四つの法則が取り入れら
れています。
まず、１７８５年に、フランスのクーロンが電気力についての一つの法則を明
らかにしました。
「同符号のの電荷どうしでは反発し合う力が、異符号では引き合う力が働く。
この力の大きさは、二つの電荷の積に比例し、その間の距離の２乗に反比例
する。」
という有名なクーロンの法則です。
磁気力についてもこれと同じようなクーロンの法則が成り立ちます。
次に、１８２０年には、デンマークのエールステッドが電流の流れている導線
の近くに平行に置いた磁針は、ある向きにふれることを明らかにしました。
つまり、運動する電気である電流から力を受けて、磁針が振動するのです。
さらに、１８３１年にはマクスウェルと同じイギリスのファラデーが一つの閉
じた電気回路の近くで、電流が流れている別の回路、または磁石を動かすと、
最初の電気回路に電流が流れること（電磁誘導）を明らかにしました。
これらの四つの実験がマクスウェルの「電磁場の理論」に取り入れられたので
す。
そして四つの法則を一連の方程式で書き表すことに成功し、これを「マクスウ
ェルの方程式」と呼びました。
この方程式を数学的に変形して「波」を表す式を得ることが出来ます。
つまり、電磁場の時間的変化は波になって空間を伝わっていくことがわかり、
この波を「電磁波」と呼びました。
１８８８年にドイツのヘルツが電磁波の存在を実験で証明し、
電磁波を無線電信に利用することを考えたのがイタリアのマルコーニです。
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■ちょっとコメント■
マクスウェルが予言した電磁波の速度は光の速度と同じでした。
この結果から光が電磁波の一種であることを示していると考えられたのです。
アインシュタインは発表した一般相対性理論は力学をマクスウェル流の「場」
の概念で表現したものと言ってよいでしょう。
ニュートンの力学は高校でも習う割と簡単な法則ですが、マクスウェルの
方程式は高校では習いません。きっと難しいのでしょうね。
さて、次回は、No.50「惑星の英語名」をお届けします。
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■読者からのメールより■（前回の電磁波に関して） →Fujikenの回答
●「寺島」さんより
No.４８に関連しまして電磁調理器とか電子レンジなどはどの波長に属する
ものなのでしょうか？
→電子レンジは「マイクロウェーブ・オーブン」といい、２４５０メガヘルツ
の極超短波（１〜１０の−１乗の波長）いわゆるマイクロ波の一種を利用し、
食品中の水分子を共鳴させて発熱させているそうです。
波の速さＶ（ｍ／ｓ）、振動数ν（ヘルツ）、波長λ（ｍ）の間には
Ｖ＝νλの関係があり、
Ｖ＝３×１０の８乗（ｍ／ｓ）・・３０万ｋｍ／ｓ
ν＝２４５０メガヘルツ＝２４５０×１０の６乗（ヘルツ）
＝２４．５×１０の８乗（ヘルツ）
を代入すると
λ＝約０．１２（ｍ）となります。
電磁波は波長より振動数で表される事の方が多いですね。
電磁調理器については分かりませんでした。
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