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●   『ちょっとサイエンス』   2001/7/27   No.39  
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●    発行者 Fujiken       毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「アレッサンドロ・ボルタ」
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電圧の単位として使われているV(ボルト)はイタリアの物理学者アレッサン
ドロ・ボルタの名にちなんだものです。

彼は電池を発明して電気化学の開拓者となった人です。

ボルタは最初、静電気の研究から始めました。

よく乾いた毛皮でエボナイト板を摩擦すると、エボナイト板にはマイナス、
毛皮にはプラスの電気が生じました。そして、「ことなった種類の電気は互い
に引き合い、同じ種類の電気は退け合う」ということを発見しました。

そのころオランダのライデン大学の教授ペトルス・ファン・ミュッセンブルー
クが静電気をたくわえることのできる「ライデンびん」を発明しました。

またアメリカのベンジャミン・フランクリンは空中へたこを上げて、雷が電気
であることを証明しました。

このような静電気の研究から動電気すなわち電流の研究へとボルタを導いたの
は、ふとしたきっかけでした。

舌の先にすず箔、裏に銀貨を置きその間を導線でつなぐと酸の味がし、すず箔
と銀貨の位置を取り替えるとアルカリの味がしたのです。

そして、イタリアのルイジ・ガルバーニはカエルの筋肉運動の研究をしていま
した。

カエルの足を鉄の皿にのせ、しんちゅうのメスをそれに押しつけるとカエルの
足がけいれんしたので、「動物電気」によるものであると考えました。

ボルタは神経に電気を流すと、筋肉が収縮するのを発見したのです。

やがてボルタは動物電気は存在せず、異種の金属の接触によって電気が生じる
のではないかと考えるようになったのです。

1797年、2種類の金属を接触させただけで、それらがプラスおやびマイナ
スの電気をおびる接触電気の現象を明らかにし、金属と液体との間にも電流が
流れることを発見しました。

こうして彼は1799年には「ボルタ電堆(でんたい)」を作りました。

これは、銅または銀と亜鉛の円板の間に湿った布をはさんだものを多数積み上
げて作った円柱でした。

これまでのライデンびんからは電気ショックは得られたけれども、いつまでも
続く定常電流は得られませんでした。

ボルタの電堆の発明によって初めて定常電流が得られるようになったのです。

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■ちょっとコメント■

亜鉛板と銅板を離して希硫酸に入れて2つの金属を導線でつなぐと、イオン化
傾向の大きい亜鉛板がイオンになり希硫酸の中にとけ、電子が導線を通り銅板
に向かい電流が流れる。これがボルタの電池です。この時イオン化傾向の大き
い金属(この場合は亜鉛)がマイナス極になります。

今では電気がない生活なんて考えられません。

その初めの研究者がの一人がボルタだったのです。

200年ほど前に作られたボルタ電堆
単純なつくりでも、これを発見するのには紆余曲折があったと思います。

それにしても、自分の名前が科学の単位などに残っているのはうらやましい事
ですね。

日本人には一人もいないのではないでしょうか。

科学の発達時に日本が鎖国していたからでしょうか?

さて次回は、No.40「五臓六腑」をお届けします。

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