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● 『ちょっとサイエンス』 2001/7/20
No.38
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● 発行者 Fujiken 毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど！と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「ブリキとトタン」
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鉄のサビを防ぐには、鉄が空気と水とに触れないようにすることです。
最もよく用いられるのは表面をメッキする方法で代表的なのがブリキとトタン
です。
ブリキ・・鉄板にスズ（Ｓｎ）をメッキしたもの
トタン・・鉄板に亜鉛（Ｚｎ）をメッキしたもの
昔はブリキのおもちゃとか、トタン屋根などよく見かけましたが、最近はあま
り目にしなくなりました。
これだけで話は終わりません。
金属はイオンになりやすさに違いがあります。これを「イオン化傾向」といい
ます。イオンになりやすい順におもな金属を並べると
大←Ｋ（カリウム）、Ｃａ（カルシウム）、Ｎａ（ナトリウム）、Ｍｇ（マグ
ネシウム）、Ａｌ（アルミニウム）、Ｚｎ（亜鉛）、Ｆｅ（鉄）、Ｎｉ（ニッ
ケル）、Ｓｎ（スズ）、Ｐｂ（鉛）、Ｈ（水素）、Ｃｕ（銅）、Ｈｇ（水銀）、
Ａｇ（銀）、Ｐｔ（プラチナ（白金））、Ａｕ（金）→小
この順番には有名な覚え方があります。
「か（そう）か、な、ま（だ）ある、あ、て、に、す、な、ひ、ど、す、ぎ、
（る）借金（白、金）」
このイオン化傾向から、ブリキのスズは鉄よりもイオン化傾向が小さいから、
イオンになりにくい、つまりサビにくく内部の鉄をよく保護します。
しかし、いったんブリキに傷がつくと、中の鉄が現れ、詳しいことは省略しま
すが、スズと鉄の間で電池構造ができて、一層サビやすくなるという欠点があ
ります。
こんな考え方もあります。
ブリキは鉄がスズよりイオン化傾向が大きいので、鉄がイオンになりやすいの
です。トタンは亜鉛の方が鉄よりもイオン化傾向が大きいので、鉄はイオン化
されにくいので、ブリキよりもトタンの方が丈夫であるとも言えるのです。
そう言えば、雨ざらしの屋根にはトタンが使われていますよね。
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■ちょっとコメント■
ブリキとトタンはメッキしたものであるという事は知っていましたが、何を
メッキしたものかを忘れていました。
ブリキがスズでトタンが亜鉛なんですね。
それとイオン化傾向の違いによってブリキとトタンには違いがあることがわか
りました。
誰が考えたのか、「貸そうかな・・・借金」はよくできていますね。
イオン化傾向の大小の並び方は中学生でも覚えておくと便利ですよ。
さて次回は、No.39「アレッサンドロ・ボルタ」をお届けします。
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