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●   『ちょっとサイエンス』   2001/7/6   No.36  
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●    発行者 Fujiken      毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「ニュートンとライプニッツ」
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科学の世界では原理・原則に関する限り、最初に明らかにした研究者がほぼ
絶対的に名を残します。だから、同じころに同じものが発表されると、どちら
が先に発見したかで「大戦争」が展開されます。情報の流れが遅かった昔は、
とくに大変だっただろうと思われます。

さて先陣争いの典型例としては、微分積分学をめぐるニュートンとライプニッ
ツの争いがあります。

ライプニッツが微分積分学の研究結果を発表したのが1684年。
一方ニュートンの方は1666年ごろに基本構造を作り上げたといわれ、論文
にしたのは優先権争いが展開された1687年のことでした。

今のように情報が即、世界を駆けめぐる時代とは異なり、当時、ライプニッツ
とニュートンは別々に微分積分学を完成させたようです。
だから、どちらも創始者であり、よけい話がややこしくなるのです。

しかも、この優先権争いが個人レベルで終わらず、イギリスとドイツの国の
名誉をあげての問題になったのです。

ただ、ライプニッツとニュートンが微分積分学を独自に作り上げたことは、
現在認められており、ライプニッツの考案したdx、dy、インテグラルの
記号は今でも使われています。

イギリスはライプニッツ憎さのあまり、使いやすいライプニッツの記号を拒否
したため、数学で世界の流れに大きく取り残されてしまうことになったのです。

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■ちょっとコメント■

ニュートンは1687年「自然科学の数学的諸原理」いわゆる「プリンキピア」
で微分積分学を使って、惑星の動きなどを説明したのでした。

それとはまったく別にライプニッツが1684年微分積分学を発表したのです。

ややこしいのは、ニュートンは「名声より、想像の喜びを」という人であり、
1687年までに諸原理をノートにまとめておいていたのです。それを見た、
ハレーが本にまとめることをすすめたという事実があるのです。

ニュートンの「プリンキピア」の日本語訳を大学時代ちらっと見たことがある
のですが、ライプニッツが考案したdx、dyなどの記号は使っていなかった
と思います。

要するに、二人は独自にほぼ同時に微分積分学を考案し、今は使いやすい
ライプニッツの方を使っているということのようです。

さて次回は、No.37「秦 佐八郎」をお届けします。

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