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● 『ちょっとサイエンス』 2011/9/3 No.343 
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● 発行者 Fujiken  不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「微分と積分その1」
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1665年、23歳のニュートンは、科学の歴史をかえる「微分・積分」という数学の
手法をつくりだしました。微分・積分はどのような時代背景で誕生したのでしょ
うか。大砲の砲弾がどのような軌跡を描いて飛ぶのかを研究することが、微積分
の発展につながっていくことになります。
砲弾が曲線を描いて飛ぶことは見ればわかりますが、砲弾の軌道は長い間誰も
正確には計算できませんでした。この疑問に答えたのがイタリアの科学者ガリ
レオ・ガリレイ(1564〜1642)でした。

空中に打ち出された砲弾は、もし地球の重力がなければ発射された方向へと
まっすぐ飛んでいきます。これを慣性の法則といいます。しかし、地球の重力
によって砲弾は地面に向かって落ちていきます。ガリレオは砲弾の進む速度を
重力を受ける方向(下向き)と水平方向とに分けて考えました。そして水平方向
の速度は変化せず、下向きの速度だけが時間とともに速くなっていくことを示し
ました。このような運動の結果、砲弾の軌道は「放物線」という曲線を描くの
です。

17世紀に入り、フランスのルネ・デカルト(1596〜1650)やピエール・ド・フェ
ルマー(1601〜1665)が「座標」を作り出し、砲弾の発射地点を原点とし、x軸
を発射地点からの水平方向の距離、y軸を高さとすれば、砲弾が描く放物線も
xとyの式で表すことが可能となりました。

それでは、発射された砲弾の進行方向は時間とともにどう変化していくので
しょうか。斜め上に発射された砲弾は徐々に進行方向が下向きに傾いています。
運動する物体の軌道に引いた接線は、その瞬間の進行方向を示しています。
そして接線の傾きを求めることが「微分する」ということなのです。

ニュートンは、ほんの一瞬の時間をあらわすo(オミクロン)という記号を使い
点Aから「o」の時間がたつと動く点はAから少し離れた点A'に移動しています。
この時、動く点がx軸方向に移動した距離を「op」y軸方向に移動した距離を
「oq」とします。そこで、直線A-A'の傾きはoq/op=q/pとなり、これが点Aに
おける点の進行方向であり、接線の傾きなのです。

放物線をy=xの2乗とし、点(3,9)におけるq/pはいくらになるか計算して
みましょう。
y=xの2乗のyに(9+oq)、xに(3+op)を代入すると
9+oq=(3+op)の2乗
9+oq=9+6op+oの2乗*pの2乗
oq=6op+oの2乗*pの2乗
oで割るとq=6p+o*pの2乗
pで割るとq/p=6+op
oの値は限りなく小さいため、opは無視できると考えて 
q/p=6 ・・・点Aの接線の傾き

y=xの2乗の点(3,9)の時のq/pは6からy'=2xとなります。
微分法によって元の関数から生まれた新たな関数のことを「導関数」といい、
導関数を求めることを「関数を微分する」といいます。

y=xのn乗の導関数はy'=n*xの(n-1)乗となります。

( 科学雑誌「ニュートン」 2011年 2月号 )

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■ちょっとコメント■

微分の考え方は接線の傾きを求めることなのです。

これは高校の時、習ったような気がします。

もうほとんど微分も積分も忘れてしまっていた私ですが、

久々に数式に触れ懐かしさを感じました。

では、積分とは何か。

ニュートンと同じ時、微分・積分を考えたライプニッツとの比較については

次回をお楽しみに。

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