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●   『ちょっとサイエンス』  2006/6/21  No.244  
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●    発行者 Fujiken       不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ 「中谷桑南の須弥山儀−和歌山市発明館−」
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和歌山市立こども科学館の隣に「和歌山市発明館」がありました。

和歌山の科学関係のホームページにはなかったので「これはラッキー!」と

思い入ってみると、昔は6Fまである大展示館だったのが、理由はわかりません

が、今は2Fのみの展示に縮小され、入館料も無料でした。

そこには小さな模型がいくつかあって世界的な大発明を展示・説明していました。

グーテンベルクの活版印刷、スチーブンソンの蒸気機関車、ベルの電話機、

ライト兄弟のフライヤー号、レオナルド・ダ・ビンチのヘリコプター、ワットの

蒸気機関、エジソンの白熱電灯など、それぞれ1つのテーマにしての良いくらい

の大発明が紹介されていました。

その中に、日本の郷土の発明家として幕末に活躍した中谷桑南氏の事が紹介され

ていました。

幕末西洋思想とともに、コペルニクスの地動説が伝来してきましたが、桑南は、

「天動説から地動説に変わり得ない。地動説は邪道である。」と考えて、仏教

天文学を研究し、そして仏教天文学の正しさを立証しようと「須弥山儀」を考案

製作したのです。これは一つの動力で4〜5系統の運動をコントロールするもの

で、当時としては、正確かつ精妙な機械でした。

桑南は須弥山儀の他に、天球儀、地球儀、尺時計、望遠鏡、算盤(そろばん)、

方位磁石などを製作し、これらは、時計の発達、天文学の発達、仏教変遷の

文化史からみても非常に貴重な遺産というべきものではないでしょうか。

(和歌山市発明館案内 参照)

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■ちょっとコメント■

なぜ発明館が6Fから2Fに縮小されたかはわかりませんが、中身は私にとって

とても興味深いものばかりでした。

館内には、9歳で丁稚奉公にでて、23歳で小さな町工場から始まり一代で世界

的企業にまで成長させた松下幸之助氏のことも紹介されていました。

大正6年、松下氏は新しいソケットを考案し、自分で製造することを考え、それ

まで勤めていた大阪電灯株式会社を辞め、その製造販売を始めたのです。そして、

大正7年、松下電気器具製作所を妻と義弟との3人で創立したのです。その

第1号製品が「改良アタッチメントプラグ」で、続いて「2灯用差し込みプラグ」

だったのです。

これらの展示・紹介を読んで、改めて松下幸之助氏が大阪出身だったこと、

電灯器具の発明品から会社が始まった事を改めて思い起こしました。

話は中谷桑南氏に戻すと、「須弥山儀」は天動説を説明する電気装置である事に

驚きを示したのです。1つの動力で4〜5系統の運動をコントロールするという

ことは、太陽、月と地球に近い惑星の動きが説明出来るものだと思います。

そんな精密機械を幕末に作ったということは素晴らしいことだと思います。

和歌山市立こども科学館と和歌山発明館は車で行っても駐車場がなく、和歌山駅

からも少し離れているということで、交通は不便かもしれませんが、科学に興味

がある人にはこんな所にこんな良いところがあったんだと思わせてくれる所だと

思います。是非、出かけられてはどうでしょう。

中谷桑南の「須弥山儀」など

和歌山発明館の写真はこちら→ http://fujiken2.hp.infoseek.co.jp/

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