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●   『ちょっとサイエンス』  2005/12/5  No.237  
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●    発行者 Fujiken       不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「天体観測レポート」
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10月30日に火星が地球に最接近になり、12月になった今でも、日の入り

後、東の空から赤っぽく輝く火星が見えてきて、日周運動で、真夜中頃には南

の空を通り、日の出前に西の空に移動し、一晩中火星を観測できるチャンスで

す。

また、日の入り後、西の空にひときわ明るく輝く金星(宵の明星)が7月頃か

らずっと見えています。

そして、月が11月5日には三日月となり、11月4,5,6日頃は、日の入

り後、西の空に金星(宵の明星)と三日月が接近した写真が撮れる絶好の日で

ある、ということで、10月中旬に中学3年生に「天体観測レポート」を宿題

に出したのです。

事前に、11月の星図をプリントして、観測の仕方や日周運動の調べ方などを

説明し、パソコンを使って「天文シュミレーション」ソフトで、火星、金星、

月の見え方を説明もしました。

どうしても、観測しても、観測できなかった人は「プラネタリウム」を観に行

った内容のまとめのレポートでも良いという事にしたのです。

提出されたレポートを見ると、力作が多くありました。

きれいに金星(宵の明星)と三日月を写真に撮っていた生徒も何人かいました。

火星も分かりにくかったですが写真に撮っていた生徒もいました。(どうも

金星の等級より、火星の等級の方が暗いのかデジカメでは私はうまく火星は

撮れませんでした。)

写真に撮れなかった人はスケッチでも良いという事にしたのですが、なかには

とても丁寧にスケッチしている生徒もいて感心しました。

一番多かったのは月の観測でした。

どうして、三日月から半月(上弦)、半月(上弦)から満月になるにつれて、

同じ時刻に見える位置が変わるのか? 言い換えると、三日月は日の入り後

午後6時頃には西の空に見え、半月(上弦)は日の入り後には真南の方向に見

え、満月は日の入り後に東の空から見えるのか? という事を観測して知り、

その理由を説明できるかというのがねらいでした。

今は、教科書から月の満ち欠けという章はカットされているのですが、私は、

月が約4週間で地球の周りを1回、公転している事による月の満ち欠けと見え

る方角の変化についての理由を説明しました。(テキストメールでは図が書け

ないので、申しわけありません。)

レポートの考察で、しっかりその説明がされているのを見ると、よく頑張った

なと思わず顔がほころんだ私(Fujiken)でした。

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■ちょっとコメント■

3年生の2学期は天体の学習なのですが、望遠鏡による「太陽の黒点の観測」

や透明半球を使った「太陽の動く道筋の観測」などをしなかった為、[実験・

観察]を評価する材料がなく、しばらく悩んだあげくの「天体観察レポート」

だったのです。

受験勉強に忙しい中学3年生にとっては迷惑な宿題だったかもしれません。

さらに、星図に出てくるような恒星はほとんど見えず、はっきりとわかると

いえば、夜中から朝方にかけて東の空からオリオン座や冬の大三角形がのぼっ

てくる位でした。それを観た生徒が数人いたので、みんな遅くまで勉強して

るんだなと改めて思いました。

そんな星があまり見えないなか、ある日、すっきりと晴れた11月上旬の午後

7時頃、天頂から北西の方向に二等辺三角形のような形をつくる3つの恒星が

見えたのです。(私も、生徒に宿題を出している関係で、毎晩夜空を眺めてい

たのです。)それを11月の星図にあてはめるとはくちょう座の「デネブ」、

こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」でした。

そうなんです。11月の初旬、午後7時頃、夏の大三角形が天頂から北西の方

角に見えたのです。私も正直言ってびっくりしました。

天体レポートの最後の感想に、

「月の満ち欠けをこんなにじっくり観たのは初めてでよくわかりました。」

「星はそんなにたくさん見えなかったけれど、火星や金星や月を観てると、

夜空ってきれいだなーと思いました。もっと空気のきれいな所で、先生が言っ

てた「星降るような夜空」というのを、そして「天の川」を観たいと思いまし

た。」

なんていう感想があると、準備や指導は大変だったけど「天体観測レポート」

はまずまずだったかな?と思っています。

三日月と金星の写真はこちら→ http://fujiken2.hp.infoseek.co.jp/

生徒に負けない(!?)苦心の作品を是非見て下さい。

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■「読者からのメール」より■

前号のNo.236「彼岸花(曼珠沙華)」を読まれた方からメールがありました。

●茨城県の「W」さんより

いつも「ちょっとサイエンス」を楽しく拝見させていただいております。

今回の「彼岸花・・」ですが、いつも不思議に思ってきましたのは、どのよう
にして咲く時期を知るのかということです。
といいますのは以前から毎年同じところに咲く彼岸花を写真に撮っておりまし
て、かなり正確に秋の彼岸前後に開くことに気づいたからです。
土中の球根に昼夜が同じ長さになったことなどわからないでしょうし、それと
も今年の猛暑には1週間遅れの開花になったことから気温と関係するのかなと
思ったりと・・もしご存知でしたらお教えください。

→Fujikenより

確かに、桜はいつも入学式の4月上旬には満開っていうイメージがありますね。

しかし、それも冬の気温の影響で早くなったり、遅くなったりします。

電子辞書で検索すると、広辞苑に「生物時計」という語句がありました。

「生物が生まれつきそなえていると想定される時間測定機構。概日リズムや

光周期性など。体内時計。」 詳しい事はわかりませんが、このようなしくみ

を持っていることを「生物時計」を持っているというのでしょう。

詳しいことを知っておらえる方からのメールをお待ちしています。

メールはこちら→ fujiken1@ares.eonet.ne.jp

<蛇足> この前から国語辞典と英語だけいいから電子辞書欲しいな!と妻に

頼んでいたら、先日娘がたった1万円でパスポートサイズ(?)のコンパクト

で、12個の辞書を収録し、百科事典から植物や動物がカラー表示されるもの

を某電気屋さんから買って来てくれました。私は最近のこの手の製品の飛躍的

な進歩にびっくりしてしまいました。まだ、数日しかたっていないのに、四字

熟語の漢字を確かめたり、そして、今回のように調べたい語句が簡単に探せる

のです。もう、電子辞書の時代ですね! 

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