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● 『ちょっとサイエンス』 2005/3/1
No.223
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● 発行者 Fujiken 毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「ラザフォード(原子核の発見と初期原子モデル)」
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1900年前後、原子はどのような構造をしているのかまだよくわかっていません
でした。ウィリアム・トムソン(ケルビン卿)は、当時発見されていた電子が
マイナスの電荷をもっていることから、原子はプラスの電荷をもった球とその
中を自由に動き回る微小粒子の電子からなるという原子モデルを考えていまし
た。日本の長岡半太郎はプラスの電荷をもった小球という物体の中を、電子が
自由に動き回るというモデルに疑問を抱き、プラスの電荷をもった球のまわり
の真空中をマイナスの電荷をもった電子が回っているという、いわゆる「土星
型原子模型」を明治36年(1903年)に発表しました。
一方、ドイツのレントゲンが電磁波の一種であるX線を発見したのが1895年。
1896年にはフランスのベクレルがウランの放射能を発見し、1898年には、放射
性元素ラジウムをピエールとキュリー夫妻が発見し、キュリー夫妻とラザフォ
ードは、放射線にはプラスの電荷をもったアルファ線、マイナスの電荷をもっ
たベータ線、電磁波の一種のガンマ線があることを発見しました。(のちに
アルファ線がヘリウムの原子核、ベータ線は電子であることがわかりました。)
そんな中、ラザフォードは1911年助手のガイガーと、アルファ線をほとんど
透明な金箔にぶつけるという実験をしていました。
すると、アルファ線のほとんどが金箔を通り抜けるけれども、中にその進路を
90度も変える現象を発見したのです。
ラザフォードはこの現象はプラスの電荷をもった粒子(原子核)が存在し、
そこへプラスの電荷をもったアルファ線を当てると斥力ではねのけてしまうと
考えたのです。
つまり、原子の中身はぎっしり詰まった物ではなく、大部分は空虚な空間であり
その真ん中に原子核と呼ぶプラス電荷の集まりがあり、その周りをマイナスの
電荷をもった電子が回るという原子モデルを提唱したのです。
(「世界の科学者100人(教育社)参照)
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■ちょっとコメント■
前回のNo.222で「原子の中の電子が原子核の周りを回っていることにより、
微小単位の磁気作用を示す」と表現したのは、このラザフォードの原子モデル
を念頭に置いて表現したものでした。
そして、その後読者の方から「このモデルはもう古すぎる、適切ではない。」
という指摘を受けました。
事実、このラザフォードの原子模型では、電子の運動エネルギーが消耗され
次第に電子は原子核に近づいてしまい、最後には原子核と電子が合体して、
原子が崩壊してしまうという欠点をもっているのです。
それを解決したのが、当時プランクが発表した「量子」の考え方を原子にあて
はめたニールス・ボアの原子モデルです。
その話は、次回にいたします。
さて、ラザフォードの実験室を訪れた長岡半太郎は、その機械の簡単さに驚き、
科学を推進させるのは高価な実験装置とは限らず、すぐれた頭脳であると実感
したといいます。
長岡半太郎については、No.45ですでにテーマとして取り上げていますので、
ご参照下さい。→ http://www.mag2.com/m/0000046152.htm
また、ラザフォードの助手のガイガーは放射能検出器として有名なガイガー
カウンターの考案者です。
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■「読者からのメール」より■
●「まこー」様より
Fujikenさま
電気と磁気を取り上げていただき有難うございます。
> つまり、原子を作る電子や陽子などの電荷を持った素粒子の動きによって
> 電磁気作用が生まれると言って良いのではないでしょうか?
これは間違いのない事象でしょうが、問題は「電流(電荷の動き)がそのまわり
に磁場をつくり(エルステッド)、磁場の変化が電流を誘起する(ファラデー)
のは何故だろう」
ということです。宇宙を作る四つの力(強い力、弱い力、重力、電磁気力)の
統一理論が完成された時点で、この深遠な事象のからくりが分かるのでしょうか?
→Fujikenより
前回のNo.222の回答では「まこー」さんの「なぜなのだろう?」という疑問の答
えになっていなかったようですね。
私としては、古代ギルバートのころから別々と考えていた電気と磁気に相互作用が
あることをエールステッドが初めて発見し、ファラデーが電磁誘導を発見し、マク
スウェルの方程式でまとめられ解決したといいたかったのですが、それ以上の回答
は私にはできません。良く知ってる方からの情報をお待ちしています。
●「M」さんより
いつも面白くてためになる内容を楽しませていただき感謝しています。
ひとつ科学ではないかも知れませんが教えてください。
巻貝や二枚貝の殻はどこから養分を得て大きく成長するのでしょうか。
貝自体が出すカルシウム分を殻の外側に塗って大きくなるとしたら、
二枚貝の蝶番部分の成長が理解できませんし、
さざえの角がどうして大きくなるのか分かりません。
どうぞよろしくお願いします。
→Fujikenより
Mさんの質問に答える知識を私は持っていません。
かなり、専門的な質問ですので、ご存知の方教えて下さい。お願いいたします。
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