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●   『ちょっとサイエンス』  2005/2/22   No.222  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ「電気と磁気の関係(ギルバートからエールステッドまで)」
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読者の方からこんなメールが寄せられました。

●「まこー」さんより

在職中に超電導に関わってきたことがありましたが、常々疑問に思ってきた
ことがあります。

線輪(コイル)に通電すると磁束が発生するのは何故だろうということです。

現象として当たり前のこととして受け容れてきていたのですが、何故でしょうか?
フレミングの法則がどうのということではなく、本質的な説明があればご紹介
いただきたくお願いいたします。

→Fujikenより

今回はこの質問の回答編です。

電気、磁気の歴史は古代ギリシャのころから始まります。

磁気に関しては、鉄を引きつける磁鉄鉱が不思議な石として知られていて、この

石の産地のアジアのマグネシアにちなんでマグネット(磁石)という語が生まれ

ました。

電気に関しても、琥珀(こはく)と羽毛を摩擦すると引きつけ合う力を生じる

ことを知り、琥珀のギリシャ名の「エレクトロン」という語が生まれました。

16世紀に入ると、イギリスのギルバートが主に磁石について研究し、地球が

大きな磁石であるという説を提唱しました。

エレクトロンの命名はギルバートによると言われています。

ギルバートは静電気と磁気は別々の物であるという考えの上で研究を進めていた

のです。

1800年にボルタが電池を発明して以来、電気の研究が飛躍的に進歩しました。

その中で、デンマークのエールステッドは、電流によって熱や光が発生するならば

磁気も発生するのではないか?という観点から、ボルタの電池を使って導線に電流

を流し磁針を回りに置いて実験したのです。

そして、導線の回りに直角に置いたとき磁針が振れることを発見したのです。

これが「電流による磁気作用の発見」です。

それからファラデーが電磁誘導を発見し、マクスウェルが電磁場の方程式を導き、

この方程式から導かれる電磁波の存在をヘルツが実験的に発見、証明したのです。

(http://www.shinko-keirin.co.jp/kori/science/ayumi/ayumi09.html 参照)

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■ちょっとコメント■

現在では、原子の中の電子が原子核の回りを回っていることにより、微小単位の

磁気作用示すという考えは定着していると思います。

その微小磁気は分子内ではそれぞれの方向に向いているのが普通ですが、大きな

磁力の影響で一方向に整列し、その磁気が残ると「磁石」になるのです。

要するに、原子・分子の段階から電気が及ぼす磁気作用が存在し、マクロ的に見

ても、電流と磁気には相互作用があることを、最初にエールステッドが示し、

その後、多くの科学者の研究の末「マクスウェルの方程式」にまとめられたのです。

「まこー」さんの質問の回答になったかどうか少し不安ですが、

「では、なぜそうなるの?」と言われたら、電気と磁気には相互作用があるとしか

答えられません。

もう少し言えば、1900年代に入り、ディラックらが「モノポール」という

磁石で言うN極、S極が単独で存在する物があるという理論が発表しましたが、

実験ではいまだに発見されていません。

モノポールは数学上に出てくる仮想物質ではないかと私は考えています。

このことからも分かるように、磁気作用は電気の作用によって生まれるものである

と私は考えています。

つまり、原子を作る電子や陽子などの電荷を持った素粒子の動きによって電磁気

作用が生まれると言って良いのではないでしょうか?

今回も、電気・磁気についてまとめました。

私が大学時代研究した「科学史」の分野では自然と筆が(キー操作が)進みます。

また、何かについてまとめられたらいいなあと思っているFujikenでした。

●追伸

今回は2/22発行の222号です。偶然とはいえ綺麗に数字がそろって

気持ちがいいで〜す!!

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