**************************************************
★
● 『ちょっとサイエンス』 2001/2/16
No.22
★
● 発行者 Fujiken 毎週金曜日発行
★
**************************************************
毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
{magclick}
----------------------------------------------------------------------
■今日のテーマ 「ウォーターカー」
----------------------------------------------------------------------
前回のNo.21「水の電気分解と合成」の中で、
水を燃料タンクに入れて、電気分解して水素と酸素を発生させ、その混合気体
に点火して爆発させてエンジンを回す
という「ウォーターカー」のアイデアを紹介しましたが、これに関して読者の
方からご意見・ご指摘がありました。
●「少伯」さんより
「ウォーターカー」ですが、理論的に無理ではないでしょうか?
というのは、物理学の基本法則に熱力学の法則というのがあります。
その第一が、有名な「エネルギー保存の法則」ですね。
その第二が、「エントロピー増大の法則」ですよね。
(ご存知かもしれませんが、故朝永振一郎博士の「物理学とは何だろうか」を
読まれると良く分かると思います)
これは、いわゆる永久機関の否定につながるわけですが、Fujikenさんのアイ
デアはこれらの法則に抵触するものと思います。
この二つがある限り、Fujikenさんのような永久機関的なものは、不可能で
しょう。
それより、現在注目されている、燃料電池は、比較的合成が容易なメタノール
等からも発電が可能で、エネルギー効率も現在実用化されている動力の中でも
きわめて優秀な部類に入ります。
これは、電気分解とは全く逆の水素の酸化(燃焼)をゆっくり進行(制御)し、
その時発生する電気エネルギーを取り出すもので、もう数十年も研究が続けら
れ、かなり実用的になってきております。
ちょっと古いですが、「燃料電池のおはなし」(日本規格協会:広瀬研吉著)
などが参考になると思います。
(中略)
私、個人的には、無駄なことをしないこと・現行の技術で可能な限り有効な
方法を用いることがもっとも大切なことだと思います。
-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-
■ちょっとコメント■
「ウォーターカー」は、水素と酸素の爆発でエンジンを回し、さらにその動力
で発電(蓄電)し、水を電気分解させて、水素と酸素を発生させるものであっ
て初めて有効な方法となりますが、これでは少伯さんの指摘通り「永久機関」
になってしまい、熱力学の法則に反しているので、不可能だと思います。
私は、電気分解の電気を他の方法で発生させる(ソーラーなど)ことを前提に
「ウォーターカー」を考えていたのですが、それならばソーラーカーなどの
電気自動車と変わらないとも思います。
燃料電池については知りませんでした。
今はメタノールを用いた燃料電池の時代なんですね。
●「永久機関」
例えば、坂の上から水を流し水車を回し、その動力で下にある水を上に持ち上
げて再び坂の上から流せば、永久に回転する機関ができるのではと研究された
ことがありましたが、今は、このような「永久機関」は不可能であることがわ
かっています。
●「燃料電池」
金属と電解質溶液を用いないで、正極に酸素または空気、負極に水素・アルコ
ール・炭化水素などを用いた電池。
最も簡単なものとして、酸水素電池(モンド・ランガー電池など)があり、
人工衛星に用いられているそうです。
さて次回は、No.23「ダーウィンの種の起源」をお届けします。
======================================================================
{magclick}
======================================================================
■お知らせ■
私(Fujiken)はもうひとつのメールマガジン
『さよなら命−くつのひもが結べない−』を発行しています。
私の高校時代を中心とした自伝的小説です。
受験に悩み、いろいろな恋をし、そして最後は・・・。
爽やかさもあり、考えさせられるところもある青春小説です。
2/23(金)より1,序章から始まります。
よかったら登録して下さい。もちろん無料です。
登録はこちら→ http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/index.htm
======================================================================
■登録・解除は下記のホームページで行えます。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/
■質問、感想などはEメール、または掲示板でお願いします。
Eメール:fujiken@mvb.biglobe.ne.jp
掲示板 :http://www62.tcup.com/6216/fujiken1.html
■バックナンバーはHPまたは下記URLへ
HP :http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/
URL:http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000046152
======================================================================
{magclick}
{magclick}
======================================================================
このメールマガジンはインターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。 http://www.mag2.com/
マガジン名:ちょっとサイエンス マガジンID:0000046152
======================================================================