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●   『ちょっとサイエンス』  2005/1/25   No.218  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「宇宙の年齢と大きさ、一つの宇宙論」
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読者の方からこんなメールを頂きました。

●「佐田」さんより

>小生(54歳あと2ヶ月で55歳)子供の頃からの疑問です。
>お答えを戴ければ幸いです。
>地球は太陽系に属します、その外は銀河系、その外は広大な宇宙、その外は何か。
>又宇宙の直径はどのくらいか?。数十年間いつも疑問に思っていたことです。

今回は佐田さんの質問の回答編です。

1929年、ハッブルは20数個の銀河の距離と速度を測った結果、銀河が地球

との距離に比例して速く遠ざかっていることを発見しました。

つまり、遠くの銀河ほどその距離に比例して速く遠ざかっているのです。

これを「ハッブルの法則」といい、膨張宇宙論の始まりでした。

ハッブルの法則の距離と速度との比例定数を「ハッブル定数」といい、この定数

から宇宙の年齢や大きさを求めることができます。

ハッブル定数はいろいろな求め方があり、まだ確定していませんが、おおよそ

宇宙の年齢は150億年、大きさは150億光年と言われています。

では、その宇宙はどんな形をしているのでしょう?

ここで、アリと次元の話をしましょう。

1次元に住むアリには「長さ(直線)」は理解できても、2次元の「広さ(面積)」

は理解できません。

2次元に住むアリには「広さ(面積)」は理解できても、3次元の「体積」は

理解できません。

3次元に住むアリには、宇宙の体積という概念は理解できても、「宇宙の外は?」

という疑問が出てきます。

3次元に時間を加えた4次元時空の概念を用いた相対論的宇宙論では、「宇宙は

有限であるが、端がない」という答えが出てきます。

つまり、たとえて言うならば、宇宙は風船の表面に銀河や天体が張り付いている

ような物で、アリが風船の回りを旅しても端は見つかりませんが、宇宙は有限な

のです。

そして、その風船のような宇宙は少しずつ膨らんでいる、膨張しているのです。

(http://www.town.bisei.okayama.jp/stardb/gal/data/gal0129.html 参照)

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■ちょっとコメント■

ハッブルは銀河の光のスペクトルを観測し、それらが赤方偏移していることを

発見したのです。つまり、光のドップラー効果により、銀河が遠ざかっている

ために地球に届く光の波長が長くなる(赤い方へ伸びている)ということを

発見したのでした。これが「ハッブルの法則」へとつながりました。

私も、佐田さんのように小さい頃「宇宙は無限なんだろうか?有限だとしたら

その外は何だろう?真空なんだろうか?何もないのだろうか?」と真剣に考え

ていたことを思い出します。

大学時代に相対論的宇宙論の本を読んで、アリと次元の話から、我々には

「宇宙の形は知ることができない」しいて言えば、風船の上に乗っているアリ

のようなものだと、自分を納得させたのでした。

あれからもう20数年経っています。宇宙論も様々なものが出てきています。

今日紹介した宇宙論はその中の一つだと理解して下さい。

宇宙のことを考える面白いけれど、

何かすっきりしないのは私だけでしょうか・・・?

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■「読者からのメール」より■

●「まこー」さんより

>数回前より購読させていただいております。真摯な内容で、バックナンバーを
>ひも解くとかなり高度なものもあり読み応えがあります。
>もっと以前からこのメルマガの存在を知っていればと残念な気持ちです。
> 
>ところで質問です。かなり前に読んだリチャード・ファインマンの著書に、
>「10Mを超える高い木の先端にまで、根から水が供給される仕組みがいまだに
>不明であり、その究明に取り組んでいる知人の科学者がいる」というような意味
>合いのことが書いてあったことを記憶しています。
>
>私も前々から、毛細管の原理から導かれる限界を超えるその現象に対して疑問を
>持ち続け、おそらくなんらかのマイクロポンプ的な機能が、毛根に潜んでいるの
>ではないかと勝手に考えていましたが、この現象はすでに解明されているので
>しょうか?

→Fujikenより

大気圧の大きさから考えて水は10mまでしか上昇しないはずなのに、それを

越える高い木はたくさん存在します。なぜ、10mを越えられるのか?

これは質問の通り大きな謎で、研究している人がいるということは知っていました。

今どのように考えられているのか詳しくは知りませんが、大きな作用として、

蒸散作用が言われています。つまり、木の葉の気孔から水蒸気が出ていく力が吸引力

となり、根毛からの水の吸収力を強め、水の上昇力を強めているという考えです。

私は授業では、この蒸散作用で説明しています。

少しでも参考になれば幸いです。

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