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●   『ちょっとサイエンス』  2004/12/28   No.214  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「火山灰層の中の鉱物を顕微鏡観察しよう」
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今回は、大阪層群に含まれる火山灰層の一部を採って帰り、その中に含まれる

砂粒(鉱物)を室内で観察する方法を紹介します。

まず、「わんがけ」という操作をします。わんがけとは火山灰から粘土部分を

取り除き、砂粒だけを取り出す方法です。

蒸発皿に火山灰を適量入れ、水を浸る程度に入れて、指の腹を使ってよくねっ

てすりつぶします。すると、粘土がとれてにごってくるので、それに7〜8分目

まで水を加え、全体をかき混ぜて、砂粒を下に沈めてから、濁り水を静かに捨て

ます。これを、4〜5回、水の濁りがなくなるまでくり返します。

次に、採れた砂粒(鉱物)を100cc程度のビーカーに入れて水を8分目ほど

入れ超音波洗浄機に入れて5分ほど待ちます。

すると、わんがけではとれなかった細かい粘土がとれて水が少しにごってくるの

です。

そして、そのにごった水をコーヒーフィルターなどでろ過して、砂粒を取り出し、

コーヒーフィルターまま、ホットプレートの上で乾燥させます。

あとはそれを双眼実体顕微鏡で観察するのです。

無色透明な石英や純粋な白色の長石が見られるのはまれで、ほとんどが、マグマ

の液体成分が急冷してできた「天然ガラス」だそうです。

その中に、明らかにへき開した黒雲母が見えます。

その他の有色鉱物は区別しにくいですが、図鑑などを見てみると、へき開面を持

つ柱状の濃緑色した角閃(カクセン)石、柱状で淡い緑色した輝石、輪郭がやや

六角形をしてオリーブ色したカンラン石(カンランというのはオリーブが語源だ

そうです。)などが見られ、その火山灰の特徴が観察できるのです。

(「火山灰分析の手引き」(地学団体研究会)参照 )

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■ちょっとコメント■

今回は大阪市立自然史博物館の石井陽子研究員の指導で観察会が行われました。

私は、なにもかも初体験! 何も知らない状態で参加したので、話の一つ一つ

を新鮮な気持ちで聞いていました。

まず、「わんがけ」では、私が4〜5回やっても、回りの皆さんのように水が

澄んでこないのです。よく、不器用な子が最後まで残ってるあの雰囲気になり

かけたとき、石井先生が「ちょっと貸して下さい。」と言われて、私の蒸発皿

を手に取り、親指で強く押して練っておられました。すると2回ほどで澄んだ

水になったのでした。「やっぱりプロやな〜」と心の中で感心していました。

そして、超音波洗浄機に入れるのですが、なければなくて良いそうです。

初めて見る機械やなと思っていたら、めがねや指輪などの洗浄に使われている

のがこの超音波洗浄機なのだそうです。

そこで、良く知っている方が、エメラルドなどへき開面をもつ宝石は、この

洗浄機に入れると割れてしまうことがあるので、注意が必要なのだそうです。

また、その方は鉱物の研究を大学時代しておられて、南アフリカにある大きな

マダガスカル島は、ダイヤモンド、真珠以外ならなんでもある、鉱物(宝石)

の宝庫だそうで、一度行かれて素晴らしかったとおっしゃっていました。

次にコーヒーフィルターでろ過しているとき、私が空中でポッタポッタさせて

いるのを見ていた若い女性の方が、「フィルターを壁に付けると速いですよ。」

と教えて下さり、普段ろ過でろうとの足をビーカーの壁につけると吸引力が増

してろ過が速いと自分が教えているのに、応用がきかないなあ〜という恥ずか

しさと若い女性に声かけられてなぜかうれしい(?)気持ちとで複雑でした。

それから手軽にホットプレートで乾燥できるのが良いなと思いました。自然史

博物館では、専用の乾燥機があるそうです。

そして、ようやく双眼実体顕微鏡での観察です。

石英のような長石のような「火山ガラス」と黒雲母が見えて感動しました。

本当に宝石のように光って綺麗でした。白っぽい鉱物はステージ板の色を黒に

したほうがより綺麗に見えました。

「よし、撮れるか撮れないか、デジカメでやってみようと!」と接眼レンズの

片方にカメラをつけて、フラッシュをたかないで写してみると、思ったより

綺麗に撮れました。研究用には全然ダメですが、記録用には十分だと思います。

また他の先生が持ってこられたカンラン石も見ましたが、緑色の綺麗な宝石の

ようでした。

中学1年生の3学期に地層や岩石、鉱物の学習があるので、これは非常に役に

立つと大喜びで帰宅した私でした。

今回の観察した写真はすべて下のHPにありますので是非ご覧下さい。

写真はこちら→ http://fujiken2.hp.infoseek.co.jp

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●追伸

先週、「まぐまぐメールマガジン大賞2004」の発表がありました。

その「科学・技術部門」で「ちょっとサイエンス」が第1位になりました!

これも全て投票して下さった皆さんのおかげです。ありがとうございました。

賞に恥じないよう頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

賞の発表はこちら→ http://www.mag2.com/events/mag2year/2004/index.htm

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■「読者のメール」より■

●「増田」様より (前号の「ふたご座流星群を観ましたか?」を読んで)

>いつも楽しく読ませて頂いております。
>難しくて判らない時は、なかったことにして、流してます。
>アシカラズ。
>
>8/13が近つきましたら、御手数ですが、是非流星群の話題をメルマガで取り
>上げてください。
>
>夏の夜空を、田舎で見ようという声があちこちの家で出るでしょう。
>
>日本中で、夜空を眺める人が増えるととても楽しいと思います。
>
>そんなに素晴らしい流れ星だったら、見てみたいですものね。
>
>それと、私は、長野県育ちなのですが、中学の時に学校の行事として燕岳
>(ツバクロダケ2763m)に登ったのですが、夜空の素晴らしかったことは、
>30年経っても忘れられません。
>
>普段から、東京に比べればきれいな空ですが、全然違いますよね。山の上は!
>私は『東京には、夜空がない、と智恵子は言った』と思います。
>
>そんな、素晴らしい夜空を子供達に見せるチャンスですので、時期になりま
>したら、是非御案内ください。

→Fujikenより

分かりました。ちょっと先の話ですが8月になったらペルセウス座流星群の

話題を取り上げましょう。

もっと間近には三大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」が1月4日(火)の

早朝に1時間あたり50個も見える極大期を迎えます。4日早起きするか、

3日の夜から観察するか、興味のある人はチャンスですよ!

それから「星降る様な夜空」というのを私は、幼い小学低学年の時に、母方

の田舎山梨県の山村で観ました。本当にこんなに星があったの?!と思うく

らい星の数でした。そんな夜空をあれ以来観ていないような気がします。

智恵子抄ではないけれど、都会には星が少ないですね・・・。

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マガジン名 「さよなら命−くつのひもが結べない−」
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マガジンID P0001166

内容  著者の高校時代を中心とした自伝的小説です。受験に悩み、いろいろ
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(補足)17章から20章まで書き直し、なぜMが死んでしまうのか、
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