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●   『ちょっとサイエンス』  2004/12/7   No.211  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ 「一般相対性理論により重力よって時間が遅れる!」
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前回のNo.210「相対性理論の質問に挑戦!」の発行後、お二人の方から

このようなメールを頂きました。

●「森多」様より

前回の説明では、ロケットの方が時計の進み方が遅れると取れますが、
ロケットがほとんど無重力に近い状態ならば、一般相対性理論が適用されて
地球の方が時計の進み方が遅れると考えられないでしょうか。

●「てくのぽけっと」様より

人工衛星上の時間はその速度の影響で遅れます。
ただし、重力が地上よりも弱くなるので、反対に時間は進むそうです。
速度と重力の差し引きで時間は遅れるそうです。

新聞か雑誌かの記事で、時間遅れの具体例(影響例)と
して紹介されてました。
GPSの人工衛星の時計が遅れますので、
ほって置くと結果として測位データに誤差がでるので、
時計データを補正しているようです。

たしか、ほっておくと1日あたり地上で30mもの
誤差を生むことになるそうです。
(30m/1day)の数値はあやふやです。

*少し前の雑誌「ニュートン」かも知れません。

→Fujikenより

アインシュタインは特殊相対性理論(実は発表した論文の名前は「動いて

いる物体の電気力学」という名で、後から特殊相対性理論と呼ばれるように

なったのです。)で、静止系とそれに対して並進運動する系との間で、並進

運動系の方が時間が遅れるという事を示し、その後、重力と加速度は等価で

あるという「等価原理」用いて、一般相対性理論を作り、重力によって光が

曲がったり、重力によって時間が遅れるという事を示しました。

お二人のご指摘の通り、私は特殊相対性理論によって「まぼろし」さんの

質問に回答したのですが、一般相対性理論を考慮に入れるとロケット(宇宙

ステーション)が無重力状態で地球を回っていたとすると、地球の重力による

時間の遅れの方が大きくなり、7秒という時差は地球の方がロケットより遅れ

ると解釈するべきだという結論に達しました。

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■ちょっとコメント■

相対性理論は非常に難解な理論です。

もし「まぼろし」さんが中学生なら私はもう少し違った説明をしたかもしれま

せんが、もう高校生で「ニュートン力学」を習っているので、その違いを示そ

うとしたのですが、一般相対性理論によって重力によって時間が遅れる事を

考慮に入れる回答をしなかったのは私の落ち度だと反省しています。

アインシュタインは「光電効果」等の論文によりノーベル賞をとりましたが、

当時発表されていた「相対性理論」によってはノーベル賞を授与されていない

事からもわかるように、当時は、難解であったり、いろいろな解釈があったり

して論議がされていたと聞いています。(光時計なによる時間お遅れなどは

大分後になって示されたようです。)

いつも、読者の方からのメールで支えられている「ちょっとサイエンス」です

が、今回も的確なご指摘をいただき、私の考えを修正することが出来ました。

これからも、読者のみなさんのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

●追伸

「ちょっとサイエンス」は発行5年目に入り、2004年7月末頃からまぐまぐ

のトップページにある「メルマガ定食」の「もしりセット」に採用され、それま

で8000名ほどの読者数だったのが12月5日現在12000名を越えるに

至りました。読者数が増えたことはとてもうれしいことですが、それだけ私の記

事の影響力が増したということなので、強い責任感を感じながら、これからも

おもしろくて(!?)ちょっとためになる(!?)記事を書いていこうと考えて

います。重ね重ねどうぞ「ちょっとサイエンス」をよろしくお願いいたします。

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■「読者からのメール」より■

●「太郎左衛門」さんより

太郎左衛門です。

毎回楽しみに拝見いたしております。

私が相定性理論に接したのは、30年ほど前の高校生の時でした。
いい格好したくて、ブルーバックスを再読して理解いたしました。

大学に入って、物理の時間にローレンツ変換のレポートを書いて、
時間の遅れを纏めた覚えがかすかに残っております。

もっと昔、小学生のころ「ミラーマン」と言う漫画があり、ミラーマンの
最終兵器であるビームを相手により早く当てるために、走りながら発する記述が
有りました。

つまり、光速+ミラーマンの速度>相手のビーム速度、とした訳ですが、
私の小学生のころはこれが普通の考えだったのですね。

今の時代、少し物知りの小学生なら、光速度不変の原理を知っているでしょうし、
作者もその様な記述は書けないでしょう。

そのうち、量子化学などが常識になってくるのでしょうね。

→Fujikenより

ミラーマンの話は私は知りませんでしたが、おっしゃるとおり、光速度不変の原理

からしたら矛盾しますね。

おもしろい話題の提供ありがとうございます。

また、粒子性と波動性が結合された「量子論」についてもいつかテーマとしてとり

あげれたらいいなあと思っています。

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