**************************************************

●   『ちょっとサイエンス』  2004/11/23   No.209  
★          
●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
★                       
**************************************************

毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

----------------------------------------------------------------------
■今日のテーマ  「金星の見える期間の訂正」
----------------------------------------------------------------------

前回No.208「明けの明星がまだ見えている!」の発行後、

読者の「てくのぽけっと」さんからこのようなメールを頂きました。

●「てくのぽけっと」さんより

金星の見える期間についてですが、金星の公転周期だけでなく、金星が動く間

も地球も公転しており、見える期間を長くする方向になります。金星が70日

見える内訳は金星の公転と地球の公転が加算された期間でしょうか。


→そうだ! 地球の公転を考慮に入れるのを忘れていた!ときづき、改めて

計算をし直しました。


金星(内惑星)が太陽と同じ方向に来た時を「合」といい、

地球・金星・太陽の並ぶ時を「内合」、地球・太陽・金星と並ぶ時を「外合」

といいます。内合・外合の付近では太陽と重なるため観測できません。

そして、内合から次の内合まで、または外合から次の外合までの期間を

「会合周期」といい、金星の会合周期は約583日です。

金星の公転周期は約224日ですが、地球の公転を考慮に入れると、

会合周期はそれよりもずっと長い583日になるのです。

そこで、内合・外合周辺では金星が観測できないので、その期間を約3分の1

と考える、583÷3=約194日見えないことになります。

内合周辺ではその3分の1の約97日見えず、外合周辺でも約97日見えない

という計算になります。

そして、明けの明星は会合周期の約3分の1=約194日、宵の明星も

約194日見えることになります。要するに約半年見える計算になります。

ここで、大事なことは、自分の計算と実際の天体の動きとを比較検証すること

を、前回怠ったことが大きな失敗でした。

そこで、先輩の先生から「こよみハンドブック」(大阪市立科学館発行)を

お借りして、金星の見える期間を調べてみると、

現在見えている明けの明星は、2004年7月から2004年12月までの

6ヶ月間見え、2005年1月から2005年4月までの4ヶ月間外合付近

にあたり金星は見えず、2005年5月から2005年12月までの8ヶ月

間、宵の明星として見え、2006年1月の1ヶ月間内合付近で見えない

ことが分かりました。

整理すると 明けの明星は、約6ヶ月間

      外合付近で見えないのは、約4ヶ月間

     宵の明星は、約8ヶ月間

      内合付近で見えないのは、約1ヶ月間

となり、合計で約19ヶ月間(570日間)

となり、会合周期(583日)にほぼ等しくなることが分かりました。

(「チャート式 新地学1」(数件出版)、

 「こよみハンドブック」(大阪市立科学館)参照)

-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

■ちょっとコメント■

外合・内合・会合周期のことをすっかり忘れていたため、前回のような

恥ずかしい間違いを起こしてしまったのです。

そして、もう一つ、自分の考えを、天文年鑑や天文シュミレーション等で

確かめるのを怠ったことも失敗でした。

ところで、宵の明星の見える期間が約8ヶ月、内合で見えないのが約1ヶ月

というのが、私の計算とは異なり、なぜそうなるのか今のところ分かりません。

何か詳しく知っておられる方からの情報をお待ちしています。

メールはこちら→ fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

「訂正とお詫び」の臨時発行をしてから励ましのメールを頂きました。

●「富田」さんより

「ちょっとサイエンス」いつも楽しみに購読しております。
私のような、学校では理系挫折系、でも勉強からはなれた理科や科学は大好き
人間でも、分かりやすい内容で、とても楽しみにしております。

さて、今回の「金星」のお話ですが、間違いは誰にでもあります。
アインシュタインの宇宙定理等、間違いをあげたらきりがありません。
要は「あ、間違えた」と気づいた時にどんな対応をするかですよね。

僕らも仕事で(イベント業をしております)ミスした時は、いかに早く
フォローするかにかかってます。
特に私は凡ミスが多いタイプなので、フォロー、フォローの繰り返しでした。

なので、これからも、ふと気になった科学の話題を、気軽に取り上げ、
そして、もし間違いや別の意見があったらみんなで作り上げて行く、
それで良いんじゃ ないでしょうか。
科学って元々そういう作業ですよね。
だから、今後とも楽しみにしています。

●「naomi」さんより

いつもメルマガを楽しく読んでいます。何度か質問をしたこともありました。
科学の読み物として、又は知識の情報源としてこのメルマガは大変役に立って
います。

今回の間違いにずいぶんショックを受けているようですが、誰にでも、勘違い
や間違いはあるんです。後になって考えるとどうして気が付かなかったんだろ
う?と本当に自分がいやになることも有ります。
私は3ヶ月ごとにある気がする、ははは…

それより、間違いに気がつき早速訂正のメールを送った事が大変いいと思いま
した。

それでは、火曜日のマガジンを楽しみにしています。

→Fujikenより

お二人とも、ありがとうございます。お二人の励ましを糧にし、

もうこのような大きな恥ずかしい間違いをしないよう反省して、これからも

頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

■「読者からのメ−ル」より■

●「テクノポケット」さんより

久々のメイルです。
科学の基本は予測と実証ですね。
なんでも、本やインターネットから情報を
得て納得するのではなく、ある事象を理解するとき
原因と今後の展開を考察するには、「予測」が
大切です。 予測した現象を実証できたときの
喜びこそ、「本物の科学」の喜びです。

私が若い時に愛読した、野尻湖発掘関係の書物の中で、
発掘の中心人物だった、故 井尻正二さんが、
「野尻湖発掘で面白いのは予測した位置に予測した状態で
 埋蔵物が出てきた時だ」と言う意味のことを書かれて
いました。
また、「素人でも、予測は可能だし、その喜びによって、
発掘作業は継続している」と言う意味のことも書かれて
いました。

物事を理解する手法はいろいろありますが、
科学についての手法のひとつが「弁証法唯物論」
と言われる手法で、これも私が若いときに、
目から鱗が落ちる思いで勉強した覚えがあります。

”哲学の貧困”の時代だかこそ、子供達だけでなく、
大人たちにも、しっかりした科学哲学が必要な
時代だと常々考えさせられるこのごろです。

→Fujikenより

科学哲学「唯物論」「唯心論」「科学操作主義」「経験主義」など、

大学のゼミで勉強したのを思い出しました。

●「渡辺」さんより

今回いただきましたメールマガジンに「木星、月、金星の並んだ」
というお話がありましたが、たまたま朝の散歩に出るときに持ち歩
いているデジカメで撮影することが出来ました。全くの偶然でした
。翌日には月は消えておりまして、前日の偶然を喜んだものです。
今回の「ちょっとサイエンス」を読ませていただいてバックグラウ
ンドを理解することが出来ました。ありがとうございました。

現在私のホームページ(http://www5b.biglobe.ne.jp/~cir-KIKI/)
のトップページに写した写真を使用しておりますので、もちろん撮
影は未熟の上HPに載せるため画素数を大幅に縮小しておりますから
良い写真ではありませんが、もしよろしかったらご覧になっていた
だければと思います。

→Fujikenより

ホームページの写真、十分にきれいでした。

できれば、どのようにして写したのか教えていただければ幸いです。

●「柚香」さんより

『下弦の月 - The last quarter -』、観てきました。
この映画のオフィシャル・サイトにも書かれていたのですが、今日と同じ月を
同じ日に見られるのは、19年後なんだそうです。
映画では、これをキィ・ワードにしています。
19年後・・・
そのころの自分は、何をしているのでしょう。
ちょっとしたタイム・カプセルのようで、楽しくてロマンティックですね。

私は天体が好きなのですが、木星と月と金星の天体ショーを見逃してしまいま
した。残念・・・。
新聞等に載せられている写真は、本当にいつ見ても美しいです。
カメラについては詳しくないのですが、綺麗に撮ろうと思っても、なかなか
難しそうです。
ご自分で撮影しようとなさっていること自体が、すばらしいです。

天体ショーは万華鏡に似ていますね。
二度と同じ現象は見られない。
けれど、ひとつひとつが限りなく美しい。

次はどんなショーを見せてくれるのか、とても楽しみです。

→一度、天文観測所に泊まって、星々を観測したり、写真に撮ったりすることを

お勧めします。家族や大勢でいくと楽しいですよ。

-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

■「お勧めメルマガ」コーナー■

お子さんを私立へ行かせたいとお考えの方必読ですよ!
********************************************************************

     ★受験シーズン到来!とともに読者急増中!★

  「お子様を私立へ! そのとき問われる親の役割とは?」

お子様を私立校へと考えられるお母様は必見のメルマガです。
教育資金準備や、リスク回避の具体的な方法などの「果たすべき親の役割」
をわかりやすく母親ファイナンシャルプランナーが解説しています。

 ★まぐまぐライフスタイル版新刊ベスト10入り!読者数1200名突破!★

  登録はこちらから ⇒ http://www.mag2.com/m/0000135730.htm
無料レポート掲載のHPはこちら ⇒ http://www.kyoikushikin.jp/

*********************************************************************


家を建てようのお考えの方必読ですよ!
=============================================================
         ☆☆今週のおすすめメルマガ☆☆

【家づくりの真実!大手の禁じ手に挑戦100の住まい革命】
-------------------------------------------------------------

■失敗するな!!住宅選び・賢い間取り・超耐震は家族の生命を守る。省エネ・

健康住宅は仕上げ材、間取りで決まる。大手メーカーの騙しトーク解読。禁じ

手に挑戦した革命的住まい造りの記録・映像・失敗・裏技情報も公開。

■ご登録は→  http://www.mag2.com/m/0000139467.htm

=============================================================


自分にあった仕事とは?と悩んでるあなた、読んでみませんか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 無料メールマガジン【天職が見つかる魔法の秘訣】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 就職活動中の方、転職をお考えの方、今の仕事は何か違うと感じる方、
 天職を見つけて幸せに夢を叶えてみませんか? 

 ◇成功者が天職を見つけた方法、成功者の父と母が我が子の天職を見つけ
   た方法がわかります。
 ◇あなたが天職を見つける具体的な方法がわかります。

 ご登録はこちらです⇒ http://yumecanvas.com/page008.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-=*-

■お知らせ■「さよなら命」は300円/月が9月から100円/月に値下げ!
             
マガジン名 「さよなら命−くつのひもが結べない−」
      (まぐまぐプレミアムから配信)

マガジンID P0001166

内容  著者の高校時代を中心とした自伝的小説です。受験に悩み、いろいろ
    な恋をし、そして最後は・・・。爽やかさもあり、考えさせられる所
    もある一つの青春小説です。

(補足)17章から20章まで書き直し、なぜMが死んでしまうのか、
    その理由がより明確に表現されました。

発行周期 毎週金曜日(9月3日から第1章配信)

購読料 100円/月(9月から300円/月から100円/月に値下げ!)
入会月は1ヶ月間無料です。

    1章から最終章(20章)まで読むのに4ヶ月かかります。
    (ということは 小説が300円で読めるわけですね・・・!!)

登録はこちら→ http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/11/P0001166.html

(注)各種クレジットで、会員登録し、パスワードを取得
   しなければなりません。

発行元e-mail fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

■ちょっとあらすじ■

興味のあるかたは、

こちらへどうぞ→ http://www.mag2.com/m/0000047204.htm

======================================================================

『ちょっとサイエンス』の

■登録・解除は下記のホームページで行えます。

 http://www.mag2.com/m/0000046152.htm

http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/

■質問、感想などはEメールでお願いします。

 Eメール:fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

■バックナンバーはHPまたは下記URLへ

  HP :http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/

URL:http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000046152

======================================================================

このメールマガジンはインターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。 http://www.mag2.com/

マガジン名:ちょっとサイエンス マガジンID:0000046152

======================================================================