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●   『ちょっとサイエンス』  2004/11/2   No.206  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「恒星の一生−その2−」
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前回の配信後、質問者の笠木様より、このようなメールが寄せられました。

●「笠木」様より 「恒星の一生」について

表記の質問に御返答戴きまして誠に有り難うございました。
大分判りました。が又新しい疑問が生まれて来ました。
「全ての恒星が超新星爆発をするのではない」ということですが、
「なぜ質量の違いによって変わるのでしょうか?」
「恒星の質量に違いがあると何が最も恒星の最後に影響を及ぼすのでしょうか?」
また教えて頂けませんでしょうか。お願いいたします。

→Fujiken

恒星の質量とその恒星の一生との関係をもう少し詳しく説明出来るかな・・・?

と思っていたところ、ちょうどぴったりの回答になるメールが「ゆすと」様から

寄せられたので、今回はご本人の了解を得て、本文に致します。

●「ゆすと」様より 「恒星の質量と恒星の一生について」

初めまして、ゆすとと言います。
いつもちょっとサイエンスを楽しく読ませてもらっています。

さて、今回の恒星の一生についてですが、少し気になったのでメールします。

気になった点@星の重み
読んでて少し説明不足じゃないかな、と思ったのが星の重みについてです。
私はただ宇宙に興味を持ってる素人ですが、色々な本を読んで私なりにまとめた
考えを述べます。

質量の違いによって星の一生は違う。では何故違ってくるのか。

星は、莫大な質量による自重で中心部の元素が圧縮され核融合反応が起こっている。

自重の内への力と、反応の外への力でバランスが保たれ、星は安定して光っている。

よって核融合反応が終わる時が、星の終わりとなる。

核融合反応は元素が重くなるほどしにくくなる為、質量の規模によってどこまでの

元素が融合されるかが変わる。

水素に始まり、融合されるにしたがってヘリウム・炭素と重くなっていくが、

最終的に最も安定した鉄で反応は終わる。

太陽の8倍より小さければヘリウムや炭素で反応は終わり、赤色巨星や白色わい星

となり静かに一生を終える。

恐ろしく重い星(太陽の8倍以上)は鉄まで反応が進み、どんどん核融合反応による

外への力が衰えていく。

やがて自重による内への力が勝った時、星の外層部全てが中心へ向けて爆縮する。

その外層部と中心部の核(鉄)の壮絶な衝突による爆発が、超新星爆発。

その爆発による反作用で核はさらに圧縮され、鉄はその原子の形を保てなくなり

電子が原子核(の陽子)へめり込み中性子となる。

その中性子でも耐え切れない程の圧力(太陽の30倍以上)だった場合、無限に潰れ

ていく特異点・ブラックホールとなる。

耐え切った場合はそのまま中性子が残り、パルサーとなる。

あれ。結局何が言いたいんだっけ…。
決して今回の話が間違ってる、と言いたいわけじゃなくてですね。
好きな題材だったのでちょっと暴走したみたいです…すいません。
えっと、つまりもっと星の重みについて説明したほうがしっくりくるんじゃない
かぁと思いまして。
読んだ感じだと星の内部でぐつぐつ煮てる感じだったもので…。
生意気言ってすみません。

気になった点・・ブラックホールについて
ただ核融合するだけでは鉄が出来て終わってしまうと思います。
何冊か宇宙物理学の本も読みましたが、全て超新星爆発後に出来るとあります。
特異点となるには、やはり最後の一押し、超新星爆発が不可欠と思いますね
(感覚的にも(笑))。
最近の話だと、この爆発があるからこそ鉄より重い元素がこの世に発生したとも
聞きますね。

以上です。
これからも楽しみにしています。がんばってください。

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■ちょっとコメント■

ゆすとさんの説明は、はるかに私の説明より分かりやすいですね。

「ちょっとサイエンス」の読者の方の中には、深い知識や情報をお持ちの方が

いらっしゃるので、こうやってメールを送って下さるとたいへん助かります。

ブラックホールについては「ちょっとサイエンス」のNo.88でテーマとして

取り上げていますが、「脱出速度」という観点から簡単にしか触れていません。

(バックナンバーは→ http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/)

ブラックホールには「特異点」が存在するというのは知っているのですが、

では「特異点」を説明してみろと言われても、私には難しすぎます。

また、勉強してテーマとして取り上げてみたいと思います。

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■「読者からのメール」より■

●「典型的な文系人間のH」さんより

はじめまして
題名にも書いたとおり
私は理数にめっぽう弱い人間ですが
物理や科学、天文学、医学が好きです。
だから科学博物館というと
わくわくしてしまいます。
だから内容はともかく
「空想科学読本」はお気に入りです。

さて今日メールしましたのは
恒星の一生でいつもわからなくなるのが
水素が核融合してヘリウムを生成し・・・
と続いていく仕組みです。
これを図解して説明している
ホームページというものはないのでしょうか。
ブラックホールのできる過程でも
恒星が自分の質量に耐えられずに?
この辺がわかりません。
どうして自分の質量に
つぶれてしまうのでしょうか。
理数系の全然だめな
理科好きの私ようなでも
わかるホームページがあったら
ぜひ教えてください。

現在44歳。
子供の科学の参考書が
大好きな二児の父親です。

→Fujikenより

水素の核融合を図示するのは難しい素粒子理論を使うのではないでしょうか。

私は単に水素原子4個のもつエネルギーより核融合して出来たヘリウム原子

1個の持つエネルギーの方が小さく、その差の莫大なエネルギーが放出される

と理解しています。アインシュタインの相対性理論のE=m(cの二乗)が

関係しているのですね。

ブラックホールが「自分の質量に絶えられずにつぶれてしまう」という言葉も

よく聞きますが、どうなっているのでしょうか・・?

ただ、言えることはブラックホールは私たち(私だけ?)が想像できる範囲

以上の数学の理論から出来ているので理解するのは難しいということです。

分かりやすいホームページを知っている方からの情報をお待ちしています。

情報はこちら→ fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

●「N」さんより

夜空にきらめく星たちの中で、すべて自ら光を放っているのですか。
何割くらいが、そうですか。

→Fujikenより

自ら光り輝いている星を恒星といますね。

星にはあと、惑星・衛星・彗星などがあります。これらは自らは光を出さず

恒星(太陽系では太陽)の光を反射して見えているのです。

夜空の星を観ても、ほとんど恒星ばかりしか見えないので恒星の割合(個数)

の方が多いと思いがちですが、よく考えてみると、肉眼では見えない恒星以外

の割合(個数)の方が多いと思います。

「ちょっとサイエンス」ではNo.147で「太陽系外惑星日本で発見」という

テーマで少しだけ太陽系外の惑星ついて触れています。

バックナンバーはこちら→ http://www5a.biglobe.ne.jp/~fujiken1/

●「I」さんより

いつも楽しく読ませていただいております。
日食月食のたびに疑問に思っていたことなのですが、あまりにも幼稚で基礎的
な知識が不足しているからだろうと何十年もほったらかしにしていました。

太陽、地球、月が同じ平面状にあるなら(ここが違っているのかな)、満月、
新月のたびに月食、日食が起こると思うのですが?−−−
とここまできて地軸が23.5度傾いてるせいで、月の軌道はきっとこの平面状
にないのだと気ずきましたが正解でしょうか?

南緯7度当たりに住んでおりますが、夜空がとてもきれいです

→Fujikenより

太陽・地球・月が同一平面上にないために、満月・新月のたびに日食や月食が

おこるのではない・・

私もここまでは知っているのですが、地軸が23.4度傾いていて、月の軌道

が公転面から外れているから・・と言われて私もハッと思ったのです。

衛星の軌道は惑星の自転の方向とほぼ直角という関係があるように思います。

衛星ではありませんが、木星の輪や土星の輪が少し傾いているのはそのためだ

と理解しています。ですから天王星は自転軸が公転面とほぼ同じ、いわば横に

自転軸があるので輪は公転面に垂直(いわば縦)になっています。

そこで、Nさんの言われるとおり、月は地球の公転面から23.4度傾いて

地球のまわりを回っているのかも知れない・・と思うのですがどうでしょうか?

詳しいことを知っている方からの情報をお待ちしています。

メールはこちら→ fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

それにしても、Nさんは南緯7度、赤道付近に住んでおられるのですね。

きっとハワイのようなきれいな夜空を観ているのでしょう・・ウラヤマシー!

●「福原」さんより

論文の掲載予定のHPを作っている方が先日の「新潟中越地震」で被害を受け、

当分動けないという内容のメールがありました。

10月末に国際会議に出発されたそうです。

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