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●   『ちょっとサイエンス』  2004/10/19   No.204  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「地球窒素の起源について−その2−」
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前号に引き続き、「地球窒素の起源について」の論文について苦労話などを

福原様からメールを頂きました。

●「福原」様より

これは8年間かけ50cmの高さを超える論文、資料を調べて作った私の傑作

です。最初、米英の地球科学2誌に各々2報出しましたが、編集者から「非常

に面白く科学史が変わるような内容だけれども、貴方は専門家ではない。

専門家の意見を聞け」と言われました。

国内の3−4人の大学人に聞いても返答ありませんでした。

諦めていたところ、欧州物理学会の前会長に話が伝わり、イタリア物理学会誌

に推薦され、査読の後、掲載された訳です。条件として、2報を1報にさせら

れました。学術論文である以上ミスは許されません。天文学、気象学、惑星学、

宇宙論、地質学、結晶学、核物理、核化学、熱力学、固体物理学、生物学と

あらゆる自然科学分野の勉強をしました。幸い私の工学博士の学位論文が

Ti(C,N,O)であったため、C+O→2Nの発想となったわけです。

またC,OよりもNの方が形成自由エネルギーが低かったことも大きな励み

でした(たまたま原子番号Nのあたりで核形成エネルギーが変化します)。

物理的触媒反応として原始地球の地殻変動から起因する中性パイオンと原始

太陽からのニュートリノを利用しております。

この種の常識を覆すような論文はなかなか掲載されません。かのアインシュ

タインも小纏(まと)めに小論文を出版し、その後纏(まと)めるという

手法を使っております。

自然は実に美しく巧妙です。「ちょっとサイエンス」はここ最近、質が向上

し面白くなってきました。楽しみにしております。

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その後、「地球窒素の起源について」に対して質問が寄せられました。

●「大森」様より  「C+O→2N」について

初めまして、大森と申します。いつも楽しく拝見させていただいております。

さて、件名についてなのですが、果たしてそのような核融合が地球上の環境の

中で起こりうるものなのでしょうか。吸熱反応とはいえ、かなりの活性化エネ

ルギーが必要になり、実質的に本当に起こりえるものなのか疑問です。

古代の地球環境がどのようなものだったのか存じ上げませんが(勉強不足を

棚に上げまして申し訳ございません)、核融合反応が起こるような高温高圧

状態 ではないように思います。また、反応が吸熱反応であることからも、

核融合連鎖を続ける温度を確保できなくなるのではないでしょうか。

素人考えからですが、率直な感想です。ただ、窒素の存在量が地球では

特異的に大きいことは初めて知りました。同じ地球上でも、同位体の存在比

が異なる 物質があるそうですが、分からないことだらけですね。

これからも、素朴な疑問等を取り上げていって下さい。

勝手にしゃべりまして申し訳ございません。ありがとうございます。

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大森さんの質問に対して福原さんから回答を頂きました

●「福原」様より  「大森様の質問について」

お疑いは尤もだと思います。まだ、発熱の核融合(fusion)と異なり、

低エネルギーの核変換(transmutation)は未だ幅広く認められていないからです。

しかし、世界で少しずつですが、実験データが出始めております。日本でも

数名データをもっておられる方がおられます。私の場合はたまたまNの核結合

エネルギーがC,Oよりも小さかったので、吸熱反応でしたが、発熱の方が多い

のではと思っております。核間の強大なクーロン力を緩和する物理的触媒と

して中性パイオンを、またその生成過程でニュ−トリノを用いています。

詳しくはイタリア物理学会誌を見てください。なお、知人の高橋さんがホーム

ページで私の論文を原稿の形で紹介しております。

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■ちょっとコメント■

大森さんの質問の中にあるように「C+O→2N」という吸熱核反応が起こる

環境に原始地球があったのかどうか? これが一つの疑問ですね。

「木星がもう少し重たければ第二の太陽になった可能性がある」というのは

よく知られていることですが、原始地球も原始木星ほどではないにしろ、非常に

大きな熱エネルギーを持っていて「C+O→2N」の反応が進んだ可能性はゼロ

ではなかったと私は思います。

福原さんは原始地球の地殻変動から起因する中性パイオン(パイ中間子)と

原始太陽からのニュートリノによる触媒反応を説明で使っているようです。

もう一つ、核融合の連鎖反応を続けることができるだろうか?という大森さんの

質問も、もっともです。

私も、量子力学、核反応に関しては詳しくは分かりませんが、

「C+O→2N」の吸熱核反応によって、灼熱(しゃくねつ)の地球が徐々に

冷やされていき現在にいたったと考えるのは安易すぎるでしょうか?

それから、福原さんの言う「窒素こそ生命の起源ではないか」ということばも

タンパク質に窒素が欠かせないことからも私は納得しています。

詳しく論文の内容をご覧になりたい方のために、次回HPアドレスを

紹介したいと思います。

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■「読者からのメール」より■

●「柚香」様より 「ミンミンゼミ」について

はじめまして、こんにちは。
柚香と申します。
いつもメルマガ楽しく読ませていただいております。

さて、ちょっと季節が外れてしまいましたが、ミンミンゼミについてです。
私も岐阜県東部(瑞浪市)の山奥に棲んでいます。
我が家では、毎年かならずミンミンゼミの合唱が聞こえます。
9月中旬くらいでも、少しだけ鳴いていた気がします。
夏中に鳴いていたのは、他にツクツクボウシやヒグラシです。
アブラゼミについては、残念ながら、ちょっと憶えていません。
とにかく、ミンミンゼミが喧しかったことは確かです。
拙い情報で申し訳ありませんが、ご参考になれば幸いです。

→Fujikenより

岐阜県でミンミンゼミの合唱! ウラヤマシ〜!

ちょっと気になるのは夏中に鳴いてた「ツクツクボウシ」ということですが、

ツクツクボウシは夏の終わりに鳴くので、ちょっと勘違いしておられるのでは

ないか? いや、岐阜は気温が大阪より低いから夏の早い内から鳴くのか?

どちらでしょう?

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内容  著者の高校時代を中心とした自伝的小説です。受験に悩み、いろいろ
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