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●   『ちょっとサイエンス』  2004/9/14   No.199  
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●    発行者 Fujiken      毎週火曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「ウランの半減期による年代測定法」
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読者の方からこんなメールを頂きました。

No.196「地球の年齢の測り方に関しての質問です

●トミタと申します。2度目のメールとなります。
いつも楽しくメルマガを拝見させて頂いております。
昨日の年代測定法についてですが,
やはり分かりませんでした。
半減期は半分になるまでの時間ですから,
元の量が分からないことには,年代の決定ができないのではないでしょうか?
45億年前にどのくらいあったのか,どうやってわかったのでしょう?
できればお教えください。
超新星爆発での組成が分かっているなら,現在の環境と比べればいいだけの話
ですし。(昔の石を測定する意味も不明です)

専門書を読んだことすらないので,質問ばかりになってすみません。
”高橋さん”の疑問が私と全く一緒だっただけに,
失礼ながらメールさせて頂きました。

どうぞ,よろしくお願い申し上げます。

●今日はその回答編です。

ウランU(質量数238)は自然に放射性崩壊(α崩壊、β崩壊)を続けて、

最後には鉛(Pb)の同位体、つまり原子番号82で、質量数が208、207、206

のいずれかになります。

U238の半減期(放射性元素の量が半分になるまでに時間)は約45億年

です。

地球の年齢は、おもに、このU238の半減期により、46億年(または

45億年)とされています。

ここまでは、どの資料にも載っていて、年数と放射性同位体の数がグラフや

数式で表されています。

私は、それを使わないで説明することを考え、自分の推察を述べたいと思い

ます。ですから、ここから先は間違っている可能性が大きいことを含んで

読んでいただきたいし、もし読者の中に専門家がいらっしゃれば指摘して

頂きたいと思います。

U238はどこにもあるものではありません。やはり一部が固まって存在し

ていて、そういう固まりをウラン鉱床と呼ぶことにします。

地球の地下深いところからウラン鉱床を見つけてみると、U238の一部が

Pbの同位体に変化してくっついているのではないのでしょうか?

そこで取り出したウラン鉱床の一部のU238の数(質量から求められます)

とPbの同位体の数を求めると、ほぼ同数になっていることから、U238

の半分がPbの同位体に変化している、このことからウラン鉱床が出来た時代

から、U238の半減期だけ年数が経過していると考えられているのでは

ないでしょうか?

そこでU238の半減期分の年数45億年が地球の年齢と推測されていると

私は考えます。

(参考HP http://www.nendai.nagoya-u.ac.jp/doc/halflife.pdf )

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■ちょっとコメント■

放射性物質の半減期による年代測定法は、たしか高校時代に勉強した記憶が

ありますが、それは数式の利用や公式の利用でしたので、実際にどうしている

かは考えたことがありませんでした。それを今回高橋さん、トミタさんに

よって考えるきっかけを与えて頂きました。

いつも、この「ちょっとサイエンス」は読者の皆さんに助けられているなと

思っています。

高校や理論系の物理学などでは、机上の計算や理論の応用などをしていて、

「実際にはどうしてるの?」という所が抜けてしまう事が多いような気が

します。理論屋さんと技術屋さんの両立が文化を発展させていくのだという

ことを感じた今回でした。

前にも触れましたが、読者の中に専門家の方がおられたら、ご指摘のメールを

ぜひ送って下さい。お願いいたします。

メールはこちら→ fujiken@mvb.biglobe.ne.jp

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■「読者からのメール」より■

●「ホッシー」さんより (下弦の月について)

「上弦の月」「下弦の月」については、
「上(かみ)の弓張り月」「下(しも)の弓張り月」という言葉が伝えられて
いるよう、その月(旧暦の1ヶ月)の前半、後半を意味しているそうです。
つまり、「弦の上下」ではなく、満月の前か後か、を意味するもののようです。
ご参考までに。

→Fujikenより

上弦が旧暦の前半、下弦が旧暦の後半ということなのですね。

初めて知りました。貴重な情報ありがとうございました。

●「肥後の金工」さんより (セミ調査について)

今日、9月8日熊本市熊本城付近で「ツクツクホウシ」が鳴いておりました。
子供の頃は夏休みの宿題をする頃鳴いていたいたのですが少し遅いような気が
します。

熊本の市内では以前は聞いたことが無かった「ヒグラシ」の声をここ数年聞く
ようになりました、標高の高い阿蘇方面へ行くと聞いたものですが平地まで
生息域を伸ばしているようです

→Fujikenより

「ツクツクボウシ」が9月になっても鳴いてるのは残暑が厳しいから?

地球の温暖化のためとも考えられますね。

「ヒグラシ」はあまり詳しく知らないのですが、高地(または少し気温の

低いところ)にもともと生息していたのでしょうか?

となると、平地にまで生息地を伸ばしてきたというのは、さっきとは逆に

平地が涼しくなったということでしょうか?

ちょっと原因がわかりにくいですね。

→「肥後の金工」さんより
 
ヒグラシの移動は植物の植生が変わったのが一因かもしれません。
昔はほとんど雑木林だったところが伐採されて杉檜の林に変わってしまい
ました。棲家を追われて里に来たのでしょう。
近隣の山は手入れができていない針葉樹の林かみかん畑に変わっております。
 
以前10年ほど前に熊本県人吉市の山林王の方が80才の頃にお会いしたのですが
立派な山ですねと言ったらその老人は
「私は一生かけて自然を壊してきた」と言われました。
良かれ思ってやって来た事がそうではなかったのです。
雑木林を伐り炭を焼きその跡に杉を植えたのです
小作の人が何十家族も山に入り数十年にわたり雑木林を杉山に変えてきたのです。
小作のいるところに山の分校があったと話しておられました。

最近やっとお国も間違いに気が付いて雑木林を作り始めていますが一朝一夕
には回復しないようです。

→Fujikenより

森林伐採による生態系の変化と、植林は、環境問題として今はとても

大きな問題になっていますね。メールありがとうございました。

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