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●   『ちょっとサイエンス』   2003/11/11   No.155  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「グレゴリオ歴とうるう年」
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太陽が春分点を出発して再び春分点にもどるまでの時間を1太陽年といい、
365.2422日です。

そこで、その端数を調節するために、4年に1回うるう年を設けて1日分を
加えて、2月を29日としています。

そうすると、逆に1太陽年よりも0.0078日だけ長くなってしまいます。
つまり1年につき0.0078日だけ多すぎることになるので、400年間に
0.0078×400=3.12日だけうるう年が多すぎることになってしまいます。

そこで、400年に3回うるう年をやめることにすると、太陽の年周運動と
よりよい一致を示すことになるので、現在の暦は、うるう年について次の
ように定めています。

1,西暦年数が100の倍数以外の年は4の倍数の年をうるう年とする。

2,西暦年数が100の倍数の年は、400の倍数の年だけをうるう年と
  して、400の倍数でない年はうるう年にしない。

これは、1582年に、ローマ教皇グレゴリオ13世が、天文学者の
クラビウス等の意見をとり入れて改暦したもので、「グレゴリオ歴」と
呼ばれています。

それまでは、「ユリウス歴」と呼ばれているもので、B.C.46年にユリウス・
カエサルがエジプトの暦をとり入れて、1年を365日とし、4年ごとに
うるう年をおくものでした。

(チャート式「新地学」(数研出版)参照)

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■ちょっとコメント■

ちょうど2000年の年が上の表記の2にあたり、100の倍数で、400の
倍数だったので、うるう年になったのですね。

うるう年の時は「オリンピック」が開催されるっていうのは常識ですよね。

私は、小学生の高学年の時に百科事典(こりゃまた古い?)を見ていて、
1日が23時間56分4秒であることと、1年が365日5時間48分46秒
であることを知っていたので、なぜ4年に1回うるう年があるのかを知ってい
ました。(これって自慢!?)

一方「うるう秒」の方はセシウム原子時計が実用化され、地球の自転周期の
変化で50年間で約30秒の遅れがみられることがわかり、地球の自転周期と
時刻のズレが0.9秒を越えないように「うるう秒」で調整しているそうです。

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■「読者からのメール」より■

●Sさん

いつも楽しく拝見しております。

今回のテーマである「マイナスイオン」について、以前から疑問をもってい
したのでこの機会に質問させていただこうと思います。

1.中学や高校の化学ではマイナスの電荷を帯びたイオンをマイナスイオンと
説明しているはずです。
よって、OH-もCl−もSO4(2-)も全てマイナスイオン(もしくはマイナス
イオン基)です。
一般に言われているマイナスイオンとは、一体何の元素もしくは基のイオン
なんなのでしょう?

2.記事中にも空気中にマイナスイオンやプラスイオンが存在していると表記
されていたと思いますが、
イオンの状態というのは不安定な状態であるので、不安定な状態のまま安定
して在るというのが、どうにも理解できなくて苦しんでいます。
説明をお願いします。

→Fujikenより

>イオンの状態では不安定ではないか

という質問ですが、例えば、Cl−などは、Cl原子では
最外殻電子が7個あり、8個で安定な状態になり、不活性元素のArに
なります。よって「マイナスイオン」というのは電気的には
不安定な(反応しやすい)性質がありますが、イオン自身は安定した
電子状態にあります。

>「マイナスイオン」は一体何の元素なのでしょうか

という質問ですが、これはくわしく専門書か、HPで調べるしか
ないですね。
私の想像ですが、O2−が多いのではないでしょうか?
水からも生成されやすいし、光合成からも生成しやすい
そんな気がするのですが? その他の分子のイオンかもしれません。

半分回答になってなくてすみません。

●「とんとん」さんより

> 活性酸素は、体を酸化し病気や老化の原因の一つであることが解明されていま
> す。酸化は「物質から酸素を奪う」ことなので、その物質は「プラス状態」に
> なるのです。
>
> 酸化とは物質から「電子」を奪う現象をいうと、化学で習った覚えがあります。
> ですので、陰イオンから電子を奪えば中性か「活性」に、中性の物質から電子を
> 奪え
> ば陽イオンか「活性」になるのではないでしょうか。
> 「活性」になっている物質はさらに電子を受け取るか、受け渡すかし、安定
な状態に なると記憶していますが。

→Fujikenより

いわれるとおり、「物質から酸素を奪う」はまちがいで「電子を奪う」が
正しいと思います。

> 今までは、プラスイオン、マイナスイオン、中性の物質がバランスを保ってい
> たのですが、最近は、車の排気ガス、有害なゴミの消却、工場の排煙などで、
> どんどんプラスイオンが増え、マイナスイオンが減っているのです。
> その影響で、頭が痛い、イライラする、アレルギーなどの皮膚疾患などに現れ
> ていることが最近の研究で明らかになってきました。
>
> ここでいうプラスイオン、マイナスイオン、中性の物質とは何なのでしょうか?
> これらが何なのかいくら調べても分からないのです。
> NOx、SOx、COなら水に溶かせば陰イオンになりますが身体に良いとは思えません
> し・・ ・・

→Fujikenより

ここの質問は他の方からもあったのですが、よく分かりません。
マイナスイオンとしては、O2−などが考えられると思います。
プラスイオンはダイオキシンなどを指すのでしょうか?
もうすこし調べないといけないと思います。

> マイナスイオン測定器で測っても自然、森の中が一番多いのです。
> マイナスイオン測定器はどんな原理で、なにを量っているのでしょうか?

→Fujikenより

空気を吸い込むような装置で、プラス、マイナスのどちらかの電気を持つか
調べる装置としか分かりません。すみません。

> それは、滝の水が落ちた衝撃で水から電子が飛び出し、空気がマイナスイオン
> を多く含むのではと考えられています。
> この程度の物理的衝撃で、電子が飛びだすのも疑問なんです。
> 電子が直接ぶつかってきたら、「β線」のようで怖いですし。
>
→Fujikenより

私もこの記述をしたときに?と思ったのですが、電子というのは、
最外殻電子なら簡単に外へ飛び出すくらいするのかなあと思って
いたのですが、よく考えれば、マイナスイオンになるには、電子を
もらわないといけませんよね。
記述が間違っていると思います。
電子が飛び出すβ線のような物ではなく、分子内で電子をやりとりする
と理解したらどうでしょう。

●「Y」さんから

はじめまして。
今回のメルマガでマイナスイオンが取り上げられていたので、一言。
私は電気分解関連の仕事をしているので、一時期よく調べましたので。

まず、下記のサイトにありますように、国民生活センターではマイナス
イオンの人体への効果は不明と言う立場を取っています。

http://esp2003.hp.infoseek.co.jp/m_ion.html#kokumin030905

ただ、滝の所等に行ったときには確かにすがすがしい気分になりますし、
ある程度効果はあるような気もします。

で、現在良く売られている空気清浄機ですが、パンフ等では以下の事が説明
されていません。

1,マイナスイオンを多量に発生しているものの、同時にプラスイオンも多量
に発生している。

そのため、差し引きすると、マイナスイオンの増加量はそうたいしたものでは
ない。

2,下記のサイトにあるように、オゾンが同時に発生している。

http://esp2003.hp.infoseek.co.jp/m_ion.html#kaigi_hodo

オゾンは以前では脱臭・殺菌効果がありますので、現在浄水場での殺菌にも
使われています。

マイナスイオン空気清浄機のさわやかさは、このオゾンによる効果が大きいと
思います。

ただ、オゾンは人体へも影響しますので、あまり吸いすぎると肺がやられて
しまいます。

また、脱色性能もありますので、インクジェットプリンターで印刷した写真
などを清浄機の前に置いておくと、一日ほどで真っ白になってしまいます。

以上、メルマガには疑問も書いていましたが、マイナス面が書かれていな
かった事がちょっと気になりましたので、お送りいたします。

→Fujiken

以上、熱心な読者からのメールありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

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