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●   『ちょっとサイエンス』   2003/10/7   No.150  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「科学史『物質の探究』その2」
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ドルトンの原子説の弱点が明らかにされる、新しい実験事実が発見されました。

1805年にフランスのゲイ・リュサックは正確な実験を行い、酸素の体積1に対
して、水素の体積2が化合することを知ったのです。

彼は他の気体の反応についても調べ、1808年に、反応する気体だけでなく、
反応によってできる気体も含めて体積比が簡単になることをつきとめたのです。

反応する気体と生成する気体との体積比は等温等圧では簡単な整数比になると
いう「気体反応の法則」の発見によってドルトンの原子説はぐらつきました。

気体反応の法則から水素と酸素から水蒸気が出来るときの体積比は2:1:2
で、これを原子にあてはめると、分割できない原子を分割しなければならなく
なってしまいます。

そこで、イタリアのアボガドロは1811年に、原子が2個結びついた分子を考え、
分子が原子に分割するとして、矛盾を解決しました。
これがアボガドロの分子説です。

原子や分子の存在は確かなものとなっていきましたが、実際には目で見ること
はできないものでした。

イギリスのクルックスは1879年に陰極線を発見しましたが、
イギリスのトムソンは陰極線がマイナスの電気を帯びた粒子の流れであること
を知り、これを「電子」と名付けました。(1897年)
さらに彼は電子の存在から原子の構造を考え、原子はプラスの電気を帯びた
球体の中に電子がスイカの種のように入っているものと考えました。

1911年にイギリスのラザフォードは薄い金箔にプラスの電気を帯びたアルファ
粒子を当てる実験を行ったところ、原子の中心にプラスの電気を帯びた小さい
核があることがわかりました。原子核の発見であります。
原子は原子核のまわりを電子がまわっている太陽系のようなものと彼は考えた
のでした。

そのころ日本の長岡半太郎は土星型原子模型を提唱しています。

ラザフォードの実験は原子核がもつプラスの電気の量を測定することに役立ち、
やがて原子核に含まれる陽子の数を示す原子番号の発見に結びつきました。

1932年にはイギリスのチャドウィックのよって新粒子の「中性子」が発見され
ました。

中性子が発見されると、正に帯電した陽子と中性の中性子がなぜ結合するのか
が問題になりました。

1934年、日本の湯川秀樹は陽子と中性子は「中間子」という粒子を交換するこ
とで結合しているという説を提唱しました。
予言された質量をもった中間子はまもなく見つかり、湯川秀樹は日本人初めて
のノーベル賞を得たのでした。

その後、物質の究極の姿はますますミクロになっていきました。

1950年代以降の高エネルギー加速器の登場によって、素粒子の数は100を
超えました。
ほとんどの粒子は不安定で非常に短い時間の間に別の粒子に変わってしまい
ました。

1964年、アメリカのゲルマンやツバイクらは陽子や中性子などの粒子は、よ
り基本的な「クォーク」という粒子から出来ているとする説を提唱し、現在
に至っています。

現在の物理学は「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」の4つの力を
まとめた理論の構築の研究がなされていて、「超ひも理論」という新しい
理論も研究されています。

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■ちょっとコメント■

昔は、中学校でも「気体反応の法則」から、なぜ「原子論」から「分子論」に

移り変わったのかを教えていました。

今は、先に化学式を教えてこういう原子の集まりを分子というのだよと教えて

います。

なにか物足りない気持ちを持っているのは私だけではないと思います。

「クォーク」理論になると私には難しく、一応挑戦してNo.71,72「物質の究極

の姿」でテーマとして取り上げていますので、バックナンバーを参考にしてい

ただけたらと思います。

2000年9/29創刊号を発行してからおかげさまで150号を迎えることが出来ま

した。4年目に入り200号目指して頑張りますのでこれからもよろしくお願

い致します。

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