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●   『ちょっとサイエンス』   2003/9/30   No.149  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「科学史『物質の探究』その1」
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万物は何から出来ているのだろうか?
この疑問の発生は古く古代ギリシャ時代にさかのぼります。
紀元前7世紀に、哲学者タレスは万物は「水」からつくられると説いたとき、
古代の元素観が生まれました。

紀元前5世紀のギリシャのデモクリトスは万物は分割不可能なアトム(原子)
とそれを取り巻く空虚からなっていると考えました。

紀元前5世紀にエンペドクレスは水・空気・火・土の四つを元素とし、これら
が結合、分離したりして万物をつくると考えました。

紀元前4世紀、アリストテレスも同じ四元素説を唱えました。
しかし、彼はこれらの元素は何か正体不明のものに、冷・温・湿・乾のどれか
二つの性質が作用してあらわれるとしました。
そして、その性質を交換すれば元素は他の元素に交換できると考えたのです。

やがて、この四元素説は錬金術の考えの支えともなって発展していき、
その後、約2000年も続きました。

金属の精錬や合金の製法は、古代エジプト時代からありました。
その技術がしだいに発達してくるにつれ、鉛のような安価な金属を高価な金に
変えようとする試みが行われるようになりました。

アリストテレスの四元素説が信じられ、錬金術のように科学と宗教が混じり合
った時代が永く続いていたのです。

しかし、17世紀の中頃、イギリスのボイルは物質を分割していき、それ以上
分割できない最も単純な物質を元素というべきだとしました。
新しい元素観の芽生えでした。

1774年ラボアジェは物質の質量を天秤ではかり、化学反応の前後で物質全体の
質量は変わらないという「質量保存の法則」を発見しました。
その後、多くの化学者は物質の質量に注目するようになったのです。

1799年フランスのプルーストは元素が化合するとき、元素間の質量の比は
一定の値を示すという「定比例の法則」を発見しました。

イギリスのドルトンは「定比例の法則」が成り立つのは、各元素ごとに決まっ
た質量を持つ原子があって、この原子が結合するから元素間の質量比が一定に
なると考えました。

このように彼は原子に質量の概念を取り入れて、1803年に「原子説」をたてた
のでした。

(ニュートン参照)

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■ちょっとコメント■

十数年前に科学雑誌「ニュートン」に掲載されていた『探究』シリーズをもと

に、今回は「『物質の探究』その1」をまとめました。

私は大学時代、物理の研究室配属になったのですが、理論は難しすぎる、実験

もたいへんらしい、そんな中「科学史」の研究室があると聞き、門をたたいた

のでした。そして、デモクリトスの唯物論的原理から成り立つ「原子論」など、

いろいろな科学的思想(哲学?)などを中心に研究したのです。

4回生のある科学史の講義では、自分から進んで、メンデレーエフがどうやっ

て周期表を完成させたのかをまとめて発表をしたのを今も覚えています。

時には研究室に泊まり込んだりして、大学時代って好きなことを好きなだけ

勉強できるなつかしい時代でした。今も「科学史」が私の生涯のテーマになり、

「ちょっとサイエンス」発行のきっかけにもなったのでした。

次回は分子論から原子の構造の研究へとつづく「『物質の探究』その2」を

お送りします。

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■訂正とお詫び■

前号No.148「海藻おしばを楽しむ」の中で、ミルは褐藻類と書きましたが、

大きな間違いで緑藻類でした。おしば作りの時はきれいな「緑色」していたの

ですが、乾燥すると「茶色」に変色していたので間違えてしまいました。

ここに訂正し、お詫びいたします。

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