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●    『ちょっとサイエンス』    2000/12/15   No.13 
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●     発行者 Fujiken        毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ  「ノーベル化学賞に白川氏」
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2000年のノーベル化学賞に筑波大学名誉教授の白川英樹氏(64)ら3人が
選ばれました。

受賞理由は現代の情報技術(IT)を支える「導電性ポリマー(高分子化合物、
プラスチック)」の発見と開発です。

プラスチックは金属と違い、一般に電気を通さない良質な絶縁体と考えられて
きたのですが、白川氏らはポリアセチレン(プラスチックの一種)にヨウ素を
加えて分子構造を変え、電導性を持たせることに成功したのです。

これにより、金属よりも軽量で、加工性に優れ、安価な導電性素材を作り出す
ことが出来るようになりました。
この新素材はプラスチック製の太陽電池、携帯電話やタッチパネルなどの表示
画面などに応用されています。

電気を通す有機化合物(プラスチック)のアイデアは、日本生まれの
オリジナルで、1950年、分子科学研究所所長の井口洋夫博士らが、炭素化合物
「ビオラントロン」で初めて電流が流れるのを確認したのが、この分野の誕生
するきっかけになりました。
また、高分子の研究も日本が得意としてきた分野の一つで、これらの伝統の
上に、白川氏は独特の卓越したアイデアを加えて、将来の電子部品材料として
大いに期待されるこの分野を切り開いたのでした。

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■ちょっとコメント■

白川氏が導電性高分子を研究の対象にした理由を聞かれた時、
有名な登山家の言葉を引用し、

「何故なら、そこに山があるから・・・」

と、答えたそうです。

気になる賞金は900万スウェーデン・クローナ(約1億350万円)で、
3人で分けることになるそうです。
それにしても、賞金が高額になってきましたね。昔は名誉はあるが、賞金は
少ないというイメージが強かったのですが・・・。

これまでの日本人のノーベル賞受賞者をあげてみると、

1949年 湯川秀樹   物理学
1965年 朝永振一郎  物理学
1968年 川端康成   文学
1973年 江崎玲於奈  物理学
1974年 佐藤栄作   平和
1981年 福井謙一   化学
1987年 利根川 進 生理学・医学
1994年 大江健三郎  文学

今回の白川氏が9人目の受賞者となります。

本当におめでたいことですね。

「日本の未来は明るい!」と叫びたいものです。

なお、授賞式は、ノーベル賞創設者であるダイナマイトを発明した
アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日に、
ストックホルムで行われました。

次回からシリーズでノーベル賞受賞者を取り上げていこうと思っています。

さて次回は、No.14「湯川秀樹の中間子論」をお届けします。

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