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●   『ちょっとサイエンス』   2003/5/6    No.126  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「デモクリトスの原子論」
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古代ギリシャのデモクリトス(紀元前400年ごろ)は、レウキッポスの弟子で、
師の原子論を継承し、発展させました。

その頃の原子論は、「物質は不変不滅の原子(アトム)が無数に存在し、
それらが運動する無限で空虚な空間があり、その両者によって万物は生成・
変化・消滅する」という、哲学的にいう唯物論(物質は根元的に物質から成り
立ち、精神や意識をも物質の変化としてとらえる考え)でした。

デモクリトスとほぼ同じ時代に「万物の根源は水である」と言ったタレスが
います。

タレスは水を根源的な物質ととらえながら、水によって万物が生きていると
いう意味も含めた、原子論とはまた違う、哲学的な表現だったのです。

古代ギリシャでは、科学者と哲学者の区別がほとんどなく、デモクリトスも
タレスも現代からみると、科学者というより哲学者に近い存在だったと言えま
す。

デモクリトスの原子論も、鉄原子と銅原子の違いという原子論ではなく、万物
の根源が原子(アトム)であるという抽象的な表現で、どちらかというと哲学
的な考えによるものだったのです。

近代的な原子論は18世紀のドルトンまで待たなければならなかったのです。

それは、18世紀に質量保存の法則、定比例の法則、気体反応の法則など、
近代の重要法則が発見されてから、ドルトンがそれらを原子論で説明しようと
試みたのでした。

(自然科学史 友松芳郎編 創元社、大辞林(三省堂)参照)

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■ちょっとコメント■

ウィークリーまぐまぐで2003年4月7日は手塚治虫氏の「アトム」の誕生
の日だということで、関連マガジンとして、この「ちょっとサイエンス」が紹
介され、読者も1000名ほど増え現在8200名ほどになりました。

しかし、今日まで「アトム」について取り上げず、時間がかかりすぎたことを
お詫びいたします。

今もいろいろなロボットが発明されていますが、手塚治虫氏の「アトム」のよ
うなロボットはまだまだ先になることでしょう。後、何年いや何十年かかるで
しょうか・・・。

私事ではありますが、私は昭和の終わりの頃、手塚治虫氏の講演を聴く機会が
ありました。

学校長が手塚氏と友人であるということから、中学生にどうして「まんが家」
になったかを講演していただきました。

その時の印象は、まんがに出てくるちょっと小太りのベレー帽をかぶっている
手塚氏ではなく、ベレー帽はかぶっておられましたが、とてもやせていたとい
う印象でした。

その後、ガンで亡くなられたので、やせておられたのもその為かな?と思って
います。

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■「読者からのメール」より■ 「ES細胞」について

●「K」さんより

私は昨年の春I型糖尿病を発症しました。41歳の主婦です。俗に小児糖尿病
と呼ばれているようにこの歳で発症する人は少ないようです。
死ぬまでインスリン注射をし続けなくてはなりません。
移植以外に直るすべはありません。
亡くなった人からランゲルハンス島をもらって肝臓に定着させるようですが、
完治率は低いようです。ES細胞の研究が進んでランゲルハンス島の再生が
出来る日を待ち望んでいます。
毎月病院に行き、血液検査、尿検査、針や血糖測定用のセンサーを山ほど貰っ
てきます。費用も一回一万円以上掛かります。
死ぬまでに何百万掛かるのか・・・・
色々な問題を孕んだES細胞ですが、研究が進む事を祈って止まない毎日です。 

→Fujikenより

実際に、病気で苦しんでいる人にとってはES細胞による組織・臓器の研究を
待ち望んでいるのだということがひしひしと伝わってきました。

他の方からも、苦しい現実の病気について語られ、「ES細胞の研究は、受精
卵という生殖細胞が必要である」ことから感じる倫理観の問題は、現実に病気
になっている者の苦しみを知ってから論じて頂きたいという厳しいご意見もあ
りました。

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