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●   『ちょっとサイエンス』   2003/4/1   No.121  
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●    発行者 Fujiken       不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「コピー機のしくみ」
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コピー機は、原稿を読みとる光学部と、それを紙に複写する現像部とに分かれ
ています。

まず、光学部では、光源を移動しながら原稿をスリット状に読みとり、ミラー
を組み合わせて、感光体へ導きます。

感光体が光を感じる特性を持つようにするために、コロナ放電(注1)をおこ
なって、感光体表面に電荷を均一に付着させておきます。

(注1)コロナ放電・・・二つの導体の間で局部的に高電圧が生じ、空気の絶縁が
           破壊されて発生する、光を伴う静かな放電現象
          (大辞林(三省堂)参照)

原稿から反射した光を当てて、原稿と同じパターンの電荷パターンを作ります。
原稿の白い部分にあたった光が感光体に当たると、その部分の電荷が消えるの
で原稿の黒い部分と同じパターンで電荷が残ります。

その部分にトナーを付着させ、目に見える像を作ります。

コロナ放電を行うことで感光体に付着したトナーを紙に転写し、さらに逆の
電荷を放電することで感光体から紙を分離します。

紙に付着したトナーを熱で溶かし、圧力を加えて、紙に定着させます。

トナーはカーボン(炭素)のまわりを樹脂で覆ったもので、熱と圧力で樹脂が
溶け、カーボンを紙にくっつけます。

感光体に残ったトナーをブラシとブレード(ゴムへら)で落とすクリーニング
と、光を当てて帯電した電荷を消去する除電を行って終了です。


「吉田さん」紹介のリコーの「おもしろ科学館」及びそのコピー機のHP参照

http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/

http://www.ricoh.co.jp/omoshiro/copy/copy_2.html

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■ちょっとコメント■

前回の「岩崎さん」の質問 

コピー機の構造は一通り説明はできますが。ドラムの変化が解りません。
ドラムの表面に静電気と光に活性のある膜が有り、
1,初期化で膜に電荷を与える。
2,光を当てると、光の当たったところは電荷が無くなる。
3,電化の残ったところにトナーが吸い付けられる。
4,強力な静電気で、紙の裏からトナーを紙に写す。
5,残ったトナーを完全に取り去る。

これで正しいと思いますが、「2」に自信がありません。
HPも探したがまだ見つかりません。
光学反応をもう少し肉を付けて説明して貰えませんか。

の答えになったでしょうか?
要するに「コロナ放電」が岩崎さんの知りたかったことだと思います。

しかし、一方で「プレイリー」さんからこんな回答がありました。

「物質に光を当てると、そこから電子が飛び出します。これが「光電効果」
 で、コピー機のドラムにはこの効果が顕著な物質が使われています。」

「光電効果」と「コロナ放電」どこが違うのか、分かりません。
ご存知の方はメールを下さい。お願いします。

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■読者のメールより■ 前回の「すばる望遠鏡」の内容に関して

●「K」さんより

こんにちわ、いつも楽しく「ちょっとサイエンス」読ませてい
ただいています。
今回のメールに出て参りました、明石天文科学館について地元
人としてちょっと一言申し上げたく、メールさせていただきま
した。

明石の天文科学館は、地震で閉鎖はしたんですけれど潰れてな
いですよ?(心情的に)

確かに大時計が止まっちゃったりして、大変だったのですけれ
ど。
学校に良く際にはいつもあの大時計を見上げて時間を確認して
いたので、いつ見上げても同じ時間を刺している大時計に困っ
て初めて腕時計をする習慣が出来たりしたのですけれど。
そうはいってもあの町は街頭時計の多い町ですので、やっぱり
習慣がつかなかったりもしたのですけれど。

一度潰さなければ危険だと言う話がありました。
けれども潰してしまえば現在の市の条例上、再建できるか判ら
ないと言われました。
だから、あの天文科学館が再開した時本当に嬉しかったし、明
石を離れたいまでも自室に天文科学館の写真を飾っていたりし
て、心の拠り所になっていたりします。

→Fujikenより

すみません、明石天文科学館は地震でつぶれたのではなく、時計が止まって
改築されたのですね。あの大きな時計は私も心の中に今も残っています。

●「S」さんより

今回は「すばる望遠鏡」のお話しだったので、一言メールさせていただきま
した。

「すばる望遠鏡」の観測装置用レンズの位置決めに使われている部品には、
何と、米ぬか(玄米を白米にする時に出てくる削り滓)を使った材料が使われ
ています。

東北大学大学院の堀切川教授(前・山形大学工学部)と山形県天童市(将棋の
駒で有名)にある三和油脂(株)、(株)白田製作所では米ぬかを原料とした、
RB(Rice Bran)セラミックスを開発しました。

米ぬか油を絞った脱脂ぬかは堆肥や家畜飼料に使われる他、かなりの部分が
廃棄物として扱われております。研究グループは、これをフェノール樹脂と
混ぜて炭化させることにより、高硬度、低摩擦(滑りやすい)、低摩耗(すり
減らない)、オイルフリー(潤滑油が不要)、低ノイズ(静か)の新素材を
開発し、RBセラミックスと名付けました。

「すばる」の部品は、氷点下185度という極限に近い低温状態まで冷やされ
て使われるそうです。2001年10月、研究グループはこのような条件下でもスム
ーズに、しかも精度良く作動するRBセラミックス製軸受けを製造し、国立天
文台ハワイ観測所に納入しました。

農業から出る副産物(廃棄物)を利用し、付加価値の高い新素材に変えた研究
者グループの発想と努力に感銘を受けます。

→Fujiken

米ぬかから作ったRBセラミックスですか。大変すごいことだと思います。
ハワイでもマウナケア山頂ではとても気温が低いのでしょうね。

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