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● 『ちょっとサイエンス』 2003/3/18
No.119
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● 発行者 Fujiken 不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど！と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ 「ファラデーの実験」
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エールステッドが磁針が、その上に置かれた針金中に流れた電流によって傾く
ことを発見したのは1819年でした。
そして、1823年ファラデーは電流が流れている針金を磁石の周りに回転させる
ことに成功したのです。
いわゆる初の電動機の発見でした。
これらの実験は、電気は磁気に変換できるということを示しています。
そこで、ファラデーは磁気を電気に変えることができるのではないかと実験を
繰り返し、１次コイルと２次コイルを作り、２次コイルの所に磁針を置き、
スイッチを入れた瞬間だけ、磁針が動くのを発見したのですが、それはすぐ、
元にもどったのです。ファラデーは実験に成功したとは思っていなかったので
すが、ふと気が付いたのです。
「電気を生み出すには、コイルか磁石のいずれかを運動させなくてはいけない
のだ。運動なくして誘電電流なしっていう事だ！」
こうして、電磁誘導、誘導電流が発見されたのでした。
ファラデーは電磁気学の研究の成果を認められて、静電容量の単位ファラッド
（Ｆ）に自分の名を残しています。
さらに、ファラデーは電磁気学の前には化学を研究していて、塩素の液化や、
ベンゼンの単離などの実験化学でも優れた業績をあげています。
また、ファラデーは貧しい家に生まれ、本や新聞の配達奉公をしながら化学の
勉強をしていたそうです。
（「ファラデーの生涯」東京図書 参照）
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■ちょっとコメント■
ファラデーは、失敗しても失敗しても「信念」をもって実験するという優秀な
科学者の見本のような人だと思います。
たしかに、電磁誘導は今では大きな検流計があり、生徒の前でも簡単に演示で
きますが、その当時はかすかに反応する実験道具を作るのにさぞかし苦労した
ことだろうと思います。
しかも、磁石かコイルを運動させなければ電磁誘導は起こらないのですから、
失敗したと思う気持ちもわかります。そこが、やはり生徒には分かりにくい所
です。
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■読者のメールより■
前回の「レンツの法則はあまのじゃく」についてのメールを頂きました。
●「歴史教師ナカムラ」さんより
いつも楽しみに読んでます。
レンツの法則のメルマガでの質問です。
＞＞「なぜ向きがかわるのか？」という問いかけに「レンツの
法則」は答えを返してくれるのです。
問いかけが大事で、それが理科の基本というふじけん先生に同
意です。しかしこの問いかけに、レンツの法則の返事はを写し
てみると・・・・・
＞＞「誘導電流は、その電流によって生じる磁界が外から加え
られた磁界の変化をさまたげるような向きに流れる。」
はい。事実がそうなる、ということはわかりました。で、それ
はなぜなんですか？ レンツの法則表現だけでは、理由の答え
になってないように私には思われ、「なぜ向きがかわるのか？
」が、わかりません。レンツさんは「向きが変わるからです」
としか言っていないように思うんですが・・・・
改めて質問です。「なぜ向きがかわるんですか？」
→Fujikenより
レンツの法則は、ファラデーが発見した電磁誘導の誘導電流が流れる向きに
ついての法則です。
ナカムラさんの質問はなぜその法則が成り立つのかという質問だと思います。
詳しいことは分かりませんが、もし、レンツの法則の通りに誘導電流が流れ
なかったとしたら、例えばＮ極を近づけてＮ極がコイルに出来ずＳ極が出来た
としたら、Ｎ極が中に入っていってしまいます。
これでは、仕事もしないで電気エネルギーが発生することになり、エネルギー
保存の法則に反してしまいます。（「解明」新物理（文英堂）参照）
マクスウェルの電磁気学の方程式を使って証明できるのかもしれませんが、
私には無理です。よくご存知の方メールでお知らせ下さい。
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