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●   『ちょっとサイエンス』   2002/12/5   No.104  
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●    発行者 Fujiken        不定期発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「タイムマシン−その2−」
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読者の方からこんなメールを頂きました。

●「プレイリー」さんより

 さて、タイムマシンが出来たとして、それに乗って3時間ほど旅を行した
とします。3時間後の自宅への旅行のつもりで出発します。で、到着時には
きちんと自宅に到達できるのでしょうか?その3時間で、地球は45度回転
していますから、その場所はヒマラヤ山脈の山塊の中かもしれませんよね。
きっと、一瞬にして山の圧力で押しつぶされてしまうのではないかと心配を
しているのです。運良く普通の地上であっても、到達の一瞬前までそこには
何らかの物質(空気かも知れませんがね)で満たされているはずでしょね。
その物質が、たとえ空気であっても私の体を構成する分子すべてが衝突する
わけですから、ただじゃあすまない気がします。

 以前に瞬間移動機かなんかの映画で、ハエと人間が合体してしまった物語
がありましたが、あれは、実はタイムマシンではなかったかと思うのです。
アインシュタインが時間と空間は本質的には同じようなものだと言っていた
と思いますので、あの移動機も、移動の方向が時間軸に沿って移動すれば、
タイムマシンになるのだと思います。

 現在の天文学では過去や未来の天体の動きが計算で求められるので、時間
旅行しても移動先の場所は現在地からの相対距離が求まるはずですが、それ
は、天体が全く同じ運動を行なっていると言う大前提のもとですよね。地球
の運行は月や太陽、それに木星などの巨大惑星の動きにも左右されていると
聞きますが、それだけではなく宇宙の存在する多くの銀河系やダークマター
の重力の影響も受けているはずです。それによる蠕動(せんどう)を数mの
誤差範囲まで計算できるとは思えないのです。もし、地上10m上空で放り
出されたらえらいことになりますよね。
 このように考えると、ある時間を指定して時間移動するタイプ(ジャンプ
タイプとでも言いましょうか)のタイムマシンは実現が難しいのではないか
と思っています。

 タイムマシンにはジャンプタイプ以外にもズームタイプとでも言うような
物もあると思います。時間の流れ方を自由に加減速とでも表現したら良いの
でしょうか、時間の流れを2倍3倍、あるいは1/2、1/3にして相対的
に時間旅行するものを指します。このタイプのものでは過去には行けそうも
ないのですが、「将来の過去」あるいは将来の「もっと先の未来」への旅行
が可能なはずです。
 このタイプですと現在から連続で”移動”するため”行き先”に存在する
物質との衝突は回避できそうな気がします。衝突の直前にその物体がセンサ
などで感知することが出来るでしょうから、時間を含めた位置の調整などが
可能になりそうです。

 もし、このズームタイプのタイムマシンが目の前を通過したらどのように
見えるのでしょうね。きっと、通過する空間に、もやもやとした、霞みたい
なものが出現し、段々と色が濃くなり物体らしきものになり、やがてそれが
霞のようにかすんで、やがて消えてゆく・・・まるで幽霊みたいですねえ。
幽霊の正体とは、実はタイムトラベラーだったのかもしれませんね。

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●「根仔猫」さんより

いつもメールマガジンを楽しく拝見させて頂いております、HN根仔猫といい
ます。今回はタイムマシンの話題と言う事で、とても興味深く読ませて頂き
ました。

タイムマシンは実現するのでは、という話が最近物理学会のほうでも話題に
挙がっております。既に知っているかと思いますが、日経サイエンスの今月号
にも取り上げられていましたよね。
実際に実験を試みている研究者もおりまして、素粒子をタイムマシンに乗せて
時間旅行をさせるという実験が行われているそうです。

ホワイトホールに関しては、まだ絵空事ながらも構想を練っている学者もいま
すし、今後とも興味を惹かれる話題となりそうです。

ホワイトホールは実在しないかどうか、それはまだ判っていない事です。
でも、実在させる事が、理論的には可能かと、私は思います。
もちろん人工的にですが、この問題に関してはまだまだ考える余地が有り、
結論には至っていません。

なにはともあれ、メールマガジンによって色々な意見に触れることが出来て、
良い頭脳の刺激になっております。
今後とも、興味深いテーマと共に発行を続けて下さい。
読者からの斬新な意見などがあれば掲載するというのも、とても面白いと思い
ます。

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■ちょっとコメント■

プレイリーさんの考えはとても面白いと思います。

このままのアイデアを膨らましていけば、「SF小説」か、「SFエッセイ」

になるのではないでしょうか?

「幽霊がタイムトラベラーだった!」なんていいですね!

「光の速さに近い速さで旅行したら時間が遅れて地球に返ってきたら、みんな

 回りは何年もたっていた。」という、いわゆる「浦島効果」は相対性理論か

ら生まれたものです。これを「タイムマシン」というならば、”可能”なのだ

と思います。

しかし、アインシュタインは、リーマン幾何学という難しい数学を使って、

一般相対性理論をつくり、我々が3次元だと思っていた空間を時間という要素

を加えて4次元の空間(これを「時空」という)を定義しました。

要するに、3次元の各点に時間という要素が入っていると考えたら良いと思い

ます。ですから、時間軸を2倍、3倍するという表現は不可能ではないかと

思います。

根仔猫さん、新しい情報ありがとうございました。これからも楽しくてために

なる「ちょっとサイエンス」を作っていこうと思います。

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