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●    『ちょっとサイエンス』    2000/11/17    No.9  
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●     発行者 Fujiken        毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。
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■今日のテーマ  「振り子の等時性」
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ガリレオ・ガリレイは1564年にイタリアのピサで生まれました。
ピサは有名な斜塔のある町で、ガリレオが落体の実験をしたと伝えられている
ところです。

ガリレオが医学生だったある日のこと、
ピサの寺院へ礼拝に行った彼は、礼拝堂の天井からつり下げられたシャンデリ
アがゆっくりと左右に揺れるのを見ていました。
普通の人ならそのまま見過ごしてしまうシャンデリアの動きですが、若くして
考え深かったガリレオはひらめくものがありました。

彼は、自分の脈拍を時計代わりにして、シャンデリアの一往復に要する時間
(周期)をはかってみたのです。
そして、シャンデリアの揺れの振幅が小さくなっても周期が変わらないこと
に気がついたのです。

ガリレオは家へ帰ると早速同じ長さの振り子を二つ用意し、一方は大きく、
他方は小さく振ってみたのです。
二つの振り子の周期ははたして同じでした。
こうして、「振り子の等時性」と呼ばれる法則が発見されたのです。
それは、まだ彼が18才のときのことでした。

しかし、彼は自由落下や斜面の運動についての実験に取り組むようになった時、
この振り子時計は用いず、脈拍や水時計を使っていたようです。

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■ちょっとコメント■

この話は、やはり偉大な科学者は、「見る目」「着眼点」が違うということを
表していると思います。

揺れるシャンデリアを見て、「脈拍」で時間を計るなんて普通の人には考えら
れないことですね。

それにしても、振り子時計と言われる柱時計はめったに見かけることが出来な
くなりました。
安くて、正確なクオーツの時計がほとんどです。
でも、大きな振り子時計が時を告げる「ボーン・ボーン」という音はどこが
威厳があって愛着のわく音ですね。

さて次回は、No.10「台風」をお届けします。

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■読者からのメールより■(掲載にあたっては読者の了承を得ています)

●「少伯」さんより

「バイト」の件ですが、一般にパソコンなどを操作するソフトの分野では
「はくび」さんのおっしゃるとおり

1kB=1024byte 1MB=1024kB 1GB=1024MB

ですが、メーカーがカタログ等で表示しているハードディスクのような
物理的・工学的世界では、

1kB=1000byte 1MB=1000kB 1GB=1000MB

が使われているようです。
ハードディスクの容量をエクスプローラー等で確認してみれば気がつくと
思いますが、仮に30GBのハードディスクを増設しても、実際には
28.6GB程度の容量しかないことになります。

どうしてこんなややっこしいことになったのかは知りませんが、10進法の
方が効率がいいためではないでしょうか・・・。

●「フェムトおやじ」さんより

「少伯」さんの紹介の中で、フェムト(10のマイナス15乗)は重要ですね。
半導体関係の研究所に勤務してますけど、光デバイスでの[fs:フェムト秒]
とか、LSIのキャパシタの容量値として[fF:フェムトファラッド]とかは
一般常識として知っておくべきでしょうね。

→補足
・「光デバイス」とは、たとえば半導体レーザーを使った光通信で、
 レーザー光をフェムト秒単位でスイッチングする装置のことです。
・「LSIのキャパシタ」とは大規模集積回路の静電容量のことです。

●「ローソン店長」さんより

「振り子」に関して、以前勤めていた会社でちょっと議論になった事があります。
「地球を貫くトンネルを掘ってそこから球を落とすとどうなるか?」
中心で止まるとか、向こう側から出て宇宙に飛び出すとかいろいろな答えが
出てきました。理論上は半永久的に入り口と出口の間を行き来するんですよね。
本当にそうなるのか試してみたい気もします。ボーリングは3m10万円と
聞いたことがあります。一体いくらかかるのでしょうか、気が遠くなります。

→Fujikenより

地球を貫くトンネルに球を落とす問題は、高校か大学時代に物理の問題で
解いた記憶があります。振動しますが、たしか減衰していって最後は中心で
止まるということだったと思います。
ボーリングは3m10万円ですか・・。地球の直径は約6378kmですから
計算してみると・・・2126億円になりました。(合ってるか不安?)

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