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●    『ちょっとサイエンス』    2000/11/03    No.6  
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●     発行者 Fujiken        毎週金曜日発行
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「メンデルの法則」
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オーストリアの修道士であったメンデルは、遺伝が無秩序に起こるのではなく、
ある法則に従っていることを証明しようとしていました。
そして、いろいろテストして、自家受粉するマメ科のエンドウを選び、子孫に
ことなる形質の現れない安定した純系を見つけ出しました。
そして、1856年から、なんと8年間にもわたり、対立した形質を持つもの
を選んで、交雑する実験を行ったのです。
対立する形質とは、
1,種子の形が丸くなめらかなものと、しわがよったもの。
2,子葉の色が黄色のものと、緑色のもの。
3,種皮の色が灰色のものと、白色のもの。
などで、メンデルは7つの対立形質について実験したのです。

その結果メンデルは、子である雑種第1代では、すべて、種子の形が丸くなめ
らかなものばかりになるということを発見したのです。
これが「優性の法則」です。このように、雑種第1代に現れる形質を「優性」、
現れない形質を「劣性」とよびました。

さらに、雑種第1代を自家受粉させて、雑種第2代をつくってみると、
優性の形質:劣性の形質の比が3:1となって現れるという「分離の法則」を
発見したのです。

さらに、2つの対立形質に注目すると雑種第2代は9:3:3:1に分離する
が、どちらか一方の形質について見れば、やはり雑種第2代は3:1になって
いるという、「独立の法則」を発見しました。

メンデルは1865年、この研究結果を発表したのですが、当時の学会では
認められないまま、1884年に没しました。
しかし、1900年になってド・フリース、コレンス、チェルマックの3人の
学者がメンデルと一致する法則性を見いだし、やがて「メンデルの法則」とし
てまとめられました。

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■ちょっとコメント■

メンデルの発見した法則は画期的なものだったのです。
いや、画期的すぎて発表当時は誰にも認められなかったのです。
彼は1884年1月6日に亡くなりましたが、晩年に

「私の実験は大きな満足を与えてくれた。世界がこのことを認めてくれるのは
 それほど先のことではない。」

と語ったと言われています。

自分が死んでから世界が認めたというところは、ウェゲナーの「大陸移動説」
とよく似ていますね。

それにしても、エンドウという植物を相手によく8年間も実験したものだと
思いませんか?
結果が現れるのは、すぐじゃなく数ヶ月も先なんですから・・・。
でも、種を取り出したりした時に発見した喜びも大きかっただろうと思います。

さて次回は、No.7 「ギガ・ピコ・ナノ」をお届けします。

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■読者からのメールより■

読者からのメールを紹介しようと思います。おもしろいですよ!

●「dai」さんより

いつも楽しく「ちょっとサイエンス」を拝見させていただいています。
No.5でリトマス紙の色の変化の覚え方についてあったので、自分が実際に
使っていたゴロのいい覚え方をひとつ。

「父さんビールで顔まっか」(父「酸」ビールで顔「まっか」)

読むとたいしたことないですが、口に出すとアラ不思議?
覚えちゃいますよ! 是非ご利用下さい。

●「ローソン店長」より

私はリトマス紙の色はあるドラマがきっかけで覚えました。
お父さんは自分が癌だと思い込んで落ち込んでいました。
高校生の息子は何とかしようと思い、あるうそを思いつきます。
まず、お父さんにワインを飲ませます。その後で青のリトマス紙をなめさせます。
「お父さん、この紙が赤くならなかったら癌じゃないんだよ」
お父さんは紙をなめてびっくり、紙は真っ赤でした。
お父さんは泣きわめいて収拾がつかなくなるというコメディドラマでした。
ちょうど私が中学生のころ理科でリトマス紙の実験をやったころに放送された
ものです。このおかげで、リトマス紙の反応の色が覚えられました。

ワインは酸性なので赤くなるのは当然ですよね。
この高校生は間違えて覚えていて、かえって騒ぎを大きくしてしまいました。
でも、今から考えるとお父さんを励まそうと家族が一生懸命になっている姿は
なかなか良いものですよね。
試験にリトマス紙の色が問題に出たらこのドラマを思い出していました。
おかげで今でも間違えずに答えられます。
勉強の暗記なんか何がきっかけになるかわからないものですよね。

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