健 忘 録 X

まさかまさかの物忘れ 改題


日常の暮らしで体験したいろいろなモノ忘れを思いつくままに列挙します。思いつくつど記録しないと、それこそ虹の彼方に飛んでいってしまい、永遠に思い出さないからです。
 
                            


★02年04月某日★一日にコーヒーを四杯くらい飲む。これが限度だと思っているから、きょうは何度目と己が記憶力に言い聞かせつつ、飲むことになるが、夜ふけてくると、わけがわからなくなる。あいまいになったことを、いいことにして飲んでいるフシもあり、ホント駄目な話。

★02年04月某日★朝食後に降圧剤を二錠飲む。これが守れない。食卓に置いて、食後すぐに飲むと、暫くして今度は「飲んだか、飲まなかったか」。これに迷う。堂々巡りの記憶薄弱症。あまり深く追求すると、神経症的になるからヤバイ。

★02年04月某日★右手首から右肩に湿疹がたくさん現れ、痒い,痒い。で、夜、開業医に行った。今日一日、どんな行動をとりましたか、との問診だったが、これがなかなか思い出せない。結局、食あたりではなくて、虫さされではないか、と診断された。頼りない患者と開業医の目には映ったに違いない。アーア。

★02年04月某日★教卓のキーを借りた授業を終わって、別の仕事をしていたら、係りの人が返却の催促に来た。悪しき実績が信頼を崩しつつあるな、と苦笑,苦笑。

★02年04月某日★嫁いでいる娘の体調が思わしくない。目下入院中である。家族が近くの神社で御祓いを受けてきた札がある。神頼みのような不合理を信じたくないので、様子を眺めていたら、案の定、見舞いに行くとき、持っていくのを忘れてた!病気は神様仏様が運んできたものではないし、直してくれるものでもない。

★02年04月某日★桃の花を見に紀ノ川を渡った。その橋の名前が思いだせない。ハングライダーがふらふらと空高く舞っているのを見て、やっと気が付いた。隣の山は紀州富士こと、龍門岳ではなかったのか。

★02年04月某日★教卓にマイクやなんやかんやの機械が内臓されている。したがってキーを持って教室に出かけるが、講師控え室に戻ると、忘れている。元の教室に戻るまでのアホらしさ、空しさ。なんとかならんかな。

★02年04月某日★出先でみやげ物を買った。そのあと友人に手渡す機会が二度あったのに、カバンに入れていることをすっかり忘れて持ち帰っていた。生ものなら、賞味期限切れになっちゃうな。

★02年03月某日★イスラエルとバレスチナの関係がまたまた険悪になってきた。それで思いだしたのは、昔、イスラエル軍を勇猛果敢な指揮で名をあげた将軍のこと。強硬派のシャロン首相なんかよりも,当時はもっと世界に知られたものだ。子ども心に覚えていたことからすれば、それは、片目のダヤンとかいった。あのころからすでにイスラエル軍は容赦ない酷烈なバレスチナ対策をとっていたのだ。


★02年03月某日★昔なつかしの音楽の話が出た際、日本がよほどいい商売になるのか、毎年やってくるイージーリスニングの楽団のことになった。これが、なかなか名前が出てこない。グレン・ミラーとかリチャード・クレイダーマンなどと見当違いの名前が出たが、そんな名前ではない。ないと分かっているが、本当の名前が出てこないもどかしさに
ウズウズ。しかし,十日たって思い出した。ポール・モーリャだった。



★02年03月某日★孫娘が三年保育の幼稚園を無事に卒園した。「あんなこと、こんなこと、あったかな」。懐かしいこの歌の名前が思い出せなかった。

★02年03月某日★洗濯機を回していた家人が叫んでいるので、行ってみたら、なんと千円札が浮いていた。なんだか儲かった気持ち。洗濯物をみんな干したら、なんとなんと底にも一枚、千円札がへばりついていた。このカネがなぜ、洗濯物が出てきたのか、それがわからない。

★02年03月某日★ユキヤナギの葉先が白くなり始めた。もう一つ低木のなんとかの花が赤くなり始めた。このなんとかが思い出せないでいたが、皮肉なことにボケの花と家人に言われた。

★02年03月某日★印刷屋の営業マンと打ち合わせをした。預けたニューズレターの校了日を決めた。いろいろ話したあと別れたが、何日だったか思い出せない。

★02年03月某日★本を返しに図書館に行ったら、金曜日は定休だった。それを忘れていた。これまで地下鉄駅の上にあり、いったん改札を出てから定休を知って、また逆もどりしてキップを買っていたが、今回は改札の内側に表示が出ていた。キップを買うロスだけは助かった。もっと物覚えがよければ、時間も手間も助かったのに。

★02年03月某日★公民館ではやりのIT講演会を聞きに行った。昼飯のあとのことだ。聴衆の中高年の多くは、開講とともにコックリさんの状態に入った。こちらも必死に睡魔と戦った。そちらに気力を使い果たし、講演の内容は、ほとんど覚えていない。

★02年03月某日★病院へ内科の定期健診に行った。窓口で診察券を忘れてきたことに気が付いた。わけを話すと、窓口の女性が手続きしてくれた。診察のあと、会計の窓口に行った。しばらくして名前を呼ぶ窓口からアナウンスがあって、血液検査をしているから指示票を持っていないかと照会された。胸のポケットに忘れていた。駐車場のマイカーまで戻って気づいた。なんと受付で駐車券に無料のハンコを押してもらうのを忘れてきた。このぶんだと、早晩、診察科が変わるかもしれないな。

★02年03月某日★弥生三月の物忘れ悲話。高倉健の映画「ホタル」をビデオを借りてきて家人と見た。高倉健さんの奥さん役をする細面の寂しい横顔の女優の名前がわからない。家人も同様だという。ウズウズしながら、タイトルパックを見て、やっと了解、田中裕子だった。アッ、ア、アの名前忘れ。

 しかし、まだまだ凄い上があるのだ。これくらいのモノ忘れはまだマシかという体験をこの間した。日航のイメージガールの名前を、なんと伊東ゆかりと言った六十五歳男性がいた。疑いのマナコで聞いていると、それは、今をときめく藤原紀香のことだった。よくまあ、伊東ゆかりなんて名が出たもんだ。怖いな。

★02年02月某日★糖尿病の気がある。体験入院して食事療法をやってみるか、と医師に脅されて?、再び本棚から食品交換表を取り出した。一年半ぶり。ものの見事にカロリー換算を忘れていた。

★02年02月某日★お医者さんの役ばっかりやる、おかしな俳優がいますやろ、顔がブヅブツした人、あれ、誰やった。出先で尋ねられた俳優の名前がどうしても思い出せないと家人。知らんがな、そんな人。

★02年02月某日★電車で聞いたおばさん二人の恐ろしい話。テレビの俳優の話題で盛り上がっていた二人。「タカハシコウジって、最近でえへんな」「そやな、タカハシエツジは死んだと思うけど」「タカハシコウジって、どんなんやったかな」「あれやん、あれ」「そうか、もう死んだちゃう」、、、。かくしてオバサンたちの記憶から遠ざかったタレントは殺されてしまうだ。

★02年02月某日★ワイアット・アープという保安官はアメリカ人にとって歴史的人物らしく、西部劇映画の主人公に手を替え品を変えて登場する。ケビン・コスナーのアープは自伝モノ、カーク・ダクラスのドク・ホリデイと××のは友情もの。ヘンリー・フォンダのはメロドラマ。みんなよかったが、あのカーク・ダクラスと競演したアープは誰だったか。これをこの一週間ずっと思い出そうとしていて、苦しんだが、ついに記憶の水面に浮上した。バート・ランカスターだった。ヤッター、という喜びで、われ知らず、手を叩いて合点した。

★02年02月某日★図書館に先日,新聞の書評で評判か゜よかった某大学の某氏の「現代国際関係論なんとかかんとか」を借りに行ったが、
こんな虚憶えでは、探すのに難渋したのは,当然のことである。

同じテーブルにいた六十ウン才くらいと見られる男性は、会社内の人間関係、社内啓発の何とかと題する書物を八冊も探して来て、テーブルに積み上げたが、数分後にうつ伏して眠ってしまった。疲れているんだなあ。御同輩。

★02年02月某日★メールを送ったつもりでいたのに、受信人から届いていないと言われて、自信を失った。送ってなかったかなと自分を疑い、黙していたが、後日、届いていたと言われた。やはり送っていたのだ。自信を持とう。

★02年02月某日★友達にミカンをもらった。大ぶりのもので、オレンジのような味。袋にタネがある。二度,名前を確かめたが、いま憶えているのは、「ネ、、なんとか」だけである。なんと,お粗末なこと。

★02年02月某日★いま書きかけている記事について二箇所へ手紙を書く必要が旧年からあるのに、ずっと忘れている。実はときどき記憶の水面上に浮上しているのだが、また忘れている。浮沈を繰り返しているのだ。それというのも、手紙を書くことに億劫な気分が付きまとっているからだ。多分、あまり乗り気でないことは、忘れ易いのだろう。

★02年02月某日★確定申告に行った。昨年の書式は改められて簡素な?新書式に変更になっていた。その結果、昨年ようやく覚えたはずの知識は役に立たなかった。憶えてもムタ゛の例であるな。

★02年02月某日★モノ忘れについて新しい発見があった。これまでモノ忘れは,必ずマイナスを意味していると思いこんでいた。ところが、モノ忘れはプラスも生むのだ。意味の一大転換である。こういうケースである。プールに行くぺきでバスタオルを探し、バッグに詰めた。ところがプールで使う段になってみたら、二枚のバスタオルが入っていた。なんと先に詰めたことを忘れて、さらにもう一枚入れていたのだ。モノ忘れが、プラスに成った稀な例である。、と感激するほどのことでもないか。

★02年01月某日★二人の娘たちは未熟児で生れた。保育器に長く入っていたので、人工栄養のお世話になった。森永粉ミルク中毒事件の記憶が鮮烈だったころだから、雪印さんにお世話になった。雪印さんは娘たちの、母親代わり、命の恩人と感謝の気持ちで記憶に留めていいた。ところが雪印乳業の腐敗牛乳による食中毒問題に続く雪印食品の悪性極まりない肉牛の不正処理。お気の毒だが、雪印さんよ、もうサヨウナラ。

★02年01月某日★アフガニスタン暫定行政機構のカルザイ議長が背広の上に羽織っている民族衣装がいい。江戸時代の旅合羽みたいだが、色合いも質感も素晴らしい。昔、雪の富山・新潟県境なんかに取材に行くと、一面の白い世界に真っ黒けのトンビを来た地元の人が黙々と歩いていた。あの寂しい風景を思い出した。そうそう、この文のテーマ?は、カルザイ議長のあの衣装の名前を聞いた途端に忘れてしまったことだった。

★02年01月某日★このところ、テレサ・テンの曲をMDで聴いている。清涼感のある、けれども情感のこもった声がとてもいい。この人、タイでフランス人とホテルにいて不意に亡くなった。そのとき所持していたパスポートの発行国が疑惑の話題となったことがある。中南米のなんとかというほとんど世界情勢に登場しない鄙マレの国だったからだ。なんでテレサ・テンのパスポートが、そんな国なのか、、、、。一体、あの国の名前はなんというのだったかな。

★02年01月某日★黒いマフラーを長短二枚もっていた。ところが短い
方をどこかに忘れてきた。つらつら思うが忘れた場所が、どうしても思い出せない。以前、お気に入りのキャップを飲み屋に忘れたことがあった。そのことに気がついたのは、一週間もたってからであったため、恥ずかしくて、探しにいけなかった。私メのヤワなところでございます。

★02年01月某日★アメリカ製という果物を食べた。真っ赤な色。アメリカ製のサクランボと同じような黒味がかった赤色だ。こどものとき以来、食するなと、懐かしみながらちょっと酸味のあるタネの周りを食べた。この果物の名前を思い出す前に、なぜかダリアとか、キウイとか、ネーブルとかの名が浮かんだ。エート、エート、、、。家人に聞くと、「ザクロ」だった。アーア、じれったい。

★02年01月某日★学校の授業の開始時間が一向に憶えきれない。始業はとにかく、二時限目があいまいだ。いつも時間割掲示をそれとなく確認しに行っている。

★02年01月某日★山へ行く前日、地図のコピーを用意する。しかし、たいがい電車の中て゜点検しようとして、持ってこなかったことに気づくのだ。

★02年01月某日★プールでの話題。ロッカーに百円玉を入れると、鍵を掛けるのだが、百円玉を入れた段階で鍵をしたつもりになるのか、キイーを抜くのを忘れる。しょっちゅう、同じミスをしているから、泣けてくる。財布もケータイも、運転免許証も仕舞っているのに、無用心なことだな。

★02年01月某日★プール付属のサウナでの会話。「なんにもすることがなくて生きているのは、つらい。早くピンコロリン、ピンコロシャンと逝きたい」とオジイサン。相槌を打つオバアサン。「まだまだ若いやないですか。これからでっせ」。「実はねえ、きょうは大腸ガンと肺ガンと胃ガンの無料検査を保健所でしてきまんしたんや」。ナーンダ、生きる執着満々やないですか。そばで黙然と聞いている僕は、ちらっと横目で二人の顔を見る。ほんまに、長生きはつらいなあ。

★02年01月某日★水泳プールの脱衣所にはコインロッカーがある。ここで忘れ物の連続をしてしまう。百円玉を入れて閉めるわけた゜が、まず百円入れるのを忘れる。従って鍵をかけないまま立ち去っている。あるいは百円玉を入れた途端に鍵をかけたものと思いこむのか、肝心の鍵をかけ忘れる。そして、最後に百円玉を回収することを忘れる。ああ、言い忘れた。このコインロッカーは、百円玉を使うけれども、最終的には無料なのである。だから、忘れてしまう。

★02年01月某日★山口県萩市の漁港でいまの季節、シロサバフグの干物づくりが盛んとテレビが朝早い番組で伝えていた。それで、その日、当の萩市出身の女性と電話で話した際、そのことを言おうと心づもりしていたのに、コロッと忘れた。何か言い忘れしたような気がしたが、思い出せなかった。

★02年01月某日★暮れの南海電車難波駅で改札口を出たところ、人だかりしているので、覗いてみたら「忘れ物傘のセール」だった。一本百円と安いせいか、何本も抱え込んで買っている人がいた。それにしてもモノ凄い量のカサ!気前よく忘れる同輩が世間にはいっぱいいるんだ。バンザイ!

★02年01月某日★プールで忘れた水泳キャップの続報2話。翌日、窓口のオネエさんに忘れ物を申告したら、なんとキャップを預かっているという。そして彼女は質問。「色は」、「黒て゛す」、「ブランドは」、「スピード、いやアディタスだっかな」、「違います」「ウーム」、「これとちゃいますか」。なんとエレッセだった。「そうでした。コレです」。いつもキャップの前え後しろをブランドのロゴを見て決めているのに、何にも見ていないん、なんにも憶えていなんだな。シヨック。

 で、照れ隠しに尋ねる。忘れ物多いですか。彼女、目の色輝かして言う。帽子、シャツ、 水着、眼鏡、タオルなんかザラですよ。ボストンパッグ忘れて帰る人もいるんですよ。手ぶらで帰ったのに気づかなかったのかしら、クッククク。なるほど上には上がいる。心強い話で、少し気分が明るくなった。

★02年01月某日★銀行に小額の預金が満期になった。満期日は休日であるから引き出せない。営業日の前日に引き出したいと言うと、中途解約になるとのご託宣。しかし、継続なら満期日一月前から手続しますと言う。この得手勝手な銀行メ。「じゃ、満期日が休日に引っかからないような契約の仕方をしたら、どうか。このごろは三連休なんかしょっちゅうあるから、当座に間に合わない」とイヤ味を言ってやると、銀行マン、空気吸い込んでパクパク、言葉に詰まっていた。この銀行、忘れないぞ。

★02年01月某日★定期健診で市民病院の待合室で2時間待つ。文庫本を読んでいると、隣の70代後半の女性が話しかけてくる。「あんさん、眼鏡なしで読めまんのか」「ハア、お陰さまで、、」。「うちのは17年前に逝きよった。あとから思うと、優しい気の付く人やったけど、いっしょおるときは、ぜんぜん気ィーつかなんだ」「ハアー」「いてもうたら、おしまいや、ほんま。そいで10年前から体の震えが止まりしまへん」「ご主人の亡くなったことと、なんか関係あるんですか」「ほんなもん、なんにもあらへん。トシとったら、おしまいや、ということや」。歩行器に体ごと預けて伝い歩きのように歩くおばあさんの重い諦観。

★02年01月某日★小泉純一郎首相が年頭の記者会見を羽織袴で現れた。話の中身にまったく新味がないけれど、服装だけは人目を引く。この人は大衆迎合しやすいテレビ受けを相当意識した政治家。この人のこの手法を忘れないで置こう。

★02年01月某日★腰痛のリハビリでプールでの水中歩行に行っているが、水に入るにはキャップが必携となっている。このキャップは忘れ易い小物だと用心していたのに、やはり忘れた。シャワーを浴びたときに、そこらへんに置いたにちがいない。用心してて、こうだ。

★02年01月某日★古いテレビト゛ラマを見た。松本清張の推理もの。秋吉久美子が少女のように初々しいが、横恋慕する男性俳優はついに思い出せなかった。この人、なぜか食べ物番組でよく見るのだが。

★02年01月某日★知り合いの八十四歳の夫から三歳上の妻の様子がとてもおかしい。たまたま正月なので病院から帰宅しているので、電話で話しをしてみてくれ、という。八十七歳の女性はゆっくりと古里のこと、自分の亡くなった姉のこと、長く会っていない友人のこと、病院は退屈なので戻りたくないことなどを辻褄のあった話をした。どこにも痴呆の気配は感じられなかった。しかし、もう痴呆と徘徊が現れて、手に負えないので再び入院させると夫は言う。電話を切って、呆然、暗然、粛然。私がしてあげる事は何もない。老いは残酷だ。

★02年01月某日★きょうは何曜日か、と家人が聞く。答えられず、新聞の欄外を見て調べる。ああ、いよいよ世間様の時間の流れから外れてきたなあ。

★02年01月某日★金剛山へ登った。速攻登山のつもりで水は持ったものの、食べ物は持たずに登ったつもりでいた。登山口の駐車場で戻って気がついた。ちゃんとリュックにリンゴとミカンとチョコを入れていたのだ。

★02年01月某日★ 午年、最初のモノ忘れは、温泉に行ってゲタ箱のキーをポケットにしまっていることをすっかり忘れて従業員にキー探しをさせてしまったこと。申し訳ないことをした。実直な青年従業員よ、すまんことをした。