健 忘 録 W

まさかまさかの物忘れ 改題


 
                 
★01年12月某日★温水プールの採暖室(サウナの役所用語?)でのこと。太っちょオバサンがプールでオジイサンに足を触られたと言って「あのエロ河童め」とののしっていた。オジイサンは七十を過ぎているらしい。オバサンの聴きづらい弾劾口調。「鶯鳴かせたこともある」はずなのに、道学者のような偽善のおしゃべり。みんなの前で欠席裁判されているオジイサンが哀れ。暑い部屋なのに、なんだか薄ら寒い哀しい話でした。忘れないよう書いておこうっと。
                                              
★01年12月某日★外出の際、電気、ガス、コタツ、エアコン、戸締り、留守電とお経のよう唱えているが、バス停まで行ってUターン。財布忘れてた。

★01年12月某日★毎号買う雑誌を買い忘れていた。趣味の雑誌で、もう何年も続けているのに。なんという薄情け! 
                                                  

★01年12月某日★台所でかすかにモーターが回るような音が続く。冷蔵庫が老朽化したせいかなとぼやくと、家人曰く、「チンで牛乳、暖めているやんか」。テヘッ、チン使っていること完璧に忘れてた。                                             

★01年12月某日★ 映画「千年の恋」を見た。タカラヅカ調のファンタジー。狂言回し役の吉永小百合さん。 美しいが、やはり歳月の疲れが見えて、労しい。それにしても脇役の女優たちの名前とキャストがほとんど一致しなかった。                          
                                                         ★01年12月某日★アフガンに暫定行政機構がスタートした。各民族、部族が合従連衡したチャンポン組織。これからニュースに頻出するだろうから、せめて主要人物名くらい覚えなくちゃ、と思ったけれど、全然憶えきれない。                                 
                                   
                                
★01年12月某日★年賀状の宛名書きというのは、正確迅速にできない作業の代表だな。同じ名前の宛名を何度も書いてしまう。郵便局に持って行けば、引き取ってくれると家人は言うが、問題はそんなことではないのダ。                                  
                                  

★01年12月某日★名画「カサブランカ」を再び見た。ハンフリー・ボガードのトレンチコートとセリフのカッコいいこと。イングリッド・パーグマンの輝くような美しさ。それにしてもテーマ音楽が「アズ タイム ゴウズパ゛イ」(時の過ぎ行くままに)とはまったく忘れていた。懐かしい曲なのに。                                                     

★01年12月某日★幻の名水焼酎「百年の孤独」が抽選で小売価格で分けてもらえるという話。友人に「当たったか」と問われて、思い出した。抽選日から四日過ぎていた。指摘されるまで忘れていた。忘れるほどでは、本当の執着がなかったということか。情けない。       
          
★01年12月某日★恥ずかしい大失態を犯した。友人と居酒屋で飲んだ。トイレに行っている間に友人が支払いをしてくれていた。友人か゜交代にトイレに行っている間にウエイトレスが
レシートと釣り銭をもってきたので、そのことに気づいた。もどってきた友人と払う、払わぬと押し問答。結局、こちらがご馳走になってしまった。このあとがイカン。帰途の電車の中で釣銭を友人に渡すことを忘れていたのを思い出した。なんと、これでは釣銭のネコパバではないか。ご馳走になったうえ、ネコババだ。ああ赤面、真っ青、冷や汗。                 
               

★01年12月某日★なにかえらい忘れ物をして、ぜひ記録しておかなくては、と昨日まで気にしていたことが、なんだたったのか、それが思い出せない。重症だ。               

★01年12月某日★孫娘に頼まれた、ややこしい近頃のオモチャの名前が、皆目浮かんでこない。この孫娘は、サンタさんは近くの公園にトナカイとソリを邪魔だから置いといて、みんなの家をこっそり回るのだ゛という。                                     
                                            

★01年12月某日★行方不明になっていたMD一枚が、机のサブ引出しから出てきた。そんなところに収めた記憶がないから、呆然。しかし、よく生還したくれたものだ。白い帽子やCDはまだだ。何処へいったやら。   
                                           
★01年12月某日★,寝酒にグラス一杯の水割りをベッドの脇に置く。ところが、そのグラスが行方不明になった。家のどこかに、ちょいと置いたため、その所在が思いだせなかった。台所から洗面台まで見て回って、なかった。不思議な話だ。自分に呆れた。             

★01年12月某日★家具屋をクルマで数軒まわった。サイドポードを探している。家人は、ここで娘のローチェストを買ったとか、あそこで本棚を買ったとか、つまらないことを実によく憶えている。狭い家の中にある、どれ一つとっても当然、自作したものは何もない。とすると、いつか、どこかから購入したものに違いないが、そんなことは完璧に忘れている。憶えているという家人は、こりゃ驚異だな。                                         
                                                    
★01年12月某日★師走に入ると、喪中につき年賀欠礼のハガキが相次ぐ。友人知人の血縁者たちが冥界へ急ぐ年齢にいる事がわかる。某君、何年も会っていない。面影がすっかり薄くなっていて、寂しい。歳月は忘却を募らせる。                             
                          
★01年12月某日★ある朝、降圧剤を飲んだかどうか。確信がもてなくなかった。不安がキューッと募る。わずか二時間ほど前の食事のあとに飲んだかどうか、それが思い出せないから深刻である。飲んだような気がするし、飲んでいないような気もする。 この不確かな気持ちが不快でたまらない。なにしろ、もう2年も続いてる習慣を、フイに忘れているのだ。    
                                                   
★01年12月某日★年賀状、宛名書きをすっかり忘れていた。                   

★01年12月某日★ワンドア・ツーロックス。ピッキングの忍び込みが猛威を振るっているので、ツーロックスにしたものの、このロックを忘れてばかりいる。なんのための防御強化か。意味がない。心に鍵を忘れないでーーー。こんな標語みたいなことが浮かぶ。         
                                               


★01年11月某日★駐車したクルマから百メートルほど離れてから、キーをしたかどうか疑念がわいた。確かめに戻るかどうか。これが厄介な話なのだ。迷った末、戻ってみたらキーをしていた。アアー、腹ただしい。                                       
                                   
★01年11月某日★狭い家なのに神隠しが相次ぎ不気味。失せた順に白い帽子、CD,MDだ。なにかの弾みに新聞にでも挟まったのではないかと、調べたが、なんの手かがりも見つからなかった。                                               

★01年11月某日★幻の銘焼酎「百年の孤独」が抽選に当たれば、メーカー小売り希望価格で分けてくれるという酒屋の広告を見て、申し込みに行った。来月上旬、抽選して結果を連絡するとの酒屋の話。いまは正規値段の5倍以上のプレミアムがついてるだけに、是非とも祈当選。酒屋の棚を眺めていたら、もう一つの銘水焼酎「野兎の走り」を思い出すことができた。アルコールは偉大です。                                                

★01年11月某日★夕飯にサシミを食べた。脂がのって旨い。家人が訊く。「何のサカナか」。分からない。家人曰く「うちで一番よく食べるサカナ、鰆や」という。なんべん言うても覚えへん。みそ漬けにしてもよう食べているはずと念押し。不満そうであった。誠のない話と思っているのに違いない。                                                

★01年11月某日★中島みゆきのレンタルCDを借りに行ったが、なんと姓が出てこない。あわてた。仕方なく「あ行」から順番に見ていった。バカな話だな。長淵剛なんかが出てきたのに、まだ思いだせなかった。

★01年11月某日★また忘れた。学校の教卓のマイク用のキー。自宅で着替えようとしたらポケットにあった。あわてて学校に連絡したが、なんという失敗、信用失墜でんな、これは。  

★01年11月某日★北部同盟がアフガンの首都カブールを制圧。なぜかNHKニュースやその解説はうれしそう。かつての大本営発表みたいに時々刻々、戦況を伝えることに意味があるとは思えない。この戦況ニュースに追われてどれくらい国内の必要ニュースが影に隠れてしまっているのか。わが取材経験から言うと、こういうホットニュースの「夜陰」に紛れて、別の大事なことがニュースにならないまま思惑通りに進行していることがある。この時期のこと、忘れないで覚えておこう。                                                  
★01年11月某日★ほとんど不毛のヘッドを持っている男性の話。シャンプーを買ったら五年はある、という。二重におかしな話。第一、シャンプーなんか買うわけないよな、そんな人は。

                                                    
★01年11月某日★コタツでウトウトと三十分昼寝した。目が覚めると、目前の宙に透明の小さなシャボン玉のようなものが浮いている。視線を動かすと、その透明の玉はゆっくりと下降したり、上昇したりした。こんな経験は初めてだ。よく言われる飛蚊症の一種かなと眺めていた。このあと散髪屋さんに行ったら、大きな鏡にも透明玉が動いていた。他人に言っても分からない幻の宇宙遊泳飛行物体だ。いよいよ幻覚が現れ出したか。血圧降下剤のチェンジの影響か。ウーム。
                                                  
★01年11月某日★CD十枚から気に入りの曲をMDに集めた。最後に入れようと横に取り置いてCD一枚が、どういうわけか所在不明になった。狭い家のどこに神隠しにあったのか、さっぱり分からない。どうしてこうも必要なものに限って、いざというとき、わからなくなるのか不思議千万な話だな。                                              
                                                         
★01年11月某日★お世話になった放送関係者にお礼のメールを出さなくては、と思いながら忘れ続けている。だんだんタイミングが悪くなってきた。こうして不義理を重ねて行くのだなあ、と我が性分のヤワなところに慨嘆している。アーアー。                         
 
★01年11月某日★クルマに積んだモノを忘れて、取りに戻ったら、ドアロックも忘れていた。


★01年11月某日★比叡山登山の帰り、琵琶湖畔の浜大津に立ち寄った。この町はおよそ四十年前の最初の赴任地。いつも通った琵琶湖汽船乗り場に向かう交差点の街角は思いっきりよく跡形なかった。仕事が終わると、よく飲みに行った殺風景な店を思い出そうとしたが、片鱗も浮かばなかった。なんとなく薄倖そうな口数少ない痩せた女性がカウンターの向こうにいたことだけは、よみがえりましたが、、、、。                                          
           
★01年11月某日★病院での目撃話。お年寄りの男性、待合室で医師に名前を呼ばれてからイスを立ち上がるのに数分かかった。杖をささえにしてこうである。見かねて隣りの女性が体を支えてあげて、診察室へ。さらに隣りの実年男性、戻ってきた親切女性に「介添えしてやると余計に一人立ちができないから、助けない方がいい、と私は思います」とやんわり。 一理あるな。ところが、その男性、看護婦が持ってきた医師の指示書を手渡されて、顔面蒼白。看護婦に「なんでぼくが胸のレントゲンを撮りにいかんとあかんのですか」とうろたえて、しばらくイスから立てなかった。文庫本を読んでるふりして、長い時間が過ぎるのを待ったものです。                                             
   
★01年11月某日★タナトリル・アムロジン、タナトリル・アムロジン。これは血圧降下剤の名前で、無縁のものには呪文のようなものだろうが、今日、病院へ言って医師に告げるためにまさに呪文のように唱えて行った。「どんな名前のクスリを飲んでるか」と聴かれたときに即答するためである。紙に書いていけばいいものを、すらっと口に出せるという見栄を張りたいんだな。めでたく言えて、新しい二種のクスリと変更となったが、こっちの方の名前は全然まだ覚えていない。                                                      
 
★01年11月某日★大和都市管財なんとかが詐欺商法で関係者が逮捕されている。また「わいの老後の蓄えをどうしてくれる」と言う愁嘆場が降る雨のごとくである。長生きして何を勉強してきたんかいな、と失礼ながら思ってしまう。大昔の保全経済会事件から豊田商事、なんとか宝石財テクとか、この手のうまい話のタネがつきないではないか。被害者は被害者にちがいないが、「欲と無知」の二人三脚だから、素直に同情できない。忘れないようにしよう。    

★01年11月某日★ラジオをかけていたら、おかしなことを言う2人の掛け合いを聴いた。忘れないうちに書き留めておこう。                                      
「クリスマスの季節やな」                                        
「そや、子どもさんにはプレゼントや」                                 
「おばあさんにはポリデントや」                                     
              

★01年11月某日★年賀状の季節。例によって買ってきた。それで昨年はどのようにして印刷したか、これを憶い出そうとしたが、あいにく何も痕跡が出で来ない。たいぶ首をひねったあげく、パソコンの「筆王」なるソフトで作成したことまでは思いだしたが、えらいもんで、どないして作ったか、マニュアルを完全に忘れている。こんどはユーザーガイドが見つからなくて探している。年内、間に合うんかな。                                       


★01年11月某日★デパートに靴を買いに行った。以前に買ったアメリカのライセンス製品がいいと思ったが、肝心のブランド名が、若い店員さんに言えない。アメリカ製っていっぱいあるんで「アノ、アノ」では話が通じない。くそったれ、もっと覚えやすい名前にしろ、と声には出さず別の品物を買って帰る私でした。                                     


★01年11月某日★六歳の孫娘が遊びにきた。僕の聴いていた音楽を「喫茶店っぽい音楽やね」と言ったのにはびっくり。確かにBGMみたいな曲だからな。そのあとで「モームスとミニモーとどっちが好きか」と問われて、絶句。どっちもわからない。旬の話について行けなくなっているぞ。                                                    


★01年11月某日★文化の日、プールにリハビリに行った。駐車場がガラ空き。その時点で気づかなくてはならないのに、ああ、日祝日は午後四時半クローズなのだ。受付の女性にまた笑われてしまった。口惜しいたっら、ありゃしない。                           


★01年11月某日★モノ忘れにも良性と悪性があるらしい。2001年10月31日付け毎日新聞が高齢者介護の記事の中で紹介している。これまた一挙転載することにする。日本医師会雑誌からの参考とある。                                          
                                  
良性老人性もの忘れと悪性健忘

良性老人性もの忘れ 悪性健忘
病的
有無
生理的で加齢に伴うもの 病的で痴呆性疾患にみられる
記憶・記銘
力障害
記銘力低下が主 記銘力障害とともに想起障害が見られる
病識 自分でもの忘れを認めて努
力する、捜し物が多い
自分で物忘れを認めようとしない、探そう
としないで誰かが盗ったと言ったりする
見当識 日・時・場所がわからなくな
ることはない
日・時・場所がわからなくなる
学習能力 保持されている 著しい障害がある
日常生活 明らかな支障はない 明らかな支障をきたす
進行 きわめて徐々にしか進行し
ない
進行が速い

僕の物忘れ症状は、左側の太字と思いたい。右側の赤字になると、深刻だ。身びいきな
判定をして、ひとまず安心することにする。                            

★01年11月某日★朝一番にやることは、牛乳をチンすること。もう永年の習慣である。今朝はトーストを食べながら、新聞読みながら、CD聴きながら、なにか忘れているような気がしたか゜、そのままカキを頬張っていて、家人が尋ねた。「牛乳は飲まないのか」。ガーン。まさしくガーンだった。なんということか、永年の染み付いた習慣を、今朝は吹っ飛ばしていたのだ。あまりの忘却、欠落ぶりに落胆。失意のうちにヨロヨロと立ち上がり、冷蔵庫に牛乳を取りに行く私でした。エライこっちや、11月のオープニングは。                       


★01年10月某日★オールデイズの懐メロを聴きながら、バーボンの水割りを飲む。これは非常に気に入っている夜の憩いのシーン。「悲しき雨音」とか「ラパーズ・コンツェルト」なんか聴いていると、わが貧しく、うっとしかった青春を思い出すのだが、なんとなんと懐かしさ満載のビートルズナンバーさえ、曲名がすんなり出てこない。ショック、ショック、大ショック。      

★01年10月某日★近くの低山に登ったあと、プールに立ち寄り歩行リハピリ、これは腰痛の防止のためのものだが、という名プランを思いついて、低山に登った。山頂から阪奈の民の暮らしを遠望していたとき、思いだした。水着を持ってこなかったことを。               

★01年10月某日★「?痴呆の危険信号?」という刺激的なコラムが朝日新聞2001年10月20日付けにあった。少し長いが、全文掲載に踏み切る。(というほどのことでもないが)。フォーラムとは朝日が開いた「じょうずに痴呆症と向き合うために」(9月21日、大阪)のこと。以下の名前の肩書は引用者が補完した。

  最近気になりませんか? こんなこと。思い当たる場合は、早めに医療機関にご相談ください。(フォーラムで配布された聖マリアンナ医科大学名誉教授、高齢者痴呆介護研究・研修東京センター長、長谷川和夫さん監修のパンフレットから)

記憶力があやふや 同じことを言ったり聞いたりする◇人と会う約束やその日時を忘れる◇最近の出来事が思い出せない◇大切やものをなくしたり置き忘れたりする◇水道やガス栓の閉め忘れが目立つ◇物の名前が出てこない。

どうもやる気が・・・・・ いままで好きだった物に興味や関心がなくなった◇服装がだらしなくなった◇日課をしなくなった◇身だしなみに気をかけなくなった。

今までできていたのに・・・・ 職場や家庭でいままでできていた仕事や作業がこなせなくなった◇簡単な計算の間違いが多くなった。

性格が変わった ささいなことに怒りっぽくなった◇以前よりもひどく疑い深くなった。   

 どうだ、どうだ。思い当たるフシばかりではないか。もう危険信号なのに交差点を渡っている
感じではないか。あ--あ、風前の灯火 !!

★01年10月某日★サプリメントの広告雑誌にあった物忘れの前ぶれとは。
◆どこかにものをよく置き忘れる。        
◆また同じことを聞いてしまった。        
◆捜し物がなかなか見つからない。      
◆聞かれたことにすぐ答えられない。      
◆外出時ガスを止めてきたか覚えていない。
◆昨晩食べたものが思い出せない。     
                                 (ファンケル 「元気生活」11月号)
 この広告では、いちょう葉エキスとDHA(ドコサヘキサエン酸)が効く、とある。ほんとかいな。

★01年10月某日★プールの脱衣用のロッカーには百円コインが必要。コインを確実に入れて水中の歩行リハビリ。なにか物忘れした気分が気になってロッカーに引き返したら、やっぱり、施錠を忘れていた。鋭い第6感というよりも、なんだなあ、何かすると忘れることが習い性になってきたってことか。

★01年10月某日★家人が朝刊を取り忘れている。門灯を消して、ドアを開け、新聞を取り、週二回は配達された牛乳を取り込むのが、毎朝の習慣なのに・・・・。いよいよ痴呆コンビになる兆候が現実味を帯びてきた。恐ろしい「敵機襲来」といえる。要警戒ダ。

★01年10月某日★厳しい失敗があった。もう回復不能かもしれない。前夜、カバンに写真現像に使うメモリーカードを入れて、クルマで外出した。途中でカードのことを思い出してカバンを点検したが見つからなかった。舌打ちしてシブシブ帰宅して机の周りを調べた。改めて、もしやと思い、カバンを点検したら、なんと、ちゃんと仕舞っていたではないか。ああ、なんという時間のムダ、物忘れのひどさ。鬱になりそうな意気消沈だ。

★01年10月某日★万障繰り合わせて水曜日にある会合に出掛けたら、だれもいなかった。やむなく事務所で尋ねたら、その集まりは毎週木曜日です、とのこと。なんということだ。もう三回も出掛けているのに、曜日を間違えるなんて。

★01年10月某日★アフガンの攻撃の的になっている地名は、記憶しがたいところばかり。なのにカンダハルだけは、なぜか既知の地名のように思えてならない。しかし、具体的な事実とはなにも結びつかない。なんでや、カンダハルに既知感を持つのは。それが浮かんでこない。

★01年10月某日★米英がアフガン攻撃に突入せり。かつてパキスタンの山道をジープを運転してくれた白髪のアフガンおじさんを思いだした。帰途、立ち寄ったペシャワールの古都のたたずまいも思いだした。快調な記憶復元力に快哉を叫んだが、あのときのヒゲのパキスタン人ガイドの名前はさすがに思い出せなかった。

★01年10月某日★パス停にいたら、娘さんがやってきた。向かいの家の子で、ずっと小さい頃
はボール投げくらいしたことがある。年頃になると出会っても知らぬ顔をしている。それでもよいが、この娘さんの名前が、思い出せない。駅につくまで思案したが、ダメだった。

★01年10月某日★名画を楽しむ会がて゛きたので、見に行った。ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードの「スティング」が懐かしく、おもしろかった。お二人とも若々しく、動きが軽く、旧友に会ったような言いしれぬ懐かしさを感じた。そのあとが問題。十二月の上映名画はあの「カサブランカ」。すぐに「ボギー」の名前が浮かんだものの、フルネームが出でこない。もう2日間、あれこれ思い、沢田研二も「ボギー、ボギー」と歌っていたこと、トレンチコートの晴れ姿まで思いだしたのに、、、。実に口惜しく、残念。

★01年10月某日★公設の温水プールにリハビリに行った。すでに閉まっていた。日祝日は午後四時で終わりだとうことを忘れていた。2度目の失敗である。せっかく、オープンしているかどうか、市役所の広報誌で確認して行ったのに、この始末。

★01年10月某日★ズボンの尻のポケットにサイフを入れたまま洗濯したという失敗談を山仲間と話題にしていたら、貴重な? 証言が出た。中年男性は、うっかりしてケイタイ電話を洗ってしまったという。その後はノイズが多すぎて、もう使いものにならないとぼやいている。女性は、息子のジーパンに時計がはいっているのを知らずに洗濯してしまったそうだ。もちろん、バラバラに分解したという。貴重な話なんだが、いずれも忘れたというよりも、これはうっかりミス、点検ミスかもしれない。それにしても、洗濯機もタイヘンだね。


★01年10月某日★九州の山歩きをしてきた山友から、日本一長い駅名を教わった。とても覚えきれないのは、もはや多言を要しないので、ここに記しておきます。南阿蘇鉄道の" 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅 "です。しかし、本年4月に上を行く駅名が登場した。それは島根県一畑鉄道の" ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅 "だそうです。私なんか書いた途端に、もう一度復唱できない名前です。車掌さんも困るだろうな。

 


★01年9月某日★市役所からハガキが届いた。表書きは合っているが、ウラは白紙。なんじゃい、これ。印刷洩れなのだろうが、裏書きも確認せずに送付したらしい。役人は気楽なもんだ。
市役所に向かって、脱帽。

★01年9月某日★夜、洗濯をしていた家人が奇声を上げて来た。手に濡れた財布を持っていて言う。ズボンのお尻のポケットに財布が入っていた。洗濯してしまった、と。山から帰ってズボンをそのまま洗濯機に放り込んだのだ。いつもなら、ポケットから取り出すのに。いよいよ痴呆老人化しつつあるようだ。

★01年9月某日★疲れて都心の交差点で信号待ちをしていたとき、目の前に止まっている
貨物車の腹の文句が解らなかった。「ルーボチッャキみえほほ」。どこの国の言葉だろうと
ぼんやり考えていた。貨物車が動き出して解った。逆に読んでいたのだ。そんなことに気が
回らなくなっていることに愕然、愕然。

★01年9月某日★ネットのソフト利用のために、いろいろなバスワードを登録しているが、ほとんど思い出せない。再度、打ち直しを要求していくるものが多いだけに、これは難儀。やっぱりパスワード一覧のメモを作らなければならない。なにしろ、自分のホームページのアト゜レスさえ正確を期すのが大変なのだから。

★01年9月某日★トイレの電気を消し忘れるといつも小言を言う家人も、よく忘れている。朝の門灯の消し忘れ、新聞や牛乳の取り込み忘れ等、続々。恐ろしいのは、ガスに鍋や薬缶を掛けたまま、他の仕事にかまけていること。グラグラ煮えたぎっているのを見ると、恐怖、恐怖。

★01年9月某日★ 夜、ボランティア先の事務所の女史から電話があった。月曜に来るとのお話でしたが、月曜は振り替え休日ですとのこと。そうだった。まったく忘れていた。勤め人でなくなると、この曜日と日祝日の感覚が鈍くなる。

★01年9月某日★海外旅行したら、一段と緊張する。うっかりパスポートを置き忘れたりすると致命的ピンチになると思うと、気が気でない。なんとかいい方法がないのかな。首から吊す、ウエストに巻く。どれもダサイもんね。

★01年9月某日★山仲間にコーヒーを飲んでもらおうと、ガスコンロをセットした。それから鍋を探して驚いた。なんと鍋を忘れていた。恥ずかしい話は、この日続くのである。デジカメで記念撮影をしようと、構えたら、なんとメモリーカードが入ってなかった。この調子だと、そのうち相手にされなくなりそうだ。ウウウッウ


★01年8月某日★92才の女性が、テレビの対談て゜「このごろモノ忘れするようになった」と話していた。92才にとって「このごろ」とは、「いつごろ」を指すのかな。

★01年8月某日★痛風のリハビリのために市営の温水プールに出掛けた。歩いている途中、ペットポトルを忘れたことを思い出した。自販機で料金を支払ったあと、ズボンのどこを探っても 会員カードが出てこなかった。もう、ほとんど痴呆に近くなってきたなあ。

★01年8月某日★山て゜うどんスキでもやるかと家人と出掛けた。鍋を仕掛けた。空の色は秋の気配。いい 気分でいたのに、煮えたところで、あわてた。取り皿をもってくるのを忘れていた。

★01年8月某日★日曜の朝、外に出ると、近所のおばさんたちが、掃除道具を持って帰ってきたところ。アレッー、当ブロックがリボン通りの清掃担当の日だったんだ。すっかり忘れていて間の悪いこと。どちらの方向ともつかない方角へ、ペコリ頭を垂れて、車で出発。ヤレヤレと思ったとたん、山靴を積み忘れたことをひょいと思い出して、Uターン。まだ、いたんだな、奥様たち。立ち話なんかしていていて。ウーム。

★01年8月某日★小泉変人総理、靖国参拝。現在の日本の平和と繁栄は戦陣に散った幾多の 犠牲者の礎のおかげとかの言説。そんなことはありません。過った国策のおかげでボロボロ にされて生き残った幾多の国民の必死の努力の積み重ねの結果です。侵略されてやむなく立ち上がった戦いではなくて、こちらから侵略したのです。加害者の立場を犠牲者と言うのは、ムリがある。肝心なことを忘れたふりをして、被害者みたいなことを言うのは、 筋違いというものです。近隣諸国が怒るのは当然です。                                      

★01年8月某日★右足首の猛烈な痛みに襲われ、金剛山登山の途中、キブアップ。山頂で友人と待ち合わせていたので、ロープウエーで登った。帰宅後、整形外科医宅の裏口で懇願して
(お盆休みの最中なのだ)診察してもらったら、なんと痛風とわかった。痛風なら自慢じゃないが、以前二度も七転八倒の苦痛を味わっている。今回は発症場所がことなるので、てっきり捻挫か骨折と思い、痛風のことなんか思いもよらなかった。喉元すぎれば熱さ忘れる醜態でした。

★01年8月某日★近着の山仲間のメーリングリストを読んでいたら、究極の物忘れケースがあった。マイカー登山で蓼科についたら、ザックを忘れていたことに気づいたという。道中、助手席の奥さんが「あなたに買ってもらったサングラス忘れた、ストック忘れた」というのを聞き捨てていたという。いつも山靴をトランクに積み込んでいるので、てっきりザックも、と思いこんだと反省していた。

★01年8月某日★ 山上でおばさん登山者の会話から。ふだん何にも注文しない旦那が、そのときに 限ってビールのつまみに何か、といったんや。冷蔵庫を開けたら、前夜作ったまま忘れていたおかず あったん。前の晩、出すのを忘れていたんやけど、そんなことはめったにないのね。そのうえ旦那が何か 催促することなんて,めったにないのにね。おかずが呼んでたんかな、とキャッキャッ、笑っていた。(そんなことありませんヨ、奥さ ん、うっかり忘れていた だけですよ)

★01年8月某日★家人いわく。満期がきた郵貯の手続きをしていない。いや、先月したのではないか、そんな覚えがない。そうかなあ。ということで 郵便局に行ったら、やはり先月ちゃんと始末していた。ヨクボケ婆さんが来たと笑われた、のに違いない。ったく、痴呆二人三脚だな。                                              

★01年8月某日★さる出先で立て替えていた少額のお金を返してもらったが、仕事をしていたので、ポケット にいれなかったところ、机の上に置き忘れたまま帰宅してしまった。   


★01年7月某日★「精的にぎゃくたい」された「じゅ軍維あん婦の問題はゆるせない」などと答案を書く女子学生がいる。漢字を忘れたのか、はじめから知らないのか。いくら「ゆるせない」といっても、迫力に欠けるんだなあ、こんな文章。

★01年7月某日★また玄関のキーを持ち出すのを忘れて、閉め出されてしまった。家人が帰宅するまで、三十分、蚊に刺されたりして、情けないことになった。

★01年7月某日★阪神がオールスター前に七連勝の快挙。その七連勝目をテレビで見ながら、巨人の一塁にいる選手の名前が思い出せない。広島から移った巨人病症候群の1人なのだ。 それと番組の解説をしている声になじみがあるのだが、これも昔、阪急の監督だったのに、という線から超えられない。こういう事が気になると、試合どころではないのが、困る。

★01年7月某日★クルマを走行中、なんと山歩きのストックがワイパーに絡んで窓の外にあるのに気づいた。あわてて停車して 取り込んだが、ほとんど十キロは走っていた。下山してクルマを置いてあるところについた時、手にしていたストックをワイパーのところに置いたまま 忘れていたのだ。なんという不手際、我ながら呆れて、息を呑んだことでした。

★01年7月某日★歯医者で来週の金曜日に予約をとった。帰りの道でクルマを運転しながら、何曜日だったか、わすれていた。

★01年7月某日★電子レンジで一杯分のお茶をつくろうと蓋を開けると、水の入ったティカップがすでに入っていた。今朝、そのつもりで用意したあと、忘れていたのだ。

★01年7月某日★若年性健忘症というのが増えているとNHK「クローズアップ現代」が伝えている。一例として自分が降りる電車の駅の名前がおもいだせなくて、紙片に駅名をメモ。三度も乗車中に紙片で確認している 青年を写していた。仕事の手順を教えてもらった翌日、忘れることを度重ねて、退職を繰り返している中年の男性もいた。高年者は当然としても、なぜ若年層が記憶を失うのか。 脳機能全体の問題と指摘している。こりゃ、どういうことなんだろうか。

★01年7月某日★さる人へハガキを書いた。山行の途中にポストに投函すればいいや、と思ってリュックに入れておいたまま、数日して別の山行のとき、リュックを点検していて、ヨレヨレのハカ゜キを見つけて、我に帰った。 まったく酷いもんだ。このモノ忘れ、行く先が恐ろしい。

☆01年7月某日☆家人が聞いてきた話。七十老の男性、クスリをもらいに診療所へ。帰りに脱いだ上着を忘れた。電話があって、翌日取りに行ったそうだが、帰りのバスの停留所のペ゛ンチにまた置き忘れたそうだ。上着は一晩ベンチに残されていたが、どういうわけか、クスリはなくなっていた という。クスリはどこへ消えたか。

☆01年7月某日☆アラスカ旅行へ出発前にあわてた実年女性の話。トランクに荷物を収納し忘れたものがあると、再度、ダイヤル式数字合わせの鍵をあけようとしたら、開け方を思い出せなかった。旅行会社に聞いてもラチあかず、トランクを買った店へ連絡、持ち込んですったもんだ。大騒ぎの末、経営者のこの手のものはよく誕生日を使うの一言で、重い扉が開かれたそうな。


★01年7月某日★ピッキング盗難除けにつけた鍵の話だか、永年の習慣というものは、恐ろしいもので、就寝するときも鍵かけるのをしっかり忘れているし、外出先 から帰っても、二つの鍵を開ける手はずが浮かばず、家の中に入れなかった。なにしろ十九年 間、鍵一つで暮らしていたんですから、新しい行動は身につかない。

★01年7月某日★ピッキング強盗といって、手品のようにドアの錠前を開けて侵入してくる泥棒が隆盛をきわめているらしい。そんな手合いに狙われたくないので、鍵屋さんに来てもらって新しい鍵をつけた。こ んどはこの鍵を掛けるのを忘れそうだ。ああ、取り越し苦労のタネをまいた感じ。

★01年7月某日★以前、読んだ新聞記事をもう一度探そうとすると、此が実に至難の技である。何日も前の新聞の束をひっくり返す。ページを繰る。失せモノは見つ からず、疲れ果てた。ふとひらめいてネットの新聞社の ホームページでキーワード検索したら、簡単に見つかった。なんと昨日朝の記事だった。いよいよ時間経過が判然としなくなってきた。危うし、わが集中演算装置。でも ないか。

★01年7月某日★文月には、どんな顔をしてモノ忘れがやってくるかと考えていた、先月のモノ忘 れ掲載分が例月よりも少ないことに気づいた。つらつら思うに、これはモノ忘れが減ってきたのでは なくて記事化する事自体を忘れ始めたのだ。これは危険な兆候ではないか。

 


★01年6月某日★山から帰ると、ザックから濡れ物やコップやヘッドランプなんか取り出す。取り出すのはいいけど、しかるべきところに仕舞うのを忘れる から、次回、行く直前になっていつもバタバタ。これってモノ忘れよりも、 単に整理がわるいだけかな。

☆01年6月某日☆趣味の会を主宰する実年女性の話。観察会の当日、用意した資料を持参するのを忘れて大慌て。モノ忘れは連鎖反応を起こすらしく、お昼には新品のデジカメをトイレに忘れたと 天を仰いでいた。もっとも忘れたことを、すぐに気がつくところなんぞ、まだまだ軽症の域。

★01年6月某日★NHKテレビの音楽番組といっても、演歌の歌番組。出演者の名前が どうしても思い出せないのが、二、三人いる。家人に聞いたら、やはり知らないという。新聞の番組表を調べたら、もともと新人なので 知らないのが当然と分かった。恐ろしいのは、新旧の区別がつかなくなっているこしとかも知れない。

★01年6月某日★某所へボランティアの仕事に行った。当日、やるべき仕事のメモを胸のポケットに入れていくのだが、ポケットを探る ことさえ忘れている。はかどらないワケだ。

★01年6月某日★ネパール王朝の惨劇が伝えられた。ネパールの酒を飲んだばかりなのに、妙な因縁。テレビの映像をみていたら、あの王宮通りをブラついた ことが懐かしく思い出された。しかし、王朝一族の名前は、ゼンゼン覚えきれないから、アレがアレにナニしてナンとやら、まことにリアリティ のない話となる。こんな記憶では、たとえば、裁判の証言と言った場面では、証言能力を疑われるだろうな。

★01年6月某日★新聞記事から当座の役に立ちそうなものを切り抜き、A4の紙に貼って保存する。長い間のよき習慣だと自負しているけれども、 最近は貼るだけ。積み重なっている紙のヤマを点検してみたら、なんの目的で切り抜いたか不明のものが多く見つかった。トホホ。

★01年6月某日★大型書店で昔の山岳書籍の名著を探して、ウロウロ。途中でおもしろそうな本をみつけて、ページをめくったりしたもんだから、しまいに 何を探しているのか、分からなくなった。錯乱だね。

★01年6月某日★ネパールの料理と酒をたべよう、飲もうとネットで検索して見つけた店で楽しんだ。コックさんから名刺をもらったものの、 あの独特の長い名前も店名も思い出せない。ロキシー(ネパール焼酎)が利きすきた?

★01年6月某日★ホームページをつくるビルダーのソフトを利用して、しこしこと頼まれたホームページを 創っているのだが、スグに操作方法を忘れる。毎回、一から出直しだ。能率があがらないこと、ヒドイもんだ。 ボランティアだから、まあ許してもらっているが、従業員なら、こりゃ、クビが飛ぶ、ね。ったく。

★01年6月某日★阪奈府県境の金剛山に500回登った。その表彰状をいただけるのだが、式次第の当日、カゼでダウンして しまい、あとは忘れていた。ときどき、思い出して貰いに行かなくてと思いつつ、また 忘れる。記憶の継続力が、まさに浮沈状態となった。


★01年5月某日★家人が使っているバイクのことで、バイク屋のオカミさんから電話 があった。翌日、またあった。同じことを言うので、それはちゃんと家人に取り次いであると返答 したが、取り次いでいたかどうか。自信喪失。

★01年5月某日★人と会う予定にあわせて、バス停に行ったら、出たあとだった。 記憶にある発着のダイヤ表は、全然アテにならないのだ。

★01年5月某日★外務省機密横領事件なる奇々怪々問題で、当時の官房副長官で、いまや財務相の塩川正十郎という塩辛爺が 国会答弁でしきり「忘れた」「錯覚していた」と答弁して逃げているが、こんな「忘れた」が通用するになら、世の中、オシマイだ。 喪失爺を更迭すべきだ。

★01年5月某日★朝食後に飲んだり、点したりしているクスリは、以下の通り。ビタミンEとCの錠剤、降圧剤、タナトリルとアムロジンの二種。そして 目薬二種。このうち、目薬は最近使いだしたのだが、これをしばしば忘れる。なんといっても、点眼薬 の小瓶のラベルに「老人性白内障治療薬」とあるのを見つけたときのショックが大きい。オオ、ついに来たか、ふるえたね。

★01年5月某日★銀行で振り込みした。振込手数料は420円と覚えていて、その分を差し引いて送ったが、明細をみると、 210円だった。ちょうど倍、引いている。強欲と思われるかしら。こんな差額分、また振り込むのも面倒だし、どうしよう。思いこみはダメだな。

★01年5月某日★市民病院で診察を待つ。朝九時前に行き、午後二時十分、病院を出た。この間、気分が悪くなって倒れ、担がれて処置室に入った老年 女性一人。イスから転がり落ちて、扉に後頭部をたたきつけた熟年男性一人。男性は念のために頭部レントゲン撮影と なった。本を読んでいると、「アニータが東京にいたころは、、、」と意味不明なことを二度三度話しかけてくる上品そうな 老女の問いかけに往生した。病院はいまや老年者の悲喜劇の場である。怖いナ、恐ろしいナ。わが身も行く道なのか。

★01年5月某日★降圧剤を2種類飲んでいる。眼科のお医者さんにそのことを話すと、 血圧が落ち着いたときは、カルシュウム拮抗剤の方のクスリを先に止めるべきだ。あれは、副作用がある ようだとの御託宣。あとで、どっちがカルシュウム拮抗剤系なのか、思い出せなかったので、インタネットで 検索した。アムロジンだった。ネット検索サマサマだ。

★01年5月某日★椎名誠の本の名前が思い出せない。かつてたくさん読んだのに、その一冊の名前さえ、浮上しない。

★01年5月某日★撒水のビニール管をつなぐ継ぎ手もって家人がウロウロ。そこへ電話がかかってきて 寿司屋の電話番号を教える羽目になった。箸袋を眺めている間に、継ぎ手が行方不明になったらしく、家人は さんざん室内を探していたが、あきらめて外出していった。なんと箸袋を眺めたテーブルの上に置き忘れてい た。これはかなり重症だ。

★01年5月某日★登山口でクルマを降りるとき、手にストックを持って降りた。靴を山靴に はき直して、隣の女性に尋ねた。「ストックはどこ」。女性はギャッーと驚いた顔。「おおコワッ」 と叫んで、ゲラゲラ笑った。ちゃんと左手に持っていたのだから。こんどは、こっちが「怖いッ」と 叫んだ。なんという醜態。

★01年5月某日★冷蔵庫からヨーグルトの瓶を取り出し、とりあえず、流しに置いた。そして朝刊を 取りに玄関に出て、しっかり新聞を読んでいたら、ヨーグルトのことは失念していた。なお、悪い ことに、なぜ流しにヨーグルトの瓶が放置されているのか、と腹を立てていたことである。

★01年5月某日★ 憲法記念日に風邪を引いてひっくり返っていた。去年の今日は何をしていたのか、微熱のなかで 思い出そうとしたが、片鱗さえ水面に浮上せず、深く落胆せり。


★01年4月某日★李登輝・台湾前総統が来日した。お付きが゙ 12人もいる私人がいるはずがない。政治的 波乱は免れない。日本政府は、日中平和条約の「台湾は中国の一地域」との合意を忘れたふり。シンキロウ 首相の最後ッペ。戦略的記憶喪失は影響甚大。

★01年4月某日★吉野の山におくればせの花見行。電車の中で降圧剤を呑み忘れたことを 思い出す。日常にある習慣をうっかり落とすと、なにやら不安がむくむくと盛りあがってくる。

★01年4月某日★図書館に借りた本四冊を返す。二週間に四冊読んだのは、われながら感心なのだが、 本のタイトルすら覚えていないのが、二冊。これでは、身につかないはずである。 季節は新緑なのに、心の黄昏に吹き抜ける索漠感。ウウム。

★01年4月某日★鞄の中に実印が入っていた。ふだんは認め印ばかり使うのに。なぜ、入ってるのか思い出せない。 家人にきくと、もう一月以上前に銀行に行ったときに使ったまま、元の場所に戻して いなかったのだ。

★01年4月某日★何か大切なことを忘れたので、ぜひここに書いておこうと思ったのに 、ウーム、なんだったか、忘れている。いかんとも仕方なし。

★01年4月某日★映画のビデオ「雨あがる」を借りてきて、家人と見る。濃い森と気持ちのいい人物の登場でおもしろかったが、肝心の主役の男女 俳優の名前が浮かばない。映画の終わり近くになって、ふいに思いだした。寺尾聡と宮崎美子。思い出す前に「ルビーの指環」とか「地球自然紀行の 進行役」ということまで、記憶の糸をたぐっていた。まあ、マシな方か。

★01年4月某日★一年八カ月もの単身赴任中に使っていた自動洗濯機が再登場。リサイクル法の施行で引取料 を支払わなければならないので、古いヤツを廃棄したからだが、まったく見事に扱い 方を忘れている。家人に尋ねられても、どんな仕組みだったのかさえ、思い出せない。十年の歳月にウーンとうなる ばかり。

★01年4月某日★ドライブの道、帰途は橋をわたって帰るという道順をいつも忘れて、 えらく遠回りになる。おかしいのは、どういうわけか、横目に橋を眺めて走りすぎてから、思い出すのだ。

★01年4月某日★山歩きの知人から、いいものもらった。会ったらお礼を言おう、言おうと思いつつ、忘れた。

★01年4月某日★往復ハガキの往信も復信も自分の住所を書いてしまった。これって、モノ忘れというより、単なる ドジか。

★01年4月某日★春のモノ忘れは、どのようにやってくるか。興味津々であったところ 家人からきつい一発。「いつもトイレの電気を消し忘れている」。モグモグの春到来。

★01年3月某日★ミソラーメンが旨いという店に一人で行った。カウンターで帽子を脱いだ。手元から離すと、忘れるぞと警戒 しつつ、案の定、忘れた。小柄な店主が駐車場まで追っかけて来てくれた。親切なオヤジがいる夢中になるほどウマイ店という ことになるか。

★01年3月某日★親戚からキビナゴのクギ煮が届いた。春の便りの一つである。もう三年続けて贈ってくれていると家人が いうが、そうなのか、おぼろな記憶ダ。

★01年3月某日★二泊三日で借りたビデオ、夜遅く、現物を見て返済を思い出した。ウーン、面倒ながらクルマで ひとっ走り。

★01年3月某日★数日前に郵便局から何か通知がきていたはず、と家人がいう。なんのことか、全然思いつかない。それで手紙の状差しを点検したら、たしかに わずかばかりの貯金の満期通知があった。鷹揚な話であるが、おカネにまつわることまで忘れるようでは、相当以上に、生命力も衰えてきたのではないかと、しんみり。

★01年3月某日★家人が不在のときに、家人あてにかかってくる電話の主と用件を 取り次ぐことを、しきりに忘れる。と思っていたら、こんな書評があった。「歳のせいで覚えが悪くなった」は間違い。単なる努力不足。「物忘れがひどい」という愚痴も、 はじめから覚えていない勘違いだという。感動することや興味を持つことが記憶にとって大切なビタミンになるとか。なるほど。「記憶力を強くする」(池谷裕二 講談社)。読んでみるか。

★01年3月某日★森首相がようやく退陣するらしい。この人物は、筆者とほぼ同じ世代。ほぼ六十年以上、同じ時代の空気、同じ 陽光のもとに暮らしていながら、これほど無能な人物になる得るのか、と思うと驚異である。彼は何にか大事なことを忘れている と考えるのは、好意的すぎる見方で、本当は、もともとなかったのに違いない。

★01年3月某日★来年、つまり2002年は、国連の「国際山岳年」にあたる。国連が 登山に関心を持つのか、思ったら、登山もふくむけれども、重点は「持続可能な山岳開発」という趣旨だった。 このことを、さっそく某氏に受け売りしたが、きっちり英語表記を間違えていた。知ったかぷりの罪、ダ。

★01年3月某日★某所に預けてあるものを、立ち寄ったときに持って帰るつもりだったのに、某所を出て、思い出しても引き返すのが億劫なところまで来て、思い出すのだ。 記憶を司る神様がいるとしたら、気まぐれとしか言いようがない。

★01年3月某日★新聞広告で気になる本の広告を見つけると、忘れないように、その部分を破って手帳に挟む。 かくしてのち、大きな書店に行ったときにチェックを入れるのだが、手帳に何枚か 挟んでいることを思い出さないまま、帰ってくるのダ。

★01年3月某日★お気に入りの女優、メグ・ライアンの新作映画、タイトルが覚えられなくて、 鑑賞意欲をそぐ。昔は、みんなもっともらしい邦題がついたが、近年は、原題を 単にカタカナ表記したものにすぎない。いくらシニア料金を設定しても、覚えられない題の 映画なんぞ見に行くか。配給会社の猛省を促す、ほどでもないか。

★01年3月某日★ 痴呆と痴呆もどきとの区別の第一は、本人が モノ忘れ、痴呆症状にあるかどうか、の病識があるかどうかにかかっている とエライ人の話。さあ、何事も認識のあるやなしやが問われている。

★01年3月某日★人類の遺産だといわれるバーミヤンの仏教遺跡を徹底破壊すると 宣言して、実行に移しているとされる、アフガンの実効支配政府、イスラム原理主義勢力と言ったあと、 後の言葉が続かなかった先輩の顔をちらっと見る。タリバンをド忘れして、もどかしがっている表情 だった。分かる、分かる。

★01年3月某日★山友の女性にホームページづくりのソフトの使い方について講習を強要して 押し掛けたのに、その素材になるものを入れたフロッピーを忘れた。用意万端の水が漏れているんだな。ザザ漏れや。

★01年3月某日★五才の孫娘が夢中になっているハム太郎の一族の名前が、なんど孫娘に 聴いてもわからない。なんぺ゛んも聴くと、そんなこともワカラナイノカ、といった 侮蔑の表情が幼い顔にありあり。困ったもんだ。

★01年3月某日★夜半、アリ地獄に滑り落ちて、いかようにガンバッテも這い上がれない 悪夢をみた。ナゼ、だ。トイレに行くのも恐ろしかったが、そもそも、なんでそんな ことになったのか、とっかかりが思い出せない。

★01年3月某日★弥生三月は順調に暮らしているかというと、そうではなくて、次々と モノ忘れしているのだが、その一つ一つを思い出せないくらい頻繁。ボロボロと まるで赤子が飯粒を落とすがごとき情景が目に浮かんで、なんともやる瀬ない。

★01年2月某日★このホームページに掲載している写真の容量を小さくするため、なにかいい圧縮のソフトがないかしら、と山友の女性に尋ねたら、ADOBE社のソフトを教えてくれた。そこで、昨年買ったスキャナーにその普及版が オマケでついていることを思い出した。灯台もと暗し、である。

★01年2月某日★NTT西日本のセールスマンが訪問勧誘に来た。マイラインはぜひウチとご契約を、というものであった。すっかり説明を聞いてから、そのようなハガキが以前、来ていたことを思い出した。なにか関連した引き金があると、以前のこと、振る舞いを思い出せるのダ。

☆01年2月某日☆知人の女性から聞いた話。お葬式に参って、いざ受付で御香典を出そうとした途端、お金を入れてなかったことを思いだしたという。ウーム。危機一髪の記憶蘇生。

★01年2月某日★ジャスコの専門店から電話があった。家人が頼んでいたご注文の品が届いているので、取りに来てほしい、とのことだった。このことを家人に伝えるのをすっかり忘れていて、 翌日夜、ウォーキングしていて、突然思い出した。こういう脈絡は、どうなっているのかな。

★01年2月某日★自宅玄関のキーを忘れた。寒風に長く立ち往生した。しかし、手に持った鞄に入れていたことを 全然思い出さなかった。そういうふうに頭が回らないのが、悔しい。

★01年2月某日★ネパールへトレッキングに出かけた。道中、一休みすると、ストックを忘れた。バランスと脚力不足を補うのに、どうしても必要なのに 気前よく?忘れるのだから、どうしようもない。

★01年2月某日★大山岳風景を楽しみに行ったのに、指さして教えてもらった山名と位置が、身につかない。なんども、教え乞う。ややこしい名前の食べ物も、しかり である。カタカナの長めのものとなると、もうサッパリだ。

★01年2月某日★カトマンズのタメル地区。路地が多く、商店の密集地をウロウロするが、どの道も二度三度歩く。たまに日本語の看板があって、やっと先刻通った道だと気がつく。どの路地も同じに見えて判別に苦しむ。しかし、 三年前に訪れた王宮通のようなメインストリート、観光化されたバザールの広場は、さすがに覚えていて、懐かしかった。これも忘れるようなら、もう旅をする必要がないかもしれない。

★01年2月某日★ちょっと必要があって童謡「めだかのがっこう」を歌ってみたら、一番しか思い出せなかった。それで「赤とんぼ」を歌ってみたら、やはり二番は出てなかった。一番しか頭にこびりついていないのに、ガッカリ。これって、どういうこっちゃ。

★01年2月某日★スーパーの薬局で買い物の品をレジに出してから、財布を忘れたことに気がついた。白衣の女性に平身低頭、回れ右。アーアー。

★01年2月某日★別大毎日マラソンで西田幾維なる駒大出身、エスピー食品所属のランナーが初マラソンにしては サブテンに入る好記録を出した。それをテレビでみていて、元ダイエー所属の快速ランナーの名前を思い出そうとしたが、ダメだった。ソウル五輪・マラソンで4位入賞したにも関わらず、当時の中内社長から「優勝しなければ 4位もしんがりも同じだ」と酷評されたことと、つい最近、当の中内氏が創業のダイエーから追われるように全面撤退したことを結びつけて考えていた。何がどうなることやら、一寸先は闇だな。