健 忘 録 U

まさかまさかの物忘れ 改題

★は筆者   ☆は投稿者及び協力者の体験です

★00年9月某日★テレビでひさしぶりにフォークの拓郎を見た。黒メガネなんか掛けちゃって。ただし、今もって拓郎の苗字はなんだったか、思い出せない。

★00年9月某日★忘れ物をしないように、メモを壁にピン止めすることはおろか、ブツまでスーパーの買い物袋なんかに入れて、壁にぶら下げている。しかし、ある期間たつと、なんために袋をぶら下げているのか、中身を点検しても分からない。たくさんの写真のネガ、これをどうしょうと考えていたのかな。五輪たけなわ。100キロ超級のモノ忘れだな。

★00年9月某日★家人の妹からの電話をとる。聞いた声だ、誰れだったか、アタマの中をクルクル回転させたが、家人に引き継ぐまで分からなかった。

★00年9月某日★お彼岸の連休の初日を日曜日、翌日をハッピーマンデーの休日と思いこんでいた。実態は土日。これでは、全部ズレてくる。話が合わないはずだ。モウロクしたな、これは。

★00年9月某日★山で「ウドンすき」をやるべしで、引き出しを開けたら、新品のガスボンベがたくさんあった。オヤッ。なんで、こんなにと思ったが、あとで昨年暮れに備蓄用にまとめ買いしたことを思い出した。しかし、翌日、山仲間と話をするまで、それがYK2問題のためのものだったことを忘れていた。YK2、あれはなんだったのか。

★00年9月某日★NHK教育テレビに「とっさのひとこと」と題して、短い英語の慣用表現の使い方をやっている番組がある。同じ番組を何度も繰り返してやっている。昼飯食べながら、この番組を目にすることが多いが、驚くべきことに、なんにも慣用表現を覚えていない。モノにならないはずだ。

★00年9月某日★或る番組のテープを貸してあげると友人に約束しているのに、またまた忘れた。そもそも「貸すこと」自体を忘れているから、「テープ」と言われても、とっさに反応しない。友達甲斐のない話だな、ったく。

★00年9月某日★持っている本をまた買ってしまう。サガンの「悲しみよこんにちは」三冊。金田一春彦の「日本語の特質」、中村明の「文章をみがく」。いずれも二冊になった。サガンなんか、ちっとも感心しないのに、なんて゛かな。

☆00年9月某日☆家事を二つ、同時並行してやると、忘れると専業主婦の弁。たとえば、洗濯機に水を入れながら、他のことをする。お茶をわかしながら他のことをやると、てきめんに一方がお留守になると嘆く。わかる、わかる。

☆00年9月某日☆英語の先生の話。単語の訳を知ろうと辞書を引くと、ちゃんとアンダーラインが引いてある。発音記号にもチェックがいれてある。以前、しっかり調べているのだ。クヤシイったらありゃしない。

★00年9月某日★散歩の道すがらの小学校の前にしゃれた名前のフランス料理店ができた。「しゃれた」と思ったのは、つかの間で、その後いっさい店の名前が浮かばない。カタカナの「しゃれた」ネーミングは、中高年泣かせだな。そういえば、かつての職場のビルの一階にあったフランス料理店の名もぜんぜん忘却の彼方だ。

★00年9月某日★ユニセフとは、なんの略称だったのか。ユネスコとはなんの略称だったのかな。ウーム。

★00年9月某日★メールをもらう。送信者の名前をみて、とっさに誰だったか。反射神経が鈍ってきた。

★00年9月某日★長年、いきつけの飲み屋のバアーサンがなくなった。哀しいな。偲ぶ会があって行ってみたら、かつてカウンターに雁首揃えた先輩後輩の飲み仲間が来ていた。顔に覚えがあるけれど、名前は半分もたどれなかった。哀しい酒やな。

★00年9月某日★百貨店に行った。衣類などをみて、帰宅して、なんだか煮え切らない気分でいて、ふと思い出した。実は百貨店に同居しているレコード屋に行きたかったのだ。そちらを完全に失念していた。ストライクゾーンをかすめながら、ボールになる忘れ方が目立つなぁ。

★00年9月某日★壁にピン止めした紙片をみたら、今日が診察日の内科予約券。よくぞ、まあ、気がついたものだと病院に出かけたが、その予約券を持っていくのを忘れた。


★00年8月某日★旅の友達ら三人で一夜、思い出話にはずんだ。払いは、あとで割り勘ということであったが、サヨナラ寸前まで誰も気がつかなかった。みんなも劣らず進行している。心強い話だ。

★00年8月某日★今月のMVM(最高に痛いモノ忘れ)。中国の天山山脈まではるばる行ったのに、写した写真がほとんど、オジャン。出発前、足慣らしに行った伯耆大山でカメラをパノラマモードにしていたことを忘れていた。そそり立つ岩山も見晴るかす大草原も、ほとんど天と地が切れていた。ウヌヌ、どうしてくれる!

★00年8月某日★北京最大のチベット仏教寺院を見に行った。しかし、寺の漢字名はわかるか゜教えてもらった現地発音は、ついに思い出せない。行き先を紙に書いて運転手に見せるようなやり方ではも身に付かないのだ。

★00年8月某日★中東和平問題がこじれている。テレビにPLOのアラファト議長の顔が大写しになった。しかし、しばらくは、リビアのカダフィ大佐という言葉しか浮かばなかった。カダフイと違うとわかっていて、それら代わる正解が出て来ない。これは重症だな。

★00年8月某日★スーパーに買い物のメモを持って行ったのに、メモの意味が分からないのが、一つあった。「ヒモ」ってなんだったかな。簡略に書きすぎて、略したことの意味が思い出せない。

★00年8月某日★CDをかけっぱなしにして、歌を聞いているのに、歌い出しの次ぎの言葉が出てこない。一日中、聞いていて、この始末。

★00年8月某日★ テレビ番組で脳卒中の後遺症のため失語症になって苦しむ女性の患者を見た。あれは、すごい。絵本を見せられて、絵の名前が全部わかっているのに、言葉が一つも浮かばない。イラダチ、アセリの表情が痛ましい。

★00年8月某日★「トシを取ると、一日は長いが、一年は早い」。セミ・リタイヤしてオーストラリアに住む五十代男性の著書の一句である。なるほど、ね。

★00年8月某日★バリ島の舞踏家に嫁いだ日本人女性の話しを読んでいて、ふと、かつて着陸したあの島の海辺の空港の名前が出てこないのが気になりだした。どうしても、出て来ないので、読むのを止めて、調べたら、デンパサールだった。ホッ。

★00年8月某日★図書館へ出かけるとき、念のために貸し出しカードを点検した。五冊抱えて、係りの窓口に行って仰天した。ポケットにあったのは、レンタルビデオのカードだった。

★00年8月某日★ペットの魚屋さんに緑色の小さな亀を売っていた。「カメは何を食べるんですか」と質問。不精ヒゲの若い店員は「カメが好きなもんです」。そうに違いないが、これで客への回答か。納得できないので、忘れないうちに、ここに書いておく。

★00年8月某日★モビラート軟膏というのは、筋肉ほぐしの塗り薬。ビブラートというのは、なんだったかな。

★00年8月某日★書類を某所に持っていこうと、車に乗る直前、書類を二階の机の上に置いてきたことを思い出した。感心、感心。書類を取りに戻り、車に乗ろうとして、ウーム、机の上に車のキイを忘れてきた。

★00年8月某日★こんど行く中国の天山山脈について図書館で下調べ。そのメモとコピーをどこに仕舞ったか、出てこない。骨折り損のくたびれもうけ。

★00年8月某日★暑い日盛りに家捜しをして、住宅地の路地をうろうろした。どうしても見つからないので、お米屋さんに飛び込んで道案内を乞うた。なんと、二丁目は一丁目に、中○○町は下○○町と覚えていた。これでは、探せない。

★00年8月某日★友人に暑中お見舞いをとハガキの裏面を書いたが、宛名が思い出せない。御当人の顔がチラチラするのに。


★00年7月某日★ NHKのテレビ番組のビデオ版「シルクロード」をレンタルしてきて見る。しかし、なんと、ごく最近、この番組の、この内容を見たような気がするのだが、皆目見当がつかない。喜多郎の作曲で知られるテーマソングとともに、二十数年前の放送そのものがよみがえったということでは−−−。それにしても、鮮明な記憶。これは一体どうしたことか。

★00年7月某日★奈良の奥地の伯母子岳に登った。道中、「伯母子山」とちがう。「岳」よ、といっていたのに、レポートには「伯母子山」と表記していた。テヘッ。

★00年7月某日★東大阪にある府立中央図書館へ車を走らす。いつのまにか、大東市、四条畷市とすぎて、おかしいと気づく。何度も来ていて、中環の荒本交差点付近のつもりだったのに、外環を走り通りすぎていた。ああ、土地勘、あやうし。

★00年7月某日★同期生会をやろうか、という元の職場の同期からのお誘い。指折り数えて、同期生十数人の名前をチェックしてみたが、数が合わない。だれが欠落しているのか。それが、ナゾ。友人甲斐がないというのか、薄情なのか。

★00年7月某日★自宅から五分の交差点に、またひとつファミリーレストラン開店。信号待ちの間、看板をにらんでいたけど、翌日にはもう何に屋さんだったか、どうにも浮かばない。

★00年7月某日★山友達と話していて、彼と前回行った山の名前が出てこない。道中の話、カミナリに怖い目にあった話、みんな思い出せるのに。

★00年7月某日★ジュリア・ロバーツは、いい女優。日本人の女性なら、あの女優と似ているといいたいが、アノ女優の名前が思い起こせない。目の裏にちらちらイメージが点滅するけれども。 

★00年7月某日★「この暑いときにビールも飲めないのは、つらいですね」、「酒はどんな種類でも、ドクだから止めた方がいい」とつれないことをいう若い医師。「先生は、どのくらい飲むんですか」。「いや、ボクはアトピー症だから、サケはやらないたちなんだ」。ナアーンダ、道理で、サケに冷たいはずだ。こんな医師の名前、忘れて当然。

★00年7月某日★病院の待合室で往来する人たちを眺めていると、実年女性のヘアスタイルが決まって、刈り上げの短髪。マンガの主人公とそっくりなのだが、その名前が浮かばぬ。やむなく「マヌケばあ゛さん」、「手抜きばあさん」、「横着ばあさん」などと連想ゲームをした。病院を出て、熱い日差しを浴びたとたん、「ぐうたらママ」という言葉が不意にとびだした。そうそう、それだった。 

★00年7月某日★「ヤクが切れた」などというと、麻薬患者のようだが、痛風の薬が切れていた。予約検診の朝、念のために薬品名をチェックして医師の所に行ったが、特効薬「コルヒチン」は出てきたが、あとの鎮痛剤「ロキソニン」と胃保護薬「ケルナック」がどうしても出てこなかった。この間、約二時間。二時間も持たない記憶。アーア。 

★00年7月某日★ 忘れていたことを思い出して、また忘れる。波間に漂う浮流物のごとしだ。いまは、沈んでいるときなのか、何を書こうとして、すわったのか思い出せない。

★00年7月某日★ 女子学生のレポートをみていたら、「誤楽の時間」、「あらゆるものを苦使して」、「国民に公献」、「危禁なドラマ」とか、「青少年の強悪犯罪」とか、「日本人の連体館」とか書いてある。本来の文字を忘れさせるほど、リアリティがある。「連体館」なんか、みんな仲良く数珠繋ぎになって右へならへ、という日本人の生活態度の感じが出てて、いいかもね。


★00年6月某日★ 総選挙。また首班指名。クリントン一人なのに、こちらは、七人。そんな趣旨の川柳が新聞にのっていた。森、小渕、橋本、村山、羽田、細川、宮沢だったかしら。その先はエート、エート、まさしくシンキロウのような茫洋の国だな。

  ★00年6月某日★ 次回の講義日。えーと、次ぎは何の話をテーマにするだったかな。これを間違えると、威信、地に墜つ。そう思いつつ、万が一にも、同じテーマで話をしたら、学生たちは、ギクリ、ドキリ、ニヤリかな。それとも、それさえ、関心ないかな。

★00年6月某日★ 図書館に行ったら、一度、手にとってみたいと思っていた本のリストを手帳にはさんだまま、帰宅して「アッ」と気づいた。それでも、思うに、該当の書物がありそうな書棚の近くをウロウロしたな。もしかしたら、潜在意識が呼んでいたのかもしれないな。そこまでなのかな。パッとひらめかないのかな。口惜しい。

★00年6月某日★ 目薬メーカーに脅迫状を送り、2000万円を要求した事件の容疑者は56才だった。脅迫状をコンビニのコピー機で複写したあと、下敷きの原文を取り忘れたことから、アシがついた。哀れにもドジな話。おいおい、大それたことするなら、ちゃんとせんかい。ペーソスを誘うトンマな事件でした。

★00年6月某日★ 昔、お世話になった職場の先輩の訃報を聞いた。身内のお別れ会の後だった。酒席でよく、俺が死んだら「冬の旅」を流してくれと言っていたが、葬儀そのものがなければ、果たしようもない。そんなことだけは、妙に覚えているが、さて、いつもいつも、どんな仕事の話しをしたのか、何も浮上してこない。

★00年6月某日★ 入院している知人を見舞う予定を完全に忘れていた。先月初めに入院、手術後に長いリハビリがあるから、そのときに行く、という約束をしていたのに、忘却の彼方へ。さっそく出かけておいた。また、忘却しないうちに。

★00年6月某日★ 台湾の若い新総統の名前が全然出てこない。板書で一瞬、間があいてしまう。陳水扁さん、気の毒なことです。蒋介石や蒋経国の名前は簡単に思い浮かぶのに。

★00年6月某日★ 水越峠の林道入り口で、中年男性に誰何された。「アケビが生えているか」という。「ある」と答えて、付近の場所を話したが、後で「アケビ」ではなくて、「マタタビ」の木のことを教えたことに気がついた。

★00年6月某日★ カーラジオで「愛のオルゴール」を聞いた。昔、よく聞いたので、作曲家を思い出そうとしたが、ダメだった。後日、フランク.ミルズの名がすっとでた。便秘だな、これは。

★00年6月某日★  堺市の蘇鉄山をクルマでめざした。国道と港が入り組んで、ややこしい。なんどか高架下をくぐり、こんな感じ、こんな感じと土地感を思い出しつつ走ったが、目ざす場所になかなかつけなかった。前回は、1月に行ったのに。

★00年6月某日★ 金剛山の石筆尾根で、聞き慣れた鳥の声を聞いた。「ヒーフー」とか「フー」と間延びした鳴き声。口笛のようでもある。が、例によって名前が浮かばぬ。帰宅して「バードソング」を調べてわかった。なんと「ウソ」であった。トホホ。

★00年6月某日★ 金剛山で高く、清らかにさえずる小鳥がいた。あまりに見事になくので、調べてみてミソサザイと知った。日本では最小の小鳥の一つらしい。と、かつてそれほどときめいたのに、山中ずっと名前が思い出せなかった。ほとんど考える人と化して、頭をひねったが、いらい10日以上へて、不意にファッと名前が出てきた。

★00年6月某日★ 夜、寝るときにその日の食事のメニューを一つ一つ思い出すとよい、と永六輔がいう。とくに昼が思い出せない。

★00年6月某日★ 調べものをしていて、中国の経済特区の一つ、「アモイ」は「廈門」なのか、「履門」なのか、わからなくなった。辞書を引く。ナアーンダ。

★00年6月某日★ 椎名誠の本によると、ご本人は自分のアタマを「スポンジ頭」とか「空気頭」と称して、中身が薄いことを嘆いている。こちらも、よくよく考えたら、「茶筒頭」と思い当たった。上の方から空いてきた。下山中、あまりトントン降りないようにしよう。

★00年6月某日★ 和田秀樹なる精神科医のモノの本で、75才までは、ヤングオールド。それからがオールドオールド。高齢者の健康問題というのは、後者になってから、というココロ強い言説を読んだが、どうもアメリカの話のようだった。

★00年6月某日★ 山で出たゴミは、持ち帰りが鉄則。生ゴミも持ち帰るが、帰宅後、ついザック点検を怠ってしまう。と、次の山行は、腐臭袋。鼻が曲がるね、これは。

★00年6月某日★ 山のお弁当をコンビニで買った。クルマを降りるときにザックに積めばいいや、と助手席に置いた。あとは、いわずもがなの展開。シャリバテの長い山歩きだった。


★00年5月某日★ 某氏の消息を聞こうと、さる人と話したが、どうしても、某氏の名前が出てこない。仕方なく、某氏の奥さんの名前を挙げて「○○さんのご亭主、どうしてる」と言ったが、妙な表現だな。これは。

★00年5月某日★ 山の案内所で、いい話しを聞いた。メモするべきところを、あとで、と先送りしたため、長い下山中、ずっと思い出せぬまま歩いた。

★00年5月某日★ 某紙に興味ある記事が出ていたと聞いて、さる女性にファックス送信をお願いしたのは、確かだった。翌日、フアックスが流れてきたとき、一瞬、なんのことか忘れていた。次に会ったら、そのお礼を言わなくてはならないと思いつつ、念のいったことに、失念した。失念したことを、翌日思い出した。

★00年5月某日★ 夜、朝飯に何を食べたかな、思い出せない。このパターンはしょっちゅうだったが、最近、昼、何を食べたか、それが切れ切れになってしまう。ウーム、進行しているな。

★00年5月某日★ 電話を掛けてきて、名乗った人物が何者か、とっさに思い当たらない。しは゛らく、あやふやな受け答えをしつつ、名前と人物像が結びつく。心細い内情である。

★00年5月某日★ ああ、他人の電話番号なんか、市外局番さえ、思いつかなくなった。ケイタイにいたっては、もう、どうしようもない。

★00年5月某日★ モノの本によると、記憶力というのは、大別して三種ある。一つは記銘力。新しいことを覚えること。二つは保持力。覚えたことを長く保つこと。三つ目が想起力。古いことを思い出すことである。なるほど、記銘力が衰えることは、保守的、進取の気性を失うことにつながるのか。

★00年5月某日★ 人間ドックの検査結果表というものを、もらった覚えがある。血糖値や尿酸値の正常範囲を知りたくて、例によって家捜しするが、どこに仕舞っか、ようとして行方知らず。狭い西洋長屋で、この始末だ。

★00年5月某日★ 図書館で借りてきた本を探したが見つからない。当座の役に立たないし、返却の際にも困る。色々と探索した結果、その本は以前に返していたことに思い当たった。テヘッ。

★00年5月某日★ 山の上は暑かった。上着のシャツをそこに脱ぎっ放し。Tシャツで長くブラブラしたあと、上着を着てびっくり。サイフやクルマのキイを入れていたことを失念していたのだ。考えられない不始末。

★00年5月某日★ 連敗続きの阪神タイガース。愛想がつきて、テレビを切ったあと、4番打者の名前が出てこない。昭和も、阪神も遠くなりにけり。

★00年5月某日★ 柄にもなく、講演を頼まれましたが、いくら粗筋を覚えようとしても、段取りが浮かばない。テキストを読むことにする。もうソラでモノを言うことはできなくなったか。


★00年4月某日★  ついさきごろ、掲載された自分の記事のタイトルが思いだせない。書いた事実。ページの掲載位置までイメージできるのに、具体的なことが浮かばない。ああ、重症。

★00年4月某日★ 登山口にクルマを置いて、数時間後に戻ってみると、ヘッドライトついたまま。扉の錠もしないまま。ドキッ。幸い、バッテリーは上がっておらず、失せモノもなし。それにしても、ヒドイ忘れ方。ひそかに震えた。

★00年4月某日★ かつてよく行った本屋の名前が出てこない。部屋をぐるぐる回って、頭を活性化するが、徒労の旋回。ああ。

★00年4月某日★  読んだ本の中身をすぐに忘れる。手元にないと、ダメだとすると、何十冊もの本を手元に置いておかなければならない。

★00年4月某日★ いつも使っているひげ剃り後のローション。切れてきたので、買い置くように家人に頼もうとしたら、品名が出てこない。そっと確かめに行った。ノド元まで来て、声にならない忘れ方が多くなった。

★00年4月某日★  忘れ物王の小生の後ろから歩いていた山グループの某女史、「藤田さん、スティックはどうした」といきなり誰何されて、仰天。右手にスティック、左手にミネラルウォーター入りのペットボトルを持っていたものだから、一瞬、どういうことかと驚いた。某女史あわてていわく、「ペットボトルにばかりに目が行っていて、スティックに気づかなかった」。こんな錯覚もあるんですねえ。

★00年4月某日★  グループ登山をしていて、林道で一服。立ち上がる際に、率先して「忘れものがないですか」と声かけて歩き出して、すぐに別グループの人から「手袋の忘れ物ですよ」。とんまなことに、小生のもの。率先したお粗末に一同大笑い。赤面する。

★00年4月某日★ フイルムを買いに行った。帰ってカメラを取り出して装填にかかると、これがAPSのもの。わがカメラには猫に小判の新商品。全然、気がつかなかったね、まったく。

★00年4月某日★ 新しいパン屋さんが開店したのを、クルマを運転しているときに見つけた。その後、一度、寄ってみようと探したが、皆目分からない。目印のつもりでいた私鉄駅よりも、ずっと手前だった。その先ばかり徒労の捜索半時間。ほんとうに、もう、なんてこった。

★00年4月某日★ 忘れないうちに、家人に言って置かなくてはと思っていることを忘れると、ひどく消耗する。何だったかな、と頭の隅で反芻するのが辛い。

★00年4月某日★  体調よろしくなく、薬剤を飲んでいる。これが難儀。食後という服用の仕方をすぐ忘れる。やむおえず、起き抜けにビタミン剤を飲む習慣があるので、このとき飲んでいるが、空腹には悪いに違いないな。


★00年3月某日★ クルマの免許証を別の鞄に移したことをすっかり忘れてしまった。一日がかりの遠出をしたのに、不携帯であった。この手の忘却が多くなってきたなぁ。

★00年3月某日★ クルマの車検があった。新しい車検書類が届いたので、クルマに備えなければ、と思いつつ、いつも忘れている。不携帯ということだ、これは。

★00年3月某日★  コンビニでコピーを取った。帰宅して、原板を忘れている事に気づいた。大事なものなので取りに戻った。あった、あった。このケース、過去にもあり、要注意だったのに。

★00年3月某日★  昼飯に食べた麺についてのお粗末。具だくさんの麺で、これはソーメンでもないし、ウドンでもないなと思いつつ箸を運ぶ。「これって何か」と家人に聞くや、直ちに「なによ、ラーメンょ」。そう、そう、どうしてラーメンなんて身近な言葉が尋ねる前に思い浮かばなかったのか。ガク然。

★00年3月某日★ 夕食時、いそいそとビールの用意をするのが、ささやかな楽しみ。グラスを食卓に置き、つまみのピーナツなんかを少しサラに盛ってと、そして、ビールを冷蔵庫から取り出す。そのとき、ごく自然にまた別のグラスを取り出していた。その間、思えば十数秒かもしれない。食卓の二つのグラスをみて、震えたな。かなり重症になってきた。


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★00年2月某日★ 山歩きの最中、汗ばんで衣類の調整のため小休止。再出発のさい、仲間と忘れ物はありませんか、最近はよく忘れますからね、と問いかけして、笑い合ったのに、だいぶ歩いた先で、帽子を脱いだまま忘れていたことに気づく。もう引き返せなかった。

☆00年2月某日☆  テレビに出ている人物の名前を忘れてるという話を中年女性にしたら、オバアチャンと中年夫婦の三人がテレビを見ていて、しよっちゅう「アノ人ダレヤッタ」「アノ人、アノ人」とやっているという。これも怖い話。


★00年1月某日★ 女性登山家の草分け、小倉薫子さんの本を読んでいたら、山好きの63歳の女性が呆けた話が出ていた。いつもリュックを背負って部屋に座り、タンスなどの陰でお花摘み(排泄)するそうな。こわーい話。

★00年1月某日★ 昔、カワイコチャン女優だった加賀まりこがテレビドラマに出ていたが、番組欄で確かめるまで、名前が出てこなかった。それなのに、昔、彼女が「ステテコなんかはいてる男性なんて大嫌い」と、平凡パンチ(古さも古し)なんかで粋がっていたことを思いだした。往時茫々。彼女、今はババシャツなんか着ているんだろなぁ。トシ取ったもん。

★00年1月某日★ 学校から帰宅して、上着を脱いだとき、ポケットに教卓のカギが入っていた。マイクを使うためのものである。あわてて電話したら、予備があるからすぐ来校には及ばぬと勘弁してくれた。ホッ。

★00年1月某日★ コーヒーを飲んだあと、スプーンを鉛筆立てに放り込んでいた。いつも切り抜きなどに使う小さなハサミやボールペンを置くところなのだが、一連の動作の中でやっていたらしい。挙動不審も進行中かな。

★00年1月某日★ 夜が更けて寝る前になって「おやっ、今夜は夕刊読んだかな」。「何言うてんの、さっきまで読んでたのが、そうじゃないの」。家人に一蹴された。ウーム、後に続く声なし。

★00年1月某日★ 「スピード」の解散記念特集のテレビをみていて、過去にも人気の盛りに解散した女性グループがあったことを思い出した。ザ、ピーナツ、キャンデーズ(古いな)。しかし、もう一つの女性コンビが思い出せない。派手なフリや、曲名が出てくるのに。ムネン。

★00年1月某日★ 寒夜、フトンにくるまっていて、ふとクルマの免許更新がいつだったか、気になりだした。起き出して調べると、やはり今年の来月が期限と分かった。珍しくモノ忘れへの先制攻勢であった。

★00年1月某日★ 年末に借りた図書館の本、いつ返済日だったか、思い出せない。読んだ本四冊。読めなかった本四冊。この分だと、読んだ本の内容も忘れているに違いない。

★00年1月某日★ 初日の出を拝みにいこうと、午前六時前、自宅をクルマで出発。およそ二キロ走って、トースターの電源を切ったかどうか、疑念が生じた。しばらく走行したが、思い切ってUターン。電源は切ってありました。今年も幸先よい?初忘れ。